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公開番号
2025067522
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2023177577
出願日
2023-10-13
発明の名称
界面活性剤分解抑制方法、アルミニウム又はアルミニウム合金の洗浄方法、及び清浄化された表面を有するアルミニウム材の製造方法
出願人
日本パーカライジング株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
C23G
1/12 20060101AFI20250417BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】安定化剤を添加せずとも界面活性剤の分解を大幅に抑制できる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 無機酸と、鉄イオンと、0.1~10g/Lの界面活性剤と、を含有したアルミニウム又はアルミニウム合金用洗浄液中の界面活性剤分解抑制方法であって、
前記洗浄液はpH2以下であり、
前記洗浄液中にモノオキソ酸塩及びジオキソ酸塩からなる群より選ばれる1種以上のオキソ酸塩を添加する工程、を含む、方法、により課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
無機酸と、鉄イオンと、0.1~10g/Lの界面活性剤と、を含有したアルミニウム又はアルミニウム合金用洗浄液中の界面活性剤分解抑制方法であって、
前記洗浄液はpH2以下であり、
前記洗浄液中にモノオキソ酸塩及びジオキソ酸塩からなる群より選ばれる1種以上のオキソ酸塩を添加する工程、を含む、方法。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
前記工程は、前記洗浄液中の第二鉄イオン濃度を0.02~5g/Lの範囲内となるよう添加する工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オキソ酸塩は、亜硝酸塩、次亜塩素酸塩及び亜塩素酸塩からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
無機酸と、鉄イオンと、0.1~10g/Lの界面活性剤と、を含有した水性溶液に、前記水性溶液中の第二鉄イオン濃度を0.02~5g/Lに維持するようモノオキソ酸塩及びジオキソ酸塩からなる群から選ばれる1種以上のオキソ酸塩を添加した洗浄液を準備する準備工程、及び前記工程で得られた洗浄液でアルミニウム又はアルミニウム合金を洗浄する洗浄工程、を含み、
前記洗浄工程において、以下に示す洗浄条件における洗浄液のCOD
Mn
の増加率(%)が20%以下である、アルミニウム又はアルミニウム合金の洗浄方法。
・前記洗浄液1Lを用いて、表面積144m
2
のアルミニウム又はアルミニウム合金の表面を洗浄する。
・洗浄は、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に洗浄液を1.1秒間接触させ、1.4秒間休止するサイクルで行う。
・アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に接触させた洗浄液は回収の上、酸補給液を適宜補充して再度洗浄液として使用する。
・洗浄液にはモノオキソ酸塩及びジオキソ酸塩からなる群より選ばれる1種以上のオキソ酸塩を適宜補充し、洗浄液中の前記第二鉄イオン濃度を維持する。
・COD
Mn
増加率(%)=[(洗浄後の洗浄液のCOD
Mn
/洗浄前洗浄液のCOD
Mn
)-1]×100(%)
【請求項5】
前記オキソ酸塩は、亜硝酸塩、次亜塩素酸塩及び亜塩素酸塩からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項4に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金の洗浄方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム缶ボディー等のアルミニウム材の脱脂やスマット除去に好適なアルミニウム又はアルミニウム合金の洗浄方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
アルミニウム又はアルミニウム合金から製造された飲料缶等のアルミニウム材は、その表面をアルミニウム酸化物や油分等が覆っている。特にアルミニウム缶の場合は、通常、ドローイング・アンド・アイアニング(DI)と呼ばれる引き抜き加工によって製造されており、この加工によって製造されたアルミニウム缶には、引き抜き時に削られて発生したアルミニウム粉末(スマット)や潤滑油が付着している。したがって、アルミニウム材に化成処理皮膜や塗膜等を強固に形成するためには、予めアルミニウム酸化物、油分、スマット等を除去し清浄化しておく必要がある。
【0003】
アルミニウム材の表面を清浄化するには、一般に金属表面を適度にエッチングして洗浄するクロム酸系、フッ化水素酸系、さらにはクロムフリーやフッ素フリー系の酸性洗浄液が用いられている。通常、酸性洗浄液中でのアルミニウムのエッチング反応は、アルミニウムがアルミニウムイオン(Al
3+
)となるアノード反応と、洗浄液中のH
+
が還元されて1/2H
2
となるカソード反応とからなる。そこで、酸性洗浄液中に第二鉄イオン(Fe
3+
)を添加すると、このFe
3+
が第一鉄イオン(Fe
2+
)に還元されるカソード反応が前記H
+
の還元と同時に起こるため、アルミニウムのアノード反応が促進され、アルミニウムの溶解量(エッチング量)が増加する。なお、洗浄浴中のFe
3+
