TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025023270
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2024211704,2024069672
出願日2024-12-04,2017-09-29
発明の名称枠体及び蒸着マスク
出願人マクセル株式会社
代理人個人
主分類C23C 14/04 20060101AFI20250206BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】蒸着に係る精度を向上させられる枠体及び蒸着マスクを提供する。
【解決手段】積層構造の枠体3をなす、第一枠部材と第二枠部材が、第二枠部材の開口領域に対し第一枠部材の開口領域をより大きくするように形成され、枠体3の開口領域がマスク本体2から遠い部位で広がって、開口領域を取り囲む周縁部分が後退した状態で枠体1を配設できる。これにより、蒸着工程において、枠体3の開口領域及びマスク本体2の蒸着通孔を経て蒸着対象基板に向かう蒸着材料に対し、枠体3における開口領域周りの周縁部分が蒸着材料の進行を妨げる障害物になりにくく、各蒸着通孔に枠体3の影響を排除して蒸着材料を問題なく進行させることができ、より適切に蒸着を実行できる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
低熱膨張係数の材質で形成され、マスク本体を補強するために用いられる枠体であって、
少なくとも第一枠部材と第二枠部材とを重ねて一体化した積層構造とされ、
最外周に位置する矩形状の外枠部と、該外枠部の内側を複数の開口領域に区画する内枠部とを有する全体形状とされ、
前記第二枠部材の開口領域に対し、前記第一枠部材の開口領域をより大きくするように、第二枠部材における各部の幅を第一枠部材より大きく形成されることを
特徴とする枠体。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記請求項1に記載の枠体において、
前記第一枠部材と第二枠部材は、反りのある枠部材で、且つそれぞれの反り方向を逆向きとされることを
特徴とする枠体。
【請求項3】
前記請求項2に記載の枠体において、
前記第一枠部材と第二枠部材は、一体化で反りが相殺された平坦状態とされることを
特徴とする枠体。
【請求項4】
前記請求項1ないし3のいずれかに記載の枠体において、
前記第一枠部材と前記第二枠部材は、接着層を介在させて接合していることを
特徴とする枠体。
【請求項5】
前記請求項4に記載の枠体において、
前記接着層として用いられる接着剤が、未硬化状態で粘着性を有するシート状レジストであることを
特徴とする枠体。
【請求項6】
前記請求項1ないし5のいずれかに記載の枠体と、多数の蒸着通孔を所定パターンで設けられるマスク本体とを備えることを
特徴とする蒸着マスク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク本体を補強するために用いられる枠体と、この枠体を備える蒸着マスクに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
有機EL(Electroluminescence)素子の発光層を形成する方法としては、蒸着マスク法が多く用いられている。この蒸着マスク法では、ガラス等の透明材質からなる基板上の所望の位置に有機発光物質を蒸着形成するために、基板の蒸着部位に対応する箇所を除去穿孔した蒸着マスクが使用される。
【0003】
蒸着を行う蒸着装置においては、蒸着対象の基板に対し蒸着マスクを正しく位置合せした状態で設置し、蒸着が実行される。ただし、蒸着に際しては蒸着装置内を蒸着可能な環境とするために一般に加熱がなされることから、蒸着マスクとガラス基板の熱変形状態が異なる場合、蒸着マスクと基板との相対位置関係が変化し、形成される発光層の要求される精度を満足できなくなるという問題がある。
【0004】
近年、薄いマスク本体の外周縁に、ガラス等の被蒸着基板と同等の熱膨張係数を有する素材又は低熱膨張係数の素材からなる補強用の枠体が装着されたマスク構造を採用することで、被蒸着基板とは熱膨張係数が異なる素材製のマスク本体を用いても、マスク本体が被蒸着基板と同等の熱膨張係数を有する枠体の膨張に追随して形状変化する、あるいは低熱膨張係数を有する枠体に抑制されて形状変化しない状態となり、蒸着装置内での昇温時における被蒸着基板に対するマスク本体の整合精度を担保でき、被蒸着基板上に発光層を高精度に形成できる蒸着マスクが提案されている。
このような従来の蒸着マスクの一例として、特開2005-15908号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-15908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の蒸着マスクは前記特許文献1に示される構成となっており、熱膨張係数の差異によるマスクと基板の相対変形を抑え、蒸着形成物の位置精度の著しい悪化を防止することができる。
ただし、市場では蒸着形成物のさらなる高精度化の要求があり、マスクの変位によるずれの発生をさらに抑えることが求められている。
