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公開番号
2025072614
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-09
出願番号
2025021091,2020103190
出願日
2025-02-12,2020-06-15
発明の名称
アジスロマイシンを含む製剤の品質管理
出願人
千寿製薬株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
31/7052 20060101AFI20250430BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】アジスロマイシンを含む製剤の品質の管理のための規格を設定する方法を提供すること。
【解決手段】本開示の方法は、1)該製剤のpHの規格値の下限と上限をそれぞれ5.9と6.7に設定するか、または該製剤のpHの規格値の範囲を5.9~6.7の任意の範囲に設定する工程と、2)該製剤の所定の有効期間の該アジスロマイシンの類縁物質Xおよび類縁物質Yの量のそれぞれの規格値を5%以下の任意の値以下に設定する工程と、を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
アジスロマイシンを含む製剤の品質の管理のための規格を設定する方法であって、該方法は、
1)該製剤のpHの規格値の下限と上限をそれぞれ5.9と6.7に設定するか、または該製剤のpHの規格値の範囲を5.9~6.7の任意の範囲に設定する工程と、
2)該製剤の所定の有効期間の該アジスロマイシンの類縁物質Xおよび類縁物質Yの量のそれぞれの規格値を5%以下の任意の値以下に設定する工程と、
を含み、
該類縁物質Xは、第十七改正日本薬局方 一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィーに記載の測定方法において、アジスロマイシンの保持時間が約14分である場合に、相対保持時間約0.23の化合物であり、
該類縁物質Yは、第十七改正日本薬局方 一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィーに記載の測定方法において、アジスロマイシンの保持時間が約14分である場合に、相対保持時間約0.56の化合物である、方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、アジスロマイシンを含む製剤の品質の管理のための規格を設定する方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
アジスロマイシンはマクロライド抗菌剤であり、アジスロマイシンを含む製剤は、眼感染症治療薬として有用であり、感染症予防薬として利用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明者らは、鋭意検討の結果、アジスロマイシンを含む製剤におけるアジスロマイシンの複数種類の分解物を低値に抑えるための条件を備える点眼剤およびその調製技術を提案する。
【0004】
したがって、本開示は、以下の項目を提供する。
【0005】
<品質管理規格設定>
(項目1A)
アジスロマイシンを含む製剤の品質の管理のための規格を設定する方法であって、該方法は、
1)該製剤のpHの規格値の下限と上限をそれぞれ5.9と6.7に設定するか、または該製剤のpHの規格値の範囲を5.9~6.7の任意の範囲に設定する工程と、
2)該製剤の所定の有効期間の該アジスロマイシンの類縁物質Xおよび類縁物質Yの量のそれぞれの規格値を5%以下の任意の値以下に設定する工程と、
を含み、
該類縁物質Xは、第十七改正日本薬局方 一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィーに記載の測定方法において、アジスロマイシンの保持時間が約14分である場合に、相対保持時間約0.23の化合物であり、
該類縁物質Yは、第十七改正日本薬局方 一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィーに記載の測定方法において、アジスロマイシンの保持時間が約14分である場合に、相対保持時間約0.56の化合物である、方法。
(項目2A)
前記製剤は、ポリカルボフィル、カルボポール(Carbopol)
TM
、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、多糖類ゲル、ゲルライト(Gelrite)
TM
