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公開番号
2025075096
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-14
出願番号
2025028926,2021509407
出願日
2025-02-26,2020-03-23
発明の名称
腎病態の評価を補助する方法、腎病態の評価システム及び腎病態の評価プログラム
出願人
KAGAMI株式会社
代理人
個人
主分類
G01N
33/68 20060101AFI20250507BHJP(測定;試験)
要約
【課題】広い範囲で正確に被験者の腎病態を評価・判定する腎臓病マーカーを提供する。
【解決手段】対象の腎臓におけるD-セリン及び/又はD-アスパラギンの再吸収及び排泄の割合と、血液中D-セリン量及び/又はD-アスパラギン量との組み合わせを指標とする、腎病態の評価を補助する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
対象の腎臓におけるD-セリン及び/又はD-アスパラギンの再吸収及び排泄の割合と、血液中D-セリン量及び/又はD-アスパラギン量との組み合わせを指標とする、腎病態の評価を補助する方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記割合が、前記対象の尿中へのD-セリンの排泄率(対象D-セリン排泄率)及び/又はD-アスパラギンの排泄率(対象D-アスパラギン排泄率)である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記D-セリンの排泄率及び/又はD-アスパラギンの排泄率が、血液及び/又は尿由来の補正因子を用いて補正して算出される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記補正因子が、糸球体濾過量、尿量からなる群から選択される1又は複数の補正因子である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記補正因子が、イヌリンクリアランス、クレアチニンクリアランスからなる群から選択される1又は複数の補正因子である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記補正因子が、クレアチニン量、L-アミノ酸量からなる群から選択される1又は複数の補正因子である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記補正因子が、L-セリン及び/又はL-アスパラギンである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記D-セリンの排泄率が、以下の式:
JPEG
2025075096000013.jpg
34
169
[式中、 U
D-Ser
は、尿中のD-セリンの量を表し、 P
D-Ser
は、血液中のD-セリンの量を表し、 U
cre
は、尿中のクレアチニンの量を表し、 P
cre
は、血液中のクレアチニンの量を表す。]から算出され、及び/又は 前記D-アスパラギンの排泄率が、以下の式:
TIFF
2025075096000014.tif
25
137
[式中、 U
D-Asn
は、尿中のD-アスパラギンの量を表し、 P
D-Asn
は、血液中のD-アスパラギンの量を表し、 U
cre
は、尿中のクレアチニンの量を表し、 P
cre
は、血液中のクレアチニンの量を表す。]から算出される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項9】
前記対象における前記対象D-セリン排泄率及び/又は対象D-アスパラギン排泄率並びに前記血液中D-セリン量及び/又はD-アスパラギン量をプロットした第1対象座標と、 複数の非腎臓病対象における尿中へのD-セリンの排泄率(非腎臓病対象D-セリン排泄率)及び/又はD-アスパラギンの排泄率(非腎臓病対象D-アスパラギン排泄率)並びに血液中D-セリン量及び/又はD-アスパラギン量をプロットした非腎臓病座標から算出される第1基準とを比較し、前記第1対象座標と前記第1基準との関係から、腎病態を評価する工程、を含む、請求項2~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記腎病態を評価する工程が、前記第1対象座標が、前記第1基準に含まれない場合に、前記対象の腎臓病もしくはその罹患リスクを評価すること、又は腎臓病の誘発もしくは予後を予測することである、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、腎病態の評価を補助する方法、腎病態の評価システム及び腎病態の評価プログラムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