【0007】
従来のマスク本体と枠体との組合せ構造については、変位しようとするマスク本体に対抗可能な枠体強度確保のために、枠体を厚くすることが容易に考えられるが、マスク本体近傍の枠体が厚くなり過ぎると、蒸着の際に有機発光物質などの蒸着材料がマスク本体の通孔へ進行するのが枠体によって一部妨げられるなど、悪影響が及ぶことから、厚さを単純に増加させることはできなかった。また、枠体がある程度厚くなると、枠体の重量も増加して、枠体自体の重量による撓み等変形の問題が生じ、その場合却ってマスク本体に影響を与えて位置精度を悪化させることに繋がった。このため、枠体の厚さを大きくして強度向上を図り、マスクの精度を高める手法は、適用可能な厚さの限界値が存在し、それを超えるように強度向上を図ることは現実的とはいえなかった。
【0008】
また、枠体を一般に流通して入手が容易な金属板素材から形成する場合、こうした板素材は圧延等加工を経て製造されていることから、板素材には加工による歪が内部に少なからず残った状態となっている。このような製造の過程で生じた板素材の内部歪の影響は、その板厚が大きくなるほど顕著にあらわれるものである。よって、枠体の板厚を増やす、すなわち枠体に用いる板素材の厚さを大きくしていくと、板素材から切断等さらなる加工により最終的に枠体が得られた段階で、歪が枠体のわずかな反り等となって現れ、枠体の本来あるべき形状を厳密には実現できず、マスクの精度に悪影響を与えることとなる。こうした点からも、枠体を単純に厚くして強度向上を図ることは困難であるといえる。
なお、枠体に用いる金属板素材として、特殊な加工で製造された歪のない板素材や、あらかじめ内部応力除去処理を施した板素材を採用して、枠体が歪みの影響を受けないようにすることも可能であるが、歪のない板素材や応力除去処理は高コストであることから、経済的に枠体を得ることはできなかった。
【0009】
また、マスク本体を無光沢ニッケルのみで形成した場合、完成後のマスク本体で発生する張力が過度に大きくなり、枠体の変形を招くおそれがある。
【0010】
以上のように、従来のマスク構造では、高精度化に伴い厳しくなる許容範囲にマスク本体の変位を収めることが枠体の強度の面で難しく、蒸着形成物の位置ずれによる歩留まりの悪化が避けられないという課題を有していた。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

マクセル株式会社
電磁波吸収シート
今日
日鉄建材株式会社
波形鋼板
16日前
株式会社カネカ
製膜装置
14日前
株式会社電気印刷研究所
金属画像形成方法
28日前
大阪富士工業株式会社
浴中軸部材の製造方法
4日前
株式会社カネカ
製膜装置
7日前
日本化学産業株式会社
複合めっき皮膜及びめっき製品
今日
キヤノントッキ株式会社
成膜装置
15日前
栗田工業株式会社
密閉冷却水系のpH制御方法及び装置
29日前
株式会社高純度化学研究所
酸化スズ(II)薄膜の製造方法
16日前
日東電工株式会社
積層フィルムの製造方法
28日前
株式会社SUS
チタン材、チタン製の容器およびチタン材の製造方法
7日前
富士通商株式会社
新規なSiOx/カーボンナノ繊維とその製造方法
4日前
株式会社日本テクノ
金属酸化被膜装置及び金属酸化被膜形成方法
8日前
株式会社アルバック
成膜装置及び成膜方法
7日前
芝浦メカトロニクス株式会社
成膜装置
今日
マクセル株式会社
枠体及び蒸着マスク
7日前
日鉄ハードフェイシング株式会社
ハースロール及びハースロールの製造方法
今日
キヤノントッキ株式会社
成膜装置、電子デバイスの製造方法及び成膜方法
7日前
日本防蝕工業株式会社
犠牲陽極構造体並びに犠牲陽極の消耗状態判別システムおよび消耗状態判別方法
28日前
キヤノン株式会社
蒸着マスク、蒸着マスクを用いた有機EL素子の製造方法
今日
株式会社ナカボーテック
防食組成物、防食用シート及び鋼構造物の防食方法
今日
キヤノントッキ株式会社
成膜装置
17日前
ピコサン オーワイ
熱分配要素
24日前
エスピーティーエス テクノロジーズ リミティド
PECVD方法及び装置
8日前
ユ-ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
基板処理装置及び基板処理方法
16日前
キヤノントッキ株式会社
成膜装置、マスク、成膜方法及び電子デバイスの製造方法
15日前
東洋アルミニウム株式会社
アルミニウム粗化箔及びその製造方法、並びに、積層体
15日前
エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
補助接地経路を有するウエハ処理装置
8日前
株式会社トリケミカル研究所
膜形成材料、膜形成方法、及び新規化合物
8日前
国立大学法人東海国立大学機構
カーボンナノ材料生成装置
15日前
キヤノントッキ株式会社
基板支持装置、成膜装置、成膜方法及び電子デバイスの製造方法
今日
キヤノントッキ株式会社
アライメント装置、成膜装置、アライメント方法、及び成膜方法
4日前
株式会社トリケミカル研究所
膜形成材料、膜形成方法、及び新規化合物
8日前
東洋鋼鈑株式会社
銅張積層体及びその製造方法
7日前
JFEスチール株式会社
溶融Al-Zn-Si-Mg系めっき鋼板の製造方法
8日前
続きを見る