特許ウォッチ

公開番号2025062952
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172356
出願日2023-10-03
発明の名称使用済み吸収性物品の構成部材の回収方法
出願人ユニ・チャーム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B09B 3/70 20220101AFI20250408BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】使用済み吸収性物品の構成部材の回収方法において、コストの上昇を抑制しつつ、複数の構成部材をまとめて再利用し易くし得る方法を提供する。
【解決手段】本発明は、使用済み吸収性物品の構成部材を回収する方法である。その方法は、構成部材である酸基を有する高吸水性ポリマー及びパルプ繊維を含む混合物を、高吸水性ポリマー及びパルプ繊維を脱水可能な脱水剤及び酸化剤を含む溶液で脱水洗浄する脱水洗浄工程と、脱水洗浄工程で脱水洗浄されたものから少なくとも高吸水性ポリマー及びパルプ繊維を一緒に分離して、回収する分離回収工程と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
使用済み吸収性物品の構成部材を回収する方法であって、
前記構成部材である酸基を有する高吸水性ポリマー及びパルプ繊維を含む混合物を、前記高吸水性ポリマー及び前記パルプ繊維を脱水可能な脱水剤及び酸化剤を含む溶液で脱水洗浄する脱水洗浄工程と、
前記脱水洗浄工程で脱水洗浄されたものから少なくとも前記高吸水性ポリマー及び前記パルプ繊維を一緒に分離して、回収する分離回収工程と、
を備える、方法。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記脱水洗浄工程は、前記構成部材であるプラスチック材料を更に含む前記混合物を、前記溶液で脱水洗浄する工程を含み、
前記分離回収工程は、前記脱水洗浄工程で脱水洗浄されたものから前記高吸水性ポリマー、前記パルプ繊維及び前記プラスチック材料を一緒に分離して、回収する工程を含む、
請求項１に記載の方法。
【請求項３】
前記分離回収工程は、一緒に分離された前記高吸水性ポリマー、前記パルプ繊維及び前記プラスチック材料から、前記プラスチック材料を分離して、回収する工程を含む、
請求項２に記載の方法。
【請求項４】
前記使用済み吸収性物品を破砕する破砕工程を更に備え、
前記破砕工程は、前記分離回収工程の前であって、前記脱水洗浄工程の前、途中及び後のいずれかで行われる、
請求項１又は２に記載の方法。
【請求項５】
前記分離回収工程で一緒に分離されたものを乾燥する乾燥工程を更に備え、
前記乾燥工程は、前記脱水洗浄工程の後、及び、前記分離回収工程の後、の少なくとも一方で行われる、
請求項１又は２に記載の方法。
【請求項６】
前記酸化剤は、オゾン、過酸化水素、及び塩素系物質のうちの少なくとも一つを含む、
請求項１又は２に記載の方法。
【請求項７】
前記脱水剤は、ケトン系有機溶剤を含む、
請求項６に記載の方法。
【請求項８】
前記脱水洗浄工程の前に、前記使用済み吸収性物品が吸収した水分を低減する前処理工程を更に備える、
請求項１又は２に記載の方法。
【請求項９】
前記前処理工程は、前記使用済み吸収性物品に対して、酸性水溶液処理、多価金属塩処理、高圧水蒸気、凍結乾燥及び有機溶剤処理のうちの少なくとも一つを行う、
請求項８に記載の方法。
【請求項１０】
前記前処理工程は、前記使用済み吸収性物品に対して、酸性水溶液で前記高吸水性ポリマーを不活化する前記酸性水溶液処理を行う工程を含み、
前記脱水洗浄工程は、不活化された前記高吸収性ポリマーを、アルカリ金属イオン供給源から供給されるアルカリ金属イオンを用いて活性化する工程を含む、
請求項９に記載の方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、使用済み吸収性物品の構成部材の回収方法に関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
使用済み吸収性物品の構成部材の回収方法が知られている。例えば、特許文献１には、被吸収液を含む吸水性樹脂から、該被吸収液を排出させること、および、該吸水性樹脂の吸水力を回復させることを特徴とする、使用済みの吸収性物品由来の吸水性樹脂をリサイクルする方法が開示されている。この方法は、（ｉ）被吸収液を吸収した吸水性樹脂を含む使用済みの吸収性物品を、親水性有機溶媒を含む浸漬液に浸漬する浸漬工程；（ｉｉ）浸漬工程において、または浸漬工程の前に、使用済みの吸収性物品を破砕して破砕物とする破砕工程；および、（ｉｉｉ）浸漬液と破砕物との混合物から、吸水性樹脂を分離する分離工程を含む。特許文献１では、工程（iii）において、パルプ、不織布、接着剤から選ばれる１種以上の部材をさらに分離回収してもよく、吸水性樹脂を殺菌及び／又は消毒する殺菌・消毒工程を、浸漬工程と並行し、又はその後に行ってもよいとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
国際公開第２０２１／１６２０８２号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１では、分離工程において、脱水して収縮した吸水性樹脂を、使用済み吸収性物品に含まれるパルプ、不織布等の隙間から取り出し、浸漬液中に分散させ、固液分離手段で分離して回収する。更に、吸水性樹脂以外のパルプ、不織布等を、それぞれ固液分離手段で分離して回収し、リサイクルパルプ、リサイクルプラスチックとして再利用する。すなわち、特許文献１には、使用済み吸収性物品から吸水性樹脂を分離して回収し、その後、パルプ及び不織布を個別に分離して回収することが開示されている。
【０００５】
ところが、使用済み吸収性物品の構成部材を再利用するとき、高吸水性ポリマー（吸水性樹脂）とパルプ繊維（パルプ）とを一緒に用いる場合がある。そのような場合、高吸水性ポリマーとパルプ繊維とを個別に分離して回収することは、分離、回収に係る工程が不必要に増加してしまい、コストの上昇を招くおそれがある。
【０００６】
そこで、本発明の目的は、使用済み吸収性物品の構成部材の回収方法において、コストの上昇を抑制しつつ、複数の構成部材をまとめて再利用し易くし得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、使用済み吸収性物品の構成部材を回収する方法であって、前記構成部材である酸基を有する高吸水性ポリマー及びパルプ繊維を含む混合物を、前記高吸水性ポリマー及び前記パルプ繊維を脱水可能な脱水剤及び酸化剤を含む溶液で脱水洗浄する脱水洗浄工程と、前記脱水洗浄工程で脱水洗浄されたものから少なくとも前記高吸水性ポリマー及び前記パルプ繊維を一緒に分離して、回収する分離回収工程と、を備える、方法、である。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、使用済み吸収性物品の構成部材の回収方法において、コストの上昇を抑制しつつ、複数の構成部材をまとめて再利用し易くし得る方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
実施形態に係る使用済み吸収性物品の構成部材の回収方法の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本実施形態は、以下の態様に関する。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許