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公開番号2025040489
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-25
出願番号2023147326
出願日2023-09-12
発明の名称焼却残渣処分方法
出願人株式会社安藤・間,国立大学法人九州大学
代理人弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類B09B 1/00 20060101AFI20250317BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、固化体による処分方式を利用したうえで、調整池の規模を低減することができる焼却残渣処分方法を提供することである。
【解決手段】本願発明の焼却残渣処分方法は、処分場で焼却残渣を処分する方法であって、固化体製造工程と調整池設定工程、固化体設置工程、排水工程を備えた方法である。全てブロックに単位固化体層が形成されると面状の全体固化体層が形成され、全体固化体層が上方に積層されるように全体固化体層を形成していく。第N+1層に係る調整池設定工程では第N層に係る調整池ブロックとは異なる施工ブロックを調整池ブロックとして設定し、第N層に係る排水工程では第N+1層に係る移動調整池が形成された後に排水を行う。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
処分場で焼却残渣を処分する方法であって、
前記焼却残渣、セメント、及び水を混錬した材料に振動を与えた後に硬化させることによって「焼却残渣固化体」を製造する固化体製造工程と、
前記処分場の処分スペースを複数に区分した「施工ブロック」のうち、「移動調整池」が形成される「調整池ブロック」を設定する調整池設定工程と、
前記施工ブロックのうち前記調整池ブロックを除く「処分ブロック」ごとに、前記焼却残渣固化体を設置することによって「単位固化体層」を形成する固化体設置工程と、
前記移動調整池に溜められた水を、前記処分スペースの外側に設けられた「固定調整池」に排水する排水工程と、を備え、
前記固化体設置工程では、前記調整池ブロックの周囲にある前記処分ブロックで前記単位固化体層を形成することによって前記移動調整池を形成し、
また前記固化体設置工程では、前記単位固化体層を複数層に積み上げるように形成し、
第N+1層(Nは自然数)に係る前記調整池設定工程では、第N層に係る前記調整池ブロックとは異なる前記施工ブロックを前記調整池ブロックとして設定し、
第N層に係る前記排水工程では、第N+1層に係る前記移動調整池が形成された後に排水を行い、
第N層に係る前記固化体設置工程では、第N層に係る前記移動調整池の水が排水された後に、該移動調整池に係る前記調整池ブロックに前記焼却残渣固化体を設置する、
ことを特徴とする焼却残渣処分方法。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記排水工程では、圧送手段と排水管を用いて、前記移動調整池の水を前記固定調整池に圧送する、
ことを特徴とする請求項1記載の焼却残渣処分方法。
【請求項3】
前記処分場の底面に集排水管を敷設する集排水管敷設工程と、
それぞれの前記施工ブロックに、開閉弁を有する縦排水管を設置する縦排水管設置工程と、をさらに備え、
前記集排水管は、前記固定調整池に排水することができる主排水管と、該主排水管に接続される枝排水管と、を含み、
前記縦排水管は、下端側で前記枝排水管又は前記集排水管に接続され、
前記移動調整池とされた前記調整池ブロックに係る前記縦排水管は、取水口が該移動調整池の底面付近となるように設置され、
前記縦排水管設置工程では、前記単位固化体層の積み上がりに応じて、上方に延伸するように前記縦排水管を継ぎ足し、
前記排水工程では、前記調整池ブロックの前記開閉弁を開くことによって、前記移動調整池の水を前記固定調整池に送水する、
ことを特徴とする請求項1記載の焼却残渣処分方法。
【請求項4】
前記単位固化体層の上面に、防水壁を設置する防水壁設置工程を、さらに備え、
前記防水壁設置工程では、第N層に係る前記移動調整池を取り囲むように、第N+1層に係る前記単位固化体層に前記防水壁を設置する、
ことを特徴とする請求項1記載の焼却残渣処分方法。
【請求項5】
前記固定調整池に溜められた水の水質を測定する水質監視工程を、さらに備え、
前記水質監視工程で得られた測定値が、あらかじめ定めた水質基準を下回るとき、前記固定調整池に溜められた水を場外に排出する、
ことを特徴とする請求項1記載の焼却残渣処分方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、廃棄物焼却残渣の処分に関するものであり、より具体的には、場内に設置される調整池の位置を変更しながら雨水を処理し、廃棄物焼却残渣を含む固化体を積み上げていくことで廃棄物焼却残渣を処分する方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、国や自治体を中心とする様々な取り組みによって、我が国の廃棄物の排出量は減少傾向にある。それでも年間4億トンを超える大量の廃棄物が排出されており、処分場の確保はやはり大きな問題である。廃棄物の内訳をみると、約4,095万トンの一般廃棄物、約37,056万トンの産業廃棄物が排出されており、産業廃棄物が全体の9割近くを占めている。
