公開番号2025072173 公報種別公開特許公報(A) 公開日2025-05-09 出願番号2023182750 出願日2023-10-24 発明の名称情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム 出願人ストーリア株式会社,学校法人 芝浦工業大学,三菱鉛筆株式会社 代理人個人 主分類A61B 5/16 20060101AFI20250430BHJP(医学または獣医学;衛生学) 要約【課題】対象者の生体情報から内面状態を推定して、適切な内面状態へ導くことができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。 【解決手段】本発明の一態様は、アプリケーションソフトウェアで第1の処理を利用中の対象者の生体指標および行動指標の少なくともいずれかを含む対象者生体情報を取得する情報取得部と、情報取得部で取得した対象者生体情報に基づき対象者の内面状態を推定し、内面状態を値で示した内面状態値を得る内面状態推定部と、内面状態推定部で得た内面状態値に基づき第1の処理とは異なる第2の処理を実行させる処理実行部と、を備えた情報処理装置である。 【選択図】図1 特許請求の範囲【請求項1】 アプリケーションソフトウェアで第1の処理を利用中の対象者の生体指標および行動指標の少なくともいずれかを含む対象者生体情報を取得する情報取得部と、 前記情報取得部で取得した前記対象者生体情報に基づき前記対象者の内面状態を推定し、前記内面状態を値で示した内面状態値を得る内面状態推定部と、 前記内面状態推定部で得た前記内面状態値に基づき前記第1の処理とは異なる第2の処理を実行させる処理実行部と、 を備えた情報処理装置。 続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】 前記第2の処理は、前記第1の処理を利用中の前記対象者の前記内面状態値を変化させるための処理である、請求項1記載の情報処理装置。 【請求項3】 前記第1の処理はゲームであり、 前記第2の処理は、前記第1の処理を利用中の前記対象者の前記内面状態のうち「怒」または「ストレス」を示す前記内面状態値が所定の閾値以上であった場合、前記第1の処理における前記ゲームの難易度を上げる処理である、請求項1記載の情報処理装置。 【請求項4】 前記第2の処理は、前記第1の処理を利用中の前記対象者の前記内面状態値を維持させるため処理である、請求項1記載の情報処理装置。 【請求項5】 前記第2の処理は、前記第1の処理を利用中の前記対象者に前記内面状態値に基づく注意喚起を促す処理である、請求項1記載の情報処理装置。 【請求項6】 前記第2の処理は、前記第1の処理の実行を一時的に停止する処理である、請求項1記載の情報処理装置。 【請求項7】 前記対象者以外の者が利用可能な外部端末をさらに備え、 前記第2の処理は、前記内面状態値に基づく情報を前記外部端末に向けて出力する処理である、請求項1記載の情報処理装置。 【請求項8】 前記処理実行部は、前記第1の処理を利用中の前記対象者の前記内面状態値の時間変化に基づき前記第2の処理を変化させる、請求項1記載の情報処理装置。 【請求項9】 アプリケーションソフトウェアで筆記を伴う第1の処理を利用中の対象者の筆記動作の加速度を取得する情報取得部と、 前記情報取得部で取得した前記筆記動作の加速度に基づき前記対象者の内面状態を推定し、前記内面状態を値で示した内面状態値を得る内面状態推定部と、 前記内面状態推定部で得た前記内面状態値に基づき前記第1の処理とは異なる第2の処理として、集中を促す、休憩を促す、音を出力する、画像を出力する、光を出力する、香りを出力する、の少なくともいずれかを実行させる処理実行部と、を備えた情報処理装置。 【請求項10】 アプリケーションソフトウェアで第1の処理を利用中の対象者の生体指標および行動指標の少なくともいずれかを含む対象者生体情報を取得する情報取得工程と、 前記情報取得工程で取得した前記対象者生体情報に基づき前記対象者の内面状態を推定し、前記内面状態を値で示した内面状態値を得る内面状態推定工程と、 前記内面状態推定工程で得た前記内面状態値に基づき前記第1の処理とは異なる第2の処理を実行させる処理実行工程と、 を備えた情報処理方法。 (【請求項11】以降は省略されています) 発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、生体情報に基づき感情や覚醒度、快不快などの心理的状況を判断する情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関するものである。 続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】 【0002】 近年、生体情報と心理学モデルとを組み合わせ、感情を推定する手法などが提案されている。特許文献1には、対象者の感情を推定する感情推定システムとして、対象者の脈拍に対応する第一生体信号と当該対象者の脳波に対応する第二生体信号を受け付ける入力インターフェースと、第一生体信号に対応する第一の値と第二生体信号に対応する第二の値を含む第一データセットを、ラッセルの円環モデル上に配置された複数種の感情の量に対応する複数の感情値を含む第二データセットに変換するプロセッサと、複数の感情の各々に対応付けられた色を記憶しているストレージと、第一生体信号に対応する第一座標軸と第二生体信号に対応する第二座標軸により形成される座標平面を表示する表示装置と、を備え、プロセッサは、第一データセットにより定まる座標平面上の位置に標識を表示させるとともに、複数の感情値のうち最大値を有する一つに対応付けられた色を表示装置に表示させる構成が開示される。 