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公開番号2025080261
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-26
出願番号2023193316
出願日2023-11-14
発明の名称油圧ポンプ、油圧モータ
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F04B 49/24 20060101AFI20250519BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】バルブが故障していても、ピストンやシリンダを損傷することなく、ピストンを継続的に往復運動させることが可能な油圧ポンプ及び油圧モータを提供する。
【解決手段】油圧ポンプは、ピストンと、ピストンを往復運動可能に案内するように構成され、且つ、ピストンとともに作動室を形成するシリンダと、作動室に連通する一組の低圧油ライン及び高圧油ラインと、低圧油ラインに設けられるとともに、低圧油ラインを開閉する低圧弁であって、収縮行程にあるときには閉弁し、且つ、膨張行程にあるときには開弁する低圧弁と、高圧油ラインに設けられるとともに、高圧油ラインを開閉する高圧弁であって、膨張行程にあるときには閉弁し、且つ、収縮行程にあるときには開弁する高圧弁と、作動室と作動室の外部とを連通する連通部を有し、ピストンが下死点の近傍にあるときに、連通部を介して、作動室内の圧油を作動室の外部に排出するように構成される排出手段と、を備える。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
ピストンと、
前記ピストンを往復運動可能に案内するように構成され、且つ、前記ピストンとともに作動室を形成するシリンダと、
前記作動室に連通する一組の低圧油ライン及び高圧油ラインと、
前記低圧油ラインに設けられるとともに、前記低圧油ラインを開閉する低圧弁であって、
前記ピストンが往復運動する間において前記作動室の容積を収縮する収縮行程にあるときには閉弁し、且つ、前記ピストンが往復運動する間において前記作動室の容積を膨張する膨張行程にあるときには開弁する低圧弁と、
前記高圧油ラインに設けられるとともに、前記高圧油ラインを開閉する高圧弁であって、
前記膨張行程にあるときには閉弁し、且つ、前記収縮行程にあるときには開弁する高圧弁と、
前記作動室と前記作動室の外部とを連通する連通部を有し、前記ピストンが下死点の近傍にあるときに、前記連通部を介して、前記作動室内の圧油を前記作動室の外部に排出するように構成される排出手段と、を備える油圧ポンプ。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記連通部は、上死点と下死点との間の下死点側に位置するとともに、前記シリンダを貫通して前記作動室と前記作動室の外部とを連通させる貫通孔を備え、
前記排出手段は、前記貫通孔と、前記低圧油ラインのうち前記低圧弁より前記作動室側とは反対側である前記低圧油ラインとを接続する第1ラインをさらに有する請求項1に記載の油圧ポンプ。
【請求項3】
前記連通部は、前記シリンダの内周面に形成されるとともに、前記ピストンが下死点にあるときに前記作動室と前記作動室の外部とを連通させる油溝を備える請求項1に記載の油圧ポンプ。
【請求項4】
前記連通部は、下死点より上死点側に位置するとともに、前記シリンダを貫通して前記作動室と前記作動室の外部とを連通させる貫通孔を備え、
前記排出手段は、前記貫通孔と、前記低圧油ラインのうち前記低圧弁より前記作動室側とは反対側である前記低圧油ラインとを接続する第1ラインと、
前記第1ラインに設けられるとともに、前記第1ラインを開閉する電磁弁と、
前記電磁弁を開閉制御するコントローラと、をさらに有する請求項1に記載の油圧ポンプ。
【請求項5】
前記コントローラは、前記膨張行程において前記ピストンが下死点の近傍にあるときに、前記電磁弁を開弁するように前記電磁弁を開閉制御する請求項4に記載の油圧ポンプ。
【請求項6】
前記コントローラは、前記膨張行程において前記高圧弁が開弁されている、又は、前記低圧弁が閉弁されていると、前記電磁弁を開弁するように前記電磁弁を開閉制御する請求項4又は5に記載の油圧ポンプ。
【請求項7】
ピストンと、
前記ピストンを往復運動可能に案内するように構成され、且つ、前記ピストンとともに作動室を形成するシリンダと、
前記作動室に連通する一組の低圧油ライン及び高圧油ラインと、
前記低圧油ラインに設けられるとともに、前記低圧油ラインを開閉する低圧弁であって、
前記ピストンが往復運動する間において前記作動室の容積を収縮する収縮行程にあるときには開弁し、且つ、前記ピストンが往復運動する間において前記作動室の容積を膨張する膨張行程にあるときには閉弁する低圧弁と、
前記高圧油ラインに設けられるとともに、前記高圧油ラインを開閉する高圧弁であって、
前記膨張行程にあるときには開弁し、且つ、前記収縮行程にあるときには閉弁する高圧弁と、
前記作動室と前記作動室の外部とを連通する連通部を有し、前記ピストンが下死点の近傍にあるときに、前記連通部を介して、前記作動室内の圧油を前記作動室の外部に排出するように構成される排出手段と、を備える油圧モータ。
【請求項8】
前記連通部は、上死点と下死点との間の下死点側に位置するとともに、前記シリンダを貫通して前記作動室と前記作動室の外部とを連通させる貫通孔を備え、
前記排出手段は、前記貫通孔と、前記低圧油ラインのうち前記低圧弁より前記作動室側とは反対側である前記低圧油ラインとを接続する第1ラインをさらに有する請求項7に記載の油圧モータ。
【請求項9】
前記連通部は、前記シリンダの内周面に形成されるとともに、前記ピストンが下死点にあるときに前記作動室と前記作動室の外部とを連通させる油溝を備える請求項7に記載の油圧モータ。
【請求項10】
前記連通部は、下死点より上死点側に位置するとともに、前記シリンダを貫通して前記作動室と前記作動室の外部とを連通させる貫通孔を備え、
