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公開番号
2025076874
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-16
出願番号
2023188805
出願日
2023-11-02
発明の名称
電力系統管理システム及び電力系統管理方法
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人第一国際特許事務所
主分類
G06Q
50/06 20240101AFI20250509BHJP(計算;計数)
要約
【課題】電力系統の安定性及び環境基準への遵守を確保しつつ、再エネ電源の接続量を最大化するための電力系統計画を生成すること。
【解決手段】電力系統管理装置は、所定の制約を満たす電力系統設備計画を示す系統計画情報を生成する系統計画生成部と、計画対象地域を複数のメッシュエリアに分割し、各メッシュエリアに関する地域特徴情報を分析することで、各メッシュエリアについて発電可能な電力量を計算する再エネ発電潜在量算出部と、各メッシュエリアに対して所定の距離基準を満たすバスに再生可能エネルギー電源を接続した場合のバスの発電潜在量を算出する再エネ発電潜在量バス積算部と、系統計画情報における系統計画ついて再エネ発電量を最大化する最適化計算を行うことで、系統計画の系統再エネ発電可能量及び排出量を示す系統再エネ発電可能量情報を生成し、出力する系統再エネ発電可能量評価部とを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
電力系統に対する電力系統計画を生成する電力系統管理装置と、
ユーザ端末とが通信ネットワークを介して接続されている電力系統管理システムであって、
前記電力系統管理装置は、
プロセッサとメモリと記憶部とを備え、
前記記憶部は、
前記電力系統の計画対象地域における既存の設備を示す既存設備情報と、
前記電力系統の計画対象地域における新規の設備の候補を示す新規設備情報と、
前記電力系統において発生し得る設備故障の状況を示す設備故障情報と、
前記電力系統における電力供給の予想を示す電力供給シナリオ情報と、
前記電力系統における電力需要の予想を示す電力需要シナリオ情報と、
前記電力系統において接続が要求される再エネ電源を示す再エネ接続要求情報と、
前記電力系統による温室効果ガスの排出量を示す排出量情報と、
前記電力系統における既存のバスを示す電力系統バス情報と、
前記計画対象地域の特徴を示す地域特徴情報と、
を含み、
前記メモリは、
前記既存設備情報、前記新規設備情報、前記設備故障情報、前記電力供給シナリオ情報、前記電力需要シナリオ情報及び前記再エネ接続要求情報に基づいて、対象の期間において、所定の電力供給制約を満たし、且つ、所定の実現可能性制約を満たす電力系統設備計画を示す系統計画情報を生成する系統計画生成部と、
前記計画対象地域を複数のメッシュエリアに分割し、各メッシュエリアに関する前記地域特徴情報を分析することで、各メッシュエリアにおいて再生可能エネルギー電源によって発電可能な電力量を示す再エネ発電潜在量情報を生成する再エネ発電潜在量算出部と、
前記系統計画情報、前記電力系統バス情報及び前記再エネ発電潜在量情報に基づいて、各メッシュエリアに対して所定の距離基準を満たすバスに再生可能エネルギー電源を接続した場合の発電潜在量を積算し、バスの発電潜在量を算出する再エネ発電潜在量バス積算部と、
前記排出量情報及び前記バスの発電潜在量に基づいて、前記系統計画情報における系統計画ついて、再エネ発電量を最大化する最適化計算を行うことで、前記系統計画の系統再エネ発電可能量及び前記系統計画による排出量を示す系統再エネ発電可能量情報を生成し、前記ユーザ端末へ出力する系統再エネ発電可能量評価部、
として前記プロセッサを機能させるための処理命令を含むことを特徴とする電力系統管理システム。
続きを表示(約 2,800 文字)
【請求項2】
前記系統計画生成部は、
前記設備故障情報に基づいて、系統計画において考慮する設備故障の状況を示す事故レベルを判定し、
前記既存設備情報、前記新規設備情報及び前記再エネ接続要求情報に基づいて、前記再エネ接続要求情報に示される再エネ接続要求に対応する既存設備の撤去及び新規設備の設置の可能な組み合わせを示す更新設備候補を生成し、
前記事故レベルに基づいて、前記更新設備候補に対して所定の潮流計算を実行することで、前記更新設備候補の送電容量を計算し、
計算した前記更新設備候補の前記送電容量が前記所定の電力供給制約を満たし、且つ、前記更新設備候補が前記所定の実現可能性制約を満たす場合、前記更新設備候補に基づいて、前記電力系統の運用において生じる諸コストを抑えつつ、前記更新設備候補の設置や、既存の設備の撤去の適切なタイミングや場所の決定を支援する系統計画を示す前記系統計画情報を生成する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電力系統管理システム。
【請求項3】
前記地域特徴情報は
前記電力系統の計画対象地域における日射、風量及び風向を示す気象情報と、
前記電力系統の計画対象地域における土壌品質、地形、土地利用及びインフラを示す土地情報とを含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電力系統管理システム。
【請求項4】
前記再エネ発電潜在量算出部は、
前記計画対象地域を複数のメッシュエリアに分割し、
