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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025066827
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-23
出願番号
2025013420,2021558433
出願日
2025-01-29,2020-11-18
発明の名称
超電導コイルおよびその製造方法ならびに超電導コイル用超電導平角線材
出願人
古河電気工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H01F
6/06 20060101AFI20250416BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】樹脂を用いた含浸及び硬化の処理を行うことなく、クエンチを防止する超電導コイルを簡易的な方法で製造するための超電導平角線材、それを用いて得られる超電導コイル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】超電導コイル100は、巻枠60と、巻枠の外周面上に、銅又は銅合金で表面を被覆したNbTi系又はNb
3
Sn系の線材を含み、断面が略矩形状である超電導平角線材10’を、巻枠の略周方向に沿ってらせん巻回して、巻枠の軸方向に隣接する線材同士が、互いに離間した状態で並行配置されるように形成してなる少なくとも2層の超電導平角線材層L1、L2とを備え、それぞれ隣接する超電導平角線材同士の離間部分に少なくとも熱可塑性融着樹脂2’を有し、かつ、互いに隣接する合計3本又は合計4本の超電導平角線材で区画形成されうる空隙41~48は、少なくとも2層の超電導平角線材層に占める面積割合である空隙率にして4%以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
巻枠と、
前記巻枠の外周面上に、銅または銅合金で表面を被覆したNbTi系またはNb
3
Sn系の線材を含み、断面が略矩形状である超電導平角線材を、前記巻枠の略周方向に沿ってらせん巻回して、前記巻枠の軸方向に隣接する線材同士が、互いに離間した状態で並行配置されるように形成してなる少なくとも2層の超電導平角線材層と
を備える超電導コイルであって、
同一の超電導平角線材層内で隣接する線材同士の離間部分、および隣接する2つの超電導平角線材層内にそれぞれ位置する隣接する線材同士の離間部分に、少なくとも熱可塑性融着樹脂を有し、
前記巻枠の軸線を含む断面で見て、前記隣接する2つの超電導平角線材層に位置しかつ互いに隣接する、合計3本の超電導平角線材の外面で区画形成されうる空隙および合計4本の超電導平角線材の外面で区画形成されうる空隙の少なくとも一方の空隙は、前記少なくとも2層の超電導平角線材層に占める面積割合である空隙率(V1)にして4%以下であることを特徴とする超電導コイル。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記空隙は、前記巻枠の軸線を含む断面で見て、前記隣接する2つの超電導平角線材層に位置しかつ互いに隣接する合計3本および合計4本の超電導平角線材の外面で区画形成されることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル。
【請求項3】
巻枠と、
前記巻枠の外周面上に、銅または銅合金で表面を被覆したNbTi系またはNb
3
Sn系の線材を含み、断面が略矩形状である超電導平角線材を、前記巻枠の略周方向に沿ってらせん巻回して、前記巻枠の軸方向に隣接する線材同士が、互いに離間した状態で並行配置されるように形成してなる1層の超電導平角線材層と
を備える超電導コイルであって、
前記超電導平角線材層内で隣接する線材同士の離間部分に、少なくとも熱可塑性融着樹脂を有し、
前記巻枠の軸線を含む断面で見て、互いに隣接する合計2本の超電導平角線材の外面で区画形成されうる空隙は、前記超電導平角線材層に占める面積割合である空隙率(V1)にして4%以下であることを特徴とする超電導コイル。
【請求項4】
前記超電導平角線材が、前記線材の外周面を被覆する、前記熱可塑性融着樹脂からなる融着樹脂層を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の超電導コイル。
【請求項5】
前記熱可塑性融着樹脂が、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂から選択される1種以上からなることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の超電導コイル。
【請求項6】
前記超電導平角線材が、前記線材の外周面と前記融着樹脂層の間に、絶縁樹脂層をさらに有することを特徴とする請求項4または5に記載の超電導コイル。
【請求項7】
前記絶縁樹脂層が、ポリビニルフォルマル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂から選択される1種以上からなることを特徴とする請求項6に記載の超電導コイル。
【請求項8】
前記絶縁樹脂層の平均被覆厚さが0.005mm以上0.100mm以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の超電導コイル。
【請求項9】
前記線材は、平角線材であり、かつ角部の曲率半径(R1)が0.1mm以上0.4mm以下であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の超電導コイル。
【請求項10】
前記線材は、平角線材であり、かつ角部の曲率半径(R1)が以下に示す式(1)および式(2)を満足することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の超電導コイル。
TIFF
