TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025096260
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-26
出願番号
2024219470
出願日
2024-12-13
発明の名称
硫化物系固体電解質、その製造および使用、ならびにこれを含有する固体電池セル
出願人
メルセデスベンツ グループ エージー
,
Mercedes-Benz GroupAG
,
国立大学法人東京科学大学
代理人
個人
主分類
H01B
1/06 20060101AFI20250619BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】Geを含有せず、かつ、良好な電気化学的及び化学的安定性と高いリチウムイオン伝導性とを有する硫化物系固体電解質を提供する。
【解決手段】下記の一般化学式
Li
(4-x)
[M’
k
M“
1-k
]
1-x
P
x
S
4-z
O
z
を含むか又はこれからなる硫化物系固体電解質であって、
式中、0.33≦x≦0.65、0.1≦k≦0.5および0≦z≦1.0であり、
M’は、Siから選択されていて、かつ、M“は、Snから選択されていて、
ここで、固体電解質の特徴は、CuKアルファ線のX線回折ピークが2θ=29.58°±0.5°であり、この硫化物系固体電解質は、特に高いイオン伝導性、高い化学的・電気化学的安定性、良好な耐加水分解性およびより長いサイクル安定性が際立っており、固体電池セルのサイクル寿命を改善する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
一般化学式(I)
Li
(4-x)
[M’
k
M“
1-k
]
1-x
P
x
S
4-z
O
z
を含むまたはこれからなる硫化物系固体電解質であって、
式中、0.33≦x≦0.65、0.1≦k≦0.5および0≦z≦1.0であり、
M’は、Siから選択されていて、かつ
M“はSnから選択されていて、
ここで、前記固体電解質の特徴は、CuKアルファ線のX線回折ピークが2θ=29.58°±0.5°であることである、
硫化物系固体電解質。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記一般化学式(I)中で、
0.4≦x≦0.6、より好ましくは0.425≦x≦0.575または0.45≦x≦0.55、さらに好ましくは0.475≦x≦0.525であることを特徴とする、請求項1に記載の固体電解質。
【請求項3】
前記一般化学式(I)中、kについて、
0.1≦k≦0.45、より好ましくは0.1≦k≦0.4、
さらに好ましくは0.1≦k≦0.35または0.1≦k≦0.3、
特に非常に好ましくは0.1≦k≦0.25または0.1≦k≦0.2が該当することを特徴とする、請求項1または2に記載の固体電解質。
【請求項4】
前記一般化学式(I)中で、zについて、
0≦z≦0.85、より好ましくは0≦z≦0.8、
さらに好ましくは0≦z≦0.67または0≦z≦0.6、
特に非常に好ましくは0≦z≦0.5または0≦z≦0、4または0≦z≦0.35または0≦z≦0.3、とりわけ0≦z≦0.25または0≦z≦0.2または0≦z≦0.15または0≦z≦0.125または0≦z≦0.1が該当することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の固体電解質。
【請求項5】
前記一般化学式(I)において、酸素が存在し、zについて、
0<z≦0.85、より好ましくは0<z≦0.8、
さらに好ましくは0<z≦0.67または0<z≦0.6、
特に非常に好ましくは0<z≦0.5または0<z≦0.4または0<z≦0.35または0<z≦0.3であり、とりわけ0<z≦0.25または0<z≦0.2または0<z≦0.15または0<z≦0.125または0<z≦0.1または0.1≦z≦0.85が該当し、
より好ましくは、0.1≦z≦0.8、さらに好ましくは0.1≦z≦0.67または0.1≦z≦0.6、特に非常に好ましくは0.1≦z≦0.5または0.1≦z≦0.4または0.1≦z≦0.35または0.1≦z≦0.3、とりわけ0.1≦z≦0.25または0.1≦z≦0.2または0.1≦z≦0.15または0.1≦z≦0.125が該当することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の固体電解質。
【請求項6】