前記地域特徴情報に含まれる前記気象情報に基づいて、各メッシュエリアについての発電潜在総量を計算し、
前記地域特徴情報に含まれる前記土地情報に基づいて、各メッシュエリアについて、再生可能エネルギー発電に適合する割合である適合割合を算出し、
各メッシュエリアについて、前記適合割合と、前記系統計画情報から予想される設備導入密度とを乗算することで、メッシュの設備導入可能割合を算出し、
前記メッシュの設備導入可能割合と、前記メッシュの発電潜在総量とを乗算することで、各メッシュエリアの再エネ発電潜在量を示す再エネ発電潜在量情報を生成する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の電力系統管理システム。
【請求項5】
前記再エネ発電潜在量バス積算部は、
各メッシュエリアの中央座標を計算し、
前記電力系統バス情報と、前記系統計画情報と、計算した各メッシュエリアの前記中央座標とに基づいて、前記所定の距離基準を満たす対象メッシュエリア及び対象バスを特定し、
前記再エネ発電潜在量情報に基づいて、特定した前記対象メッシュエリアの前記再エネ発電潜在量を積算し、積算した値を前記対象バスの発電潜在量とすることで、前記バスの発電潜在量を算出する、
ことを特徴とする、請求項4に記載の電力系統管理システム。
【請求項6】
系統再エネ発電可能量評価部は、
前記バスの発電潜在量に基づいて前記系統計画情報を修正することで、前記バスの発電潜在量に相当する再エネ模擬発電機を前記バスに対して接続した場合を示す修正済みの系統計画情報を生成し、
前記修正済みの系統計画情報に基づいて、所定の送電容量制約及び所定の発電容量制約を満たしつつ、再エネの発電量を最大化する目的関数を定義し、
前記目的関数を求解することで、前記所定の送電容量制約及び前記所定の発電容量制約を満たしつつ、再エネの発電量の最大値を計算し、
前記排出量情報及び前記再エネの発電量に基づいて、前記修正済みの系統計画情報による排出量を計算し、
前記再エネの発電量の最大値と、前記排出量とを示す系統再エネ発電可能量情報を生成し、前記修正済みの系統計画情報と共に前記ユーザ端末へ出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電力系統管理システム。
【請求項7】
系統再エネ発電可能量評価部は、
前記修正済みの系統計画情報における各系統計画毎に、当該系統計画を実施するための諸コストを示す計画経済評価情報を生成し、前記ユーザ端末へ出力する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の電力系統管理システム。
【請求項8】
電力系統に対する電力系統計画を生成する電力系統管理装置において実施される電力系統管理プログラムであって、
前記電力系統管理装置は、
プロセッサと
処理命令を格納するメモリと、
記憶部とを備え、
前記記憶部は、
前記電力系統の計画対象地域における既存の設備を示す既存設備情報と、
前記電力系統の計画対象地域における新規の設備の候補を示す新規設備情報と、
前記電力系統において発生し得る設備故障の状況を示す設備故障情報と、
前記電力系統における電力供給の予想を示す電力供給シナリオ情報と、
前記電力系統における電力需要の予想を示す電力需要シナリオ情報と、
前記電力系統において接続が要求される再エネ電源を示す再エネ接続要求情報と、
前記電力系統による温室効果ガスの排出量を示す排出量情報と、
前記電力系統における既存のバスを示す電力系統バス情報と、
前記計画対象地域の特徴を示す地域特徴情報と、
を含み、
前記メモリに格納されている前記処理命令は、
前記既存設備情報、前記新規設備情報、前記設備故障情報、前記電力供給シナリオ情報、前記電力需要シナリオ情報及び前記再エネ接続要求情報に基づいて、対象の期間において、所定の電力供給制約を満たし、且つ、所定の実現可能性制約を満たす電力系統設備計画を示す系統計画情報を生成する工程と、
前記計画対象地域を複数のメッシュエリアに分割し、各メッシュエリアに関する前記地域特徴情報を分析することで、各メッシュエリアにおいて再生可能エネルギー電源によって発電可能な電力量を示す再エネ発電潜在量情報を生成する工程と、
前記系統計画情報、前記電力系統バス情報及び前記再エネ発電潜在量情報に基づいて、各メッシュエリアに対して所定の距離基準を満たすバスに再生可能エネルギー電源を接続した場合の発電潜在量を積算し、バスの発電潜在量を算出する工程と、
前記排出量情報及び前記バスの発電潜在量に基づいて、前記系統計画情報における系統計画ついて、再エネ発電量を最大化する最適化計算を行うことで、前記系統計画の系統再エネ発電可能量及び前記系統計画による排出量を示す系統再エネ発電可能量情報を生成し、出力する工程と、
を前記プロセッサに実行させることを特徴とする電力系統管理プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統管理システム及び電力系統管理方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
電力系統においては、既存の設備の老朽化や再生可能エネルギー電源の導入拡大により、送電網のインフラの再構築が余儀なくされている。その中、電力系統の信頼性を確保しつつ、設備投資の効率を最大化することが電力会社にとって大きな課題となっている。
【0003】
従来から、電力系統における再生可能エネルギー源(RES:Renewable Energy Sources)を利用した電源(再エネ電源)による発電量の予測誤差を決定することを目的とした提案がなされている。
