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公開番号2025071677
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2023182055
出願日2023-10-23
発明の名称樹脂組成物、ペレット、および、成形品
出願人グローバルポリアセタール株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C08L 71/12 20060101AFI20250428BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 各種物性を維持しつつ、耐トラッキング性に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物、ペレット、および、成形品の提供。
【解決手段】 ポリフェニレンエーテル系樹脂50~100質量部と、ポリスチレン系樹脂50~0質量部の合計100質量部に対し、20~40質量部のタルクと、10~30質量部のブロック共重合体と、15~40質量部の難燃剤と、5~40質量部の炭酸カルシウムとを含み、タルクが、蛍光X線分析に基づき、酸化物換算で2.5~10質量%のカルシウムと、50~60質量%のケイ素を含み、ブロック共重合体のJIS K7210に準拠して測定されるメルトマスフローレートは、温度230℃および荷重2.16kgの測定条件において、3g/10分以下である、樹脂組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリフェニレンエーテル系樹脂50~100質量部と、ポリスチレン系樹脂50~0質量部の合計100質量部に対し、
20~40質量部のタルクと、
10~30質量部のブロック共重合体と、
15~40質量部の難燃剤と、
5~40質量部の炭酸カルシウムと、を含み、
前記タルクが、蛍光X線分析に基づき、酸化物換算で2.5~10質量%のカルシウムと、50~60質量%のケイ素を含み、
前記ブロック共重合体のJIS K7210に準拠して測定されるメルトマスフローレートは、温度230℃および荷重2.16kgの測定条件において、3g/10分以下である、樹脂組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記タルクのメディアン径(D
50
)が10~25μmである、
請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂の合計100質量部に対し、ポリフェニレンエーテル系樹脂を80~100質量部の割合で含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記タルクにおける、蛍光X線分析に基づいた塩素量が0.01質量%未満である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記タルクが蛍光X線分析に基づく、アルミニウムの含有量が酸化物換算で0.1~5質量%である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ブロック共重合体が、ビニル芳香族化合物ブロックと共役ジエン化合物ブロックとを含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記難燃剤が、リン系難燃剤を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
さらに、リン系安定剤および/またはフェノール系安定剤を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記樹脂組成物を、100mm×150mm×3.2mmの試験片に成形し、IEC60112に準拠した測定方法により測定したCTI値が、500V以上である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記タルクのメディアン径(D
50
)が10~25μmであり、
前記樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂の合計100質量部に対し、ポリフェニレンエーテル系樹脂を80~100質量部の割合で含み、前記タルクにおける、蛍光X線分析に基づいた塩素量が0.01質量%未満であり、
前記タルクが蛍光X線分析に基づき、酸化物換算でアルミニウムの含有量が0.1~5質量%であり、
前記ブロック共重合体が、ビニル芳香族化合物ブロックと共役ジエン化合物ブロックとを含み、
前記難燃剤が、リン系難燃剤を含み、
さらに、リン系安定剤および/またはフェノール系安定剤を含み、
前記樹脂組成物を、100mm×150mm×3.2mmの試験片に成形し、IEC60112に準拠した測定方法により測定したCTI値が、500V以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、ペレット、および、成形品に関する。特に、ポリフェニレンエーテル系樹脂を主要成分とする樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)は、耐熱性、難燃性、電気特性、寸法安定性等の諸特性に優れ、さらには低比重、耐加水分解性等の優れた特性を有する樹脂である。また、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、スチレン系樹脂等の各種樹脂を配合することにより、その成形加工性および耐衝撃性を向上させることが可能である。
【0003】
このようなポリフェニレンエーテル系樹脂を含む樹脂組成物(ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物)は、従来、電気部品、電子機器用部品、車両用部品等の各種用途の材料として広く用いられている。ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物には、その用途に応じて様々な特性が要求される。例えば、組電池等を備えた電池ユニットを保護する保護筐体用の材料としてポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いる場合、このポリフェニレンエーテル系樹脂組成物には、電池ユニットの保護筐体として必要な難燃性および耐衝撃性の他、高い耐トラッキング性が要求される。
【0004】
例えば、特許文献1には、45~65重量%のPPEと、10~30重量%のポリアルケニル芳香族樹脂(スチレン樹脂)と、1~8重量%のトリカルシウムホスフェートと、3~15重量%の有機リン酸エステル難燃剤と、5~10重量%の酸化チタンと、3~15重量%の強化フィラーを含む、IEC60112規準で350V以上のCTIを示す組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2009/040751号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1には、耐トラッキング性が高いことが示されているが、400V程度であり、さらに高い耐トラッキング性が求められる。また、耐トラッキング性が高くても、他の物性が劣れば、樹脂組成物としての適用範囲は制限されてしまう。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、各種物性を維持しつつ、耐トラッキング性に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物、ペレット、および、成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂、必要に応じてスチレン系樹脂、タルク、ブロック共重合体、および、難燃剤を含み、タルクとしてカルシウムの含有量が多いものを用いることにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリフェニレンエーテル系樹脂50~100質量部と、ポリスチレン系樹脂50~0質量部の合計100質量部に対し、
