TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025038629
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-19
出願番号2023145358
出願日2023-09-07
発明の名称マルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手、溶接構造体および溶接方法
出願人日鉄ステンレス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250312BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】本発明は、マルテンサイト系ステンレス鋼の溶接においてHAZの靭性を向上させることを課題とし、HAZ靭性が良好なマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手、その溶接継手を有した溶接構造体、および溶接方法を提供することを目的とする。
【解決手段】所定の成分組成を有し、式1で示されるγmaxが75以上あるマルテンサイト系ステンレス鋼である溶接継手であって、溶接熱影響部の断面の粒粗大領域においてEBSD(電子線後方散乱回折)法を用いて結晶粒径のヒストグラムを測定した場合に、結晶粒径0.04mm以下の結晶の占める面積率が80%以上であることを特徴とするHAZ靭性良好なマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手
γmax=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-52×Al+189 : 式1
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも一方が、質量%で、
C :0.030%以下
Si:1.00%以下
Mn:0.10~3.00%、
P :0.050%以下、
S :0.003%以下、
Cr:10.0~12.5%、
Ni:0.50~2.00%、
N :0.0200%以下、
Cu:2.00%以下、
Al:0.050%以下
を含み、
C+N:0.040%以下であり、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
式1で示されるγmaxが75以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼である溶接継手であって、
前記溶接継手の断面の溶接熱影響部の中の粒粗大領域においてEBSD(電子線後方散乱回折)法を用いて結晶粒径のヒストグラムを測定した場合に、結晶粒径0.04mm以下の結晶の占める面積率が80%以上であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手。
γmax=420C+470N+23Ni+9Cu+7Mn-11.5Cr-11.5Si-52×Al+189 : 式1
ただし、式1中の元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合は0を代入する。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記マルテンサイト系ステンレス鋼が、さらに、質量%で
Mo:1.00%以下、
W:0.50%以下、
V :0.300%以下、
Sn:0.100%以下、
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、
REM:0.050%以下、
Ti:0.020%以下、
Nb:0.050%以下、
B :0.0050%以下、
の1種または2種以上を含有する、請求項1に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手。
【請求項3】
前記マルテンサイト系ステンレス鋼どうしの溶接継手である、請求項1または2に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手。
【請求項4】
請求項1または2に記載の成分を有するマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手の製造方法であって、
溶接熱影響部において、溶接による加熱により最後に1250℃以上となったときから、1250℃以上である時間が8秒以下であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手の製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手を少なくとも一部に有することを特徴とする溶接構造体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手、その継手を有する溶接構造体、およびマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
マルテンサイト系ステンレス鋼はCr系ステンレス鋼であり、高温のオーステナイト相の状態から急冷することで生じる硬質なマルテンサイト相を有するステンレス鋼である。硬質である性質を利用して、刃物やシャフトなどに使用されている。マルテンサイト系ステンレス鋼としてはSUS410が知られており、NiやMoなどの高価な元素が少ないうえ、他のステンレス鋼より比較的Cr含有量は少ないため、比較的安価でそれなりの耐食性を有するステンレス鋼でもある(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0003】
このマルテンサイト系ステンレス鋼を、汎用品輸送タンカーの船倉や汎用品貯蔵タンクなどの貯蔵設備に適用することが検討されている。汎用用途の貯蔵設備の場合、貯蔵品が頻繁に変更され、貯蔵品が変更されるたびに貯蔵設備の内面を洗浄しなければならない。現在は、汎用品用途とは言え、ある程度の耐食性が要求されるため通常塗装鋼鈑が使用されている。しかし、塗装鋼鈑では洗浄による塗装のダメージが発生し、その補修に多大な手間と時間がかかっている。そのため、貯蔵設備を塗装鋼鈑ではなく、無塗装で使用できるステンレス鋼にすることにより、洗浄によるダメージをなくし、洗浄処理の効率化と低コスト化を実現する取り組みがなされている。そのステンレス鋼として、比較的安価でそれなりの耐食性を有するマルテンサイト系ステンレス鋼の適用が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭49-53521号公報
