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公開番号
2025069957
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-01
出願番号
2025008356,2022140779
出願日
2025-01-21,2022-09-05
発明の名称
ハイエントロピー合金触媒
出願人
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
主分類
B01J
23/835 20060101AFI20250422BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】簡便、低コストで製造可能なハイエントロピー合金の製造方法の提供、当該ハイエントロピー合金の使用方法の提供、ハイエントロピー合金触媒の提供、新規なハイエントロピー合金の提供である。
【解決手段】第4-6周期、第3-12族の遷移金属、アルミニウム、ケイ素、および、ランタノイドからなる群から選択される5種以上の金属の塩を、溶媒の存在下、混合液を得る工程、前記混合液を乾燥、加熱して酸化物前駆体を得る工程、前記酸化物前駆体と、CaH
2
、Ca、MgH
2
、Mgから選択される少なくとも一つの還元剤と、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の溶融塩と、を不活性ガスの存在下、加熱、還元してハイエントロピー合金を得る工程、を備えるハイエントロピー合金の製造方法である。前記ハイエントロピー合金を、液相での水素化反応の触媒に用いてもよい。また、前記方法により新規なハイエントロピー合金を作製できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
原子組成比が、
AlCoCrFeNiV、AlCoCrFeNi、CoFeNiTiCr、CoFeNiTiV、Al
0.2
Co
1.5
CrFeNi
1.5
Ti
0.5
、(Ti
0.5
Zr
0.5
)(Cr
0.25
Mn
0.25
Fe
0.25
Ni
0.25
)
2
のうちいずれか一つの式で表される、ハイエントロピー合金を含む、液相水素化反応用のハイエントロピー合金触媒。
続きを表示(約 77 文字)
【請求項2】
前記液相水素化反応が、ニトロ基またはイミンの水素化によるアミンの合成反応である、請求項1に記載のハイエントロピー合金触媒。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイエントロピー合金の製造方法、ハイエントロピー合金の使用方法、ハイエントロピー合金触媒、および新規なハイエントロピー合金に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、新しい合金材料としてハイエントロピー合金(High Entropy Alloy:以下、HEAという)が注目されている。HEAは、5成分系以上の多成分系合金で、種々の元素が結晶格子にランダムに配置される、すなわち配置のエントロピーが高くなるというものであり、かつ基本的に単一相の不規則固溶体から成っている。HEAは、(a)ギブスの自由エネルギー式における混合エントロピー項が負に増大することに起因する混合状態の安定化、(b)複雑な微細構造による拡散遅延、(c)構成原子のサイズ差に起因する高格子歪みに起因する高硬度化や機械的特性の温度依存性低下、(d)多種元素共存による複合影響(カクテル効果とも言う)による耐食性の向上などの特性を有している。そして、HEAは、優れた腐食及び酸化耐性を有していることや、優れた摩擦耐性があることなどから、様々な用途での応用が検討されている。例えば、主な用途としては、形状記憶合金として、医療器具や構造材料の他、3D金属プリンターなどの新応用分野への展開、触媒材料としての利用など様々な分野に応用されている。
【0003】
このようなハイエントロピー合金の製造方法として、原料を混合、溶解して粉砕する物理的な方法や、金属溶湯脱成分法を利用した化学的な方法がある。物理的な方法として、例えば、特許文献1には、原料混合溶解工程とアトマイズ工程と混合粉末用意工程と積層造形工程と擬溶体化熱処理工程等の工程によりハイエントロピー合金を製造することが開示されている。また、特許文献2には、元素粉末や予め合金化された粉末を均質な合金が形成されるまでボールミルで粉砕する機械的合金化技術によって固体合金を得ることが開示されている。
【0004】
そして、金属溶湯脱成分法を利用した化学的な方法として、各元素の前駆合金を準備し、アーク融解で溶かして各成分を混合し、固化後の合金から、薄板状の前駆体を切り出して特定の金属から成る金属浴に、前駆体を浸すことで、ポーラス金属を得ることが開示されている(特許文献3-4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-114948号公報
特表2022-530648号公報
特開2020-125523号公報
国際公開第2011/092909号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
