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公開番号2025066912
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2023176481
出願日2023-10-12
発明の名称ヘッドレスト
出願人備前発条株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B60N 2/853 20180101AFI20250417BHJP(車両一般)
要約【課題】前後調節式の車両用のヘッドレストにおいて、車両が前方衝突した場合、頭受け部が前方移動して、揺り戻される頭部との距離が近づいてその衝撃を低減するとともに、ある設定速度以上の衝突においてはダンパー機能が確実に発揮されるようにする。
【解決手段】固定側部材20に対する可動側部材30の前後動を規制することによって頭受け部40の前後位置を調節可能とする前後位置調節機構50を備えたヘッドレストにおいて、車両の運転時には頭受け部40を、調節区間における後方区間に位置させてその前面を下向きとした状態で使用でき、背もたれを倒した安息時には、頭受け部40を、調節区間における前方区間に位置させてその前面を上向きとした状態で使用できるようにするとともに、前後位置調節機構50として、頭受け部40が調節区間にあるときの可動側部材30に対し、後方移動と前方移動の摩擦抵抗力を発現する摩擦ブレーキ機構を用いた。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
座席の背もたれ上部に取り付けるためのステーと、
ステーに固定された固定側部材と、
固定側部材に対して前後動可能な状態で取り付けられた可動側部材と、
可動側部材に固定された頭受け部と、
固定側部材に対する可動側部材の前後動を規制することによって、頭受け部が最も後方に控えた状態となる最後方位置と、頭受け部が最も前方に突き出た状態となる最前方位置との間の調節区間で、頭受け部の前後位置を調節可能とする前後位置調節機構と、
最前方位置に設けられた前方ストッパーと、
最後方位置に設けられた後方ストッパーと
を備えた車両用のヘッドレストであって、
車両の運転時には、頭受け部を、調節区間における後方区間に位置させてその前面を下向きとした状態で使用でき、
背もたれを倒した安息時には、頭受け部を、調節区間における前方区間に位置させてその前面を上向きとした状態で使用できるようにするとともに、
前後位置調節機構として、頭受け部が調節区間にあるときの可動側部材に対し、後方移動の摩擦抵抗力を発現するだけでなく、前方移動の摩擦抵抗力も発現する摩擦ブレーキ機構を用いた
ことを特徴とするヘッドレスト。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
摩擦ブレーキ機構が、
一端側を固定側部材に固定され、他端側を自由端とされたコイル状のロックばねと、
可動側部材に固定された、ロックばねを外嵌又は内嵌するためのロックドラムと
を備え、
頭受け部が調節区間にあるときに、ロックばねの自由端を係止して動きを規制すること、又は、ロック方向が異なる2本のロックばねを使用することによって、上記の前方移動の摩擦抵抗力が発現するようにした
請求項1記載のヘッドレスト。
【請求項3】
摩擦ブレーキ機構が、
固定側部材に固定された固定側ロック部材と、
可動側部材に固定される一方、固定側部材に対して左右動可能な状態で取り付けられた可動側ロック部材と、
可動側ロック部材を固定側ロック部材に押し付ける向きに付勢する付勢部材と
を備え、
可動側ロック部材が固定側ロック部材に押し付けられるようにしたことによって、前方移動の摩擦抵抗力が発現するようにした
請求項1記載のヘッドレスト。
【請求項4】
前後位置調節機構が、頭受け部を1つの支点で前後回動させるものとされ、
前記支点が頭受け部の上部に位置し、
前後位置を調節する際の握り部が、頭受け部の下部に設けられた
請求項1~3いずれか記載のヘッドレスト。
【請求項5】
前後位置調節機構が、4本リンク機構を用いたものとされ、
当該4本リンクにおける対向するリンクの長さが異なることによって、後方区間にあるときの頭受け部の前面が下向きとなり、前方区間にあるときの頭受け部の前面が上向きとなるようにした
請求項1~3いずれか記載のヘッドレスト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、前後位置を調節可能なヘッドレストに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
自動車等の背もたれ上部に備えられるヘッドレストとしては、頭部を支える頭受け部の上下位置に加えて、前後位置も調節できるようにした前後調節式のものが知られている。前後調節式のヘッドレストでは、頭受け部を前方に移動させるときに所望の位置で位置決めできるようになっている。このように、ヘッドレストを前後調節式とすることによって、運転時においては、頭受け部を運転に支障のない位置としながらも、衝突等の衝撃によって頭部が揺れ動いた際には、その頭受け部で頭部を受けることができる。また、背もたれを倒して寛ぐときには、頭受け部を枕として使用するのに快適な位置に調整することもできる。
【0003】
前後調節式のヘッドレストとしては、これまでに、有段階調節型や無段階調節型のもの等、各種のものが提案されている。例えば、特許文献1の図1には、頭受け部1が最も後方に控えた状態となる後方限度位置(最後方位置)と、頭受け部1が最も前方に突き出た状態となる前方限度位置(最前方位置)との間で、頭受け部1の前後位置を調節可能とする前後位置調節機構を備えた無段階調節型のヘッドレストが記載されている。
【0004】
同文献のヘッドレストでは、
頭受け部1を最後方位置から最前方位置に向かって前方移動させる区間が、頭受け部1の前後位置を調節可能な調節区間となり、
頭受け部1が最前方位置(前方限度位置)に達すると、固定側部材22に対して可動側部材11がフリーに前後回動できるロック解除状態となり、
頭受け部1が最後方位置(後方限度位置)に達すると、固定側部材22に対して可動側部材11の後回動が制御されたロック状態となる
ようになっている。
また、同文献のヘッドレストは、助手席あるいは後部座席に適用する前提のものであり、使用時には頭受け部1を引き上げて使用するものとなっている。
【0005】
同文献には、上記の前後位置調節機構として、コイルバネ3(ロックばね)及びドラム223(ロックドラム)を用いたばねロック機構を採用することも記載されている。上記の調節区間で頭受け部を後方移動させようとしても、ロックばね3がロックドラム223を強く締め付けた状態となるため、頭受け部1が後方移動しないものの、自動車の衝突等によって、乗員の頭部が所定以上の強さで頭受け部1に当たると、ロックばね3がスリップしながら頭受け部1が後方移動していくようになり、上記の摩擦抵抗力によって衝撃を低減することができる。このように、前後位置調節機構としてロックばね3を用いることで、無段階の調節を可能にし、衝突時等の衝撃を和らげる機能(ダンパー機能)を持たせることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5684934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のヘッドレストでは、頭受け部1の慣性による前方移動への配慮が一切なされておらず、衝突時の頭受け部1が、全く前方移動しないか、又は、殆ど抵抗のない状態で前方移動すると考えられる。このため、上記のダンパー機能が発揮されなくなることがある。例えば、頭受け部1を最後方位置(後方限度位置)にしていたときに自動車が前方衝突し、そのときに頭受け部1が全く前方移動しない場合には、頭受け部1がそれ以上後方へ移動できず、ダンパー機能が発揮されない。また、殆ど抵抗のない状態で前方移動する場合には、慣性力によって頭受け部1が最前方位置(前方限度位置)まで達することによって、ロック解除状態(頭受け部1をフリーに後方移動できる状態)に切り替わってしまい、ダンパー機能が発揮されない。それだけでなく、急ブレーキ時や悪路運転時に、慣性力によって頭受け部1が前方移動して、運転に支障をきたすおそれもある。
【0008】
ここで、図8に示したヘッドレストに作用する慣性力について、具体的に考えてみる。車両の前方衝突によりヘッドレストの頭受け部に発生する慣性力、及び、頭部の揺り戻しによりヘッドレストの頭受け部に加わる荷重を計算するに際し、下記の条件1~8を用いた。
[条件1] ヘッドレストの重量:1.0kg
[条件2] 頭部の荷重:6.5kg(成人男性の標準体重65kgの1/10を頭部の荷重として想定)
[条件3] 衝突時間(衝突開始から停止するまでの時間):0.15秒
[条件4] 車両の速度:10km/h、25km/h、60km/h
[条件5] 頭受け部の回動中心から重心位置までの距離L