【0003】 特許文献2には、即時的にユーザの感情を改善することができる感情改善装置が開示される。この感情改善装置は、ユーザの脈拍を含む生理指標、並びに、前記ユーザの歩数及び会話量を含む活動量を用いて分析されたユーザの感情に基づいて、ユーザの感情を改善する所定の刺激を決定する刺激決定部と、決定された刺激をユーザに与えるように端末装置を制御する端末制御部と、を備える。 【0004】 生体情報から感情を推定する手法の中でも、人の自律神経活動を表す心拍変動指標と中枢神経活動を表す脳波指標とをラッセル円環モデルに対応づけて感情を解釈することで、リアルタイムに感情を推定する手法が、さまざまなサービスに適用されている(非特許文献1から3)。本手法により、本人が意識しなくても、脳波と心拍との組み合わせにより、怒り(アンガー)や、脳が活性化しているといった集中状態を検出することが可能性と考えられる。 【0005】 一方、バイオフィードバックという人の生体情報を取得し、そして物理情報に変換し、その物理情報を本人に戻す技術がある。バイオフィードバック技術は長年研究されており、治療分野にも幅広く応用されている(非特許文献4、5)。バイオフィードバック技術を用いたトレーニングにより、人は自律神経系の調節など、生理状態を意識的にコントロールすることができる。 【0006】 これらの技術を組み合わせることで、人の感情や快不快、覚醒度や集中度を推定し、それをバイオフィードバックで人に知らせることで、感情や快不快、覚醒度や集中度をコントロールすることが可能になる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0007】 特開2020-185138号公報 特開2022-169828号公報 【非特許文献】 【0008】 Takada, N., Laohakangvalvit, T., & Sugaya, M. (2022). Human Error Prediction Using Heart Rate Variability and Electroencephalography. Sensors, 22(23), 9194. Jadram, N., Anuardi, M. N. A. M., Laohakangvalvit, T., & Sugaya, M. (2021, June). Preliminary Experiment for Driver's Comfortable State Using EEG and HRV During Semi-autonomous Driving. In Advances in Human Aspects of Transportation: Proceedings of the AHFE 2021 Virtual Conference on Human Aspects of Transportation, July 25-29, 2021, USA (pp. 373-381). Cham: Springer International Publishing. Sripian, P., Mohd Anuardi, M. N. A., Kajihara, Y., & Sugaya, M. (2021). Empathetic robot evaluation through emotion estimation analysis and facial expression synchronization from biological information. Artificial Life and Robotics, 26, 379-389. Schoenberg, P. L., & David, A. S. (2014). Biofeedback for psychiatric disorders: a systematic review. Applied psychophysiology and biofeedback, 39(2), 109-135. Frank DL, Khorshid L, Kiffer JF, Moravec CS, McKee MG. Biofeedback in medicine: who, when, why and how? Ment Health Fam Med. 2010 Jun;7(2):85-91 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 現代社会において、怒りといった感情や情動のコントロールは非常に重要な課題である。怒りの感情をコントロールできないが故に、介護・福祉施設でのトラブルや、あおり運転による事故、SNSサイトでの炎上など、様々な社会問題につながっている。怒りのコントロールを行うアンガーマネージメントの研修なども盛んに行われているが、個人に委ねられた対症療法的なものが多い。 【0010】 怒りといった感情が発生する際、本人が自覚していない可能性があるため、個人に委ねられた対症療法的な手法では十分な効果が得られない場合がある。そのため、日々手軽く利用でき、怒りなどの感情や自分自身の状態をコントロールできるようにする適切な解決策が求められている。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する