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公開番号2025066341
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-23
出願番号2023175871
出願日2023-10-11
発明の名称カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の検出方法および該検出方法に用いる培地
出願人国立大学法人東海国立大学機構
代理人個人
主分類C12Q 1/04 20060101AFI20250416BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】緑色レンサ球菌が、カルバペネム低感受性であるか否かを簡便に検出できる方法を提供する。
【解決手段】カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の検出方法であって、該検出方法は、ペニシリンG、アンピシリン、オキサシリン、アモキシシリン、セファロチン、セファゾリン、セフォチアム、セフタジジム、セフォキシチン、セフジニル、ラタモキセフ、フロモキセフ、メロペネム、および、ドリペネムからなる群から選択した少なくとも1種の抗菌薬と共に、緑色レンサ球菌を培養する培養工程と、培養工程における緑色レンサ球菌の増殖を指標に、培養した緑色レンサ球菌がカルバペネム系抗菌薬に対して感受性が高いか、或いは、感受性が低いか判定する判定工程とを含む、検出方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の検出方法であって、該検出方法は、
ペニシリンG、アンピシリン、オキサシリン、アモキシシリン、セファロチン、セファゾリン、セフォチアム、セフタジジム、セフォキシチン、セフジニル、ラタモキセフ、フロモキセフ、メロペネム、および、ドリペネムからなる群から選択した少なくとも1種の抗菌薬と共に、緑色レンサ球菌を培養する培養工程と、
培養工程における緑色レンサ球菌の増殖を指標に、培養した緑色レンサ球菌がカルバペネム系抗菌薬に対して感受性が高いか、或いは、感受性が低いか判定する判定工程と
を含む、検出方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記抗菌薬が、オキサシリン、セフォキシチン、セフジニル、フロモキセフ、メロペネム、および、ドリペネムからなる群から選択した少なくとも1種である
請求項1に記載の検出方法。
【請求項3】
前記抗菌薬が、オキサシリンおよびセフォキシチンからなる群から選択した少なくとも1種である
請求項2に記載の検出方法。
【請求項4】
前記抗菌薬が円形状の薬剤含有ディスクの形態で使用され、
前記培養工程が、前記薬剤含有ディスクを配置した固体培地を用いて行われ、
前記判定工程が、阻止円の直径に基づき判定される
請求項1~3のいずれか一項に記載の検出方法。
【請求項5】
前記培養工程が、前記抗菌薬を添加した液体培地または固体培地で行われ、
前記判定工程が、
液体培地中のカルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の増殖の観察または液体培地の濁度の測定に基づき判定される、または、
固体培地上のカルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の増殖の観察に基づき判定される
請求項1に記載の検出方法。
【請求項6】
前記液体培地または固体培地に添加される抗菌薬が、セフニジル、フロモキセフ、メロペネム、ドリペネム、オキサシリン、および、セフォキシチンからなる群から選択した1種であり、
前記液体培地中または固体培地中の前記抗菌薬の濃度は、
セフニジルが0.5mg/L以上、8mg/L以下であり、
フロモキセフが0.5mg/L以上、16mg/L以下であり、
メロペネムが0.03mg/L以上、1mg/L以下であり、
ドリペネムが0.015mg/L以上、0.5mg/L以下であり、
オキサシリンが0.5mg/L以上、16mg/L以下であり、
セフォキシチンが2mg/L以上、128mg/L以下である
請求項5に記載の検出方法。
【請求項7】
前記液体培地または固体培地が、ミューラーヒントン羊血液、ブレインハートインフージョン培地、ハートインフュジョン培地、トッド・ヘビット培地、ミティス・サリバリウス培地、および、トリプトソイ血液培地からなる群から選択される少なくとも1種である
請求項6に記載の検出方法。
【請求項8】
カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の検出方法に使用される培地であって、
前記培地は、液体培地または固体培地であり、
前記培地は、
少なくとも緑色レンサ球菌の栄養源と、
セフニジル、フロモキセフ、メロペネム、ドリペネム、オキサシリン、および、セフォキシチンからなる群から選択した少なくとも1種の抗菌薬と、
を含み、
前記培地中の前記抗菌薬の濃度は、
セフニジルが0.5mg/L以上、8mg/L以下であり、
フロモキセフが0.5mg/L以上、16mg/L以下であり、
メロペネムが0.03mg/L以上、1mg/L以下であり、
ドリペネムが0.015mg/L以上、0.5mg/L以下であり、
オキサシリンが0.5mg/L以上、16mg/L以下であり、
セフォキシチンが2mg/L以上、128mg/L以下である
培地。
【請求項9】
前記培地が、ミューラーヒントン羊血液、ブレインハートインフージョン培地、ハートインフュジョン培地、トッド・ヘビット培地、ミティス・サリバリウス培地、および、トリプトソイ血液培地からなる群から選択される少なくとも1種である
請求項8に記載の培地。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本出願における開示は、カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の検出方法および該検出方法に用いる培地に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
緑色レンサ球菌(viridans group streptococci,VGS)は口腔内に常在することのあるグラム陽性菌で、感染性心内膜炎の原因菌となることがある。緑色レンサ球菌感染症の治療に使われるβラクタム系抗菌薬(PBPを標的とする抗菌薬)のうち、ペニシリン(ペナム系)、セフェム(セファロスポリン)系には低感受性菌が確認されており、その場合はカルバペネム系が切り札的に使われている。