濃度を管理し、反応の進行によるFe
2+
濃度の増加を抑制するために酸化剤を添加してFe
2+
をFe
3+
に酸化して再利用する手法として酸化剤が用いられていた。従来は、その酸化剤として過酸化物が用いられていた。
【0004】
ところが、鉄イオンの存在下で過酸化物を添加すると界面活性剤が酸化分解され、界面活性剤濃度が低下することや、界面活性剤の酸化分解物が酸性洗浄浴中に蓄積してアルミニウム表面の洗浄性が低下するという問題があった。また、洗浄性を維持するために過剰量の界面活性剤を要するので、ランニングコストが増大するという問題もあった。
【0005】
そこで、酸化剤による界面活性剤の分解を防止する技術が多種開発された。例えば特許文献1には、鉱酸、酸化剤、多価金属イオン、界面活性剤及びC2~C10のグリコールから選ばれる1種又は2種以上の化合物を0.05~5.0g/L含有させたことを特徴とするアルミニウム用酸性洗浄液が開示されており、C2~C10のグリコールによって界面活性剤の分解を防止しようとするものである。
特許文献2には、無機酸から選ばれる少なくとも1種を0.5~25g/L、臭素イオ
ンを0.002~5g/L、および酸化型金属イオンを0.05~4g/Lを含有する酸性洗浄水溶液であって、該洗浄液の酸化還元電位が銀-塩化銀電極基準で0.5~0.8Vであることを特徴とするアルミニウム系金属の洗浄方法が開示されており、酸性洗浄液の酸化還元電位を所定範囲に管理することによって界面活性剤の分解反応を抑制するものである。
また、特許文献3には、pH2以下となる量の無機酸と、酸化型金属イオンと、界面活性剤と、主鎖中の隣接した炭素原子に直結した水酸基を1分子中に少なくとも2個有する多価アルコールを0.1~5g/Lと、を含有するアルミニウム系金属の酸性洗浄水溶液が開示されており、前記多価アルコールによって界面活性剤の分解を防止しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平4-52289号公報
特開平7-113189号公報
特開平7-41973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
酸性洗浄浴中液の洗浄能力を保持するために、界面活性剤濃度を管理することは非常に重要である。しかし、上記特許文献のように界面活性剤の安定化剤を処理液中に配合すると、安定化剤が有機物である場合、洗浄廃液中の化学的酸素要求量(COD
Mn
)を増加させる問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、安定化剤を添加せずとも界面活性剤の分解を大幅に抑制できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、洗浄液中の第二鉄イオン濃度を特定の範囲に維持するために、モノオキソ酸塩及びジオキソ酸塩からなる群から選ばれる1種以上のオキソ酸塩を添加することで、安定化剤を添加しなくても界面活性剤の分解を抑制できるという新たな知見を得た。そして、この知見を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、例示的には以下のように特定される。
【0010】
[1]無機酸と、鉄イオンと、0.1~10g/Lの界面活性剤と、を含有したアルミニウム又はアルミニウム合金用洗浄液中の界面活性剤分解抑制方法であって、
前記洗浄液はpH2以下であり、
前記洗浄液中にモノオキソ酸塩及びジオキソ酸塩からなる群より選ばれる1種以上のオキソ酸塩を添加する工程、を含む、方法。
[2]前記工程は、前記洗浄液中の第二鉄イオン濃度を0.02~5g/Lの範囲内となるよう添加する工程である、[1]に記載の方法。
[3]前記オキソ酸塩は、亜硝酸塩、次亜塩素酸塩及び亜塩素酸塩からなる群より選ばれる1種以上を含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]無機酸と、鉄イオンと、0.1~10g/Lの界面活性剤と、を含有した水性溶液に、前記水性溶液中の第二鉄イオン濃度を0.02~5g/Lに維持するようモノオキソ酸塩及びジオキソ酸塩からなる群から選ばれる1種以上のオキソ酸塩を添加した洗浄液を準備する準備工程、及び前記工程で得られた洗浄液でアルミニウム又はアルミニウム合金を洗浄する洗浄工程、を含み、
前記洗浄工程において、以下に示す洗浄条件における洗浄液のCOD
Mn
の増加率(%)が20%以下である、アルミニウム又はアルミニウム合金の洗浄方法。
・前記洗浄液1Lを用いて、表面積144m
2
のアルミニウム又はアルミニウム合金の表面を洗浄する。
・洗浄は、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に洗浄液を1.1秒間接触させ、1.4秒間休止するサイクルで行う。
・アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に接触させた洗浄液は回収の上、酸補給液を適宜補充して再度洗浄液として使用する。
・洗浄液にはモノオキソ酸塩及びジオキソ酸塩からなる群より選ばれる1種以上のオキソ酸塩を適宜補充し、洗浄液中の前記第二鉄イオン濃度を維持する。
・COD
Mn
増加率(%)=[(洗浄後の洗浄液のCOD
Mn
/洗浄前洗浄液のCOD
M
n
)-1]×100(%)
[5]前記オキソ酸塩は、亜硝酸塩、次亜塩素酸塩及び亜塩素酸塩からなる群より選ばれる1種以上を含む、[4]に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金の洗浄方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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