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公開番号2025023883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-19
出願番号2023136668
出願日2023-08-06
発明の名称タングステン化合物を用いたシロアリ防除剤
出願人株式会社希少金属材料研究所
代理人
主分類A01N 59/16 20060101AFI20250212BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】一般的な酸化タングステンは粒子サイズが大きく、被着体の中に浸透しないため、長期の屋外や室内においては被着体からの脱離が生じてシロアリに対する防除効果が経年変化により消失するという問題があった。また、有機系のシロアリ防除効果は該有機化合物が揮発する、また水に溶出するために長期に渡る効果の持続性に課題があった。
【解決手段】本発明においてはタングステン化合物を50nm以下のサイズのナノ粒子化することにより木材などセルロース系素材に容易に表面から深部まで浸透させられるため、シロアリへの防除効果の高いタングステン化合物が被着体の表面から外部に溶出されない。この結果、シロアリ防除効果が長期に渡り効果が持続する。
【選択図】図16
特許請求の範囲【請求項1】
シロアリ防除剤において、平均粒径が50nmサイズ以下、且つタングステン酸アンモニウム塩のM

・(NH


n-P
・Cl

・ mWO

・rH

O、M

・(NH


2x-p
・Cl

・(WO



・zH

O またはM

・(NH


2x
・Cl

・(WO



・(WO



・zH

O(n>0,n>P≧0、m>0,r≧0, q≧0,x>0,y≧0,Z≧0、M:Li,Na,K,Cs,H,Ca,Mg)、タングステン酸塩のM
1-T
WO

・zH

O(M:Na,Li,K,Cs,H,Ca,Mg,1≧T≧0,Z≧0)の中から少なくとも1種以上を含んだタングステン化合物からなるものを特徴とするシロアリ防除剤。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
請求項1記載のタングステン化合物において、WをMoに置換したタングステン化合物あることを特徴とするシロアリ防除剤。
【請求項3】
請求項1,2に記載のシロアリ防除剤にTi,Sn,In,Ga,Cu,Agの中から、少なくとも1つの元素を含んだ酸化物を含ませたことを特徴とするシロアリ防除スラリー。
【請求項4】
請求項1から3に記載のシロアリ防除剤をセルロース主成分の素材に浸透させた素材のタングステン化合物の量が0.01重量%以上であることによるシロアリに対する防除機能を有することを特徴とするセルロース含有の部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はタングステン化合物を用いたシロアリ防除剤に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
一般的にシロアリ防除剤は、忌避または殺蟻のいずれかの効果を持つものである。シロアリは、木材を加害し建物のみならず木材を利用した構造物に対して多大な被害をもたらしている。これまでのシロアリによる被害を防ぐ方法としては次のものがある。直接的に薬剤をかけることでシロアリを殺す方法である。ベイト剤を用いてシロアリに殺蟻効果のある薬剤を食させ、そのシロアリもしくは栄養交換やグルーミングなどで巣の中にいるシロアリに対し殺蟻効果を与える方法である。また、揮発性の化学物質を用いてシロアリに対して忌避効果または殺蟻効果をもたらす方法である。あるいは物理的な障壁・障害物を用いてシロアリの侵入を防ぐ方法である。これらは、それぞれ単独の効能であり、状況によって方法を選び、単独の効果もしくは複数の効果を組み合わせて利用されてきた。
【0003】
通常の殺虫剤として使用されている有機系素材としてはピレスロイドが一般的である。これは除虫菊の花に含まれている天然殺虫成分ピレトリンと、それに似せて作られた化合物になっている。特徴としては昆虫の神経を麻痺させる作用がある。具体的にはピレトリン、アレスリン、イミプロトリン、エムペントリン、シフェノトリン、シフルトリン、トランスフルトリン、ビフェントリン、フェノトリン、フタルスリン、フラメトリン、プラレトリン、プロフルトリン、ペルメトリン、メトフルトリン、レスメトリン、モンフルオロトリン、エトフェンプロックスがある。昆虫の神経の働きを阻害することで、効果を示す有効成分となる有機リン系殺虫剤としてはジクロルボス、フェニトロチオン、フェンチオン、トリクロルホン、プロペタンホス、ダイアジノン、ピリダフェンチオンがある。有機ケイ素系殺虫剤にはシラフルオフェンがある。アミジノヒドラゾン系殺虫剤としてはヒドラメチルノンが挙げられる。フェニルピラゾール系殺虫剤としてはフィプロニルがある。カーバメイト系殺虫剤としては、例えばフェノブカルブ、プロポクスル、カルバリルが代表的である。
【0004】
その他にホウ酸系に関してはホウ酸団子がある。オキサジアゾール系殺虫剤としてはメトキサジアゾンが挙げられる。昆虫の脱皮、または変態を抑制し、成虫の発生を予防する有効成分としてメトプレン、ピリプロキシフェン、ジフルベンズロンが挙げられる。
【0005】
昨今ではピレスロイド系殺虫成分、有機リン系殺虫成分、カーバメイト系殺虫成分に抵抗性をもつ害虫にも効果を持つネオニコチノイド系殺虫剤が開発されている。具体的にはイミダクロプリド、クロチアニジン、アセタミプリド、チアメトキサムがある。この中でもチアメトキサムはシロアリに対する持続的な殺虫効果がある。ネオニコチノイド系殺虫剤は昆虫の神経に作用することでピレスロイド系殺虫成分に抵抗性のある害虫の駆除に使われる。主な適用害虫は、ヤスデ、アリ、ダンゴムシ、ワラジムシ、ハサミムシ、ムカデ、ヤマビルなどの不快害虫がいる。しかし、ネオニコチノイド系はミツバチが大量に死ぬ鋒群崩壊症候群の原因である可能性が高いとされEUなどで規制対象になっている。
【0006】
忌避剤として有名な剤としては虫よけ効果のある香料や、衣料害虫よけに使われているピレスロイド系殺虫成分「エムペントリン」などがある。これは直接、肌に塗布しても問題がないと報告されている。具体的にはディート、イカリジンがその効果を持つことで知られている。
【0007】
有機化合物系の殺虫剤・忌避剤は、虫の種類に応じて、様々な効果のメカニズムを利用して開発されてきた。しかしながら基本的には有機物系素材の為、蒸発して減少し、また大気中の酸素と反応して劣化するので、長期に渡る効果がないのが致命的となっていた。
【0008】
一方、無機系の化合物においてはタングステン化合物やモリブデン化合物の殺虫効果が高いことが特許文献1、非特許文献の文献1には記載されている。この中でモリブデン化合物はモリブデン元素が発がん性物質であるので嫌厭されてきた。但し、タングステン化合物もモリブデン化合物も効果が長期的に持続すると期待されてきた。
【0009】
特にタングステンおよびタングステンを含む化合物は、特許文献1に記載されているようにシロアリのような昆虫においては木質の消化を助ける菌類による窒素固定を阻害して死に至らしめる効果を持ち、増殖を抑制することが知られている。タングステンは、特定の動物にのみ選択的に抑制効果を持ち安全性が高い。タングステンは高価でなく入手が容易である。そのためシロアリ防除剤として有望なものとして期待された。しかし、従来の報告例ではそれらの化合物の粒子サイズが大きく、耐候性に弱く雨などにより流れ出てしまうなどの問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開昭59-082309
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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