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公開番号2025068194
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-25
出願番号2023177941
出願日2023-10-15
発明の名称循環系生理指標算出装置、コンピュータプログラム及び記録媒体
出願人株式会社デルタツーリング
代理人個人
主分類A61B 5/021 20060101AFI20250418BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 血圧をより高い精度で推定するための指標となる循環系生理指標を求める技術を提供する。
【解決手段】 瞬時心拍数の変動の時系列データを周波数解析して求められるパワースペクトルを両対数グラフにプロット表示し、そのプロット表示に対して、解析対象周波数帯域を複数種類設定し、さらに、次数の異なる2種類の近似曲線を当てはめる。各近似曲線としては、パワースペクトルのプロット表示との残差の標準偏差が最小となる4次の多項式又は3次の多項式で示されるものを複数求める。残差の標準偏差が小さい近似曲線ほど、当該近似曲線の変曲点の周波数と血圧との相関性が高くなることから、それに基づいて血圧への相関性がより高い近似曲線を選択する。複数の近似曲線のそれぞれの変曲点の接線、変曲点間の直線についても、残差の標準偏差を算出し、その最小のものを採用する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
心拍数と、体表から得られる左室内圧変動起因の音響脈波とのうち、いずれか少なくとも一つの生体信号データを用いて、血圧及び血流量に相関する循環系生理指標を求める循環系生理指標算出装置であって、
前記生体信号データを受信する生体信号受信部と、
前記生体信号データの時系列の変動情報が反映された時系列変動データを求める時系列変動データ算出部と、
前記時系列変動データを周波数解析して求められるパワースペクトルを両対数グラフにプロット表示する周波数解析部と、
前記パワースペクトルのプロット表示中、VLFからLFの範囲において設定される複数種類の解析対象周波数帯域について、n次の多項式又はn-1次の多項式を当てはめ、解析対象周波数帯域毎に、前記パワースペクトルのプロット表示との残差の標準偏差が最小となるn次の多項式又はn-1次の多項式で示される近似曲線を複数求める近似曲線演算部と、
前記近似曲線毎に、変曲点の接線の周波数勾配、変曲点が2つの場合にはさらにその2つの変曲点間の直線の周波数勾配をそれぞれ算出する周波数勾配算出部と、
前記変曲点の接線又は前記変曲点間の直線について前記パワースペクトルのプロット表示との残差の標準偏差を算出すると共に、各残差の標準偏差同士を比較し、前記残差の標準偏差が最小の前記接線又は前記直線を選択し、選択した前記接線又は前記直線の周波数勾配を前記循環系生理指標とする指標決定部と
を有する循環系生理指標算出装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記近似曲線演算部における前記解析対象周波数帯域が、
血流の急性の自己調節能により、血圧が上昇した場合に血流量を正常レベルに戻すまでの時間を基本周期として求められる基本周波数である0.017Hzを挟んだ0.006~0.034Hzの範囲のパワースペクトル算出ポイントのいずれかの周波数から0.08Hzまでの範囲である
請求項1記載の循環系生理指標算出装置。
【請求項3】
前記近似曲線演算部は、前記解析対象周波数帯域に描かれる前記近似曲線と前記パワースペクトルのプロット表示との残差のヒストグラムが正規分布となるか否かを判定し、正規分布とならない場合には、前記解析対象周波数帯域を調整し、前記近似曲線を再度求める
請求項1記載の循環系生理指標算出装置。
【請求項4】
前記n次の多項式が4次多項式であり、前記n-1次の多項式が3次多項式である
請求項1記載の循環系生理指標算出装置。
【請求項5】
前記近似曲線演算部は、
前記解析対象周波数帯域を、0.006~0.034Hzの範囲のパワースペクトル算出ポイントのいずれかの周波数から0.08Hzまでの範囲として、前記3次多項式で示される第1近似曲線と前記4次多項式で示される第2近似曲線を求め、
前記4次多項式の第2近似曲線から求められる2つの変曲点中の低周波側の変曲点の周波数から0.08Hzまでの範囲で前記3次多項式で示される第3近似曲線を求める
請求項4記載の循環系生理指標算出装置。
【請求項6】
前記指標決定部は、
前記第1近似曲線の変曲点の接線、
前記第2近似曲線の2つの変曲点の各接線、
前記第2近似曲線の2つの変曲点間の直線、
前記第3近似曲線の変曲点の接線
の計5つの直線から、
前記パワースペクトルのプロット表示との残差の標準偏差が最小の直線を選択する
請求項5記載の循環系生理指標算出装置。
【請求項7】
前記指標決定部は、
前記第1近似曲線、第2近似曲線及び第3近似曲線の各変曲点の接線に関する残差の標準偏差を、各変曲点を中心とした所定のパワースペクトルのプロット表示の範囲で求めると共に、
前記第2近似曲線については、さらに、2つの変曲点間の直線の中点を中心とした所定のパワースペクトルのプロット表示の範囲についても残差の標準偏差を求める
請求項6記載の循環系生理指標算出装置。
【請求項8】
コンピュータを、心拍数と、体表から得られる左室内圧変動起因の音響脈波とのうち、いずれか少なくとも一つの生体信号データを用いて、血圧及び血流量に相関する循環系生理指標を求める循環系生理指標算出装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記生体信号データを受信する手順と、
前記生体信号データの時系列の変動情報が反映された時系列変動データを求める手順と、