、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される添加物を含む、項目1Aに記載の方法。
(項目3A)
前記製剤が、約1w/w%のアジスロマイシンを含む点眼剤である、項目1Aまたは2Aに記載の方法。
(項目4A)
前記製剤が、開封後少なくとも1週間室温で保存される、項目1A~3Aのいずれか一項に記載の方法。
(項目5A)
前記製剤が、第十七改正日本薬局方 一般試験法 2.53 粘度測定法に記載の第2法により測定された場合、約500~約5000mPa・sの粘度を有する、項目1A~6Aのいずれか一項に記載の方法。
(項目6A)
前記工程2)の規格値は、前記製剤を保存し、該保存中および/または保存後の1または複数の時点で、該製剤のpH測定および該製剤中の前記類縁物質Xおよび前記類縁物質Yの量を測定することによって得られた値に基づいて設定される、項目1A~5Aのいずれか一項に記載の方法。
(項目7A)
アジスロマイシンを含む製剤の承認申請書類を調製する方法をコンピュータに実装するプログラムであって、
該製剤は約1w/w%のアジスロマイシンを含む点眼剤であり、
該方法は、
1)該製剤のpHに対する安定性の試験結果またはその同等物に基づいて、該製剤のpHの規格値の下限と上限をそれぞれ5.9と6.7に設定するか、または該製剤のpHの規格値の範囲を5.9~6.7の任意の範囲に設定するようにコンピュータに指令する工程と、
2)該製剤の安定性試験の結果またはその同等物に基づいて、該製剤の所定の有効期間の該アジスロマイシンの類縁物質Xおよび類縁物質Yの量のそれぞれの規格値を5%以下の任意の値以下に設定するようコンピュータに指令する工程と、
を含み、該類縁物質Xおよび該類縁物質Yは項目1Aに記載のとおりである、
プログラム。
(項目8A)
前記安定性試験は、長期安定性試験および/または加速試験を含む、項目7Aに記載のプログラム。
【0006】
<出荷時規格>
(項目1B)
アジスロマイシンを含む製剤の出荷時の品質を検査する方法であって、該方法は、
1)該製剤の出荷時のpHを測定し、該pHが5.9~6.7のものを適合と判定する工程と、
2)該製剤の出荷時の該アジスロマイシンの類縁物質の量を測定し、該アジスロマイシンの類縁物質Xおよび類縁物質Yのそれぞれが2%以下の任意の値以下のものを適合と判定する工程と、
を含み、
該類縁物質Xは、第十七改正日本薬局方 一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィーに記載の測定方法において、アジスロマイシンの保持時間が約14分である場合に、相対保持時間約0.23の化合物であり、
該類縁物質Yは、第十七改正日本薬局方 一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィーに記載の測定方法において、アジスロマイシンの保持時間が約14分である場合に、相対保持時間約0.56の化合物である、方法。
(項目2B)
アジスロマイシンを含む製剤は、36カ月後の類縁物質Xおよび類縁物質Yの値が5%以下である、項目1Bに記載の方法。
(項目3B)
前記製剤は、ポリカルボフィル、カルボポール(Carbopol)
TM
、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、多糖類ゲル、ゲルライト(Gelrite)
TM
、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される添加物を含む、項目1Bまたは2Bに記載の方法。
(項目4B)
前記製剤が、約1w/w%のアジスロマイシンを含む点眼剤である、項目1B~3Bのいずれか一項に記載の方法。
(項目5B)
前記製剤は、5℃±3℃で保存されるものである、項目1B~4Bのいずれか一項に記載の方法。
(項目6B)
前記製剤が、開封後少なくとも1週間室温で保存される、項目1B~5Bのいずれか一項に記載の方法。
(項目7B)
前記製剤は、細菌性結膜炎、眼瞼炎、麦粒腫、および涙嚢炎からなる群より選択される少なくとも1つの疾患の治療または予防剤である、項目1B~6Bのいずれか一項に記載の方法。
(項目8B)
アジスロマイシンを含む製剤の出荷試験を制御する方法をコンピュータに実装するプログラムであって、
該製剤は約1w/w%のアジスロマイシンを含む点眼剤であり、
該方法は、
1)該製剤の出荷時のpHを測定し、該pHの範囲が5.9~6.7の任意の範囲のものを適合と判定するようコンピュータに指令する工程と、
2)該製剤の出荷時の該アジスロマイシンの純度試験を実施し、類縁物質Xおよび類縁物質Yのそれぞれが5%以下の任意の値以下のものを適合と判定するようコンピュータに指令する工程と、
