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公開番号2025076612
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-16
出願番号2023188280
出願日2023-11-02
発明の名称光学式リニアエンコーダ
出願人オークマ株式会社
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類G01D 5/347 20060101AFI20250509BHJP(測定;試験)
要約【課題】不具合要因の特定が可能な光学式リニアエンコーダを提供する。
【解決手段】スケールが内蔵されるスケールユニットと、スケールに沿って直線移動し、スケールを透過又はスケールで反射した光に基づいてA相信号とB相信号とを出力するスライダユニットと、A相信号とB相信号とが入力され、A相信号とB相信号の二乗和の平方根を振幅データとして生成する情報処理部と、を備えるリニアエンコーダであって、情報処理部は、正常時の振幅データC1(x)の集合である第1データセットDS1と、使用後の第2振幅データC2(x)の集合である第2データセットDS2とを生成し(S203)、第1データセットDS1の統計値と第2データセットDS2の統計値との間の有意差の有無に基づいてスケールユニット又はスライダユニットの異常の判定を行う(S204~S220)。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
スケールが内蔵されるスケールユニットと、
前記スケールに沿って直線移動し、前記スケールを透過した光又は前記スケールで反射した光に基づいてA相信号とB相信号とを出力するスライダユニットと、
前記A相信号と前記B相信号とが入力され、前記スケールの絶対位置に対する前記A相信号と前記B相信号の二乗和、又は前記スケールの絶対位置に対する前記A相信号と前記B相信号の二乗和の平方根を前記スケールの絶対位置に対する振幅データとして生成する情報処理部と、を備えるリニアエンコーダであって、
前記情報処理部は、
前記スケールの絶対位置に対する正常時の振幅データの集合である第1データセットと、前記スケールの絶対位置に対する使用後の振幅データの集合である第2データセットとを生成し、
前記第1データセットと前記第2データセットを統計処理し、前記第1データセットの統計値と前記第2データセットの統計値との間の有意差の有無に基づいて前記スケールユニット又は前記スライダユニットの異常の判定を行うことを特徴とする光学式リニアエンコーダ。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の光学式リニアエンコーダであって、
前記情報処理部は、
前記第1データセットの分散と前記第2データセットの分散との間に有意差がある場合に、前記スケールユニットが異常と判定し、
前記第1データセットの分散と前記第2データセットの分散との間に有意差がない場合に、前記スケールユニットは正常と判定すること、
を特徴とする光学式リニアエンコーダ。
【請求項3】
請求項2に記載の光学式リニアエンコーダであって、
前記情報処理部は、
F検定で前記第1データセットの分散と前記第2データセットの分散との間に有意差があるかどうかの判定を行うこと、
を特徴とする光学式リニアエンコーダ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の光学式リニアエンコーダであって、
前記情報処理部は、
前記第1データセットの平均と前記第2データセットの平均との間に有意差がある場合に前記スライダユニットが異常と判定し、
前記第1データセットの平均と前記第2データセットの平均との間に有意差がない場合に前記スライダユニットは正常と判定すること、
を特徴とする光学式リニアエンコーダ。
【請求項5】
請求項4に記載の光学式リニアエンコーダであって、
前記情報処理部は、
F検定で前記第1データセットの分散と前記第2データセットの分散との間に有意差があるかどうかの判定を行い、
前記F検定で前記第1データセットの分散と前記第2データセットの分散との間に有意差がないと判定された場合に、スチューデントのt検定により前記第1データセットの平均と前記第2データセットの平均との間の有意差の有無を判定し、
前記F検定で前記第1データセットの分散と前記第2データセットの分散との間に有意差があると判定された場合に、ウェルチのt検定により前記第1データセットの平均と前記第2データセットの平均との間の有意差の有無を判定し、
前記第1データセットの平均と前記第2データセットの平均との間に有意差があると判定された場合に前記スライダユニットの異常と判定すること、
を特徴とする光学式リニアエンコーダ。
【請求項6】
請求項1に記載の光学式リニアエンコーダであって、
前記情報処理部は、
前記スケールのフルストロークを複数の区間に分割し、
各区間における前記スケールの絶対位置に対する正常時の振幅データの集合を各区間の第1区間データセットとして抽出し、
各区間における前記スケールの絶対位置に対する使用後の振幅データの集合を各区間の第2区間データセットとして抽出し、
F検定を区間ごとに実行し、前記第1区間データセットの分散と前記第2区間データセットの分散との間に有意差があると判定された区間がある場合に、その区間において前記スケールユニットの異常があると判定すること、
を特徴とする光学式リニアエンコーダ。
【請求項7】
請求項6に記載の光学式リニアエンコーダであって、
前記情報処理部は、
