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公開番号2025080459
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-26
出願番号2023193617
出願日2023-11-14
発明の名称吊り荷降ろし具
出願人中坪造園有限会社
代理人個人
主分類B66D 3/10 20060101AFI20250519BHJP(巻上装置;揚重装置;牽引装置)
要約【課題】高い作業効率で、かつ、安全性高く、下降速度を制御しつつ吊り荷を降ろす作業をすることができる吊り荷降ろし具を提供する。
【解決手段】シーブ10と、シーブ10を回転自在に支持しているシーブ支持体20と、ブレーキ部30とを具備する吊り荷降ろし具1において、ブレーキ部30を、シーブ支持体20と一体化すると共に、シーブ10より下方でロープRを巻き付けるための柱状部31、33,34を有する構成とする。シーブ10に上方から巻き掛けたロープRの両端部のうち、一方の端部に吊り荷80を結び付け、他方の端部側のロープを柱状部31に巻き付けた上で、更に端部側のロープRを作業者が把持して、使用することができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
シーブと、
該シーブを回転自在に支持しているシーブ支持体と、
該シーブ支持体と一体化されているブレーキ部と、を具備し、
該ブレーキ部は、前記シーブより下方でロープを巻き付けるための柱状部を有している
ことを特徴とする吊り荷降ろし具。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記柱状部として、軸方向が前記シーブの回転支軸と平行である第一柱状部を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の吊り荷降ろし具。
【請求項3】
前記柱状部として、少なくとも一方の端部が自由端である第二柱状部を有しており、
該第二柱状部は、自由端である前記端部において外周面から突出している複数のストッパを有し、複数の前記ストッパの突出方向は異なっている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吊り荷降ろし具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高所から荷物を吊り降ろす際に使用する吊り荷降ろし具に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
伐採された木の枝や建材などを高所から降ろす際に、滑車とロープが使用されることがある。この場合、立木から張り出している枝や、建築構造物において水平方向に延びている構造体などから滑車を吊り下げ、滑車に上方からロープを巻き掛ける。滑車から両側に垂れ下がるロープの両端部のうち、一方の端部に荷降ろし対象の荷物を結び付けて吊り荷とし、他方の端部側のロープを作業者が把持した状態で、把持している力を低減させて、滑車を回転させつつ把持したロープを上昇させることにより、下降速度を調整しつつ吊り荷を降ろすことができる。しかしながら、このような方法では、吊り荷が重い場合に、作業者がロープを把持する力だけで吊り荷の下降速度を制御することは困難である。
【0003】
そこで、ロープを巻き付けるための部分を有する荷降ろし補助具が、提案されている(特許文献1参照)。これは、仮設足場において解体された部材を吊り降ろすことを目的として提案されたものであり、建枠部材の縦支柱の上部に、水平方向より上方に向かって傾斜しているアーム部を有する部材を取り付ける。このアーム部から滑車を吊り下げ、上記と同様に滑車にロープを巻き掛けた上で、ロープの一方の端部に吊り荷を結び付ける。一方、縦支柱の下部に、荷降ろし補助具を取り付ける。荷降ろし補助具は、円筒状のブレーキ部を備えており、このブレーキ部に吊り荷とは反対側のロープを巻き付けた上で、更に先端側のロープを作業者が把持する。円筒状のブレーキ部にロープを巻き付けることにより、ブレーキ部の外周面とロープとの間に摩擦抵抗が生じるため、作業者がロープを把持する力のみで吊り荷の下降速度に制動をかける場合と比べて、大きな制動力が作用する。従って、吊り荷が重い場合であっても、作業者の負担を低減して、下降速度を制御しつつ吊り荷を降ろすことができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1の荷降ろし補助具の場合、荷降ろし場所を変更するために、滑車を吊り下げる位置を変更すると、荷降ろし補助具の取り付け位置も変更しなければならないことが多い。荷降ろし補助具の取り付けには手間がかかるため、荷降ろし場所を変更しつつ荷降ろし作業を進める場合に、作業効率が悪いという問題があった。また、荷降ろし補助具が縦支柱の下部に取り付けられるため、高所で荷物をロープに結び付ける作業等を行う作業者とは別に、地上側にロープを把持する作業者が必要であり、このことも作業効率を低下させる原因となっていた。
【0005】
更に、特許文献1の荷降ろし補助具の場合、吊り荷を結び付けたロープの端部にかかる荷重をWとすると、縦支柱において荷降ろし補助具が取り付けられているポイントをもロープが引っ張ることになるため、そこにもWの荷重がかかり、滑車が吊り下げられたポイントには2Wの荷重がかかることとなる。実際には、吊り荷が結び付けられたロープは、下降を開始する前は多少たるんでいるため、下降を開始してからロープに張力がかかるまでの間、吊り荷は少し落下する。この落下による衝撃荷重を勘案すると、滑車が吊り下げられたポイントには2W以上の荷重がかかる。そのため、吊り荷が重い場合、滑車が吊り下げられたポイントにかかる荷重は非常に大きなものとなり、滑車を吊り下げる対象物に大きな機械的強度が必要となる。例えば、伐採した木の枝を吊り荷とする場合など、立木から張り出している枝に滑車を吊り下げると、枝が折れてしまうおそれもあり、危険である。
【0006】
また、特許文献1の荷降ろし補助具は、丸パイプである縦支柱にブレーキ部を取り付けるためのクランプを備えているが、立木の幹や角パイプなど他の対象物にブレーキ部を取り付ける場合には、このクランプは使用できず、取り付けのための別途の工夫が必要であり、外れないように取り付けるためには技術も必要である。万一、荷降ろし補助具の使用中に、ブレーキ部が意図せず取り付け対象物から外れることがあると、ロープによって引っ張られていたブレーキ部が滑車に向かって飛んで行くことにより、高所にいる作業者に危険が及ぶおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-31903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、高い作業効率で、かつ、安全性高く、下降速度を制御しつつ吊り荷を降ろす作業をすることができる吊り荷降ろし具の提供を、課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明にかかる吊り荷降ろし具は、
「シーブと、
該シーブを回転自在に支持しているシーブ支持体と、
該シーブ支持体と一体化されているブレーキ部と、を具備し、
該ブレーキ部は、前記シーブより下方でロープを巻き付けるための柱状部を有している」ものである。
【0010】
本発明の吊り荷降ろし具を使用する際は、シーブに上方からロープを巻き掛け、シーブの両側から垂れ下がっているロープの両端部のうち、一方の端部に荷物を結び付けて吊り荷とし、他方の端部側のロープを柱状部に巻き付けた上で、更に先端側のロープを作業者が把持する。ロープの一方の端部に吊り荷の荷重がかかり、他方の端部側を作業者が把持することによってロープに張力がかかった状態で、ロープを把持する力を低減させると、巻き付けられたロープが柱状部の外周面に沿ってスライドしようとするが、柱状部の外周面とロープとの間で摩擦抵抗が生じる。そのため、作業者がロープを把持する力のみで吊り荷の下降速度に制動をかける場合と比べて、大きな制動力が作用する。従って、吊り荷が重い場合であっても、作業者の負担を低減して、下降速度を制御ししつつ吊り荷を降ろすことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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