を含み、該類縁物質Xおよび類縁物質Yは項目1Bに記載のとおりである、
プログラム。
【0007】
<製造方法>
(項目1C)
アジスロマイシンを含む製剤を製造する方法であって、
1)該製剤の出荷時のpHの規格値の範囲を5.9~6.7の任意の範囲に設定する工程と、
2)該製剤の出荷時の該アジスロマイシンの類縁物質Xおよび類縁物質Yの量のそれぞれの規格値を2%以下の任意の値以下に設定する工程と、
3)該製剤が工程1)および工程2)の規格値となるように該製剤を調製する工程と、
4)該製剤のpH測定および該製剤中の該類縁物質Xおよび該類縁物質Yの量を測定する工程と
を含み、
該類縁物質Xは、第十七改正日本薬局方 一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィーに記載の測定方法において、アジスロマイシンの保持時間が約14分である場合に、相対保持時間約0.23の化合物であり、
該類縁物質Yは、第十七改正日本薬局方 一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィーに記載の測定方法において、アジスロマイシンの保持時間が約14分である場合に、相対保持時間約0.56の化合物である、方法。
(項目2C)
アジスロマイシンを含む製剤を製造する方法であって、
1)該製剤のpHが5.9~6.7の範囲となるように調整する工程と、
2)該製剤中の類縁物質Xおよび類縁物質Yのそれぞれが5%以下の任意の値以下となるように該製剤を調製する工程と、
を含む、方法。
(項目3C)
前記製剤のpHの範囲は、所定の有効期間の前記製剤のpHが5.9~6.7の範囲であることが保証される値であり、および/または該製剤の出荷時の該類縁物質Xおよび類縁物質Yのそれぞれの量が、所定の有効期間の該類縁物質XおよびYの値が5%以下の任意の値以下であることが保証される値である、項目1Cまたは2Cに記載の方法。
(項目4C)
前記製剤は、ポリカルボフィル、カルボポール(Carbopol)
TM
、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、多糖類ゲル、ゲルライト(Gelrite)
TM
、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される添加物を含む、項目1C~3Cのいずれか一項に記載の方法。
(項目5C)
前記製剤が、約1w/w%のアジスロマイシンを含む点眼剤である、項目1C~4Cのいずれか一項に記載の方法。
(項目6C)
前記製剤が、開封後少なくとも1週間室温で保存される、項目1C~5Cのいずれか一項に記載の方法。
(項目7C)
前記工程2)の規格値は、前記製剤を保存し、該保存中および/または保存後の1または複数の時点で、該製剤のpH測定および該製剤中の前記類縁物質Xおよび前記類縁物質Yの量を測定することによって得られた値に基づいて設定される、項目1C、または2C~9Cのいずれか一項に記載の方法。
【0008】
<システム>
(項目1D)
項目1A~6Aおよび項目1B~6Bのいずれか一項に記載の方法を実施するためのシステムであって、該システムは、
1)前記製剤のpHを測定する手段と、
2)前記製剤中の前記アジスロマイシンの類縁物質Xおよび類縁物質Yの量を測定するための手段と
を備える、システム。
(項目2D)
前記pHを測定する手段が、ガラス電極および参照電極からなる検出部と、検出された起電力を増幅する増幅部と、測定結果を表示する指示部とを含むpH計である、項目1Dに記載のシステム。
(項目3D)
前記類縁物質Xおよび類縁物質Yの量を測定するための手段が、移動相送液用ポンプ、試料導入装置、カラム、検出器および記録装置からなる液体クロマトグラフィー装置である、項目1Dまたは2Dに記載のシステム。
(項目4D)
粘度を測定するための手段をさらに備える、請求項1D~3Dのいずれか一項に記載のシステム。
【0009】
本開示において、上記1または複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供されうることが意図される。本開示のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、アジスロマイシンの複数種類の類縁物質(分解物)をバランスよく低値に抑えることが可能であり、点眼剤として長期に安定な製剤が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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