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公開番号
2025040765
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-25
出願番号
2023147779
出願日
2023-09-12
発明の名称
CARをコードする核酸分子とそれを含むベクター、CAR、CARを含む免疫細胞とその細胞を含む医薬組成物、細胞傷害活性を向上させる方法、並びにCARを含む免疫細胞の製造方法
出願人
国立大学法人三重大学
,
シスメックス株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/62 20060101AFI20250317BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】キメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞の細胞傷害活性を向上させることを可能にする、改良されたCAR及びそれをコードする核酸分子を提供することを目的とする。
【解決手段】CARに含まれる抗原結合領域の軽鎖可変領域のフレームワーク領域3において、少なくとも3つのアミノ酸残基を酸性アミノ酸残基としたCARをコードする核酸分子により、上記の課題を解決する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
キメラ抗原受容体をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子であって、
前記核酸分子が、細胞外ドメインをコードするセグメントと、膜貫通ドメインをコードするセグメントと、細胞内ドメインをコードするセグメントとを含み、
前記細胞外ドメインをコードするセグメントが、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含む抗原結合領域をコードするヌクレオチド配列を含み、
Chothia法により定義される前記軽鎖可変領域のフレームワーク領域3をコードするヌクレオチド配列において少なくとも3つのコドンが、酸性アミノ酸残基をコードするコドンであり、
前記少なくとも3つのコドンが、前記軽鎖可変領域の60位のアミノ酸残基をコードするコドン、63位のアミノ酸残基をコードするコドン、65位のアミノ酸残基をコードするコドン、67位のアミノ酸残基をコードするコドン、70位のアミノ酸残基をコードするコドン、72位のアミノ酸残基をコードするコドン、74位のアミノ酸残基をコードするコドン及び76位のアミノ酸残基をコードするコドンからなる群より選択される少なくとも3つを含む、核酸分子。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記軽鎖可変領域の60位のアミノ酸残基をコードするコドン、63位のアミノ酸残基をコードするコドン、65位のアミノ酸残基をコードするコドン、67位のアミノ酸残基をコードするコドン、70位のアミノ酸残基をコードするコドン、72位のアミノ酸残基をコードするコドン、74位のアミノ酸残基をコードするコドン及び76位のアミノ酸残基をコードするコドンからなる群より選択される3以上5以下のコドンが、酸性アミノ酸残基をコードするコドンである請求項1に記載の核酸分子。
【請求項3】
前記抗原結合領域が、一本鎖抗体を含み、前記一本鎖抗体が、MAGE-A4由来ペプチドとHLA-A2との複合体、CD19、BCMA又はCEAと結合する一本鎖抗体である請求項1に記載の核酸分子。
【請求項4】
前記膜貫通ドメインが、T細胞受容体のα鎖、T細胞受容体のβ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD154、4-1BB、ICOS及びGITRからなる群より選択されるいずれか1のタンパク質の膜貫通領域を含む請求項1に記載の核酸分子。
【請求項5】
前記細胞内ドメインが、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、CD66d、CD79a、CD79b、FcRγ及びFcRβからなる群より選択される少なくとも1のタンパク質のシグナル伝達ドメインを含む請求項1に記載の核酸分子。
【請求項6】
前記細胞内ドメインをコードするセグメントが、共刺激ドメインをコードするヌクレオチド配列をさらに含み、
前記共刺激ドメインが、4-1BB、CD28、GITR、CD2、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD154及びICOSからなる群より選択される少なくとも1のタンパク質の共刺激ドメインである請求項5に記載の核酸分子。
【請求項7】
前記抗原結合領域をコードするヌクレオチド配列と、前記膜貫通ドメインをコードするセグメントとの間に、ヒンジドメインをコードするセグメントをさらに含む請求項1に記載の核酸分子。
【請求項8】
前記核酸分子が、DNA又はRNAである請求項1に記載の核酸分子。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項10】
細胞外ドメインと、膜貫通ドメインと、細胞内ドメインとを含むキメラ抗原受容体であって、
前記細胞外ドメインが、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含む抗原結合領域を含み、
Chothia法により定義される前記軽鎖可変領域のフレームワーク領域3の少なくとも3つのアミノ酸残基が、酸性アミノ酸残基であり、