【0003】
しかしながら、臨床現場では患者への不要な薬剤投与を避けるため、患者から採取した緑色レンサ球菌が、カルバペネム系抗菌薬に対して感受性があるか、或いは、低感受性(カルバペネム耐性)であるのか確認することが望ましい。
【0004】
被検菌の薬剤感受性を調べる方法としては、薬剤含有ディスクを用いたディスク拡散法が、臨床の場ではよく用いられている。また、薬剤耐性菌をスクリーニングする方法として、液体培地を用いた多剤耐性菌スクリーニング方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-55716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、被検菌である緑色レンサ球菌が、カルバペネム低感受性であるか否かを簡便に検出できる方法は知られていない。
【0007】
本出願における開示は、上記問題を解決するためになされたものである。本発明者らは鋭意研究を行ったところ、ペニシリンG、アンピシリン、オキサシリン、アモキシシリン、セファロチン、セファゾリン、セフォチアム、セフタジジム、セフォキシチン、セフジニル、ラタモキセフ、フロモキセフ、メロペネム、および、ドリペネムからなる群から選択した少なくとも1種の抗菌薬と共に被検菌である緑色レンサ球菌を培養し、緑色レンサ球菌の増殖を指標とすることで、緑色レンサ球菌がカルバペネム系抗菌薬に対して感受性が高いか、或いは、感受性が低いか判定できることを新たに見出した。
【0008】
すなわち、本出願における開示の目的は、カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌を検出するための新たな検出方法および当該検出方法に使用できる培地を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の開示は、以下に示す、カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の検出方法および該検出方法に用いる培地に関する。
【0010】
(1)カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の検出方法であって、該検出方法は、
ペニシリンG、アンピシリン、オキサシリン、アモキシシリン、セファロチン、セファゾリン、セフォチアム、セフタジジム、セフォキシチン、セフジニル、ラタモキセフ、フロモキセフ、メロペネム、および、ドリペネムからなる群から選択した少なくとも1種の抗菌薬と共に、緑色レンサ球菌を培養する培養工程と、
培養工程における緑色レンサ球菌の増殖を指標に、培養した緑色レンサ球菌がカルバペネム系抗菌薬に対して感受性が高いか、或いは、感受性が低いか判定する判定工程と
を含む、検出方法。
(2)前記抗菌薬が、オキサシリン、セフォキシチン、セフジニル、フロモキセフ、メロペネム、および、ドリペネムからなる群から選択した少なくとも1種である
上記(1)に記載の検出方法。
(3)前記抗菌薬が、オキサシリンおよびセフォキシチンからなる群から選択した少なくとも1種である
上記(2)に記載の検出方法。
(4)前記抗菌薬が円形状の薬剤含有ディスクの形態で使用され、
前記培養工程が、前記薬剤含有ディスクを配置した固体培地を用いて行われ、
前記判定工程が、阻止円の直径に基づき判定される
上記(1)~(3)のいずれか一つに記載の検出方法。
(5)前記培養工程が、前記抗菌薬を添加した液体培地または固体培地で行われ、
前記判定工程が、
液体培地中のカルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の増殖の観察または液体培地の濁度の測定に基づき判定される、または、
固体培地上のカルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の増殖の観察に基づき判定される
上記(1)に記載の検出方法。
(6)前記液体培地または固体培地に添加される抗菌薬が、セフニジル、フロモキセフ、メロペネム、ドリペネム、オキサシリン、および、セフォキシチンからなる群から選択した1種であり、
前記液体培地中または固体培地中の前記抗菌薬の濃度は、
セフニジルが0.5mg/L以上、8mg/L以下であり、
フロモキセフが0.5mg/L以上、16mg/L以下であり、
メロペネムが0.03mg/L以上、1mg/L以下であり、
ドリペネムが0.015mg/L以上、0.5mg/L以下であり、
オキサシリンが0.5mg/L以上、16mg/L以下であり、
セフォキシチンが2mg/L以上、128mg/L以下である
上記(5)に記載の検出方法。
(7)前記液体培地または固体培地が、ミューラーヒントン羊血液、ブレインハートインフージョン培地、ハートインフュジョン培地、トッド・ヘビット培地、ミティス・サリバリウス培地、および、トリプトソイ血液培地からなる群から選択される少なくとも1種である
上記(6)に記載の検出方法。
(8)カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の検出方法に使用される培地であって、
前記培地は、液体培地または固体培地であり、
前記培地は、
少なくとも緑色レンサ球菌の栄養源と、
セフニジル、フロモキセフ、メロペネム、ドリペネム、オキサシリン、および、セフォキシチンからなる群から選択した少なくとも1種の抗菌薬と、
を含み、
前記培地中の前記抗菌薬の濃度は、
セフニジルが0.5mg/L以上、8mg/L以下であり、
フロモキセフが0.5mg/L以上、16mg/L以下であり、
メロペネムが0.03mg/L以上、1mg/L以下であり、
ドリペネムが0.015mg/L以上、0.5mg/L以下であり、
オキサシリンが0.5mg/L以上、16mg/L以下であり、
セフォキシチンが2mg/L以上、128mg/L以下である
培地。
(9)前記培地が、ミューラーヒントン羊血液、ブレインハートインフージョン培地、ハートインフュジョン培地、トッド・ヘビット培地、ミティス・サリバリウス培地、および、トリプトソイ血液培地からなる群から選択される少なくとも1種である
上記(8)に記載の培地。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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