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公開番号2025059066
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2024167391
出願日2024-09-26
発明の名称リチウム含有物の処理方法、及び、リチウム含有物の処理装置
出願人三菱マテリアル株式会社,株式会社エンビプロ・ホールディングス
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22B 26/12 20060101AFI20250401BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】リチウム含有物からリチウムを高純度で回収できるリチウム含有物の処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】リチウム含有物を酸性溶液に浸漬することで、リチウムを酸性溶液中に浸出させ、リチウム浸出液を得る浸出工程S01と、リチウム浸出液に第1カルシウム化合物を添加し、金属水酸化物沈殿及びフッ素の沈殿物を生成する重金属及び第1フッ素沈殿化工程S02と、沈殿した金属水酸化物沈殿及びフッ化の沈殿物をリチウム浸出液から取り除く第1固液分離工程S03と、沈殿物を取り除いた後のリチウム浸出液に、第2カルシウム化合物を添加して、溶存フッ素を沈殿させる第2フッ素沈殿化工程S04と、沈殿した溶存フッ素の沈殿物及び第2カルシウム化合物の未反応物をリチウム浸出液から取り除く第2固液分離工程S05を実施する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リチウム含有物に無機酸を含有する酸性溶液を加えて、前記酸性溶液にリチウムを浸出させる浸出工程と、
前記浸出工程で得たリチウム浸出液に、第1カルシウム化合物を添加して重金属イオンを水酸化物として沈殿化するとともにフッ素を沈殿化する重金属及び第1フッ素沈殿化工程と、
前記重金属及び第1フッ素沈殿化工程後に、前記リチウム浸出液から前記重金属イオンの水酸化物及び前記フッ素の沈殿物を分離する第1固液分離工程と、
前記第1固液分離工程後の前記リチウム浸出液に、第2カルシウム化合物を添加して、溶存フッ素を沈殿化する第2フッ素沈殿化工程と、
前記第2フッ素沈殿化工程後に、前記リチウム浸出液から前記溶存フッ素の沈殿物及び未反応の前記第2カルシウム化合物を分離し、リチウム含有液を得る第2固液分離工程と、
を備えていることを特徴とするリチウム含有物の処理方法。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記第2固液分離工程後に、前記リチウム含有液に可溶性炭酸化合物を添加して、カルシウムを炭酸カルシウムとして沈殿化するカルシウム沈殿化工程と、
前記カルシウム沈殿化工程後に、前記リチウム含有液から前記炭酸カルシウムを分離する第3固液分離工程と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有物の処理方法。
【請求項3】
前記第2固液分離工程で分離された前記溶存フッ素の沈殿物及び未反応の前記第2カルシウム化合物を、前記重金属及び第1フッ素沈殿化工程における前記第1カルシウム化合物として用いることを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有物の処理方法。
【請求項4】
前記第3固液分離工程で分離された前記炭酸カルシウムを、前記第2フッ素沈殿化工程の前記第2カルシウム化合物として用いることを特徴とする請求項2に記載のリチウム含有物の処理方法。
【請求項5】
前記第2固液分離工程で分離された固形分を、前記第2フッ素沈殿化工程の種結晶として用いることを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有物の処理方法。
【請求項6】
前記第3固液分離工程で分離された前記炭酸カルシウムを、前記カルシウム沈殿化工程の種結晶として用いることを特徴とする請求項2に記載のリチウム含有物の処理方法。
【請求項7】
前記第2フッ素沈殿化工程において、前記第2カルシウム化合物を添加した後に、ナトリウム化合物を添加することを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有物の処理方法。
【請求項8】
前記第2フッ素沈殿化工程において、可溶性アルミニウム化合物を添加することを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有物の処理方法。
【請求項9】
前記カルシウム沈殿化工程において、可溶性アルミニウム化合物を添加することを特徴とする請求項2に記載のリチウム含有物の処理方法。
【請求項10】
前記第2固液分離工程において、陰イオン系高分子凝集剤を添加することを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有物の処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム含有物の処理方法及びリチウム含有物の処理装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池粉砕物等のリチウム含有物から、リチウムを回収して再利用することが行われている。
