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公開番号2025055366
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023164653
出願日2023-09-27
発明の名称建設機械の旋回装置
出願人日立建機株式会社
代理人弁理士法人開知
主分類F16H 57/01 20120101AFI20250401BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】歯車装置内で発生した異物の発生量を正確に把握可能な建設機械の旋回装置を提供する。
【解決手段】旋回装置7は、旋回モータ21の回転駆動力を伝達して旋回輪6へ出力する歯車機構24及び出力軸25とそれらを収容するケーシング26とを有する減速装置22と、ケーシング26内に堆積した異物を検出するセンサ71とを備える。歯車機構24及び出力軸25は回転軸線が上下方向に延びるように配置される。ケーシング26は、内壁面45aにおける歯車機構24の噛合部より下側の位置に周方向の全周に亘って延在する周溝60を有する。周溝60は、上方向に開口し下方向が深さ方向の溝である。周溝60は、周方向の第1位置601が最浅部、第2位置602が最深部であり、第1位置601から第2位置602に向かって徐々に深くなる傾斜面の底面60aを有する。センサ71は、周溝60の第2位置602に対応する位置に配置される。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
建設機械の旋回体を旋回させる回転駆動力を発生させる旋回駆動源と、
前記旋回駆動源の回転駆動力を伝達する歯車機構、前記歯車機構に伝達された回転駆動力を前記建設機械の旋回輪へ出力する出力軸、前記歯車機構及び前記出力軸を収容すると共に前記歯車機構を潤滑する潤滑油を貯留するケーシングを有する歯車装置と、
前記ケーシング内に堆積した異物を検出するセンサとを備え、
前記歯車機構及び前記出力軸の回転軸線が前記旋回体の上下方向に延びるように前記歯車装置が配置される建設機械の旋回装置において、
前記ケーシングは、内壁面における前記歯車機構の噛合い部よりも下側の位置に、前記内壁面の周方向の全周に亘って延在する周溝を有し、
前記周溝は、前記上下方向における上方向に開口して下方向が深さ方向となる溝であり、
前記周溝は、前記周方向の第1位置が最浅部であると共に前記周方向の前記第1位置とは異なる第2位置が最深部であり、前記第1位置から前記第2位置に向かって徐々に深くなるような傾斜面の底面を有し、
前記センサは、前記周溝の前記第2位置に対応する位置に配置されている
ことを特徴とする建設機械の旋回装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の旋回装置において、
前記周溝は、前記第1位置から前記周方向の一方側に延在して前記第2位置に至る第1溝部の底面と前記第1位置から前記周方向の他方側に延在して前記第2位置に至る第2溝部の底面とが段差なく接続される環状の溝である
ことを特徴とする建設機械の旋回装置。
【請求項3】
請求項1に記載の建設機械の旋回装置において、
前記周溝は、前記第1位置と前記第2位置とが隣接する螺旋状の溝である
ことを特徴とする建設機械の旋回装置。
【請求項4】
請求項1に記載の建設機械の旋回装置において、
前記ケーシングは、
前記周溝の前記第2位置における下側に設けられ、前記内壁面から外壁面まで延在して貫通するドレン孔と、
前記周溝の前記最深部と前記ドレン孔とを連通させる連通孔とを有し、
前記歯車装置は、前記連通孔を開閉可能な平板状の弁体を有している
ことを特徴とする建設機械の旋回装置。
【請求項5】
請求項1に記載の建設機械の旋回装置において、
前記周溝は、撥油処理が施された表面を有している、
又は、
前記周溝の表面に撥油性を有する樹脂部材が配設されている
ことを特徴とする建設機械の旋回装置。
【請求項6】
請求項1に記載の建設機械の旋回装置において、
前記ケーシングは、前記周溝の前記第2位置に前記周溝の前記底面よりも前記下方向に凹んだ凹部を有している
ことを特徴とする建設機械の旋回装置。
【請求項7】
請求項1に記載の建設機械の旋回装置において、
前記歯車装置は、
前記ケーシングにおける前記周溝よりも径方向内側の位置に固定され、前記出力軸を回転可能に支持する軸受と、
前記周溝よりも上側かつ径方向内側に位置し、前記軸受の上側を遮蔽するように設置された環状の遮蔽板とを有し、
前記遮蔽板は、径方向内側の基端から径方向外側の先端に向かって前記下方向に傾斜している
ことを特徴とする建設機械の旋回装置。
【請求項8】
請求項2に記載の建設機械の旋回装置において、
前記周溝は、前記第1位置と前記第2位置とを結ぶ線分に対して線対称な溝である
ことを特徴とする建設機械の旋回装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の旋回装置に係り、さらに詳しくは、旋回駆動源の回転駆動力を伝達する歯車装置を備えた建設機械の旋回装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
旋回体を備えた油圧ショベルなどの建設機械は、旋回体を旋回させる旋回装置を搭載している。旋回装置は、油圧モータや電動モータ等の旋回駆動源の回転駆動力を伝達する歯車装置を備えている。旋回装置の歯車装置は、歯車や軸受等の構成部品をケーシング内に収容しており、ケーシング内に構成部品を潤滑するための潤滑油を封入している。歯車装置では、歯車等の構成部品の摩耗により生じた金属粉や破損片等の異物が潤滑油に混入することがある。潤滑油中に異物が混入すると、歯車や軸受、オイルシール等に損傷を与えることが懸念される。
【0003】