前記第1区間データセットの分散と前記第2区間データセットの分散との間に有意差がないと判定された区間について、スチューデントのt検定により前記第1データセットの平均と前記第2データセットの平均との間に有意差があるかを判定し、
前記第1区間データセットの分散と前記第2区間データセットの分散との間に有意差があると判定された区間について、ウェルチのt検定により前記第1データセットの平均と前記第2データセットの平均との間に有意差があるかを判定し、
全区間数に対する前記第1区間データセットの平均と前記第2区間データセットの平均との間に有意差があると判定された区間数の割合が所定の閾値以上の場合に、前記スライダユニットの異常と判定すること、
を特徴とする光学式リニアエンコーダ。
【請求項8】
請求項7に記載の光学式リニアエンコーダであって、
前記スチューデントのt検定と前記ウェルチのt検定は、片側検定であること、
を特徴とする光学式リニアエンコーダ。
【請求項9】
請求項5に記載の光学式リニアエンコーダであって、
前記情報処理部に接続された表示装置を備え、
前記情報処理部は、
前記スケールユニット又は前記スライダユニットの異常の有無を前記表示装置に表示すること、
を特徴とする光学式リニアエンコーダ。
【請求項10】
請求項7に記載の光学式リニアエンコーダであって、
前記情報処理部に接続された表示装置を備え、
前記情報処理部は、
前記スケールユニット又は前記スライダユニットの異常の有無を前記表示装置に表示すること、
を特徴とする光学式リニアエンコーダ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式リニアエンコーダの構成、特に、不具合要因の特定が可能な光学式リニアエンコーダの構成に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
光学式リニアエンコーダは、移動量を検知するエンコーダであり、スケールユニットとスライダユニットで構成される。光学式リニアエンコーダに異常が発生した場合、異常要因を除去し、正常な状態へ戻す必要がある。スライダ、スケールにおける異常を検知する方法として、特許文献1には、異常判定信号において、異常判定信号の信号振幅が定常的に変動する場合にエンコーダ側に異常が発生していると判断し、一時的な場合にスケール側に異常が発生していると判断する方法が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ロータリエンコーダの異常の有無を検知する際に、現在の検出信号振幅と過去の検出信号振幅の差分を算出し、差分に基づいて異常の有無を判断する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7066264号明細書
特開2020-134183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方法では、スケールユニットとスライダユニットの両方に異常があった場合に誤判定が発生する可能性がある。また、特許文献2に記載の方法のように、現在の検出信号振幅と過去の検出信号振幅の差分の算出のみで異常の有無を判断すると、測定長内における異常発生範囲を把握できないという問題があった。
【0006】
そこで、本開示は、不具合要因の特定が可能な光学式リニアエンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の光学式リニアエンコーダは、スケールが内蔵されるスケールユニットと、前記スケールに沿って直線移動し、前記スケールを透過した光又は前記スケールで反射した光に基づいてA相信号とB相信号とを出力するスライダユニットと、前記A相信号と前記B相信号とが入力され、前記スケールの絶対位置に対する前記A相信号と前記B相信号の二乗和、又は前記スケールの絶対位置に対する前記A相信号と前記B相信号の二乗和の平方根を前記スケールの絶対位置に対する振幅データとして生成する情報処理部と、を備えるリニアエンコーダであって、前記情報処理部は、前記スケールの絶対位置に対する正常時の振幅データの集合である第1データセットと、前記スケールの絶対位置に対する使用後の振幅データの集合である第2データセットとを生成し、前記第1データセットと前記第2データセットを統計処理し、前記第1データセットの統計値と前記第2データセットの統計値との間の有意差の有無に基づいて前記スケールユニット又は前記スライダユニットの異常の判定を行うことを特徴とする。
【0008】
これにより、スケールユニット、スライダユニットのいずれに異常が発生しているのかを判定でき、光学式リニアエンコーダの不具合要因を特定することができる。
【0009】
本開示の光学式リニアエンコーダにおいて、前記情報処理部は、前記第1データセットの分散と前記第2データセットの分散との間に有意差がある場合に、前記スケールユニットが異常と判定し、前記第1データセットの分散と前記第2データセットの分散との間に有意差がない場合に、前記スケールユニットは正常と判定してもよい。
【0010】
スケールユニットのどこかに異常が含まれている場合には、第1データセットの分散と第2データセットの分散に有意差が生ずる。従って、第1データセットの分散と第2データセットの分散に有意差があるかどうかを判断することにより、簡便にスケールユニットが全体として異常か正常かを判定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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