物理的な方法では、原料の混合、溶解の工程において、通常、構成金属を高温(2000℃ほど)で溶解して混合する必要があるため、高周波溶解炉などの高温耐性の大型・大規模装置が必要である。また、原料となる金属として高価な純金属を使用するものであり、さらに、製造工程数も多く、作業負担やコストの増加を引き起こしたり、各工程において、例えば粉砕工程などでは不純物の混入のリスクが生じる可能性もある。そして、化学的な方法においても、原料となる金属として高価な純金属を使用することや、混合熱や融点を考慮して各工程で用いる金属を選択するという複雑な工程を経ること、さらに製造工程数が多いという問題がある。
【0007】
このようなHEAは種々の触媒材料としての用途拡大も期待されており、また、今後、ハイエントロピー合金の新たな用途を模索するべく、新規なハイエントロピー合金の開発も望まれるところである。本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡便、低コストでハイエントロピー合金を製造できる、ハイエントロピー合金の製造方法や当該ハイエントロピー合金の使用方法を提供することである。また、ハイエントロピー合金触媒や新規なハイエントロピー合金の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、各金属元素の塩やその水和物の酸化物前駆体をアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む溶融塩中で水素化カルシウム(CaH
2
)、カルシウム(Ca)などを還元剤に用いて、加熱、還元することで、ハイエントロピー合金が一段反応で得られることを見いだし、本発明を完成させた。そして、この方法により、ハイエントロピー合金触媒や新規なハイエントロピー合金を製造した。
【0009】
本発明は、下記(1)-(5)に記載のハイエントロピー合金の製造方法に関する。
(1)第4-6周期、第3-12族の遷移金属、アルミニウム、ケイ素、および、ランタノイドからなる群から選択される5種以上の金属の塩を、溶媒の存在下、混合液を得る工程と、前記混合液を乾燥、加熱して酸化物前駆体を得る工程と、前記酸化物前駆体と、水素化カルシウム、カルシウム、水素化マグネシウム、マグネシウムから選択される少なくとも一つの還元剤と、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の溶融塩と、を不活性ガスの存在下、加熱、還元してハイエントロピー合金を得る工程と、を備えるハイエントロピー合金の製造方法。
(2)前記混合液を得る工程は、前記金属の塩とキレート試薬とを溶媒の存在下、混合して混合液を得る工程である、前記(1)に記載のハイエントロピー合金の製造方法。
(3)前記混合液を得る工程は、前記金属の塩と前記金属(前記金属の塩の金属を除く)の酸化物とを溶媒の存在下、混合して混合液を得る工程である、前記(1)に記載のハイエントロピー合金の製造方法。
(4)前記金属は、Ni、Fe、Cr、Co、Al、Mn、Ti、V、Zr、Ir、Pd、Pt、Rh、Ru、Au、Ag、Y、Ga、Ln、Ce、Pr、Nd、Smから選択される、前記(1)に記載のハイエントロピー合金の製造方法。
(5)前記選択される5種以上の金属のうち少なくとも一つは貴金属であり、前記混合液を得る工程は、さらにカルシウム塩を混合して混合液を得る工程である、前記(2)に記載のハイエントロピー合金の製造方法。
【0010】
また、本発明は、下記(6)および(7)に記載のハイエントロピー合金の使用方法、下記(8)および(9)に記載のハイエントロピー合金触媒や下記(10)に記載の新規化合物に関する。
(6)前記(2)に記載のハイエントロピー合金の製造方法によりハイエントロピー合金粉末を製造し、前記ハイエントロピー合金を液相での水素化反応の触媒に用いる、ハイエントロピー合金の使用方法。
(7)前記液相での水素化反応は、ニトロ基またはイミンの水素化によるアミンの合成反応である、前記(6)に記載のハイエントロピー合金の使用方法。
(8)原子組成比が、AlCoCrFeNiV、AlCoCrFeNi、CoFeNiTiCr、CoFeNiTiV、Al
0.2
Co
1.5
CrFeNi
1.5
Ti
0.5
、(Ti
0.5
Zr
0.5
)(Cr
0.25
Mn
0.25
Fe
0.25
Ni
0.25
)
2
のうちいずれか一つの式で表される、ハイエントロピー合金を含む、液相水素化反応用のハイエントロピー合金触媒。
(9)前記液相水素化反応が、ニトロ基またはイミンの水素化によるアミンの合成反応である、前記(8)に記載のハイエントロピー合金触媒。
(10)原子組成比が、CeMnFeCoNiZn、または(La
0.2
Ce
0.2
Pr
0.2
Nd
0.2
Sm
0.2
)MnFeCoNiZn、または(Y
0.2
La
0.2
Ce
0.2
Pr
0.2
Nd
0.2
)Ga
2
Ni
3
の式で表される、ハイエントロピー合金。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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