前記排出手段は、前記貫通孔と、前記低圧油ラインのうち前記低圧弁より前記作動室側とは反対側である前記低圧油ラインとを接続する第1ラインと、
前記第1ラインに設けられるとともに、前記第1ラインを開閉する電磁弁と、
前記電磁弁を開閉制御するコントローラと、をさらに有する請求項7に記載の油圧モータ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、油圧ポンプ、油圧モータに関し、詳しくは、シリンダとピストンにより形成される作動室の周期的な容積変化を利用し、作動流体の流体エネルギと回転シャフトの回転エネルギとをバルブの開閉制御によって変換するようにした油圧ポンプ、油圧モータに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
シリンダとピストンにより形成される作動室の周期的な容積変化を利用し、作動流体の流体エネルギと回転シャフトの回転エネルギとをバルブの開閉制御によって変換するようにした油圧モータや油圧ポンプ等の油圧機械が知られている(特許文献1参照)。この種の油圧機械においては、バルブが異物を噛み込むことにより故障してしまうと、シリンダ内の圧力が高い状態で維持されてしまう場合がある。このような状態でピストンが往復運動すると、ピストンとシリンダ内壁との異常な摩擦が発生し、焼付きによりピストンやシリンダに損傷が発生してしまう虞がある。
【0003】
この点、特許文献1には、ピストンとシリンダとによって形成される作動室内の圧力を検出して、その検出結果が、油圧機械が正常に作動している場合の圧力変動と異なると、油圧機械に異常が発生していると判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-124848
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、バルブが故障している状態において、焼付きのような損傷を発生させることなく、ピストンを往復運動させる技術については何ら開示されていない。
【0006】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態は上述の課題に鑑みなされたものであり、バルブが故障していても、ピストンやシリンダを損傷することなく、ピストンを継続的に往復運動させることが可能な油圧ポンプ及び油圧モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る油圧ポンプは、ピストンと、前記ピストンを往復運動可能に案内するように構成され、且つ、前記ピストンとともに作動室を形成するシリンダと、前記作動室に連通する一組の低圧油ライン及び高圧油ラインと、前記低圧油ラインに設けられるとともに、前記低圧油ラインを開閉する低圧弁であって、前記ピストンが往復運動する間において前記作動室の容積を収縮する収縮行程にあるときには閉弁し、且つ、前記ピストンが往復運動する間において前記作動室の容積を膨張する膨張行程にあるときには開弁する低圧弁と、前記高圧油ラインに設けられるとともに、前記高圧油ラインを開閉する高圧弁であって、前記膨張行程にあるときには閉弁し、且つ、前記収縮行程にあるときには開弁する高圧弁と、前記作動室と前記作動室の外部とを連通する連通部を有し、前記ピストンが下死点の近傍にあるときに、前記連通部を介して、前記作動室内の圧油を前記作動室の外部に排出するように構成される排出手段と、を備える。
【0008】
作動室内の圧力は、ピストンの往復運動、低圧弁の開閉、及び高圧弁の開閉によって変化する。このため、例えば低圧弁を開弁できないといった低圧弁の故障、又は、高圧弁を閉弁できないといった高圧弁の故障が発生すると、低圧弁を開弁し、且つ、高圧弁を閉弁するタイミング(例えば、膨張行程が始まる直前)にも関わらず、低圧弁が閉弁している状態、又は、高圧弁が開弁している状態が継続してしまい、作動室内の圧力が高い状態で維持される場合がある。そして、このような状態で、ピストンが継続的に往復運動すると、ピストンとシリンダとの摩擦発熱によって作動室内の圧油の温度が上昇し、焼付きによりピストンやシリンダの損傷が生じる虞がある。
上記(1)の構成によれば、連通部は作動室と作動室の外部とを連通している。そして、ピストンが下死点の近傍にあるときには、この連通部を介して、作動室内の圧油を作動室の外部に排出するように構成されている。このため、低圧弁の故障、又は高圧弁の故障が発生していても、ピストンが下死点の近傍にあるときには、連通部を介して、作動室内の圧油を作動室の外部に排出するので、作動室内の圧力が高い状態で維持されてしまうことを防止できる。よって、低圧弁の故障又は高圧弁の故障が発生していても、ピストンやシリンダを損傷することなく、ピストンを継続的に往復運動させることができる。
【0009】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の一構成において、前記連通部は、上死点と下死点との間の下死点側に位置するとともに、前記シリンダを貫通して前記作動室と前記作動室の外部とを連通させる貫通孔を備え、前記排出手段は、前記貫通孔と、前記低圧油ラインのうち前記低圧弁より前記作動室側とは反対側である前記低圧油ラインとを接続する第1ラインをさらに有する。
【0010】
上記(2)の構成によれば、低圧弁の故障、又は高圧弁の故障が発生していても、ピストンの往復運動においてピストンが貫通孔より下死点側にあるときには、貫通孔によって作動室と作動室の外部とが連通され、貫通孔及び第1ラインを介して、作動室内の圧油を一方側低圧油ラインに排出することができる。このため、低圧弁の故障、又は高圧弁の故障が発生していても、作動室内の圧力が高い状態で維持されてしまうことを防止できる。
(【0011】以降は省略されています)

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