【0003】
産業廃棄物や一般廃棄物は、資源化されるものと処分されるものに大別され、処分されるものはさらに焼却されるものとそうでないものに分けられる。例えば一般廃棄物の場合、処分される廃棄物は焼却施設に直接送られるものと、中間処理施設に送られるものに分かれ、中間処理施設で生じた処理残渣のうち焼却されるものは改めて焼却施設に送られる。そして、中間処理施設で生じた処理残渣のうち焼却されないものと、焼却施設で生じた焼却残渣は、最終処分場に送られる。
【0004】
最終処分場に送られる一般廃棄物、産業廃棄物ともにその大部分を焼却残渣が占めており、現状の最終処分場はいわば「灰捨て場」の様相を呈している。他方、令和3年に環境省は我が国における最終処分場の残余年数を21.4年と報告している。したがって、廃棄物のうち特に焼却残渣を、如何に効率的に埋立て処分するかが喫緊の課題といえる。
【0005】
焼却残渣は、焼却灰と飛灰に区別される。焼却施設の炉の底などで集めたものが焼却灰(ボトムアッシュ)であり、集塵装置で集めたものやボイラーなどに付着したものが飛灰(フライアッシュ)である。飛灰は、焼却灰に対して約1/3程度しか排出されないが、焼却灰に比べてダイオキシン類や、鉛、亜鉛、カドミウムといった重金属などを多く含む。そのため、焼却残渣を最終処分場で埋立て処分する前に、飛灰に液体キレート剤を添加する処理を行っている。液体キレート剤との化学結合によって、飛灰中の重金属イオンが環境中に溶出しにくくなるわけである。
【0006】
一般廃棄物の焼却残渣は一般廃棄物最終処分場で埋立て処分され、産業廃棄物の焼却残渣は管理型の最終処分場で埋立て処分されることが多い。一般廃棄物最終処分場も「管理型」の最終処分場に分類されるもので、この管理型最終処分場は、処分場からの浸出水や周辺地下水などが省令で定める基準を満たすように維持管理しなければならない。さらに、管理型最終処分場を廃止するためには、場内で集められた保有水の水質が、2年以上にわたって所定の排水基準等に適合していると認められることが必要とされている。そのため、管理型最終処分場では、直接地山の上に焼却残渣等を埋め立てることはなく、地山の上に遮水シートを敷設し、さらに保護層(砂や土砂)を設置したうえで、焼却残渣等を埋め立てている。また準好気性と呼ばれる埋立て方式を採用することによって、埋立地内の水分を排水管で除去し、埋立地内で発生したガスをガス抜き管で排除する。
【0007】
ところが、上記のような対策を施したとしても必ずしも省令基準を満たすとはいえず、処分場からの浸出水を貯留し、これを処理したうえで排出しているのが現状である。つまり、多くの管理型最終処分場は維持管理さえ難しい状況にあり、廃止に至るまでには20~30年かかるといわれ、極めて長い期間最終処分場として運営しなければならない。したがって、浸出水の排出処理など維持管理にかかる費用がかさむうえ、跡地として上空利用するまでに相当な期間を要することとなる。
【0008】
そこで特許文献1では、「超流体工法」を応用して焼却残渣を処分する発明を開示している。超流体工法とは、本願の出願人が開発した技術であり、特許文献2に開示されるように石炭灰とセメント、水を練り混ぜた混練物に振動を加えて流動状態とし、その状態で硬化すると密実な固化体が形成されるというものである。そして、石炭灰に代えて焼却残渣を利用することによって固化体を形成し、その固化体を処分場に積み上げながら焼却残渣を処分していくわけである。焼却残渣を含む固化体は、その透水係数が10
-7
~10
-9
(cm/s)オーダーであって、雨水など外部からの浸透水を排除できるうえに、焼却残渣中にある重金属等に由来する有害物質の溶出を抑えることができる。その結果、従来の処分方式に比べ有害物質の含有量が極めて少ない状態で埋め立て地内の水分を場外に排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2015-73981号公報
特開平10-311142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に開示される発明は、密実な固化体を形成しながら焼却残渣を埋立て処分していくため、雨水などが固化体内に浸透することがなく、すなわち雨水等による焼却残渣への接触が大幅に抑えられる。その結果、塩類や重金属といった汚染物質の濃度が極めて低い浸出水として場外に排出することができ、また中間覆土や即日覆土を必要としないといった効果もある。しかしながら、固化体には焼却残渣が含まれているため、この固化体に接触した雨水等に微量の有害物質が含まれる可能性もあり、浸出水が全く無害の状態とまでは言えない。また現行の法体系では、たとえ汚染物質の濃度が低くても、処分場を通過する雨水等は調整池に貯留したうえで適切な処理を行った後に排出しなければならない。
(【0011】以降は省略されています)

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