2025066827000010.tif
35
162
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導コイルおよびその製造方法ならびに超電導コイル用超電導平角線材に関する。
続きを表示(約 5,000 文字)
【背景技術】
【0002】
超電導線は、極低温で超電導性能を発現するものが一般に知られている。このような超電導線は、巻枠に巻回してコイル状とした後、液体ヘリウムに浸漬した状態にすれば、電磁石として使用することができる。超電導線は、通常の銅線などの電線に比べて極めて大きな電流を流すことができるという利点を有するものの、大電流を流すと、大きな電磁力が印加され、振動を生じて発熱するおそれがあり、発熱によって温度が上昇すると、超電導線の臨界電流値より小さい電流の通電においても、超電導状態が破壊して常電導状態(以下、「クエンチ」という)になって、液体ヘリウムが一気に蒸発する等の問題が生じることから、超電導状態を維持してクエンチを防止する手段を講じることが求められる。
【0003】
このクエンチを防止するための手段としては、例えば特許文献1に、超電導コイルの巻き線部分をエポキシ樹脂に含浸し、その後エポキシ樹脂に硬化処理を施して固定する超電導コイルが開示されている。硬化したエポキシ樹脂は、常温と極低温(~4K)のヒートサイクルを繰り返しても容易にクラックや剥離などの破損を生じることはないが、仮に破損を生じた場合には、クエンチを生じやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平06-325932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した超電導平角線材のエポキシ樹脂を用いた含浸および硬化の処理による固定は、コストや手間を要することから、クエンチを防止することができる超電導コイルをより簡易的な方法で製造するための手法や超電導平角線材が望まれていた。
【0006】
本発明は、以上のような実情に鑑みなされたものであり、樹脂を用いた含浸および硬化の処理を行うことなく、クエンチを防止することができる超電導コイルを、簡易的な方法で製造するための超電導平角線材、それを用いて得られる超電導コイルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、銅または銅合金で表面を被覆したNbTi系あるいはNb
3
Sn系の線材と、線材の外周面を被覆する、熱可塑性融着樹脂からなる融着樹脂層とを有する超電導コイル用超電導平角線材であって、超電導平角線材を構成する融着樹脂層の平均被覆厚さおよび超電導平角線材の角部の曲率半径の適正化を図ることによって、また、かかる超電導平角線材を用いて超電導コイルを作製することによって、クエンチを有効に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に本発明は、以下のものを提供する。
【0008】
[1]巻枠と、前記巻枠の外周面上に、銅または銅合金で表面を被覆したNbTi系またはNb
3
Sn系の線材を含み、断面が略矩形状である超電導平角線材を、前記巻枠の略周方向に沿ってらせん巻回して、前記巻枠の軸方向に隣接する線材同士が、互いに離間した状態で並行配置されるように形成してなる少なくとも2層の超電導平角線材層とを備える超電導コイルであって、同一の超電導平角線材層内で隣接する線材同士の離間部分、および隣接する2つの超電導平角線材層内にそれぞれ位置する隣接する線材同士の離間部分に、少なくとも熱可塑性融着樹脂を有し、前記巻枠の軸線を含む断面で見て、前記隣接する2つの超電導平角線材層に位置しかつ互いに隣接する、合計3本の超電導平角線材の外面で区画形成されうる空隙および合計4本の超電導平角線材の外面で区画形成されうる空隙の少なくとも一方の空隙は、前記少なくとも2層の超電導平角線材層に占める面積割合である空隙率(V1)にして4%以下であることを特徴とする超電導コイル。
[2]前記空隙は、前記巻枠の軸線を含む断面で見て、前記隣接する2つの超電導平角線材層に位置しかつ互いに隣接する合計3本および合計4本の超電導平角線材の外面で区画形成されることを特徴とする上記[1]に記載の超電導コイル。
[3]巻枠と、前記巻枠の外周面上に、銅または銅合金で表面を被覆したNbTi系またはNb
3
Sn系の線材を含み、断面が略矩形状である超電導平角線材を、前記巻枠の略周方向に沿ってらせん巻回して、前記巻枠の軸方向に隣接する線材同士が、互いに離間した状態で並行配置されるように形成してなる1層の超電導平角線材層とを備える超電導コイルであって、前記超電導平角線材層内で隣接する線材同士の離間部分に、少なくとも熱可塑性融着樹脂を有し、前記巻枠の軸線を含む断面で見て、互いに隣接する合計2本の超電導平角線材の外面で区画形成されうる空隙は、前記超電導平角線材層に占める面積割合である空隙率(V1)にして4%以下であることを特徴とする超電導コイル。
[4]前記超電導平角線材が、前記線材の外周面を被覆する、前記熱可塑性融着樹脂からなる融着樹脂層を有することを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の超電導コイル。
[5]前記熱可塑性融着樹脂が、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリエステル樹脂から選択される1種以上からなることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の超電導コイル。
[6]前記超電導平角線材が、前記線材の外周面と前記融着樹脂層の間に、絶縁樹脂層をさらに有することを特徴とする上記[4]または[5]に記載の超電導コイル。
[7]前記絶縁樹脂層が、ポリビニルフォルマル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂から選択される1種以上からなることを特徴とする上記[6]に記載の超電導コイル。