20~40質量部のタルクと、
10~30質量部のブロック共重合体と、
15~40質量部の難燃剤と、
5~40質量部の炭酸カルシウムと、を含み、
前記タルクが、蛍光X線分析に基づき、酸化物換算で2.5~10質量%のカルシウムと、50~60質量%のケイ素を含み、
前記ブロック共重合体のJIS K7210に準拠して測定されるメルトマスフローレートは、温度230℃および荷重2.16kgの測定条件において、3g/10分以下である、樹脂組成物。
<2>前記タルクのメディアン径(D
50
)が10~25μmである、
<1>記載の樹脂組成物。
<3>前記樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂の合計100質量部に対し、ポリフェニレンエーテル系樹脂を80~100質量部の割合で含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記タルクにおける、蛍光X線分析に基づいた塩素量が0.01質量%未満である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>前記タルクが蛍光X線分析に基づく、アルミニウムの含有量が酸化物換算で0.1~5質量%である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6>前記ブロック共重合体が、ビニル芳香族化合物ブロックと共役ジエン化合物ブロックとを含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7>前記難燃剤が、リン系難燃剤を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8>さらに、リン系安定剤および/またはフェノール系安定剤を含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<9>前記樹脂組成物を、100mm×150mm×3.2mmの試験片に成形し、IEC60112に準拠した測定方法により測定したCTI値が、500V以上である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<10>前記タルクのメディアン径(D
50
)が10~25μmであり、
前記樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂の合計100質量部に対し、ポリフェニレンエーテル系樹脂を80~100質量部の割合で含み、前記タルクにおける、蛍光X線分析に基づいた塩素量が0.01質量%未満であり、
前記タルクが蛍光X線分析に基づき、酸化物換算でアルミニウムの含有量が0.1~5質量%であり、
前記ブロック共重合体が、ビニル芳香族化合物ブロックと共役ジエン化合物ブロックとを含み、
前記難燃剤が、リン系難燃剤を含み、
さらに、リン系安定剤および/またはフェノール系安定剤を含み、
前記樹脂組成物を、100mm×150mm×3.2mmの試験片に成形し、IEC60112に準拠した測定方法により測定したCTI値が、500V以上である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<11><1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物のペレット。
<12><1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形品。
<13><11>に記載のペレットから形成された成形品。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、各種物性を維持しつつ、耐トラッキング性に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物、ペレット、および、成形品を提供可能になった。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書における置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルケニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アシル基またはアミノ基であることが好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルケニル基、または、アシル基であることがより好ましく、アルキル基、アリール基、アリールオキシ基またはアルケニル基であることがさらに好ましく、アルキル基であることが一層好ましい。これらの置換基の式量は、15以上であることが好ましく、また、200以下であることが好ましい。式量とは、例えば、メチル基(-CH
3
)であれば、15である。これらの置換基はさらに置換基を有していてもよいが、置換基を有していない方が好ましい。
本明細書で示す規格で説明される測定方法等が年度によって異なる場合、特に述べない限り、2023年1月1日時点における規格に基づくものとする。
【0010】
本実施形態の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂50~100質量部と、ポリスチレン系樹脂50~0質量部の合計100質量部に対し、20~40質量部のタルクと、10~30質量部のブロック共重合体と、15~40質量部の難燃剤と、5~40質量部の炭酸カルシウムと、を含み、前記タルクが、蛍光X線分析に基づき、酸化物換算で2.5~10質量%のカルシウムと、50~60質量%のケイ素を含み、前記ブロック共重合体のJIS K7210に準拠して測定されるメルトマスフローレートは、温度230℃および荷重2.16kgの測定条件において、3g/10分以下であることを特徴とする。
このような構成とすることにより、各種物性を維持しつつ、耐トラッキング性に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物が得られる。タルクは、通常、SiO
2
とMgOが主成分であるが、本実施形態においては、タルクとして、カルシウムを含み、かつ、SiO
2
の含有量が少なめのものを用いることにより、耐トラッキング性を向上できたと推測される。耐トラッキング性は、樹脂成分に、炭酸カルシウムを配合することによって、向上させることができるが、樹脂成分中のカルシウムの含有量が多くなると、他の物性が劣ってしまう傾向にある。本実施形態においては、カルシウムの含有量の多いタルクを用いることにより、物性を低下させずに、耐トラッキング性を高くすることができたと推測される。
(【0011】以降は省略されています)

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