そのような懸念に対して、歯車装置のケーシング内に封入されている潤滑油中に混入した異物を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の減速機においては、ケース内に収容されている入力軸や減速機構のキャリア又はケース上に堆積したスラッジ(異物)を検知するようにセンサが所定の位置に取り付けられている。当該センサによって検知されたスラッジ(異物)の堆積量に基づいて減速機の寿命を見積もることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭63-67467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の減速機において、回転部材である入力軸やキャリアに堆積するスラッジは減速機で発生したスラッジの一部に過ぎない。また、当該減速機の構造では、ケース上に堆積しているスラッジをセンサによって検出することが可能な領域は限られてしまう。すなわち、特許文献1に記載の減速機において発生したスラッジの大部分をセンサにより検知することは困難である。このため、センサによって検出されたスラッジの堆積量から、減速機の寿命やメンテナンスの適切な時期を正確に推定することは難しい。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、歯車装置内で発生した異物の発生量を正確に把握することが可能な建設機械の旋回装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいる。その一例を挙げるならば、建設機械の旋回体を旋回させる回転駆動力を発生させる旋回駆動源と、前記旋回駆動源の回転駆動力を伝達する歯車機構、前記歯車機構に伝達された回転駆動力を前記建設機械の旋回輪へ出力する出力軸、前記歯車機構及び前記出力軸を収容すると共に前記歯車機構を潤滑する潤滑油を貯留するケーシングを有する歯車装置と、前記ケーシング内に堆積した異物を検出するセンサとを備え、前記歯車機構及び前記出力軸の回転軸線が前記旋回体の上下方向に延びるように前記歯車装置が配置される建設機械の旋回装置において、前記ケーシングは、内壁面における前記歯車機構の噛合い部よりも下側の位置に、前記内壁面の周方向の全周に亘って延在する周溝を有し、前記周溝は、前記上下方向における上方向に開口して下方向が深さ方向となる溝であり、前記周溝は、前記周方向の第1位置が最浅部であると共に前記周方向の前記第1位置とは異なる第2位置が最深部であり、前記第1位置から前記第2位置に向かって徐々に深くなるような傾斜面の底面を有し、前記センサは、前記周溝の前記第2位置に対応する位置に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一例によれば、上方向に開口して下方向が深さ方向となる周溝をケーシングの内壁面の全周に設けることで、歯車機構で発生した異物の多くを周溝のいずれかの位置に沈降させることができる。さらに、周溝の底面を最浅部から最深部まで傾斜させることで、周溝に沈降した異物を周溝の最深部に集積することができる。周溝の最深部に集積された異物をセンサが検出するので、歯車装置内で発生した異物の発生量を正確に把握することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1の実施形態に係る建設機械の旋回装置を備える油圧ショベルを示す外観図である。
第1の実施形態に係る建設機械の旋回装置を示す縦断面図である。
図2に示す第1の実施形態に係る建設機械の旋回装置における減速装置のケーシングの周溝の構造を示す概略斜視図である。
図2に示す第1の実施形態に係る建設機械の旋回装置における減速装置のケーシングの周溝の構造を示す概略横断面図である。
図4に示す第1の実施形態に係る建設機械の旋回装置における減速装置のケーシングの周溝の構造をV-V矢視から見た断面図である。
図2に示す第1の実施形態に係る建設機械の旋回装置におけるセンサユニットの構成及び構造を模式的に示す概略断面図である。
第1の実施形態の第1変形例に係る建設機械の旋回装置における減速装置のケーシングの周溝を示す概略斜視図である。
図7に示す第1の実施形態の第1変形例に係る建設機械の旋回装置におけるセンサユニットの配置位置の周溝の構造を示す拡大断面図である。
第1の実施形態の第2変形例に係る建設機械の旋回装置における減速装置のケーシングの周溝を示す概略断面図である。
図9に示す第1の実施形態の第2変形例に係る建設機械の旋回装置におけるセンサユニットの配置位置の周溝の構造を示す拡大断面図である。
本発明の第2の実施形態に係る建設機械の旋回装置における減速装置のケーシングの周溝を示す概略断面図である。
図11に示す第2の実施形態に係る建設機械の旋回装置におけるセンサユニットの配置位置の周溝の構造を示す拡大断面図である。
本発明の第3の実施形態に係る建設機械の旋回装置を示す縦断面図である。
本発明の第4の実施形態に係る建設機械の旋回装置における減速装置のケーシングの周溝を透視状態で示す概略斜視図である。
図14に示す第4の実施形態に係る建設機械の旋回装置における減速装置のケーシングの周溝を示す概略断面図である。
本発明の第5の実施形態に係る建設機械の旋回装置を示す縦断面図である。
図16に示す第5の実施形態に係る建設機械の旋回装置におけるセンサユニット及び弁機構の配置関係を示す概略断面図である。
図17に示す第5の実施形態に係る建設機械の旋回装置における弁機構の動作及び作用を示す説明図である。
本発明の第6の実施形態に係る建設機械の旋回装置におけるセンサの検出データを利用する複数のコンピュータのネットワークを示す構成図である。
図19に示すネットワークのサーバが行う旋回装置の潤滑油の診断処理の手順の一例を示すフローチャートである。
第6の実施形態に係る建設機械の旋回装置における稼働時間に対する異物の高さ(堆積量)の変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による建設機械の旋回装置の実施形態について図面を用いて説明する。本実施の形態においては、建設機械の一例として油圧ショベルを例に挙げて説明する。本明細書で述べる前後左右は、建設機械に搭乗したオペレータから見た方向を示している。
(【0011】以降は省略されています)

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