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公開番号2025074497
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2023185340
出願日2023-10-30
発明の名称Mn-Zn系フェライトとその製造方法
出願人株式会社トーキン
代理人個人
主分類H01F 1/34 20060101AFI20250507BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電気抵抗が高く、高周波数帯域における透磁率の低下が抑制され、低周波数から高周波数までの広い周波数帯域において良好な透磁率を有するMn-Zn系フェライトとその製造方法を提供する。
【解決手段】本開示のMn-Zn系フェライトは、主成分の総量100mol%に対して、49.30~52.00mol%のFe2O3と、30.00~35.00mol%のMnOと、13.00~20.70mol%のZnOとからなる主成分を含み、前記主成分の総量100質量%に対して、副成分として、0.100~0.800質量%のLi2CO3と、0.600~1.700質量%のCuOとを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
主成分の総量100mol%に対して、49.30~52.00mol%のFe



と、30.00~35.00mol%のMnOと、13.00~20.70mol%のZnOとからなる主成分を含み、
前記主成分の総量100質量%に対して、副成分として、0.100~0.800質量%のLi

CO

と、0.600~1.700質量%のCuOとを含む、Mn-Zn系フェライト。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記主成分の総量100質量%に対して、副成分として、さらに、0.005~0.050質量%のSiO

、0.005~0.080質量%のCaO、及び0.005~0.080質量%のNb



からなる群より選ばれる1種以上の酸化物を含む、請求項1に記載のMn-Zn系フェライト。
【請求項3】
前記主成分の総量100質量%に対して、副成分として、0.100~0.800質量%のLi

CO

と、0.600~1.700質量%のCuOと、0.005~0.050質量%のSiO

と、0.005~0.080質量%のCaOと、0.005~0.080質量%のNb



とを含む、請求項2に記載のMn-Zn系フェライト。
【請求項4】
25℃、100kHzにおける複素比透磁率の実部(μ’)が30~500であり、
25℃、100MHzにおける複素比透磁率の実部(μ’)が30~100である、請求項1又は2に記載のMn-Zn系フェライト。
【請求項5】
比抵抗が1.0×10

~9.0×10

Ω・mである、請求項1又は2に記載のMn-Zn系フェライト。
【請求項6】
平均結晶粒径が1~10μmの多結晶体である、請求項1又は2に記載のMn-Zn系フェライト。
【請求項7】
密度が4.50~5.50kg/m

以上の焼結体である、請求項1又は2に記載のMn-Zn系フェライト。
【請求項8】
Fe



粉末と、MnO粉末と、ZnO粉末と、Li

CO

粉末と、CuO粉末とを含む混合粉末の焼結体である、請求項1又は2に記載のMn-Zn系フェライト。
【請求項9】
少なくとも一部の結晶粒内に、前記主成分のうちの1種以上と、Li

