特許ウォッチ

公開番号2025071545
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2023181803
出願日2023-10-23
発明の名称放射線検出器
出願人浜松ホトニクス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01T 1/20 20060101AFI20250428BHJP(測定;試験)
要約【課題】シンチレータにおける放射線の相互作用時刻の検出の時間分解能を向上させることができる放射線検出器を提供する。
【解決手段】放射線検出器10は、シンチレータ11、光検出器12および処理部13を備える。処理部13は、信号波形取得部14、逆畳み込み演算部15および相互作用時刻検出部16を含む。信号波形取得部14は、光検出器12から出力された電気信号の波形f(t)を取得する。逆畳み込み演算部15は、信号波形取得部14により取得された電気信号波形f(t)に対して光検出器12のインパルス応答関数i(t)を逆畳み込み演算する。相互作用時刻検出部16は、逆畳み込み演算部15による演算により得られた波形が閾値に達する時刻を相互作用時刻として検出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
放射線と相互作用することにより光を発生するシンチレータと、
前記シンチレータで発生した光を受光して電気信号を出力する光検出器と、
前記電気信号の波形に基づいて、前記シンチレータにおいて放射線が相互作用した時刻を検出する処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記光検出器から出力された電気信号の波形を取得する信号波形取得部と、
前記電気信号の波形に対して前記光検出器のインパルス応答関数を逆畳み込み演算する逆畳み込み演算部と、
前記逆畳み込み演算部による演算により得られた波形が閾値に達する時刻を、前記シンチレータにおいて放射線が相互作用した時刻として検出する相互作用時刻検出部と、
を含む、
放射線検出器。
続きを表示（約 230 文字）【請求項２】
前記光検出器はシリコンフォトマルチプライヤである、
請求項１に記載の放射線検出器。
【請求項３】
前記シンチレータはＢＧＯからなる、
請求項１に記載の放射線検出器。
【請求項４】
前記シンチレータはＰｂＷＯ
4
からなる、
請求項１に記載の放射線検出器。
【請求項５】
請求項１～４の何れか１項に記載の放射線検出器を備える放射線断層撮影装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、放射線検出器に関するものである。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
高エネルギの放射線（例えば、ガンマ線、Ｘ線、α線など）を検出する放射線検出器は、例えば、陽電子放出断層撮影（Positron Emission Tomography、ＰＥＴ）装置および単一光子放出断層撮影（Single Photon Emission Computed Tomography、ＳＰＥＣＴ）装置などの放射線断層撮影装置だけでなく、放射線を検出する様々な装置において用いられ得る。
【０００３】
このような装置において用いられる放射線検出器は、放射線と相互作用することによりシンチレーション光を発生するシンチレータと、そのシンチレーション光を受光して電気信号を出力する光検出器と、その電気信号に基づいてシンチレータにおいて放射線が相互作用した時刻を検出する処理部と、を備える。処理部は、光検出器から出力された電気信号の値が所定の閾値に達する時刻を、シンチレータにおける放射線の相互作用時刻として検出する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００４】
M.V.Nemallapudi et al. “Single photon time resolution of state of the art SiPMs,”JINST 11 P10016 (2016)
S.Gundacker et al. “Experimental time resolution limits of modern SiPMs andTOF-PET detectors exploring different scintillators and Cherenkov emission,” Phys.Med. Biol., 65 (2020) 025001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
放射線検出器では、シンチレータにおける放射線の相互作用時刻の検出の時間分解能の向上が要求されるものの、上記のようにして相互作用時刻を検出することから、時間分解能の向上には限界がある。
【０００６】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、シンチレータにおける放射線の相互作用時刻の検出の時間分解能を向上させることができる放射線検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の放射線検出器の第１態様は、(1) 放射線と相互作用することにより光を発生するシンチレータと、(2) シンチレータで発生した光を受光して電気信号を出力する光検出器と、(3) 電気信号の波形に基づいて、シンチレータにおいて放射線が相互作用した時刻を検出する処理部と、を備える。処理部は、(a) 光検出器から出力された電気信号の波形を取得する信号波形取得部と、(b) 電気信号の波形に対して光検出器のインパルス応答関数を逆畳み込み演算する逆畳み込み演算部と、(c) 逆畳み込み演算部による演算により得られた波形が閾値に達する時刻を、シンチレータにおいて放射線が相互作用した時刻として検出する相互作用時刻検出部と、を含む。
【０００８】
本発明の放射線検出器の第２態様では、第１態様に加えて、光検出器はシリコンフォトマルチプライヤである。
【０００９】
本発明の放射線検出器の第３態様では、第１態様または第２態様に加えて、シンチレータはＢＧＯからなる。
【００１０】
本発明の放射線検出器の第４態様では、第１態様または第２態様に加えて、シンチレータはＰｂＷＯ
4
からなる。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許