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公開番号
2025073317
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-13
出願番号
2023183978
出願日
2023-10-26
発明の名称
地盤注入工法および地盤注入装置
出願人
強化土エンジニヤリング株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
E02D
3/12 20060101AFI20250502BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】非アルカリシリカグラウトを用いてゲルタイムを瞬時に連続的に変化させ、地盤状況や注入状況に応じて過剰な酸を用いることなく最適なゲルタイムと固結強度が得られる地盤注入工法および地盤注入装置を提供する。
【解決手段】地盤中に挿入した注入管を通してシリカグラウトを注入する地盤注入工法である。A液とB液を注入管に通して地上合流または地中合流させて混合した注入液を地盤に注入する。A液として水ガラスを含む溶液、B液として反応剤を含む溶液を用い、これらをA液ポンプおよびB液ポンプにより送液する複数の駆動装置と、インバータと、複数の駆動装置を一括管理する制御装置とを用いて、インバータを制御して、地盤状況および注入目的に応じA液およびB液の流量および合流比率を連続的に可変制御し、地上合流部または地中合流部から注入管の吐出口までの管路で混合された所定のゲルタイムとシリカ濃度を有する注入液を地盤に注入する。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
地盤中に挿入した注入管を通してシリカグラウトを注入する地盤注入工法において、A液とB液とを該注入管に通して地上合流または地中合流させて混合した注入液を地盤に注入する地盤注入工法であって、
前記A液として水ガラスを含む溶液を用い、前記B液として反応剤を含む溶液を用い、該A液および該B液をそれぞれA液ポンプおよびB液ポンプにより送液する複数の駆動装置と、インバータと、該複数の駆動装置を一括管理する制御装置と、を用いて、前記インバータを制御して、地盤状況および注入目的に応じて前記A液および前記B液の流量および合流比率を連続的に可変制御することによって、地上合流部または地中合流部から前記注入管の吐出口までの管路で混合された所定のゲルタイムおよびシリカ濃度を有する前記注入液を、地盤に注入することを特徴とする地盤注入工法。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記B液として硫酸イオンを含む溶液を用い、該B液および/または前記注入液の硫酸濃度を10%以下とする請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項3】
前記地上合流部または前記地中合流部から前記注入管の吐出口までの管路で混合された所定のゲルタイムおよびシリカ濃度を有する注入液の注入において、反応生成物のイオン濃度を連続的に変化させて、ゲルタイムおよび反応生成物のイオン濃度をリアルタイムで把握し、前記反応剤を過剰な量で処方することなく、ゲルタイムの設定に必要な所定の濃度内で地盤を固結させる請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項4】
前記注入液が、シリカ濃度が1~40w/vol%、pHが1~10、20℃におけるゲルタイムが5秒以上7日以内である非アルカリシリカグラウトであって、前記B液として酸を含む溶液を用い、前記A液と該B液との合流比率βをβ=A/B=0.5~2.0として、該A液および該B液の流量および合流比率を、瞬結配合から緩結配合に連続的にゲルタイムに対応したpHおよびシリカ濃度になるように可変制御することによって、所定のゲルタイムおよびシリカ濃度を有する前記注入液を地盤に注入する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項5】
前記A液および前記B液の流量および合流比率を、瞬結配合から緩結配合に連続的に可変制御して、得られた前記注入液を地盤に注入するにあたって、注入開始時における合流比率を、該注入液のpHが酸性側から始まるように可変制御する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項6】