CO

及びCuOのうちの1種以上とが存在する多結晶体である、請求項1又は2に記載のMn-Zn系フェライト。
【請求項10】
Fe



粉末と、MnO粉末と、ZnO粉末と、Li

CO

粉末と、CuO粉末とを含む混合粉末を用意する工程と、
前記混合粉末を成形して、成形体を得る工程と、
前記成形体を焼結する工程とを有する、請求項1又は2に記載のMn-Zn系フェライトの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、Mn-Zn系フェライトとその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
軟磁性フェライトは、EMI(Electro Magnetic Interference、電磁妨害)除去フィルタ等のノイズフィルタ、トランス、及びインダクタ等の電子部品の材料として用いられている。軟磁性フェライトとして、Ni-Zn系フェライト及びMn-Zn系フェライト等が挙げられる。
近年、携帯用電子機器等の用途では、通信の高速化と大容量化が進み、信号の高周波化が進んでいる。そのため、ノイズフィルタ等の用途では、低周波数から高周波数までの広い周波数帯域で使用可能な軟磁性フェライトが求められるようになっている。このような用途では、高周波特性に優れる等の理由から、Ni-Zn系フェライトが主流となっている。しかしながら、Ni-Zn系フェライトは、原料費が比較的高いため、原料費低減の観点から、Mn-Zn系フェライトの使用が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-325922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Ni-Zn系フェライトは、電気抵抗が高く、低周波数から高周波数までの広い周波数帯域で良好な透磁率を有することができる(図1の比較例11のデータを参照されたい。)。
これに対して、従来のMn-Zn系フェライトは、比較的低い周波数帯域(例えば1MHz以下)では高透磁率を有することができるが、電気抵抗が低いため、高周波数帯域(例えば10MHz以上)において、渦電流損失が大きくなり、透磁率が大きく低下する傾向がある(図1の比較例12のデータを参照されたい。)。従来のMn-Zn系フェライトはまた、電気抵抗の低さのために、樹脂ボビン等の絶縁部材の併用が必要となる場合がある。絶縁部材の併用は、コスト増に繋がり、好ましくない。
【0005】
本開示の関連技術として、特許文献1が挙げられる。
特許文献1には、主成分が、MnO:20~50mol%、ZnO:5~40mol%、残部Fe



からなる組成のMn-Zn系フェライト磁性材料の少なくとも一部の表面に、Liと、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、及びZnのうちの1種以上とがフェライト磁性材料中に濃化した高電気抵抗表面層を有するMn-Zn系フェライト磁性材料が開示されている(請求項1)。
【0006】
特許文献1には、上記のMn-Zn系フェライト磁性材料の製造方法として、主成分が、MnO:20~50mol%、ZnO:5~40mol%、残部Fe



からなる組成のMn-Zn系フェライト磁性材料を用意し、このMn-Zn系フェライト磁性材料の少なくとも一部の表面に、Li化合物と、Ti化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物、Cu化合物、及びZn化合物のうちの1種以上とを含むスラリー又は混合粉末を付着させ、熱処理する方法が開示されている(請求項2、[実施例]の項)。
【0007】
特許文献1では、Mn-Zn系フェライト磁性材料の少なくとも一部の表面に高電気抵抗表面層を形成することで、Mn-Zn系フェライト磁性材料の電気抵抗を高めている。
しかしながら、特許文献1では、抵抗値以外の物性について評価がなされておらず、密度、結晶粒径、及び透磁率等の抵抗値以外の物性は不明である。
特許文献1では、あらかじめ所定の形状に成形されたコアであるMn-Zn系フェライト磁性材料を用意し、その少なくとも一部の表面に高電気抵抗表面層を形成して、表層の電気抵抗を高めている。この技術では、Liと、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、及びZnのうちの1種以上の元素とは、表層内にのみ存在し、内部(表層以外の大部分)の電気抵抗は低いままである。透磁率の向上には、表層の電気抵抗よりも内部の電気抵抗を高めることが重要である。表層のみを高電気抵抗組成としても、渦電流損失低減の効果及びそれによる透磁率の向上効果は得られない。
【0008】
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、電気抵抗が高く、高周波数帯域における透磁率の低下が抑制され、低周波数から高周波数までの広い周波数帯域において良好な透磁率を有するMn-Zn系フェライトとその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、以下のMn-Zn系フェライトとその製造方法を提供する。
[1] 主成分の総量100mol%に対して、49.30~52.00mol%のFe



と、30.00~35.00mol%のMnOと、13.00~20.70mol%のZnOとからなる主成分を含み、
前記主成分の総量100質量%に対して、副成分として、0.100~0.800質量%のLi

CO

と、0.600~1.700質量%のCuOとを含む、Mn-Zn系フェライト。
【0010】
[2] 前記主成分の総量100質量%に対して、副成分として、さらに、0.005~0.050質量%のSiO

、0.005~0.080質量%のCaO、及び0.005~0.080質量%のNb



からなる群より選ばれる1種以上の酸化物を含む、[1]のMn-Zn系フェライト。
(【0011】以降は省略されています)

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