:40mm
[条件6] 角度θ

:5.5°
[条件7] 頭受け部の回動中心から頭部接触位置までの距離L

:75mm
[条件8] 角度θ

:55°
【0009】
上記の条件1~8のもと、発生する慣性力によって頭受け部を前方移動させる荷重(F

とする。)と、揺り戻された頭部が接触することによって頭受け部を後方移動させる荷重(F

とする)とを計算した結果を、以下の表1に示す。表1における荷重F

,F

はいずれも、頭受け部の重心位置で計算した。(参考文献:機械工学事典(日本機械学会)、交通資料集第5版(牧野隆,立花書房))
TIFF
2025066912000002.tif
35
150
【0010】
前後調整式のヘッドレストにおいては、60km/hでの衝突時においても、ロック解除状態にならないことが望ましい。また、20km/hでの急ブレーキ(停止時間約0.81秒)時や悪路運転時には、頭受け部が前方へ動かないことが望ましい。さらに、速度が10km/h以上の衝突においては、頭受け部が最前方位置(前方限界位置)に達さない範囲で前方移動して頭部に近づき、頭部の揺り戻しによる衝撃を低減できることが望ましい。加えて、25km/h以上での衝突時においては、揺り戻しで頭受け部に接触した頭部に対してダンパー機能が発揮されることが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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