前記時系列変動データを周波数解析して求められるパワースペクトルを両対数グラフにプロット表示する手順と、
前記パワースペクトルのプロット表示中、VLFからLFの範囲において設定される複数種類の解析対象周波数帯域について、n次の多項式又はn-1次の多項式を当てはめ、解析対象周波数帯域毎に、前記パワースペクトルのプロット表示との残差の標準偏差が最小となるn次の多項式又はn-1次の多項式で示される近似曲線を複数求める手順と、
前記近似曲線毎に、変曲点の接線の周波数勾配、変曲点が2つの場合にはさらにその2つの変曲点間の直線の周波数勾配をそれぞれ算出する手順と、
前記変曲点の接線又は前記変曲点間の直線について前記パワースペクトルのプロット表示との残差の標準偏差を算出すると共に、各残差の標準偏差同士を比較し、前記残差の標準偏差が最小の前記接線又は前記直線を選択し、選択した前記接線又は前記直線の周波数勾配を前記循環系生理指標とする手順と
を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記解析対象周波数帯域が、
血流の急性の自己調節能により、血圧が上昇した場合に血流量を正常レベルに戻すまでの時間を基本周期として求められる基本周波数である0.017Hzを挟んだ0.006~0.034Hzの範囲のパワースペクトル算出ポイントのいずれかの周波数から0.08Hzまでの範囲である
請求項8記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記解析対象周波数帯域に描かれる前記近似曲線と前記パワースペクトルのプロット表示との残差のヒストグラムが正規分布となるか否かを判定し、正規分布とならない場合には、前記解析対象周波数帯域を調整し、前記近似曲線を再度求める
請求項9記載のコンピュータプログラム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧及び血流量に相関する循環系生理指標を求める技術に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
本出願人は、特許文献1として、三次元立体編物を用いた生体信号検出センサから得られる生体信号データを解析し、心室充満期から等容性収縮期の血流変動によって生じる生体内の振動情報を捉え、そのゆらぎを示す指標を、ローレンツプロット法を適用して求め、その指標から血圧値を推定する血圧推定装置を開示している(特許文献1)。
【0003】
具体的には、生体信号検出センサから背部の体表面の生体信号(音響脈波(Acoustic Pulse Wave:APW)を捉え、その時系列波形を所定の周波数帯域でフィルタリングし、心周期を顕在化させたフィルタ処理波形を得て、同時に測定した心電計から得られる心電図波形データにこのフィルタ処理波形を照合し、心室充満期から等容性収縮期における波形成分を特定し、その後、ローレンツプロット法を適用し、所定の測定時間でプロットされる多数の点群の傾きを基準とし、それよりも短い測定時間の点群の傾きとの角度差についての時系列を新たに構築し、その時系列波形を周波数解析し、周波数解析結果を両対数軸表示させてその解析波形におけるVLFからLFの範囲について回帰直線を求め、その回帰直線の傾きをフラクタルスロープと定義し、フラクタルスロープから血圧を推定する技術である。
【0004】
特許文献2では、脈波伝播速度(PWV)が血圧と動脈の弾性特性に依存することに着目し、血圧がPWVに比例するものとして血圧を測定する技術が開示されている。また、PWVをPAT(Pulse arrival time)から求めることが記載されている。PWVがPATの微分に反比例するため、PATの微分値を求めて血圧を推定している。さらには、携帯電話などのモバイルコンピュータに用いられている光センサーにより心拍数と酸素飽和度を測定することも記載されている。
【0005】
特許文献1及び2のいずれも、カフを用いた血圧計すなわち上腕式血圧計を利用することなく、血圧を推定できる技術である点で共通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-122502号公報
US2015/0320328A1号公報
特開2022-71786号公報
特開2022-71812号公報
【非特許文献】
【0007】
ガイトン生理学、原著第13版、2018年3月20日発行、著者John E. Hall、総監訳:石川義弘、他、発行所:エルゼビア・ジャパン株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、血圧の恒常性維持のための複雑性制御は、エネルギー変動によるゆらぎをもつ。心拍数(HR)は、心電図(ECG)のRRIから導出され、心拍変動(HRV)にはゆらぎがあり、心拍変動の周波数解析結果からゆらぎ指標が算出される。心拍変動は、後負荷と圧受容器反射に反映され、後負荷の変動と圧受容器反射によって動脈圧は変動する。
【0009】
特許文献1では、このゆらぎを示す指標として、上記のフラクタルスロープを用いているが、フラクタルスロープは、解析波形の特徴を回帰直線のみで示した指標である。したがって、上記のように制御機構が複雑性を有する複雑性制御構造の血圧の特徴を十分に反映したものとは言い難い。
【0010】
また、特許文献2のように、脈波伝播速度を検出して血圧を求めることも行われている。脈波伝播速度は血圧と相関があると言われているものの、相関の程度はそれほど高いとは言えない。したがって、脈波伝播速度やその代用として用いられる脈波伝播遅延時間を単純に血圧に対比させて推定しても、その精度の点で懸念がある。
(【0011】以降は省略されています)

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