CuKアルファ線を用いたX線回折測定において、前記回折スペクトルは、2θ=27.33°±0.50°の位置にピークがなく、
または、
CuKアルファ線を用いたX線回折測定において、前記回折スペクトルが、2θ=27.33°±0.50°の位置にピークを有し、この場合に、ピーク2θ=29.58°±0.50°で強度Aを有する回折強度(IA)と、ピーク2θ=27.33°±0.50°で強度Bを有する回折強度(IB)とが、以下の式、IB/IA<0.50を満たすことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の固体電解質。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の硫化物系固体電解質の製造方法であって、以下の工程を含み、すなわち、
a)前記硫化物系固体電解質の出発物質を、好ましくは酸化物および/または硫化物塩の形態で準備する工程と、
b)請求項1の前記一般式(I)に従い、前記出発物質を化学量論量で秤量する工程と、
c)前記出発物質の前記秤量した量を1~100時間粉砕する工程と、
d)工程(c)で得られた前記粉砕された混合物を、1〜100時間の間、300℃〜1000℃の範囲の温度に加熱する工程と、
e)冷却後、前記硫化物系固体電解質を得る工程と
を含み、
ここで、工程(b)、(c)および(d)は、湿気を排除した不活性ガス雰囲気中、または湿気を排除した真空中で行われる、方法。
【請求項8】
工程(b)後および工程(c)前に、前記出発物質を、不活性ガス雰囲気下および湿気排除下、または、真空中および湿気排除下で混合する工程を実施し、および/または、
工程(c)後および工程(d)前に、前記得られた粉砕混合物を、不活性ガス雰囲気下および湿気排除下で、または真空中および湿気排除下で、ペレットの形態に加圧することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1項に記載の硫化物系固体電解質を固体電池セル中で使用。
【請求項10】
請求項1から6のいずれか1項に記載の硫化物系固体電解質を含む固体電池セルであって、前記固体電池セルが特に高出力セルである、固体電池セル。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫化物系固体電解質、その製造および使用、ならびにこれを含有する固体電池セルに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
電池技術では、近年、リチウムイオン系の電池システムがますます普及している。これは、特に、その高いエネルギー密度および長いと予測される寿命が際立っていて、その結果、より効率的な電池構成が可能になっている。この場合、リチウムイオンの高い化学反応性および低質量ならびに高い移動度が中心的な役割を果たしている。固体電池では、電極と電解質との両方が固体材料からなる。リチウムイオン電池では、電気化学セルの3相すべて中にリチウム化合物が存在し、すなわち、正極、負極および電解液が、固体リチウムイオン電導体からのリチウムイオンを含有する。ここで、リチウム系固体電池の一般的な利点は、しばしば液体電解液(これは、しばしば可燃性または毒性が高く分解しやすい)が置き換えられ、したがって、リチウム系電池の安全性および信頼性が向上する点である。
【0003】
特に、電気自動車用には、高出力および高容量のリチウム系固体電池の開発に、大きな関心がよせられている。高い電池性能のためには、一般的に、電池の性能を最大限に達成するという観点から、イオン伝導性が良好である固体電解質材料が望ましい。
【0004】
既に2011年には、Kamayaらが一般化学式Li
10+x
M
1+x
P
2−x
S
12
、を有する硫化物系固体電解質を発見したが、式中、Mは周期律表第13~16族の任意の元素である(非特許文献1)。ここで、特に化学式Li
10
GeP
2
S
12
の固体電解質が特に注目されたが、これは、「LGPS系の硫化固体電解質」または単に「LGPS」(
L
ithium-
G
ermanium-
P
hosphor-
S
chwefel、リチウム・ゲルマニウム・リン・硫黄)と称される。発見されたこの材料は、12×10
―3
Scm
―1
の電解質溶液に匹敵する高いイオン伝導性を示した。特にこのLGPSは10
―2
S/cmという記録的なイオン伝導性を達成し、この値はいくつかの液体(特許文献1参照)の値も上回る。
【0005】
