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公開番号2025028570
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133471
出願日2023-08-18
発明の名称近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムと近赤外線遮蔽膜積層体、および、近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムの製造方法と近赤外線遮蔽膜積層体の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 14/08 20060101AFI20250221BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】複合タングステン酸化物膜(電気絶縁性の熱線遮蔽膜)を効率的に製造できる方法とこの方法で得られる近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムを提供する。
【解決手段】近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルム101A、102Aは、厚さ200μm以下のガラスフィルム101、102と、該ガラスフィルムの片面に形成され一般式MxWyOzで示される六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物から成る近赤外線遮蔽膜103、104とで構成され、近赤外線遮蔽膜の波長380nm以上780nm以下の可視光域における透過率の最高値が5%以上、近赤外線遮蔽膜の波長1400nmにおける反射率が30%以上であることを特徴とする。また、近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムを板ガラス100等に接合させて成る近赤外線遮蔽膜積層体100Aは、熱線遮蔽性と電波透過性が要請される自動車や建築物の窓に利用することができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
厚さ200μm以下のガラスフィルムと、
該ガラスフィルムの少なくとも片面に形成され、一般式MxWyOz(但し、Mは、K、Rb、Cs、Na、Sr、Ba、Tiから選ばれる1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.2≦x/y≦0.5、2.5≦z/y≦3.0)で示される六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物から成る近赤外線遮蔽膜とで構成され、
上記近赤外線遮蔽膜の波長380nm以上780nm以下の可視光域における透過率の最高値が5%以上で、かつ、上記近赤外線遮蔽膜の波長1400nmにおける反射率が30%以上であることを特徴とする近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
上記近赤外線遮蔽膜の膜厚が10nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルム。
【請求項3】
上記近赤外線遮蔽膜の表面抵抗値が10
5
Ω/□以上であることを特徴とする請求項1または2記載の近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルム。
【請求項4】
上記近赤外線遮蔽膜の表面に接合層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルム。
【請求項5】
上記接合層が、SiO
2
、Al
2

3
、ZrO
2
、TiO
2
、HfO
2
から選択される酸化物で構成されることを特徴とする請求項4に記載の赤外線遮蔽膜付きガラスフィルム。
【請求項6】
可視光を透過する透明基板と、
該透明基板に積層された請求項1または4に記載の近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムとで構成されることを特徴とする近赤外線遮蔽膜積層体。
【請求項7】
上記透明基板が、板ガラス若しくは透明セラミックスから選択される無機材料、または、樹脂フィルム若しくは樹脂板から選択される有機材料で構成されることを特徴とする請求項6に記載の近赤外線遮蔽膜積層体。
【請求項8】
請求項1に記載の近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムの製造方法において、
巻出ロールに巻回された厚さ200μm以下のガラスフィルムを巻き出すガラスフィルム巻き出し工程と、
巻出ロールから巻き出されたガラスフィルムをロールツーロール方式で搬送しながら上記ガラスフィルムの少なくとも一方の面に、成膜手段により一般式MxWyOz(但し、Mは、K、Rb、Cs、Na、Sr、Ba、Tiから選ばれる1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.2≦x/y≦0.5、2.5≦z/y≦3.0)で示される複合タングステン酸化物を成膜する成膜工程と、
複合タングステン酸化物が成膜されたガラスフィルムを該ガラスフィルムの歪点以下の温度で熱処理して六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物から成る近赤外線遮蔽膜を形成する熱処理工程と、
を有することを特徴とする近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムの製造方法。