地盤改良領域の地盤状況および地下水状況に基づき、前記A液および前記B液の流量および合流比率を、地盤中の反応生成物の残存イオン濃度が所定の濃度となるように設定して、地盤中における該反応生成物の濃度を所定の濃度内にして地盤を固結させる請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項7】
前記注入液が、硫酸イオンを含み、シリカ濃度が1~40w/vol%、pHが1~10である非アルカリシリカグラウトであって、前記地盤が、コンクリート構造物の近接部または掘削後にコンクリート構造物を構築する予定の近接部であり、
地盤改良領域の地盤状況および地下水状況から、地盤内に溶出した硫酸イオンの該地盤中における挙動に基づき、注入地盤を下記の(1)開放系、(2)停滞系または(3)濃縮系のいずれかに分類し、
(1)開放系:地下水が前記コンクリート構造物よりも外方向に流れており、希釈によって硫酸イオン濃度が低減していく地盤
(2)停滞系:地下水流が停滞しており、硫酸イオン濃度がほとんど変化しない地盤
(3)濃縮系:硫酸イオンが前記コンクリート構造物の表面から浸透して濃縮され、硫酸イオン濃度が増大していく地盤
前記分類された注入地盤のタイプに応じ、該注入地盤における硫酸イオンの低減要因(Y)として、下記△1~△7のうちから選ばれるいずれかまたは複数を設定し、
△1:前記地盤改良領域内に非注入部分を設け、非注入部分の比率を硫酸イオンの溶出率α
1
としたときの、改良地盤中における硫酸イオンの残存率 △1=1-α
1
△2:地下水中に硫酸イオンが溶出する溶出率をα
2
としたときの、前記地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △2=1-α
2
△3:前記地盤改良領域内における硫酸イオンの固定率を溶出率α
3
としたときの、該地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △3=1-α
3
△4:前記地盤改良領域内における非硫酸系注入材、または、低硫酸系注入材による硫酸系注入材の硫酸イオンの置換率を溶出率α
4
としたとき、該地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △4=1-α
4
△5:前記地盤注入材中のシリカ成分のコロイドによる置換率を溶出率α
5
としたとき、前記地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △5=1-α
5
△6:前記地盤注入材中において硫酸イオンの一部または全部を捕捉し、その捕捉率を溶出率α
6
としたとき、前記地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △6=1-α
6
△7:前記地盤改良領域内の前記地盤注入材の注入率を低減し、該注入率の低減率を溶出率α
7
としたとき、該地盤改良領域内における硫酸イオンの残存率 △7=1-α
7
前記注入地盤に応じて設定された前記低減要因(Y)に基づき、前記地盤注入材として、前記非アルカリシリカグラウト由来の硫酸イオンが、前記地盤改良領域に残存する硫酸イオン濃度の平均値(X)の値で8,000ppm以下になるような反応剤配合処方からなるものを選択する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項8】
前記A液および前記B液の合流比率を瞬結配合から緩結配合に連続的に変化させることにより、ゲルタイムおよび改良地盤中における前記反応生成物の濃度が、地盤状況、地下水状況および注入目的に応じた所定の値となるように、前記注入液を地盤に注入する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項9】
前記シリカグラウトとして、相対的にゲルタイムの短いグラウトと相対的にゲルタイムの長いグラウトを、瞬結配合から緩結配合に連続して地盤に注入するものとし、前記ゲルタイムの短いグラウトは地盤に粗結注入する一次注入材として注入し、前記ゲルタイムの長いグラウトは二次注入材として浸透注入する請求項1記載の地盤注入工法。
【請求項10】
以下の1)~8)のいずれかの注入方法により、前記注入液を地盤に注入する請求項1記載の地盤注入工法。
1)ロッド注入工法
2)ダブルパッカ工法
3)点注入工法
4)多点同時注入工法
5)柱状注入工法
6)瞬結・緩結複合注入工法
7)多ステージ同時注入工法
8)多注入孔同時注入工法