[8]前記絶縁樹脂層の平均被覆厚さが0.005mm以上0.100mm以下であることを特徴とする上記[6]または[7]に記載の超電導コイル。
[9]前記線材は、平角線材であり、かつ角部の曲率半径(R1)が0.1mm以上0.4mm以下であることを特徴とする上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の超電導コイル。
[10]前記線材は、平角線材であり、かつ角部の曲率半径(R1)が以下に示す式(1)および式(2)を満足することを特徴とする上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の超電導コイル。
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2025066827000002.tif
25
134
[11]銅または銅合金で表面を被覆したNbTi系あるいはNb
3
Sn系の線材と、前記線材の外周面を被覆する、熱可塑性融着樹脂からなる融着樹脂層とを有する超電導コイル用超電導平角線材であって、前記融着樹脂層の平均被覆厚さが0.005mm以上0.100mm以下であり、前記超電導平角線材の角部の曲率半径(R2)が、以下に示す式(3)および式(4)を満足することを特徴とする超電導平角線材。
TIFF
2025066827000003.tif
32
154
[12]前記融着樹脂層の平均被覆厚さが0.01mm以上0.07mm以下であることを特徴とする上記[11]に記載の超電導平角線材。
[13]前記熱可塑性融着樹脂が、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂から選択される1種以上からなることを特徴とする上記[11]または[12]に記載の超電導平角線材。
[14]前記線材の外周面と前記融着樹脂層の間に、絶縁樹脂からなる絶縁樹脂層をさらに有することを特徴とする上記[10]~[13]のいずれか1項に記載の超電導平角線材。
[15]前記絶縁樹脂が、ポリビニルフォルマル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂から選択される1種以上からなることを特徴とする上記[14]に記載の超電導平角線材。
[16]前記絶縁樹脂層の平均被覆厚さが0.005mm以上0.100mm以下であることを特徴とする上記[14]または[15]に記載の超電導平角線材。
[17]前記線材は、平角線材であり、かつ角部の曲率半径(R1)が0.1mm以上0.4mm以下であることを特徴とする上記[11]~[16]のいずれか1つに記載の超電導平角線材。
[18]前記線材は、平角線材であり、かつ角部の曲率半径(R1)が、以下に示す式(1)および式(2)を満足することを特徴とする上記[11]~[17]のいずれか1つに記載の超電導平角線材。
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2025066827000004.tif
27
134
[19]上記[10]~[18]のいずれか1つに記載の超電導平角線材を、巻枠の外周面上に、前記巻枠の略周方向に沿ってらせん巻回して、前記巻枠の軸方向に隣接する線材同士が、互いに離間した状態で並行配置される少なくとも2層の超電導平角線材層を有するコイルを形成する巻回工程と、前記巻回工程で形成した前記コイルを、前記熱可塑性融着樹脂が非晶性樹脂である場合は前記非晶性樹脂のガラス転移温度以上かつ300℃以下の温度で、又は前記熱可塑性融着樹脂が結晶性樹脂である場合は前記結晶性樹脂の融点以上かつ300℃以下の温度で、加熱処理を施す熱処理工程と、を含む、超電導コイルの製造方法。
[20]上記[10]~[18]のいずれか1つに記載の超電導平角線材を、巻枠の外周面上に、前記巻枠の略周方向に沿ってらせん巻回して、前記巻枠の軸方向に隣接する線材同士が、互いに離間した状態で並行配置される1層の超電導平角線材層を有するコイルを形成する巻回工程と、前記巻回工程で形成した前記コイルを、前記熱可塑性融着樹脂が非晶性樹脂である場合は前記非晶性樹脂のガラス転移温度以上かつ300℃以下の温度で、又は前記熱可塑性融着樹脂が結晶性樹脂である場合は前記結晶性樹脂の融点以上かつ300℃以下の温度で、加熱処理を施す熱処理工程と、を含む、超電導コイルの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、樹脂を用いた含浸および硬化の処理を行うことなく、クエンチを防止することができる超電導コイルを、簡易的な方法で製造するための超電導平角線材、それを用いて得られる超電導コイルおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、第1の実施形態の超電導コイルを、巻枠の軸線を含む平面で切断したときの断面図である。
図2は、図1の超電導コイルにおける空隙率(V1)の算出方法を説明するための図である。
図3は、第2の実施形態の超電導コイルを構成する、隣接する2つの超電導平角線材層の配置関係を説明するための断面図である。
図4は、第3の実施形態の超電導コイルを構成する、隣接する2つの超電導平角線材層の配置関係を説明するための断面図である。
図5は、第4の実施形態の超電導コイルを、巻枠の軸線を含む平面で切断したときの断面図である。
図6は、図5の超電導コイルにおける空隙率(V1)の算出方法を説明するための図である。
図7は、第1の実施形態の超電導コイル用超電導平角線材の横断面図である。
図8は、第2の実施形態の超電導コイル用超電導平角線材の横断面図である。
図9は、超電導コイルの製造方法の一例を説明するための図である。
図10は、超電導コイルの製造方法の他の例を説明するための図である。
図11は、実施例で製造した超電導コイル用超電導平角線材の寸法を説明するための横断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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