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公開番号2025081562
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2025026091,2021561576
出願日2025-02-20,2020-11-27
発明の名称アンチセンス核酸の毒性を軽減する方法
出願人国立大学法人東京科学大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/113 20100101AFI20250520BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、人工核酸塩基(LNAなど)を組み込んだアンチセンス核酸の強い肝毒性を低減させることを目的とする。
【解決手段】本発明によれば、アンチセンス核酸の配列や人工核酸塩基(LNAなど)の個数を保ったまま、追加的に特定の人工核酸塩基(MCAなど)をウイング領域に付加することにより、アンチセンス核酸による毒性を軽減させて架橋型アンチセンス核酸が提供される。また、本発明は、肝毒性を顕著に低減させたアンチセンス核酸医薬を提供することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
5~15塩基のデオキシリボ核酸からなるギャップ領域、ならびに該ギャップ領域の5’及び3’末端に各々、2~10個の2’,4’-修飾された核酸からなるウイング領域を有する架橋型アンチセンス核酸であって、前記ウイング領域の少なくとも1つにおいて、追加的に1~4個の2’-修飾された核酸が付加及び/又は挿入されている、上記架橋型アンチセンス核酸。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
2’-修飾された核酸が、下記の構造式:
JPEG
2025081562000015.jpg
58
167
[式中、

1
及びR
2
は、独立して、H、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアラルキル基、置換又は未置換のアルケニル基、置換又は未置換のアルキニル基、及び置換又は未置換のアリール基からなる群から選択され;

3
は、H、又は構造:
JPEG
2025081562000016.jpg
37
167
(式中、
JPEG
2025081562000017.jpg
20
167
は、隣接する核酸との結合点、又はOHであり;及び
Xは、S又はOである)
であり;

4
は、H、又は隣接する核酸との結合点であり;並びに
Bは、保護基又は修飾基を有していてもよい核酸塩基の残基を表す]
を有する、請求項1に記載の架橋型アンチセンス核酸。
【請求項3】

1
がHであり、R
2
がメチルである、請求項2に記載の架橋型アンチセンス核酸。
【請求項4】
ウイング領域の各々において付加及び/又は挿入される2’-修飾された核酸が1又は2個である、請求項1~3のいずれか1項に記載の架橋型アンチセンス核酸。
【請求項5】
2’,4’-修飾された核酸が、下記:
JPEG
2025081562000018.jpg
123
152
[式中、

5
及びR
8
は、各々独立して、H、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアラルキル基、置換又は未置換のアルケニル基、置換又は未置換のアルキニル基、及び置換又は未置換のアリール基からなる群から選択され;

6
は、H、又は構造:
JPEG
2025081562000019.jpg
37
167
(式中、
JPEG
2025081562000020.jpg
20
167
は、隣接する核酸との結合点、又はOHであり;及び
Xは、S又はOである)
であり;

7
は、H、又は隣接する核酸との結合点であり;並びに
Bは、保護基又は修飾基を有していてもよい核酸塩基の残基を表す]
からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の架橋型アンチセンス核酸。
【請求項6】
1~4個の2’,4’-修飾された核酸を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の架橋型アンチセンス核酸。
【請求項7】
Xが硫黄原子である、請求項1~6のいずれか1項に記載の架橋型アンチセンス核酸。
【請求項8】
デオキシリボ核酸が8~10塩基長である、請求項1~7のいずれか1項に記載の架橋型アンチセンス核酸。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の架橋型アンチセンス核酸を含む、アンチセンス核酸による毒性を軽減したアンチセンス核酸医薬。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンチセンス効果によって標的遺伝子の発現を阻害又は制御する活性を有するアンチセンス核酸であって、アンチセンス核酸による毒性を軽減した架橋型アンチセンス核酸に関する。より具体的には、架橋型核酸の塩基配列に、2’-修飾された核酸を追加的に付加及び/又は挿入することによって、アンチセンス効果の維持又は増強、及び副作用低減の両立を可能とした架橋型アンチセンス核酸に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、オリゴヌクレオチドは、核酸医薬と称される医薬品としての開発が進められており、特に標的遺伝子の選択性の高さの観点から、アンチセンス法を利用した核酸医薬の開発が精力的に進められている。アンチセンス法は、標的遺伝子のmRNA(センス鎖)の部分配列に相補的なオリゴヌクレオチド(アンチセンス核酸(ASO))を細胞内に導入することにより、標的遺伝子がコードするタンパク質の発現を選択的に阻害又は制御する方法である。
【0003】
ASOとして臨床試験が実施されているパイプラインの大半を占めているのが、PS型ASOである。PS型ASOは、天然の核酸間結合であるホスホジエステル結合のリン酸基の酸素原子の1つを硫黄原子に置換しホスホロチオエート化(PS化)したものである。PS化は、ヌクレアーゼ耐性(非特許文献1)、細胞内への取り込み(非特許文献2)等の点で向上が見られるが、肝毒性等の様々な副作用の原因となっていることが知られている(非特許文献3)。
【0004】
PS型ASOの代表例の1つとして、第二世代の核酸構造と呼ばれるGapmer構造を持つ抗コレステロール血症治療薬としてIonis Pharmaceuticals社により開発されたミポメルセンナトリウム(商品名:Kynamro)が挙げられる。2013年に世界初の全身投与型核酸医薬品としてホモ接合性家族性高コレステロール血症を対象に米国において承認されたが、PS型ASOの持つ肝毒性等の様々な副作用が認められた。また、欧州においては副作用を理由に承認に至っていない(非特許文献4)。
【0005】
上記以外にも、ASOとして、標的RNAに対する結合親和性を向上させた2’,4’-BNA(別名、LNA)、cEt、ENA、AmNA等の架橋型人工核酸が知られている。これらは、いずれも2’,4’-修飾されていることを特徴とし、標的RNAへの高い結合力、活性の向上、ASOの短縮化などからASOの薬効向上に期待されている(非特許文献5)。
【0006】
昨今、架橋型アンチセンス核酸において、構成されるギャップ部分に化学修飾を加えることによって肝毒性を低減する試みがなされている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2018/155450号
【非特許文献】
【0008】
Stein, C. A., et al., Nucleic Acids Res., 16, 3209-3221 (1988)
Zhao, Q., et al., Antisense Res. Dev., 3, 53-66 (2009), doi:10.1089/ard.1993.3.53
Agrawal S., Trends Biotechnol., 14, 376-87 (1996)
European Medicines Agency, EMA/792736/2012, EMEA/H/C/002429, http://www.buenavistainv.com/dbimages/Isis%20Presentation.pdf
小比賀聡及び笠原勇矢、日薬理誌、148、100-104 (2016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の通り、臨床において効果を示すアンチセンス核酸には、人工核酸塩基(LNA)を組み込んだものが有用であるが、これらは強い肝毒性を示すものが多い。一方で、この毒性を回避する方法として、導入するLNAの個数を減らしたり、アンチセンス核酸の配列そのものを変えることも考え得るが、医薬品としての活性が下がってしまうことが多い。したがって、本発明は、肝毒性を低減し、かつアンチセンス核酸の活性を維持又は増強した架橋型アンチセンス核酸及び医薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明者らは、上記のようなアンチセンス核酸医薬を提供することを目的として研究を行った結果、アンチセンス核酸の配列やLNAの個数を保ったまま、追加的に特定の人工核酸塩基を付加及び/又は挿入することにより、アンチセンス核酸による毒性を軽減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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