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はシリカグラウトを用いた軟弱地盤の環境保全型注入固結法に関し、詳細には、軟弱あるいは漏水地盤を、地盤状況に合わせて連続的にゲルタイムと環境影響イオン濃度を可変として、均質かつ強固に固結あるいは止水するとともに、注入地盤中に生成される環境影響イオンの濃度の管理を行う地盤注入工法および地盤注入装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【0002】
軟弱地盤は通常、粗粒土層と細粒土層とが相互になって形成された軟弱な地盤である。これは、地盤内に固結剤を注入して、均質にかつ低い環境負荷で固結することが必要である。
【背景技術】
【0003】
近年の地震の多発化や掘削工事の大規模化に伴う工事の長期化や、複雑な地盤条件において安全施工が要求される工事が増大するにつれて、薬液注入において、長期耐久性に優れ、地下水面下における浸透固結性に優れ、かつ、地盤構造物や水質に対して安全な地盤改良注入技術が要求されるようになってきた。
【0004】
この要望に応えるため、本出願人は既に、非アルカリシリカグラウト(図1参照)を開発し、実用化している。非アルカリシリカグラウトには、図2に示すように、水ガラスのアルカリを酸で中和したpHが1~10付近の中・酸性系シリカグラウト(シリカゾルグラウト)や、水ガラスのアルカリをイオン交換法で除去し増粒して弱アルカリ性で安定させたコロイド、金属珪素と水ガラスと酸とからなるpHが1~10を示すシリカグラウト(活性複合シリカグラウト)がある。また、本出願人は、非アルカリシリカグラウトの地中における反応生成物の低減に関して、特許文献1に記載の技術を提案している。非アルカリシリカグラウトは、いずれもゲルタイムを数秒から数十時間に設定できるので、大量の注入液を作って置いてもゲル化の心配がないのみならず、大量の注入液を長時間かけて送液でき、かつ、地盤中に注入した後、確実にゲル化し、さらには粘性が小さく、浸透性がよいという利点がある(図1参照)。
【0005】
非アルカリシリカグラウトは、図1および図2から分かるように、pHが中性付近ではゲルタイムが短く、pHが2付近ではゲルタイムが大幅に長く、その領域では安定したゲルタイムを示すが、その中間であるpH領域ではゲルタイムが急激に変化するため、所定のpHに対応したゲルタイムを有するグラウトを注入することが不可能であった。このため、実際の注入においては、瞬結グラウトを注入するか、極めて長いゲルタイムでpHが1~2の注入液を注入するか、または、これらを組み合わせた複合注入を多用するしかなかった。
【0006】
一方、軟弱地盤の注入工法としては、従来、次の方法が公知である。
【0007】
(1)ロッド注入工法
この方法は、固結材として、反応剤の水溶液またはセメント物質を含む懸濁液(A液)と、水ガラス水溶液(B液)とを用い、これらをY字管を用いて合流させながら地盤中に圧入する方法である。しかし、ボーリングロッドと地盤との間に隙間が生じ、この隙間から固結材が地表に噴出したり、また、粗い層を通して注入液が逸脱してしまうため、細粒土層部分の固結や、所定範囲の固結が困難である。
【0008】
(2)二重管注入工法
この方法は、A液として水ガラスを、B液としてゲル化反応剤を用いて、地盤中に設置された二重管の先端部で合流させて、短いゲルタイムでも固結する配合のグラウトを注入する方法である。この工法によれば、ゲルタイムが短いために、ロッド周辺に沿ってグラウトが地上部に噴出することは防止できるが、ゲルタイムが短いために粗い層を脈状にしか固結し得ず、土粒子間に浸透させることはできない。そのため、掘削にあたって、湧水土砂の崩壊が生じやすい。
【0009】
(3)二重管複合注入工法
上記問題を解決するために、従来より、まず、ゲルタイムの短い注入材で注入管と地盤との隙間を充填することによりパッカ効果のあるシールを形成するとともに、粗い層や層の境界面を填充した脈状の主体とする固結層を形成し、その後、ゲルタイムの長い注入材を、ゲルタイムの短い注入材が既に注入してある領域に、上記シールを破って注入する地盤注入工法が開発されている。この工法は、ゲルタイムの長い注入材が注入管周囲や粗い層から逸脱することがないので、注入対象に確実に浸透させて固結することを目的としたものである(特許文献2)。
【0010】
特許文献2に記載の発明は、注入材を形成するために主剤配合液に反応剤を合流するもので、A液として、主剤配合液としての水ガラス配合液または水ガラスと反応剤との混合配合液を用い、それに、B液としての水ガラス溶液や急結剤を加えた反応剤溶液を合流させる。
(【0011】以降は省略されています)
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