特開2011-190521号公報
国際公開第2016/088364号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般にマルテンサイト系ステンレス鋼は溶接性が悪く、溶接構造体には適用されていない。その理由は、いわゆる低温割れ感受性が高いので200~400℃の予熱が必要になり、これが実作業上のネックとなっているからである。さらに、溶接熱影響部(HAZ:Heat Affected Zone)の靭性が悪いため、700~800℃程度の高温熱処理により靭性を改善する処理が必要となる。このため、現実問題として、溶接構造体を予熱処理や高温熱処理できる熱処理炉が必要となるため溶接構造体へは適用されていない。
【0006】
特許文献1では、予熱なしで溶接可能で、溶接のままでも延性と靭性を有するマルテンサイト系ステンレス鋼が提案されている。これは、C、Nを減らし、成分を調整することによりHAZに延性や靭性のよいマッシブ・マルテンサイト組織を生成させるものである。しかし、割れ感受性は改善されているものの、溶接後のHAZ靭性は、厚手材を作業性の良い大入熱で溶接する場合には必ずしも十分とは言えない。
【0007】
特許文献2では、高価なNiの含有量を抑制しつつも溶接部靭性と耐食性を両立したマルテンサイト系ステンレス鋼が提案されている。これは、16%Cr-2%Ni鋼をベースにMnを2%以上含有させて溶接部の靭性を改善したものである。これによりある程度の耐食性を有しつつ、溶接後の熱処理をしなくても溶接部靭性を確保できるものである。しかし、Mnは耐食性を低下する元素である。溶接部の靭性確保のためにMnを含有させているが、それにより低下した耐食性を補償するためCr含有量を多くし、それに伴ってオーステナイト量を確保するためNi含有量も多くしている。このため、高価になってしまい、コストパフォーマンスの観点からフェライト系や二相系ステンレス鋼と変わらないものとなっている。
【0008】
特許文献3では、低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼管の円周溶接において、第1パスをCMT(Cold Metal Transfer)溶接で行うことにより、溶接金属の低温靭性を改善でき、溶接後熱処理を行わなくても実用上問題ないことが記載されている。しかし、靭性が改善されるのは溶接金属の破壊靭性であって、母材HAZ靭性ではない。母材のHAZ靭性を改善するためには、溶接後熱処理が必要となる。
【0009】
一方、貯蔵設備にマルテンサイト系ステンレス鋼を適用しようとする場合、貯蔵設備自体が大型なため、溶接に際し、予熱や溶接後熱処理をすることは現実的に不可能である。特に、貯蔵設備などに使用される板厚10mm以上のマルテンサイト系ステンレス鋼を溶接するとHAZの靭性低下が顕著となり、構造体としての機能低下につながる。
【0010】
そこで、本発明は、マルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手において、予熱や高温熱処理を施さなくても低温割れを起こすことなくHAZの靭性を向上させることを課題とし、HAZ靭性を改善したマルテンサイト系ステンレス鋼の溶接継手、その溶接継手を有した溶接構造体、および溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社プロテリアル
焼結体
1か月前
ハイモ株式会社
水中金属の回収除去方法
2か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
2か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
2か月前
国立大学法人東北大学
高耐食銅合金
1か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
2日前
株式会社クボタ
比重分離装置
2日前
株式会社クボタ
比重分離装置
2日前
日本製鉄株式会社
鋼線
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
9日前
国立大学法人東北大学
腐食環境用銅合金
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
住友金属鉱山株式会社
銅の製錬方法
3か月前
JFEスチール株式会社
浸炭鋼部品
4日前
住友金属鉱山株式会社
オートクレーブ
4か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
3か月前
日本製鉄株式会社
めっき鋼線
2か月前
日本精線株式会社
銅合金
12日前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
3か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
3か月前
NTN株式会社
転動部材
29日前
NTN株式会社
転動部材
29日前
個人
複合材料および複合材料の製造方法
3か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の製造方法
3か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
2か月前
日本製鉄株式会社
熱間圧延鋼材
8日前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の製造方法
3か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
2か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
2か月前
日本冶金工業株式会社
表面性状に優れたNi基合金
29日前
個人
セラックを用いた成型体及び構造体の製造方法
24日前
住友金属鉱山株式会社
酸化亜鉛鉱の製造方法
23日前
中部リサイクル株式会社
銅含有物の製造方法
17日前
株式会社神戸製鋼所
鋼板およびその製造方法
2か月前
大同特殊鋼株式会社
軟磁性材料
23日前
日本冶金工業株式会社
表面性状に優れたステンレス鋼
29日前
続きを見る