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公開番号2025019157
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2024202730,2021502348
出願日2024-11-20,2020-02-26
発明の名称iPS細胞を用いた骨芽細胞塊の作製法
出願人国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C12N 5/077 20100101AFI20250130BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】iPS細胞を原料として、骨再生能が高い骨芽細胞塊を得ることができる、新規な骨芽細胞塊製造方法を提供すること。
【解決手段】(1)未分化iPS細胞を非接着培養して、胚様体の形成を誘導する工程、
(2)上記工程(1)で得られたiPS細胞の胚様体を非接着培養して、iPS細胞の中胚葉系細胞への分化を誘導する工程、及び
(3)上記工程(2)で得られたiPS細胞の中胚葉系細胞を非接着培養して、骨芽細胞への分化を誘導する工程
を含むiPS細胞から骨芽細胞塊を製造する方法であって、
該工程(1)及び(2)が、底面と該底面から立設された環状の側壁とを備え、該底面が、互いに独立して設けられた複数の凹部を有する培養容器を用いて行われる、方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(1)未分化iPS細胞を非接着培養して、胚様体の形成を誘導する工程、
(2)上記工程(1)で得られたiPS細胞の胚様体を非接着培養して、iPS細胞の中胚葉系細胞への分化を誘導する工程、及び
(3)上記工程(2)で得られたiPS細胞の中胚葉系細胞を非接着培養して、骨芽細胞への分化を誘導する工程
を含むiPS細胞から骨芽細胞塊を製造する方法であって、
該工程(1)及び(2)が、底面と該底面から立設された環状の側壁とを備え、該底面が、互いに独立して設けられた複数の凹部を有する培養容器を用いて行われる、方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記複数の凹部の少なくとも1個における円相当直径が200~900μmでありかつ深さが200~1000μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の凹部の開口部の形状が略円形である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記iPS細胞がヒトiPS細胞又はマウスiPS細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記工程(1)における培養時間が0.625~3.5日間である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記工程(2)における培養が、Wntシグナル活性化剤及びヘッジホッグシグナル阻害剤からなる群より選択される少なくとも一種の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記Wntシグナル活性化剤が、CHIR99021、6-ブロモインディルビン-3’-オキシム、ケンパウロン、SB-216763、SKL2001、デオキシコール酸、WAY-316606、NSC-693868、リシニン、7-oxo-β-シトステロール、IM-12、HLY78、及びレチノイン酸からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ヘッジホッグシグナル阻害剤が、シクロパミン、AY9944、GANT58、GANT61、ジェルビン、SANT-1、SANT-2、U18666A、ベラトラミン、ビスモデギブ、Cur-61414、ロボトニキニン、JK184及びHPI-4からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記工程(3)における培養が、低酸素模倣化合物及びスタチン化合物からなる群より選択される少なくとも一種の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(1)の前に、フィーダー細胞を用いずに未分化iPS細胞を培養する工程を含む、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年2月26日に出願された、日本国特許出願第2019-033277号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。本発明は、iPS細胞を用いた骨芽細胞塊の作製法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
骨腫瘍摘出、粉砕骨折、関節リウマチの固定に伴う骨欠損、顎堤吸収等により失われた骨の欠損部等に対して、これらを補うための人工骨・骨補填材料の需要は非常に高まっている。
【0003】
現在、臨床で人工骨・骨補填材料として使用されている、ハイドロキシアパタイト等の非吸収性材料、及びβ-第3リン酸カルシウム等の吸収性材料は、自家骨と比較して骨誘導性に欠ける等の問題があり、外科的処置の予後が必ずしも良くなかった。また、次世代型として開発推進が望まれている人工骨とBMP(Bone Morphogenetic Protein)等の成長因子タンパク質とを組み合わせたハイブリッド人工骨・骨補填材は、骨組織再生に重要な「細胞外基質」がないため、十分な骨再生効果を得ることができなかった。
【0004】
かかる状況の下、本発明者は、幹細胞を原料とし、不活化細胞塊を含み、前記不活化細胞塊が少なくとも石灰化物及び細胞外基質を含むことを特徴とする骨再生剤を作製することに成功している(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2015/064705
WO2018/181960
【非特許文献】
【0006】
Stem Cell Reports Vol. 2, 751-760, June 3, 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、iPS細胞を原料として、骨再生能が高い骨芽細胞塊を得ることができる、新規な骨芽細胞塊製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記状況の下、鋭意検討した結果、未分化iPS細胞を原料に用い、胚様体形成誘導工程、中胚葉系細胞への分化誘導工程、及び骨芽細胞への分化誘導工程を含む骨芽細胞塊の製造方法において、(1)胚様体形成誘導工程及び(2)中胚葉系細胞への分化誘導工程に微細空間培養を利用することによって、意外にも、骨再生能が非常に高い骨芽細胞塊を得ることを見出した。本発明者らは、当該新たな知見に基づき、培養条件等をさらに精査し、本発明を完成させた。
【0009】
従って、本発明は以下の項に示す方法、骨芽細胞塊等を提供する:
項1.(1)未分化iPS細胞を非接着培養して、胚様体の形成を誘導する工程、
(2)上記工程(1)で得られたiPS細胞の胚様体を非接着培養して、iPS細胞の中胚葉系細胞への分化を誘導する工程、及び
(3)上記工程(2)で得られたiPS細胞の中胚葉系細胞を非接着培養して、骨芽細胞への分化を誘導する工程を含むiPS細胞から骨芽細胞塊を製造する方法であって、
該工程(1)及び(2)が、底面と該底面から立設された環状の側壁とを備え、該底面が、互いに独立して設けられた複数の凹部を有する培養容器を用いて行われる、方法。
【0010】
項2.前記複数の凹部の少なくとも1個における円相当直径が200~900μmでありかつ深さが200~1000μmである、項1に記載の方法。
(【0011】以降は省略されています)

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