しかし、LGPSには多くの欠点がある。すなわち、ゲルマニウム(Ge)は高価である。さらに、ゲルマニウムは、化学的安定性が低く、例えば、電気化学的還元抵抗が低い。特許文献1に記載されているLGPS系の電気化学固体材料では、ゲルマニウムの還元電位は(Li/Li
+
と比較して)約0.25Vにすぎない。これを、動作電位が0.25V未満の負極用の活物質とともに電池中で使用すると、硫化物系固体電解質材料が還元分解して、これにより劣化が生じるという問題がある。
【0006】
純粋なリチウム金属を使った試験では、LGPSは高速で分解し、その際生成された生成物はイオン絶縁性で、その結果セルは、わずかなサイクルの後ですでに、容量および性能を失った。
【0007】
LGPS材料を安定化させる1つの可能性は、結晶構造内での選択的な硫黄サイトに酸素原子をドープすることである(非特許文献2)しかし、この方策はイオン伝導性の大幅な低下を招き、これにより、液体電解質の代替としてのLGPS材料の有用性は著しく制限されることになる。
【0008】
さらに、LGPS材料は水と接触すると加水分解し、有毒なH
2
Sガスを形成する。この湿気に対する高い感度は、この材料が周囲の雰囲気にさらされる場合、エンドユーザーにリスクをもたらし、この材料を加工する際にも問題となるが、この理由は、湿気に対する極めて高い感度を考慮し、かつコスト高の予防措置を講じなければならないからである。
【0009】
従来技術の多数の提案のなかで、以下のものについてのみ説明する。
【0010】
特許文献2からは、例えば、以下の電解質が公知であり、これは、Li
a
SiSnP
b
S
c
O
d
を含む電解質であって、式中、2≦a≦10、4≦c≦12および0≦d≦3.4であり、かつこの電解質は、2θ=30°±1°、2θ=33°±1°および2θ=43°±1°において、一次CuKアルファのXRDピークによって特徴付けられる。bについては、例えば、0.5≦b≦2.5が該当する。ある実施形態によれば、電解質は、Li
10
SiSnP
2
S
4
O
d
である.電解質Li
a
MP
b
S
c
も記載され、式中、M=Si、Geおよび/またはSnである。本発明によればゲルマニウムは存在せず、ここでの結晶構造は本発明によるものとは全く異なる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
日東精工株式会社
端子部品
1か月前
株式会社潤工社
同軸ケーブル
14日前
株式会社ExH
電流開閉装置
16日前
レナタ・アーゲー
電池
1か月前
株式会社クオルテック
空気電池
28日前
個人
鉄心用材料とその製造方法
21日前
エイブリック株式会社
半導体装置
16日前
個人
マルチバンドコイルアンテナ
1日前
株式会社メルビル
ステージ
23日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
16日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
21日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
21日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
21日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
14日前
三洲電線株式会社
撚線
1か月前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
21日前
三菱電機株式会社
漏電遮断器
1か月前
オムロン株式会社
電磁継電器
17日前
豊田鉄工株式会社
コイル部品
1か月前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
21日前
日星電気株式会社
ケーブルアセンブリ
15日前
住友電装株式会社
端子台
15日前
株式会社ダイヘン
変圧器
7日前
中国電力株式会社
移動用変圧器
1か月前
オムロン株式会社
スイッチ装置
14日前
トヨタ自動車株式会社
電源装置
16日前
トヨタ自動車株式会社
電池パック
1か月前
トヨタ自動車株式会社
電池パック
1日前
中国電力株式会社
断路器操作構造
17日前
ローム株式会社
チップ部品
16日前
トヨタ自動車株式会社
電池パック
1日前
トヨタ自動車株式会社
電池パック
16日前
エドワーズ株式会社
冷却システム
21日前
東洋電装株式会社
操作装置
17日前
トヨタ自動車株式会社
電池パック
1日前
住友電装株式会社
コネクタ
21日前
続きを見る
他の特許を見る