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公開番号2025069236
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-30
出願番号2025010682,2023087449
出願日2025-01-24,2023-05-29
発明の名称化合物又はその塩、及びグアニン四重鎖結合性リガンド
出願人国立大学法人東京農工大学
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C07D 498/22 20060101AFI20250422BHJP(有機化学)
要約【課題】グアニン四重鎖(G4)形成配列の検出に用いる化合物又はその塩及びG4結合性リガンドを提供する。
【解決手段】G4形成配列予測装置は、5’-Ny0Gx1Ny1Gx2Ny2Gx3Ny3Gx4Ny4-3’で表される塩基配列(塩基配列中、Ny0~Ny4は塩基数が0以上の任意の配列断片を表し、Gx1~Gx4は、塩基数が2以上のGのみを含む配列断片を表す。)の特徴を示す特徴ベクトルを上記塩基配列の配列データから決定する決定部と、予測モデルを用いることにより、上記特徴ベクトルから上記塩基配列でのグアニン四重鎖の形成状態を予測する予測部と、を備える。予測モデルは、上記塩基配列の特徴を示す特徴ベクトルと、上記塩基配列での上記グアニン四重鎖の形成状態を示すG4形成状態情報との組である教師データを用いて機械学習を行うことにより構築される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の一般式(I):
TIFF
2025069236000024.tif
44
89
[式中、R