例えば、特開2018-506258号公報(特許文献1)には、「風力発電の(a)予測誤差および/または(b)スケーリング誤差を決定するシステムが提供される。当該システムは、風から導出される発電に対する生成時系列および予測時系列を利用し、風の変動における時間的相関を分析して、(a)予測時系列および生成時系列の高周波成分の間の偏差によって定義される予測誤差、ならびに(b)風の変動の正確な予測子に対して時間相関が予測されない程度によって定義されるスケーリング誤差を定量化する。風の変動は、タービンレベルでマルチフラクタル挙動を示すことがあり、かつ/または、電力網レベルでフラクタル構造に修正することができる。メモリカーネルを用いて、予測誤差およびスケーリング誤差を低減することができる。」技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-506258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、クリーンエネルギーの需要が増加するにつれて、再エネ電源の電力系統への導入が拡大している。再エネ電源によって発電される電力量は、日照時間や風向き等、様々な原因により変動するため、電力系統への供給が不安定となりやすい。このため、再エネ電源の普及により、電力系統の安定性に関する懸念が生じている。
【0006】
このような中、電力会社は、限られた予算内で、収益性を考慮しながら、変動しやすい電力需要に適した電力供給が可能なRESの設置を拡大しなければならないという課題に直面している。一方、電力系統を管理する送電事業者などは、再エネ電源の導入を拡大しつつ、電力系統の安定性及び環境基準への遵守を確保する電力系統計画の策定が求められている。
上述したように、再エネ電源の電力系統への接続量を最大化しつつ、変動の予測が難しい電力供給や需要に適した送電線等の設備を、適切な場所やタイミングで設置したり、撤去したりするための計画を立案することが、電力系統を管理する上で大きな経済的な負担となっている。
【0007】
特許文献1には、例えば風力発電などの再生可能発電による発電量の予測誤差を取得し、抑制する手段が検討されているものの、電力系統全体の安定性、温室効果ガスの排出量及び電力事業者への経済的な負担を考慮した電力系統計画の作成は想定されていない。
【0008】
そこで、本開示は、電力系統の安定性及び環境基準への遵守を確保しつつ、再エネ電源の接続量を最大化するための電力系統計画を生成することが可能な電力系統管理手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、代表的な本発明の電力系統管理システムの一つは、電力系統に対する電力系統計画を生成する電力系統管理装置と、ユーザ端末とが通信ネットワークを介して接続されている電力系統管理システムであって、前記電力系統管理装置は、プロセッサとメモリと記憶部とを備え、前記記憶部は、前記電力系統の計画対象地域における既存の設備を示す既存設備情報と、前記電力系統の計画対象地域における新規の設備の候補を示す新規設備情報と、前記電力系統において発生し得る設備故障の状況を示す設備故障情報と、前記電力系統における電力供給の予想を示す電力供給シナリオ情報と、前記電力系統における電力需要の予想を示す電力需要シナリオ情報と、前記電力系統において接続が要求される再エネ電源を示す再エネ接続要求情報と、前記電力系統による温室効果ガスの排出量を示す排出量情報と、前記電力系統における既存のバスを示す電力系統バス情報と、前記計画対象地域の特徴を示す地域特徴情報と、を含み、前記メモリは、前記既存設備情報、前記新規設備情報、前記設備故障情報、前記電力供給シナリオ情報、前記電力需要シナリオ情報及び前記再エネ接続要求情報に基づいて、対象の期間において、所定の電力供給制約を満たし、且つ、所定の実現可能性制約を満たす電力系統設備計画を示す系統計画情報を生成する系統計画生成部と、前記計画対象地域を複数のメッシュエリアに分割し、各メッシュエリアに関する前記地域特徴情報を分析することで、各メッシュエリアにおいて再生可能エネルギー電源によって発電可能な電力量を示す再エネ発電潜在量情報を生成する再エネ発電潜在量算出部と、前記系統計画情報、前記電力系統バス情報及び前記再エネ発電潜在量情報に基づいて、各メッシュエリアに対して所定の距離基準を満たすバスに再生可能エネルギー電源を接続した場合の発電潜在量を積算し、バスの発電潜在量を算出する再エネ発電潜在量バス積算部と、前記排出量情報及び前記バスの発電潜在量に基づいて、前記系統計画情報における系統計画ついて、再エネ発電量を最大化する最適化計算を行うことで、前記系統計画の系統再エネ発電可能量及び前記系統計画による排出量を示す系統再エネ発電可能量情報を生成し、前記ユーザ端末へ出力する系統再エネ発電可能量評価部、として前記プロセッサを機能させるための処理命令を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、電力系統の安定性及び環境基準への遵守を確保しつつ、再エネ電源の接続量を最大化するための電力系統計画を生成することが可能な電力系統管理手段を提供することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の発明を実施するための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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