TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025048722
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2024089863
出願日2024-06-03
発明の名称継目無鋼管、被圧延材の穿孔方法および継目無鋼管の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250326BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】優れた強度および靭性を有する継目無鋼管、継目無鋼管の穿孔方法および継目無鋼管の製造方法の提供。
【解決手段】体積率で、40%以上の焼戻マルテンサイト相と、25%以上40%以下のフェライト相と、10%超え25%以下の残留オーステナイト相と、からなる組織を有し、結晶方位差15°以内の結晶粒を同一の結晶粒と定義したときに、フェライト平均粒径が35μm以下であり、降伏強度が758MPa以上であり、25℃における靭性値が60J以上である、継目無鋼管。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
体積率で、
40%以上の焼戻マルテンサイト相と、
25%以上40%以下のフェライト相と、
10%超え25%以下の残留オーステナイト相と、からなる組織を有し、
結晶方位差15°以内の結晶粒を同一の結晶粒と定義したときに、フェライト平均粒径が35μm以下であり、
降伏強度が758MPa以上であり、
25℃における靭性値が60J以上である、継目無鋼管。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
成分組成として、
質量%で、
C:0.002~0.05%、
Si:0.05~0.6%、
Mn:0.1~0.5%、
Cu:0.9~3.5%、
Ni:3.0~6.0%、
Cr:16.5~19%、
Mo:1~4%、
N:0.01~0.2%、
を含有し、
さらに、
P:0.02%以下、
S:0.002%以下、
Al:0~1%、
V:0~0.6%、
Nb:0~0.5%、
W:0~3.50%、
Co:0~1.5%を含有し、
残部はFeおよび不可避的不純物からなる、請求項1に記載の継目無鋼管。
【請求項3】
請求項1または2に記載の継目無鋼管を製造する際の被圧延材の穿孔方法であって、
穿孔圧延によって被圧延材肉厚中央部に付与される円周方向へのせん断ひずみが0.48以上を満たす、被圧延材の穿孔方法。
【請求項4】
請求項3に記載の被圧延材の穿孔方法を用いて継目無鋼管を製造する、継目無鋼管の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、継目無鋼管、被圧延材の穿孔方法および継目無鋼管の製造方法に関し、特に、継目無鋼管に含まれる結晶粒の細粒化により、継目無鋼管の高強度化および高靭性化を実現する技術に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近い将来に予想されるエネルギー資源の枯渇という観点から、従来、省みられなかったような、高深度の油田や厳しい腐食環境の油井の開発が盛んに行われている。このような環境下で使用される継目無鋼管は優れた機械的特性や耐食性が要求されている。
【0003】
このような要求に対し、特許文献1では、質量%で、C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:0.1~0.5%、P:0.05%以下、S:0.005%未満、Cr:15.0%超え19.0%以下、Mo:2.0%超え2.8%未満、Cu:0.3~3.5%、Ni:3.0%以上5.0%未満、W:0.1~3.0%、Nb:0.07~0.5%、V:0.01~0.5%、Al:0.001~0.1%、N:0.010~0.100%、O:0.01%以下、B:0.0005~0.0100%を含み、かつNb、Ta、C、NおよびCuが特定の式を満足し、体積率で、45%以上の焼戻マルテンサイト相と、20~40%のフェライト相と、10%超え25%以下の残留オーステナイト相と、からなる組織を有し、結晶方位差15°以内の結晶粒を同一の結晶粒と定義したときに、フェライト結晶粒の最大結晶粒径が500μm以下であり、機械的特性と耐食性が優れた油井用高強度ステンレス継目無鋼管が得られるとしている。
【0004】
また、特許文献2では、質量%で、C:0.002~0.05%、Si:0.05~0.50%、Mn:0.04~1.80%、P:0.030%以下、S:0.002%以下、Cr:14.0%超え17.0%以下、Ni:4.0~8.0%、Mo:1.5~3.0%、Al:0.005~0.10%、V:0.005~0.20%、Co:0.01~1.0%、N:0.002~0.15%、O:0.006%以下を含みかつ特定の式を満足し、旧オーステナイトの平均粒径が40μm以下である組織を有し、降伏強さが1034MPa以上である、油井用高強度ステンレス継目無鋼管が得られるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/035329号
特許第7201094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載の技術では、成分適正化などをすることで優れた機械的特性と耐食性を得ることができる。しかしながら、以下の式(1)に示す減面率を大きくすることができない製品サイズでは、フェライト相の結晶粒を微細化するために十分な加工ひずみを確保できないため、狙い通りの強度、靭性が得られない場合があった。
減面率(%)=100×(丸鋼片円周方向断面積(mm