はHであるか、又は
TIFF
2025069236000025.tif
8
76
であり、この場合、R

中のR

は置換されていても良い2~4個の共役した平面環からなる芳香族縮合環であり、


及びR

はそれぞれ独立して
TIFF
2025069236000026.tif
8
92
TIFF
2025069236000027.tif
12
95
である。]
を有する化合物又はその塩。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
以下の構造:
TIFF
2025069236000028.tif
39
71
を有する、化合物又はその塩。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物又はその塩からなる、グアニン四重鎖結合性リガンド。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塩基配列でのグアニン四重鎖の形成の有無(塩基配列がグアニン四重鎖を形
成するか否か)や塩基配列でのグアニン四重鎖の安定性等の塩基配列でのグアニン四重鎖
の形成状態を予測するグアニン四重鎖形成配列予測装置及びその予測装置に用いる予測モ
デルを構築する機械学習方法、並びにグアニン四重鎖形成配列の検出に用いる化合物又は
その塩、及びグアニン四重鎖結合性リガンドに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、グアニン四重鎖(G-quadruplex、以下、「G4」と略すことがある。)は、図9
b)に示すように、グアニン塩基同士のπ-π相互作用と水素結合を駆動力として形成さ
れる核酸高次構造である。G4に結合するタンパク質も20種類以上同定され、G4は生
体内で形成と解離を繰り返す動的な構造である。図9a)に示すように、mRNAの非翻
訳領域等に存在するG4が形成される塩基配列(以下、「G4形成配列」と略すことがあ
る。)に対して、G4を安定化する低分子化合物(G4リガンド)を作用させると、リボ
ソームがG4形成点で停滞し、mRNAから解離し翻訳が阻害される。ゲノムDNA/R
NAで形成されるG4は、ポリメラーゼ伸長反応を阻害することで転写や複製を阻害する
。従って、G4は特徴的な核酸高次構造として注目され、タンパク質発現、複製に関与す
る新しい創薬標的として期待されている。
【0003】
G4を標的としたがん遺伝子抑制活性に基づく抗がん剤の臨床開発が、海外において進
行中である。一方、抗ウイルス創薬分野では、Corona、Retro、Flavi等の複数種類のRN
Aウイルスゲノムで、G4形成配列が見出され、G4リガンドを作用させる処理によるウ
イルス増殖抑制やウイルスタンパク質合成阻害が報告されている。すなわち、「G4の安
定化=ウイルス機能の制御」という図式が証明されつつある。G4は宿主細胞にも存在す
るが、(+)ssRNAウイルスでは、ゲノムとmRNAが同じ配列であるため、G4標
的創薬戦略ではウイルスの転写、翻訳、複製のすべてのライフサイクルを阻害することが
でき、ウイルスに対して高い薬剤選択性が実現できる。
【0004】
G4は、一本鎖配列との平衡状態にあり、複製や転写等の生体イベントのタイミングで
動的に形成されると考えられており、生物学的プロセスにおいて重要な役割を担うG4を
生体内において検出する分子ツールの開発とともに、G4の形成状態を予測するDNA/
RNAの核酸高次構造の予測技術が求められている。現在、G4を検出する分子ツールと
して、蛍光標識にした低分子化合物が報告されている。具体的には、例えば、G4と相互
作用した時のみ蛍光を発するG4結合性リガンドが報告されている(特許文献1)。
【0005】
これに対して、DNA/RNAの核酸高次構造の予測技術として、特にRNAの核酸高
次構造の予測モデルが適用されたG4形成配列予測装置が数多く報告されているが、それ
らの予測モデルは典型的な塩基対形成(A-T,G-U)に立脚したモデルである。一方
、非典型的な塩基対からなるG4の形成状態を予測する予測モデルが適用されたG4形成
配列予測装置も、近年、報告されている。その予測モデルとしては、例えば、G-quartet
平面が3枚以上重なったG4のみを抽出するものが報告されている(非特許文献1及び2
)。また、G-quartet平面が2枚以上のG4を抽出し、ループ塩基の長さや均等さを評価
することで、G4の形成確率としてスコアをつけるものが報告されている(非特許文献3
)。また、G(グアニン)及びC(シトシン)の含有量に基づいてG4の形成確率を示す
スコアをつけるものが報告されている(非特許文献4)。さらに、G(グアニン)が欠損
している不完全なG4についても抽出するものが報告されている(非特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-176108号公報
【非特許文献】
【0007】
Nucleic Acids Res. 2005, 33, 2908-2916.
Nucleic Acids Res., 2005, 33, 2901-2907.
Nucleic Acids Res., 2006, 34, 676-682.
Nucleic Acids Res. 2016, 44, 1746-1759.
Biochimie., 2017, 135, 54-62.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、G4の形成状態を予測する予測モデルが適用されたG4形成配列予測装
置は、これまで報告例が少なく、どのような塩基配列がG4を形成するかや塩基配列での
G4の安定性を正確に予測することは困難であった。上記の従来型のG4のG4形成配列
予測装置では、G-quartet平面の層数やループ配列組成等による実験研究者の経験則に基
づく予測モデル構築が行われていたのに対して、G(グアニン)の含有量、Tether配列組
成、G-quartet平面の出現数等を統合することで統計的かつ客観的に塩基配列でのG4の
形成の有無やG4の安定性等を評価し、G4の形成状態を予測する予測モデルは存在して
いなかった。これは、十分に信頼可能な統計処理を実施するのに十分な数のG4形成配列
が収集され、単一の条件で取得された実験データセットが存在しないことに起因すること
である。また、G4形成配列について、(G


1-7




といった配列ルール等が
提唱されていたが、このような配列ルールを逸脱するG4形成配列が複数報告されている
。さらに、G4の形成状態を予測するこれまでの予測モデルでは、特にG(グアニン)の
含有量が少ない塩基配列については予測精度が低かった。G(グアニン)の含有量が全体
の50%以下となるような塩基配列でもG4が形成される例が、近年報告されている。こ
のため、G(グアニン)の含有量が少ない塩基配列についても、G4の形成の有無やG4
の安定性等のG4の形成状態を高い精度で予測可能なG4形成配列予測装置が求められて
いる。
【0009】
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塩基
配列でのG4の形成状態を高い精度で予測できるG4形成配列予測装置、及びその予測装
置に用いる予測モデルを構築する機械学習方法、並びにG4形成配列の検出に用いる化合
物又はその塩、及びG4結合性リガンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明では、発明者が実験的に同定したG4形成配列を機械学習させ、G4形
成配列予測装置を作成した。予測装置を用いてG4形成配列の候補を予測、抽出し、G4
結合性リガンドを用いたG4の形成の検証実験を行うことで予測装置による予測結果をテ
ストし、その結果を再学習させることで、G4形成配列予測装置の予測精度を高めた。
(【0011】以降は省略されています)

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