腎臓は、体内成分の排泄や吸収により生体環境の恒常性(ホメオスタシス)を維持する重要な臓器であり、老廃物の排出、血圧の調節、体液量・イオンの調整に加え血液や骨をつくる機能を担っている。腎機能を表す代表的な指標として糸球体濾過量(Glomerular Filtration Rate:GFR)がある。糸球体濾過量は、糸球体で血液から1分間に濾過される液量を表し、イヌリンクリアランスの測定はその国際的な標準(ゴールドスタンダード)とされている。しかしながら、イヌリンクリアランスの測定は、2時間にわたるイヌリンの持続点滴、及び複数回にわたる採尿及び採血が必要であり、被験者及び実施者の負担が大きい。したがって、日常臨床においてイヌリンクリアランスの測定は生体腎移植の際のドナーのような限られた状況でのみ実施されるに留まっており、クレアチニンのような他のマーカーの測定で代替される。また、イヌリンクリアランスは急性腎障害のような短時間に腎病態が変化する場合は適用が困難である。多くのマーカーの値はゴールドスタンダードであるイヌリンクリアランス等の実際の糸球体濾過量との乖離が大きく、腎臓病の正確な診断の障害となっている。
【0003】
クレアチニンは、腎機能の指標として臨床現場で汎用的に測定される。クレアチニンは筋肉の収縮に必要なクレアチンの最終代謝物である。肝臓で生成されたクレアチンは筋細胞に取り込まれ、一部が代謝されてクレアチニンとなり、血液を介して腎臓へ運ばれ、糸球体で濾過された後、尿細管で再吸収されることなく尿中へ排泄される。糸球体濾過能力が低下した場合に排出が障害され、血液中に留まって数値が上昇することで尿毒素蓄積の有益な指標となるため、腎機能の評価に利用される。しかし、血液中のクレアチニン量は、GFRが50%以上低下しないと明らかな異常値を示さず、鋭敏なマーカーとはいえない。
【0004】
シスタチンCは全身の有核細胞から一定の割合で産生される分子量13.36kDaのタンパク質で、すべて糸球体で濾過された後に尿細管での再吸収を経て腎臓で分解されることから、濾過量に応じて血液中から除去されると考えられ、血液中の量がGFRの指標となる。しかし、腎機能が高度に低下した時には血液中のシスタチンC量の上昇は鈍化し、末期の腎臓病では正確な腎機能評価が困難である。
【0005】
以上のように、被験者・患者に大きな負担をかけることなく、非侵襲で採取できる検体や血液のみで早期から末期の広いレンジで個別患者の正確な腎病態を測定したいという臨床現場の要求に十分応えることのできるバイオマーカーは存在していなかった。
【0006】
従来、哺乳類の生体内には存在しないと考えられていたD-アミノ酸が、様々な組織に存在し、生理機能を担うことが明らかにされてきている。血液中のD-セリン、D-アラニン、D-プロリン、D-グルタミン酸、D-アスパラギン酸の量が、腎不全患者で変動し、クレアチニンと相関することから腎不全のマーカーになり得ることが示されている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。さらに、D-セリン、D-スレオニン、D-アラニン、D-アスパラギン、D-アロスレオニン、D-グルタミン、D-プロリン及びD-フェニルアラニンからなるグループから選択されるアミノ酸が、腎臓病の病態指標値とすることについて開示されている(特許文献1)。また、尿中のD-セリン、D-ヒスチジン、D-アスパラギン、D-アルギニン、D-アロ-スレオニン、D-グルタミン酸、D-アラニン、D-プロリン、D-バリン、D-アロ-イソロイシン、D-フェニルアラニン、D-リジンが腎障害により鋭敏に変動し、それらのアミノ酸に関するパラメータを腎臓病の病態指標値とすることについて開示されている(特許文献2)。なお、近年、腎臓病のマーカーとして、尿中LFABP、血液中NGAL、尿中KIM-1等が開発されてきているが、それらは糸球体濾過能力と関連するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2013/140785号
特許第5740523号公報
【非特許文献】
【0008】
Fukushima,T.ら、Biol. Pharm. Bull. 18: 1130(1995)
Nagata.Y Viva Origino Vol.18(No.2) (1990)第15回学術講演会講演要旨集
Ishidaら、北里医学 23:51~62 (1993)
Yong Huangら、Biol. Pharm. Bull. 21:(2)156-162(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在までに知られている腎臓病マーカーと比較して、より広い範囲で正確に、被験者の腎病態を評価・判定する方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、腎臓におけるD-セリン及びD-アスパラギンの濾過・再吸収・排泄の動態に着目し、その排泄率と腎病態の関係を解析したところ、腎病態の評価・判定に資する新たな病態情報が得られることを見出し、本発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)
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