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公開番号2025022530
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023127206
出願日2023-08-03
発明の名称ボールねじ用ナット及びこれを備えるボールねじ
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 25/22 20060101AFI20250206BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ボールねじの作動性向上を実現し得るボールねじ用ナットを提供する。
【解決手段】ボール7が転動する螺旋状のボール転動路8をねじ軸2の外周面2aに設けられた雄ねじ溝3とともに形成する雌ねじ溝5と、ボール転動路8の終点から始点にボール7を戻す循環溝11とが内周面4aに設けられたボールねじ用ナット4であり、循環溝11は、その深さ方向における所定位置から溝開口部11aに向けて溝幅を漸減させたアンダーカット部12を有する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
ボールが転動する螺旋状のボール転動路をねじ軸の外周面に設けられた雄ねじ溝とともに形成する雌ねじ溝と、前記ボール転動路の終点から始点に前記ボールを戻す循環溝とが内周面に設けられたボールねじ用ナットにおいて、
前記循環溝は、その深さ方向における所定位置から溝開口部に向けて溝幅を漸減させたアンダーカット部を有することを特徴とするボールねじ用ナット。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記循環溝の開口幅が前記ボールのボール径よりも小さい請求項1に記載のボールねじ用ナット。
【請求項3】
前記循環溝の溝内面が、電解加工で形成された面である請求項1に記載のボールねじ用ナット。
【請求項4】
前記循環溝が複数設けられている請求項1に記載のボールねじ用ナット。
【請求項5】
前記雌ねじ溝が、前記循環溝を加工基準として形成されている請求項1に記載のボールねじ用ナット。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載のボールねじ用ナットと、このボールねじ用ナットの内周に挿入され、前記雌ねじ溝とともにボールが転動する螺旋状のボール転動路を形成する雄ねじ溝が外周面に形成されたねじ軸と、前記ボール転動路に介在する複数のボールと、を有するボールねじ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじ用ナット及びこれを備えるボールねじに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
回転運動を直線運動に、あるいは直線運動を回転運動に変換する運動変換機構の一種であるボールねじは、複数のボールを介して相対回転するねじ軸及びナットを備えており、ねじ軸とナットの相対回転時には、ねじ軸の外周面に形成された雄ねじ溝とナットの内周面に形成された雌ねじ溝の間のボール転動路に介在する複数のボールが両ねじ溝に沿って転動する。このような構造を有するボールねじは、例えば、工作機械、搬送機械、産業用ロボット、自動車、二輪車、船舶等において、高い動作精度を要求される駆動機構に組み込まれている。
【0003】
ボールねじには、ねじ軸とナットの相対回転に伴ってボール転動路の終点に到達したボールをボール転動路の始点に戻す(ボールをナット内で循環させる)ためのボール循環路を設けることが必要不可欠であり、ナットの内周面には、雌ねじ溝に加えて、ボール循環路を構成する凹部(循環溝)が設けられる場合がある。このような構成を有するナットは、例えば、筒状をなした鋼製のブランクの内周面の一部を外径側に塑性変形させることによりブランクの内周面に循環溝を成形した後、ブランクの内周面を切削して雌ねじ溝を形成する、という手順を経ることで得られる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6015444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図7(a)に、塑性加工によってナット100の内周面101に形成された循環溝102を模式的に示す。この場合、循環溝102の溝開口部(循環溝101とナット100の内周面101との境界部)にR状のダレ103が不可避的に生じる他、循環溝102の溝幅を規定する対向二面が、金型の抜き勾配に対応するかたちで、循環溝101の溝幅を溝底側から溝開口側に向けて徐々に拡大させる拡径面に形成されるのが一般的である。
【0006】
ところで、循環溝内に存在する(循環溝内を移動する)ボールは、ナット及びねじ軸から荷重を受けることなく、フリーの状態になっている。つまり、循環溝内に存在するボールは、常にナット及びねじ軸と接しているわけではなく、ボールねじ作動時の遠心力や後続のボールから押される力などを受けてナットとねじ軸との間を自由に移動している。そのため、循環溝が上記態様で形成されていると、図7(b)に示すように、ボールねじの作動時に循環溝102内をボール104が移動するのに伴ってボール104(の一部又は全部)が循環溝102の外側にはみ出し、ねじ軸110の外周面と干渉する。循環溝102内を移動するボール104がねじ軸110と干渉すると、スムーズなボール循環が阻害され、ボールねじの作動性が低下する。
【0007】
かかる実情に鑑み、本発明は、ボールねじの作動性向上を達成し得るボールねじ用ナットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために創案された本発明は、
ボールが転動する螺旋状のボール転動路をねじ軸の外周面に設けられた雄ねじ溝とともに形成する雌ねじ溝と、ボール転動路の終点から始点にボールを戻す循環溝とが内周面に設けられたボールねじ用ナットにおいて、
循環溝は、その深さ方向における所定位置から溝開口部に向けて溝幅を漸減させたアンダーカット部を有することを特徴とする。
【0009】
上記のようなアンダーカット部を循環溝に設けた場合、特に循環溝の開口幅(溝開口部における溝幅)をボール径よりも小さくしておけば、循環溝内を移動するボールの循環溝外側へのはみ出し量を抑えることが可能となる。これにより、循環溝内を移動するボールがねじ軸と干渉し難くなり(ボールとねじ軸の接触頻度を減じることが可能となり)、ボールが循環溝内をスムーズに移動するので、ボールねじの作動性を向上することができる。また、循環溝内を移動するボールがねじ軸と干渉し難くなると、両者の接触に伴う異音や振動の発生を抑えることもできるので、ボールねじの静粛性向上に寄与することもできる。
【0010】
ところで、アンダーカット部を有する循環溝は、鍛造等の塑性加工で形成することも可能ではあるが、塑性加工の場合、循環溝の溝開口部(循環溝とナット内周面との境界部)にR状のダレが不可避的に生じるという上記の問題以外に、溝成形後の離型が無理抜きとなることに起因するナットの寸法・形状精度の低下問題や、複雑な金型を必要とすることによる製造コストの高騰問題などが生じる。上記循環溝は、切削等の機械加工で形成することも可能ではあるが、加工時間の長期化が避けられない。特に複数の循環溝を切削加工で形成する場合には、切削工具同士の干渉回避のために循環溝を一つずつ形成せざるを得ず、加工時間の長期化が顕著になる。
(【0011】以降は省略されています)

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