【0003】
リチウム含有物からリチウムを回収する方法として、リチウムイオン電池廃棄物を焙焼して得られた電池滓を酸性溶液に浸漬することで、リチウムを酸性溶液中に浸出させ、得られたリチウム浸出液からリチウムを回収する方法が知られている。
リチウムが浸出した液体には、コバルトやアルミニウム等のリチウム以外の金属も含まれるが、水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム等のアルカリを添加し、中和することで主としてリチウム以外の金属が沈殿し、さらに固液分離をすることでリチウム溶液とその他の物質を分離させて得ることができる(特許文献1)。
【0004】
また、リチウムを200mg/L以上、フッ素を20mg/L以上含み、pHが10.5以上であるリチウム水溶液からリチウムを分離するリチウムの分離方法として、リチウム水溶液に水酸化カルシウムを添加し、リチウム水溶液に含まれるフッ素を固化し、固化したフッ素を除去することでフッ素を除去したリチウム水溶液を得る方法が知られている。この方法では、さらにリチウム水溶液に二酸化炭素を添加し、残存するカルシウムを固化させ、固化したカルシウムを除去することでフッ素とカルシウムを除去したリチウム水溶液を得ている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6998241号公報
特許第6869444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示すように、リチウム浸出液の中和処理のため、リチウム水溶液に水酸化ナトリウムのようなアルカリ剤を添加してしまうと、ナトリウムイオンとリチウムイオンの分離が難しく、純度の高いリチウム化合物が回収できなくなる。
また、特許文献2に示すようにフッ素を除去する処理が一段階のみではフッ素の除去が不十分であり、再利用するのに望ましい純度のリチウム化合物が得られない。
【0007】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、リチウム含有物からリチウムを高純度で回収できるリチウム含有物の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の態様1のリチウム含有物の処理方法は、リチウム含有物に無機酸を含有する酸性溶液を加えて、前記酸性溶液にリチウムを浸出させる浸出工程と、前記浸出工程で得たリチウム浸出液に、第1カルシウム化合物を添加して重金属イオンを水酸化物として沈殿化するとともにフッ素を沈殿化する重金属及び第1フッ素沈殿化工程と、前記重金属及び第1フッ素沈殿化工程後に、前記リチウム浸出液から前記重金属イオンの水酸化物及び前記フッ素の沈殿物を分離する第1固液分離工程と、前記第1固液分離工程後の前記リチウム浸出液に、第2カルシウム化合物を添加して、溶存フッ素を沈殿化する第2フッ素沈殿化工程と、前記第2フッ素沈殿化工程後に、前記リチウム浸出液から前記溶存フッ素の沈殿物及び未反応の前記第2カルシウム化合物を分離し、リチウム含有液を得る第2固液分離工程と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明の態様1のリチウム含有物の処理方法によれば、重金属及び第1フッ素沈殿化工程において、第1カルシウム化合物を添加してリチウム浸出液中に溶けているコバルト、ニッケル、マンガンなどの重金属類やフッ素を沈殿させ、第1固液分離工程においてそれらの沈殿物とリチウム浸出液を分離する。このため、重金属類やフッ素を取り除いたリチウムの純度が高いリチウム浸出液が得られる。
さらに、第2フッ素沈殿化工程において、リチウム浸出液に第2カルシウム化合物を添加することで、重金属及び第1フッ素沈殿化工程及び第1固液分離工程では取り除ききれなかった溶存フッ素を沈殿させ、第2固液分離工程において、沈殿した溶存フッ素の沈殿物及び第2フッ素沈殿化工程で添加した第2カルシウム化合物の未反応物を取り除く。これにより一段階のフッ素を除去する処理では取り除ききれない量のフッ素を除去することができ、従来に比べてよりリチウムの純度が高いリチウム含有液を得ることができる。
両沈殿化工程において、リチウム浸出液のpH調整にカルシウム化合物を使用するので、特許文献1に記載のある中和に水酸化ナトリウム(ナトリウム化合物)を使用する場合と比べて、ナトリウムがリチウム浸出液に混入する量を抑えることができる。
【0010】
本発明の態様2のリチウム含有物の処理方法は、態様1のリチウム含有物の処理方法において、前記第2固液分離工程後に、前記リチウム含有液に可溶性炭酸化合物を添加して、カルシウムを炭酸カルシウムとして沈殿化するカルシウム沈殿化工程と、前記カルシウム沈殿化工程後に、前記リチウム含有液から前記炭酸カルシウムを分離する第3固液分離工程と、を備えることを特徴としている。
本発明の態様2のリチウム含有物の処理方法によれば、第1及び第2フッ素沈殿化工程で添加したカルシウム化合物の一部が溶存態のカルシウムイオンとしてリチウム浸出液に残留したものであるカルシウムイオンを、炭酸カルシウムとしてリチウム含有液と分離することができるので、さらにリチウムの純度が高いリチウム含有液を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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