)-穿孔圧延後素管の円周方向断面積(mm

))/丸鋼片円周方向断面積(mm

)・・・(1)
【0007】
本発明は上記の課題を鑑みて検討されたものであり、優れた強度および靭性を有する継目無鋼管、該継目無鋼管を得るための被圧延材の穿孔方法および継目無鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
なお、本発明で優れた強度とは、API5CTの規定に準拠して測定される降伏強度が758MPa以上であることを指し、優れた靭性とは、JIS Z 2242(2023)の規定に準拠して測定される室温(25℃)における靭性値が60J以上であることを指す。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが検討した結果、減面率が低い場合でも、穿孔圧延の条件を適正化することで、継目無鋼管のフェライト粒径が細粒化されて優れた機械的特性を得ることが可能であることが分かった。
具体的には、本発明者らは、継目無鋼管の製造工程で粒径を細粒化させる方法を検討した結果、減面率を大きくすることができない製品サイズでも、被圧延材に適切な円周方向せん断ひずみを導入することで細粒化させられることを見出した。
そこで、本発明者らは、素管の細粒化のために、穿孔圧延の条件の適正化を検討した。本発明は上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
【0009】
[1]体積率で、
40%以上の焼戻マルテンサイト相と、
25%以上40%以下のフェライト相と、
10%超え25%以下の残留オーステナイト相と、からなる組織を有し、
結晶方位差15°以内の結晶粒を同一の結晶粒と定義したときに、フェライト平均粒径が35μm以下であり、
降伏強度が758MPa以上であり、
25℃における靭性値が60J以上である、継目無鋼管。
[2]成分組成として、質量%で、
C:0.002~0.05%、
Si:0.05~0.6%、
Mn:0.1~0.5%、
Cu:0.9~3.5%、
Ni:3.0~6.0%、
Cr:16.5~19%、
Mo:1~4%、
N:0.01~0.2%、
を含有し、
さらに、
P:0.02%以下、
S:0.002%以下、
Al:0~1%、
V:0~0.6%、
Nb:0~0.5%、
W:0~3.50%、
Co:0~1.5%を含有し、
残部はFeおよび不可避的不純物からなる、前記[1]に記載の継目無鋼管。
[3]前記[1]または[2]に記載の継目無鋼管を製造する際の被圧延材の穿孔方法であって、
穿孔圧延によって被圧延材肉厚中央部に付与される円周方向へのせん断ひずみが0.48以上を満たす、被圧延材の穿孔方法。
[4]前記[3]に記載の被圧延材の穿孔方法を用いて継目無鋼管を製造する、継目無鋼管の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、強度および靭性に優れた継目無鋼管、該継目無鋼管を得るための被圧延材の穿孔方法および継目無鋼管の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社プロテリアル
焼結体
1か月前
個人
高強度せん断補強筋用の鋼材
今日
ハイモ株式会社
水中金属の回収除去方法
2か月前
大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
4か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
2か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
5か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
3か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
6日前
国立大学法人東北大学
高耐食銅合金
2か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
6日前
株式会社クボタ
比重分離装置
6日前
日本製鉄株式会社
鋼線
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
13日前
日本製鉄株式会社
鋼材
今日
日本製鉄株式会社
ボルト
5か月前
三洋化成工業株式会社
重金属回収用イオン液体
5か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
5か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
国立大学法人東北大学
腐食環境用銅合金
2か月前
JFEスチール株式会社
浸炭鋼部品
8日前
住友金属鉱山株式会社
銅の製錬方法
3か月前
日本製鉄株式会社
めっき鋼線
3か月前
大同特殊鋼株式会社
抵抗体及びその製造方法
5か月前
日本精線株式会社
銅合金
16日前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
3か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
5か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
3か月前
住友金属鉱山株式会社
オートクレーブ
4か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
5か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
3か月前
MAアルミニウム株式会社
アルミニウム合金箔
5か月前
NTN株式会社
転動部材
1か月前
個人
複合材料および複合材料の製造方法
3か月前
NTN株式会社
転動部材
1か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
2か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の製造方法
3か月前
続きを見る