前記少なくとも3つのアミノ酸残基が、前記軽鎖可変領域の60位のアミノ酸残基、63位のアミノ酸残基、65位のアミノ酸残基、67位のアミノ酸残基、70位のアミノ酸残基、72位のアミノ酸残基、74位のアミノ酸残基及び76位のアミノ酸残基からなる群より選択される少なくとも3つを含む、キメラ抗原受容体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、キメラ抗原受容体(以下、「CAR」とも呼ぶ)をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子に関する。本発明は、その核酸分子を含むベクターに関する。本発明は、CARに関する。本発明は、CARを含む免疫細胞に関する。本発明は、CARを含む免疫細胞を含む、悪性腫瘍を治療するための医薬組成物に関する。本発明は、CARを含む免疫細胞の細胞傷害活性を向上させる方法に関する。本発明は、CARを含む免疫細胞を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
CARとは、抗原結合領域を含む細胞外ドメインと、膜貫通ドメインと、免疫細胞の活性化シグナルを伝達する細胞内ドメインとを遺伝子工学的に融合して作製した受容体タンパク質である。例えば、特許文献1に記載されるように、CARの抗原結合領域には、腫瘍細胞に発現した抗原と結合する一本鎖抗体が用いられる。近年、免疫細胞にCARをコードする遺伝子を導入し、細胞表面にCARを発現させた免疫細胞を患者に移植してがんを治療するという、がん免疫療法が注目されている。CARを発現した免疫細胞は、生体内で腫瘍細胞の抗原を認識すると活性化して、Fasリガンド、パーフォリン、グランザイムなどの細胞傷害性分子やサイトカインを発現し、抗腫瘍効果を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許第7,741,465号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、CARを発現した免疫細胞の細胞傷害活性を向上させることを可能にする、改良されたCARを提供することを目的とする。また、本発明は、そのようなCARをコードする核酸分子及びその核酸分子を含むベクターを提供することを目的とする。さらに、本発明は、そのようなCARを含む免疫細胞、当該免疫細胞を含む医薬組成物、当該免疫細胞の細胞傷害活性を向上させる方法及び当該免疫細胞を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、CARが有する抗原結合領域の軽鎖可変領域のフレームワーク領域3の所定のアミノ酸残基を酸性アミノ酸残基にすることにより、CARを含む免疫細胞による細胞傷害活性を向上できることを見出して、本発明を完成した。よって、下記の[1]~[20]の発明が提供される。以下、フレームワーク領域3を「FR3」とも呼ぶ。
【0006】
[1]CARをコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子であって、核酸分子が、細胞外ドメインをコードするセグメントと、膜貫通ドメインをコードするセグメントと、細胞内ドメインをコードするセグメントとを含み、細胞外ドメインをコードするセグメントが、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含む抗原結合領域をコードするヌクレオチド配列を含み、Chothia法により定義される軽鎖可変領域のFR3をコードするヌクレオチド配列において少なくとも3つのコドンが、酸性アミノ酸残基をコードするコドンであり、少なくとも3つのコドンが、軽鎖可変領域の60位のアミノ酸残基をコードするコドン、63位のアミノ酸残基をコードするコドン、65位のアミノ酸残基をコードするコドン、67位のアミノ酸残基をコードするコドン、70位のアミノ酸残基をコードするコドン、72位のアミノ酸残基をコードするコドン、74位のアミノ酸残基をコードするコドン及び76位のアミノ酸残基をコードするコドンからなる群より選択される少なくとも3つを含む、核酸分子。
【0007】
[2]軽鎖可変領域の60位のアミノ酸残基をコードするコドン、63位のアミノ酸残基をコードするコドン、65位のアミノ酸残基をコードするコドン、67位のアミノ酸残基をコードするコドン、70位のアミノ酸残基をコードするコドン、72位のアミノ酸残基をコードするコドン、74位のアミノ酸残基をコードするコドン及び76位のアミノ酸残基をコードするコドン、からなる群より選択される3以上5以下のコドンが、酸性アミノ酸残基をコードするコドンである上記[1]に記載の核酸分子。
【0008】
[3]抗原結合領域が、一本鎖抗体を含み、一本鎖抗体が、MAGE-A4由来ペプチドとHLA-A2との複合体、CD19、BCMA又はCEAと結合する一本鎖抗体である上記[1]又は[2]に記載の核酸分子。
【0009】
[4]膜貫通ドメインが、T細胞受容体のα鎖、T細胞受容体のβ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD154、4-1BB、ICOS及びGITRからなる群より選択されるいずれか1のタンパク質の膜貫通領域を含む上記[1]~[3]のいずれか1に記載の核酸分子。
【0010】
[5]細胞内ドメインが、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、CD66d、CD79a、CD79b、FcRγ及びFcRβからなる群より選択される少なくとも1のタンパク質のシグナル伝達ドメインを含む上記[1]~[4]のいずれか1に記載の核酸分子。
(【0011】以降は省略されています)
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