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公開番号
2025076478
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-15
出願番号
2025019412,2022560647
出願日
2025-02-07,2021-08-10
発明の名称
偏光フィルム製造用フィルム及び偏光フィルムの製造方法
出願人
株式会社クラレ
代理人
個人
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20250508BHJP(光学)
要約
【課題】収縮応力が同程度の光学フィルムを製造する場合、延伸温度の高温化が抑制され、かつ光学性能が優れた光学フィルムを得ることができる光学フィルム製造用フィルム、このような光学フィルム製造用フィルムを用いた光学フィルムの製造方法及び光学フィルムを提供する。
【解決手段】本発明は、ケイ素含有基及びエチレン単位を有するポリビニルアルコール、並びに可塑剤を含み、前記ケイ素含有基が、シラノール基又は水の存在下でシラノール基に転化し得る基であり、前記ポリビニルアルコールにおける全構造単位に対する前記ケイ素含有基の含有量が0.01モル%以上1.0モル%以下であり、前記エチレン単位の含有量が0.5モル%以上10モル%以下であり、前記可塑剤の含有量が、前記ポリビニルアルコール100質量部に対して1質量部以上20質量部以下である、偏光フィルム製造用フィルムである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ケイ素含有基及びエチレン単位を有するポリビニルアルコール、並びに可塑剤を含み、
前記ケイ素含有基が、シラノール基又は水の存在下でシラノール基に転化し得る基であり、
前記ポリビニルアルコールにおける全構造単位に対する前記ケイ素含有基の含有量が0.01モル%以上1.0モル%以下であり、前記エチレン単位の含有量が0.5モル%以上10モル%以下であり、
前記可塑剤の含有量が、前記ポリビニルアルコール100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であり、
前記ポリビニルアルコール、前記可塑剤及び任意成分である界面活性剤の合計含有量が99質量%以上であり、
単層フィルムである、偏光フィルム製造用フィルム。
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
前記ポリビニルアルコールの粘度平均重合度が1,000以上6,000以下であり、けん化度が98.7モル%以上である、請求項1に記載の偏光フィルム製造用フィルム。
【請求項3】
前記粘度平均重合度と前記ケイ素含有基の含有量との積が100モル%以上2,000モル%以下である、請求項2に記載の偏光フィルム製造用フィルム。
【請求項4】
平均厚さが1μm以上75μm以下である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の偏光フィルム製造用フィルム。
【請求項5】
膨潤度が140%以上400%以下である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の偏光フィルム製造用フィルム。
【請求項6】
非延伸フィルムである、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の偏光フィルム製造用フィルム。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の偏光フィルム製造用フィルムを一軸延伸する工程を備える、偏光フィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルム製造用フィルム、光学フィルムの製造方法、及び光学フィルムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
光の透過及び遮蔽機能を有する偏光板は、光の偏光状態を変化させる液晶と共に液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。多くの偏光板は、偏光フィルムの表面に三酢酸セルロース(TAC)フィルムなどの保護フィルムが貼り合わされた構造を有している。偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコールフィルム(以下、「ポリビニルアルコール」を「PVA」と略記することがある。)を一軸延伸してなるマトリクス(延伸フィルム)にヨウ素系色素(I
3
-
やI
5
-
等)や二色性有機染料といった二色性色素が吸着しているものが主流となっている。
【0003】
LCDは、電卓及び腕時計などの小型機器、スマートフォン、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステム、携帯電話、屋内外で用いられる計測機器など広範囲で用いられている。近年のLCDの高性能化に対応して、LCDの構成要素である偏光板についても高性能化が求められている。具体的には、より優れた光学性能を有し、かつ高温においても寸法安定性に優れた偏光板が求められている。したがって、偏光板に用いる偏光フィルムについても、より優れた光学性能(偏光性能)を有し、かつ高温下における収縮応力が小さいことが求められている。