【請求項9】
上記熱処理工程において、複合タングステン酸化物が成膜されたガラスフィルムに対し複数の熱処理手段を用いて順次熱処理を行い、かつ、最初の熱処理手段が波長1500nm以上の赤外線を放出する赤外線ヒーターで構成されることを特徴とする請求項8に記載の近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムの製造方法。
【請求項10】
上記最初の熱処理手段が、カーボンヒーターまたはSiCヒーターで構成されることを特徴とする請求項9に記載の近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、可視波長域の光を透過し、近赤外線領域の光を反射して遮蔽する近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムと近赤外線遮蔽膜積層体、および、近赤外線遮蔽膜付きガラスフィルムの製造方法と近赤外線遮蔽膜積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
可視光線を透過し、熱線となる近赤外線を遮蔽する膜を設けた板ガラス等の窓部材は、自動車の窓、建築物の窓等に利用されている。このような窓部材は、板ガラス等の透明基材の表面に、例えばセシウムタングステンブロンズのような赤外線吸収材料微粒子が可視光線に透明な樹脂に分散された赤外線吸収材料微粒子分散体を配した近赤外線遮蔽膜を備えている。特許文献1には、樹脂等の媒体に複合タングステン酸化物粒子を分散させた赤外線吸収材料微粒子分散体が開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1に開示された上記近赤外線遮蔽膜は、赤外線吸収材料微粒子の分散液を用いて塗布法により形成されることから、膜厚のコントロール、大面積の膜厚の均一性、平坦性を確保するための高度な塗布技術が必要とされた。
【0004】
そこで、塗布法に代え、スパッタリング等でガラス板に近赤外線遮蔽材料を成膜して近赤外線遮蔽膜を形成する技術がある。特許文献2には、スパッタリングにより形成された異なる金属による複数の金属層と誘電体層を積層した赤外線反射膜が開示されている。
【0005】
しかし、金属をスパッタリングにより成膜すると膜が導電性を示し、窓材に用いれば、屋外と室内との間の電波を遮断する。無線やFMラジオの電波はVHF帯(30MHz-0.3GHz)にある。携帯電話や移動体通信用電波はUHF帯(0.3GHz-3GHz)に属する。特に有用な通信用電波は0.9GHz~2.2GHzにあり、無線LAN(wireless local area network)に使用される電波は2.45GHz帯や5.2GHz帯にある。高速データ通信や衛星通信には更に波長の短いSHF帯(3GHz-30GHz)の技術開発が行なわれている。これらの周波数帯の電波は透過性であることが好ましい。しかし、金属的な薄膜による赤外線反射膜(熱線反射膜)は、これらの信号伝達に用いられるGHz帯やMHz帯の電波を反射してしまうため、膜の一部に切り欠きを設ける等の対策を施さなければならない。
【0006】
MHz帯やGHz帯の電波の反射性は、膜の表面抵抗値と密接な関係を有する。一般に表面抵抗値が大きいほど電波の透過性は良くなる。表面抵抗値として10
5
Ω/□以上になるとVHF帯やUHF帯ではかなりの透過性が生じ、表面抵抗値10
6
Ω/□以上になれば、VHF、UHF帯、SHF帯全域に亘って、フロートガラスとほぼ同等な電波透過性が得られる(非特許文献1)。このため、電波信号の透過性を確保するには、少なくとも表面抵抗値として10
5
Ω/□以上、好ましくは10
6
Ω/□以上の高抵抗が求められる(非特許文献1)。
【0007】
特許文献3には、特許文献2と同様、スパッタリングにより形成されると共に、シート抵抗が10
5
Ω/□以上、かつ、波長1400nmにおける吸収率が35%以上である複合タングステン酸化物膜(電気絶縁性の熱線遮蔽膜)が開示されている。電気自動車の普及に伴い、空調負荷を減らして航続距離を増加するための熱線遮蔽機能は必須となりつつあるが、同時に、自動車内の快適化、自動運転化に伴って、自動車の窓には各種センサー信号の透過性も求められるため、特許文献3に開示された複合タングステン酸化物膜(電気絶縁性の熱線遮蔽膜)が注目されている。
【0008】
ところで、セシウムタングステンブロンズ等の複合タングステン酸化物材料をターゲットとして用い、スパッタリング成膜によって、電気絶縁性でかつ透明な熱線遮蔽膜の性能を得ようとする場合、スパッタリング成膜時に被成膜体である基材を300℃以上に加熱するか、あるいは、スパッタリング成膜後に300℃以上の温度下でアニール処理してスパッタリング膜(複合タングステン酸化物膜)を結晶化させる必要がある。このため、被成膜体である基材には、スパッタリング成膜時やアニール処理時の熱に耐えられる板ガラスが使用されている。
【0009】
しかし、基材に板ガラスが使用された場合、板ガラスをロール状にしてロールツーロール方式により連続搬送させることは困難なため、複合タングステン酸化物膜(電気絶縁性の熱線遮蔽膜)を効率的に製造できない問題が存在した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
WO2005/037932号
特開2006-117482号公報
特許第6540859号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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