【0004】
しかしながら、偏光フィルムにおいて、光学性能(偏光性能)を高めつつ、高温下における収縮応力を小さくすることは容易ではない。これは、一般に偏光フィルムの偏光性能と収縮応力にはトレード・オフの関係が成立するためである。すなわち、偏光フィルムの偏光性能を高くしようとすれば収縮応力が大きくなり、収縮応力を小さくしようとすれば偏光性能が低下する。
【0005】
特許文献1には、光学性能及び耐湿熱性等が改善された偏光フィルムとして、少なくとも2500の重合度を有するPVAが用いられた偏光フィルムが開示されている。この特許文献1においては、重合度が4980等の高重合度のPVAがジメチルスルホキシドを主成分とする溶媒に溶解されたPVA製膜溶液を用いて、製膜が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平1-105204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
工業的なPVAフィルムの製造には、環境面、経済性等を考慮し、溶媒として水が用いられたPVA水溶液を製膜溶液として使用することが一般的である。しかし、特許文献1のように重合度の高いPVAを用いた場合、PVA水溶液の粘度が上昇するため、PVAフィルムの製膜性が悪く、工業生産上好ましくない。したがって、PVAの重合度を高める方法以外によって、光学フィルムの光学性能を高める方法が望まれている。また、光学フィルムの製造条件(延伸条件)を同じとした場合、高重合度のPVAを有するPVAフィルムから得られる光学フィルムは、低重合度のPVAを有するPVAフィルムと比較して、収縮応力が高くなってしまう。そのため、高重合度のPVAを有するPVAフィルムを用いた場合、光学性能に優れ、かつ収縮応力の小さい光学フィルムを得るためには、光学フィルムを製造する際の延伸温度を高温化する必要があり、工業生産上好ましくない。したがって、高重合度のPVAを有するPVAフィルムを用いた場合でも、光学フィルムを製造する際の延伸温度を高温化させることなく、光学性能に優れた光学フィルムを得る手法が望まれている。
【0008】
本発明者らは、ケイ素含有基を有するPVAを含むPVAフィルムを用いると、PVA水溶液の粘度上昇を抑制しつつ、得られる光学フィルムの光学性能を大幅に向上できることを見出した。しかしながら、ケイ素含有基を有するPVAを含むPVAフィルムを用いた場合でも、依然として、光学フィルムを製造する際の延伸温度を高温化する必要があった。
【0009】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、収縮応力が同程度の光学フィルムを製造する場合、延伸温度の高温化が抑制され、かつ光学性能が優れた光学フィルムを得ることができる光学フィルム製造用フィルム、このような光学フィルム製造用フィルムを用いた光学フィルムの製造方法及び光学フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的は、
[1]ケイ素含有基及びエチレン単位を有するPVAを含み、前記ケイ素含有基が、シラノール基又は水の存在下でシラノール基に転化し得る基であり、前記PVAにおける全構造単位に対する前記ケイ素含有基の含有量が0.01モル%以上1.0モル%以下であり、前記エチレン単位の含有量が0.5モル%以上10モル%以下である、光学フィルム製造用フィルム;
[2]前記PVAの粘度平均重合度が1,000以上6,000以下であり、けん化度が98.7モル%以上である、[1]の光学フィルム製造用フィルム;
[3]前記粘度平均重合度と前記ケイ素含有基の含有量との積が100モル%以上2,000モル%以下である、[2]の光学フィルム製造用フィルム;
[4]平均厚さが1μm以上75μm以下である、[1]~[3]のいずれかの光学フィルム製造用フィルム;
[5]膨潤度が140%以上400%以下である、[1]~[4]のいずれかの光学フィルム製造用フィルム;
[6]前記光学フィルムが偏光フィルムである、[1]~[5]のいずれかの光学フィルム製造用フィルム;
[7]非延伸フィルムである、[1]~[6]のいずれかの光学フィルム製造用フィルム;
[8][1]~[7]のいずれかの光学フィルム製造用フィルムを一軸延伸する工程を備える、光学フィルムの製造方法;
[9]前記光学フィルムが偏光フィルムである、[8]の光学フィルムの製造方法;
[10]ケイ素含有基及びエチレン単位を有するPVAを含み、前記ケイ素含有基が、シラノール基又は水の存在下でシラノール基に転化し得る基であり、前記PVAにおける全構造単位に対する前記ケイ素含有基の含有量が0.01モル%以上1.0モル%以下であり、前記エチレン単位の含有量が0.5モル%以上10モル%以下である、光学フィルム;
[11]収縮応力が100N/m
2
以下である、[10]の光学フィルム;
[12]偏光フィルムである、[10]又は[11]の光学フィルム;及び
[13]単層フィルムである、[10]~[12]のいずれかの光学フィルム;
のいずれかを提供することで達成される。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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