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公開番号2025019129
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2024202062,2020200007
出願日2024-11-20,2020-12-02
発明の名称光学補償層付偏光板
出願人日東電工株式会社
代理人個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250130BHJP(光学)
要約【課題】正面方向の優れた反射防止特性を維持しつつ、斜め方向の反射防止特性にも優れ、かつ、斜め方向の色相がニュートラルである光学補償層付偏光板を提供すること。
【解決手段】本発明の光学補償層付偏光板は、有機ELパネルに用いられる。この光学補償層付偏光板は、偏光子と第1の光学補償層と第2の光学補償層とをこの順に備える。第1の光学補償層は、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、Re(550)が220nm~300nmである。第2の光学補償層は、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、Re(550)が90nm~170nmである。第1の光学補償層および第2の光学補償層のRe(450)およびRe(550)は実質的に等しい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
偏光子と第1の光学補償層と第2の光学補償層とをこの順に備え、
該第1の光学補償層が、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、Re(550)が220nm~300nmであり、Nz係数が0.4~0.8であり、該偏光子の吸収軸方向と該第1の光学補償層の遅相軸方向とのなす角度が5°~25°であり、
該第2の光学補償層が、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、Re(550)が90nm~170nmであり、Nz係数が0.4~0.8であり、該偏光子の吸収軸方向と該第2の光学補償層の遅相軸方向とのなす角度が65°~85°であり、
該第1の光学補償層および該第2の光学補償層のそれぞれのRe(450)/Re(550)が0.99~1.03である、
光学補償層付偏光板:
ここで、Re(450)およびRe(550)は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した面内位相差を表す。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
偏光子と第1の光学補償層と第2の光学補償層とをこの順に備え、
該第1の光学補償層が、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、Re(550)が280nm~360nmであり、Nz係数が0.5~0.9であり、該偏光子の吸収軸方向と該第1の光学補償層の遅相軸方向とのなす角度が0°±10°であり、
該第2の光学補償層が、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、Re(550)が100nm~180nmであり、Nz係数が0.2~0.6であり、該偏光子の吸収軸方向と該第2の光学補償層の遅相軸方向とのなす角度が35°~55°であり、
該第1の光学補償層および該第2の光学補償層のそれぞれのRe(450)/Re(550)が0.99~1.03である、
光学補償層付偏光板:
ここで、Re(450)およびRe(550)は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した面内位相差を表す。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学補償層付偏光板およびそれを用いた有機ELパネルに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、薄型ディスプレイの普及と共に、有機ELパネルを搭載したディスプレイ(有機EL表示装置)が提案されている。有機ELパネルは反射性の高い金属層を有するため、外光反射や背景の映り込み等の問題を生じやすい。そこで、円偏光板を視認側に設けることにより、これらの問題を防ぐことが知られている。一般的な円偏光板として、位相差フィルム(代表的には、λ/4板)を、その遅相軸が偏光子の吸収軸に対して約45°の角度をなすように積層したものが知られている。加えて、反射防止特性をさらに改善するために、種々の光学特性を有する位相差フィルム(光学補償層)を積層する試みがなされている。該位相差フィルムとしては、例えば、Re(550)>Re(450)を満たすものが知られている。このような位相差フィルムを用いた円偏光板は、有機ELパネルの視野角特性を向上させることが期待されている。しかし、このような位相差フィルムは高価であり、円偏光板作製のコストが高いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3325560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、安価で、かつ、正面方向の優れた反射防止特性を維持しつつ、斜め方向の反射防止特性にも優れ、さらに、斜め方向の色相がニュートラルである有機ELパネルを実現し得る光学補償層付偏光板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光学補償層付偏光板は有機ELパネルに用いられる。この光学補償層付偏光板は、偏光子と第1の光学補償層と第2の光学補償層とをこの順に備える。該第1の光学補償層および該第2の光学補償層はそれぞれ、nx>nz>nyの屈折率特性を示す。さらに、該第1の光学補償層および該第2の光学補償層はそれぞれ、Re(450)およびRe(550)は実質的に等しい。1つの実施形態においては、Re(550)は220nm~300nmであり、Nz係数は0.4~0.8であり、該偏光子の吸収軸方向と該第1の光学補償層の遅相軸方向とのなす角度は5°~25°である。さらに、該第2の光学補償層のRe(550)は90nm~170nmであり、Nz係数は0.4~0.8であり、該偏光子の吸収軸方向と該第2の光学補償層の遅相軸方向とのなす角度は65°~85°である。ここで、Re(450)およびRe(550)は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した面内位相差を表す。
1つの実施形態においては、上記第1の光学補償層のRe(550)は280nm~360nmであり、Nz係数は0.5~0.9であり、上記偏光子の吸収軸方向と上記第1の光学補償層の遅相軸方向とのなす角度は実質的に平行である。さらに、上記第2の光学補償層のRe(550)は100nm~180nmであり、Nz係数は0.2~0.6であり、上記偏光子の吸収軸方向と上記第2の光学補償層の遅相軸方向とのなす角度は35°~55°である。
本発明の別の局面によれば、有機ELパネルが提供される。この有機ELパネルは、上記の光学補償層付偏光板を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、光学補償層付偏光板において、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、かつ、所定の面内位相差を有する第1の光学補償層と、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、かつ、所定の面内位相差を有する第2の光学補償層とを偏光子側からこの順に配置し、かつ、第1の光学補償層および第2の光学補償層をいずれもフラット分散の位相差フィルムで構成することにより、安価で、かつ、正面方向の優れた反射防止特性を維持しつつ、斜め方向の反射防止特性にも優れ、さらに、斜め方向の色相がニュートラルである有機ELパネルを実現し得る光学補償層付偏光板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による光学補償層付偏光板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx-ny)×dによって求められる。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx-nz)×dによって求められる。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)実質的に直交または平行
「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、本明細書において単に「直交」または「平行」というときは、実質的に直交または実質的に平行な状態を含み得るものとする。
【0010】
A.光学補償層付偏光板の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による光学補償層付偏光板の概略断面図である。本実施形態の光学補償層付偏光板100は、偏光子10と第1の光学補償層30と第2の光学補償層40とをこの順に備える。実用的には、図示例のように、偏光子10の第1の光学補償層30と反対側に保護層20が設けられ得る。また、光学補償層付偏光板は、偏光子10と第1の光学補償層30との間に別の保護層(内側保護層とも称する)を備えてもよい。図示例においては、内側保護層は省略されている。この場合、第1の光学補償層30が内側保護層としても機能し得る。さらに、必要に応じて、第2の光学補償層40の第1の光学補償層30と反対側(すなわち、第2の光学補償層40の外側)に導電層および基材をこの順に設けてもよい(いずれも図示せず)。基材は、導電層に密着積層されている。本明細書において「密着積層」とは、2つの層が接着層(例えば、接着剤層、粘着剤層)を介在することなく直接かつ固着して積層されていることをいう。導電層および基材は、代表的には、基材と導電層との積層体として光学補償層付偏光板100に導入され得る。導電層および基材をさらに設けることにより、光学補償層付偏光板100は、インナータッチパネル型入力表示装置に好適に用いられ得る。さらに/あるいは、必要に応じて光学補償層付偏光板(実質的には、保護層20)には、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を改善する処理(代表的には、(楕)円偏光機能を付与すること、超高位相差を付与すること)が施されていてもよい。このような処理を施すことにより、偏光サングラス等の偏光レンズを介して表示画面を視認した場合でも、優れた視認性を実現することができる。したがって、光学補償層付偏光板は、屋外で用いられ得る画像表示装置にも好適に適用され得る。
(【0011】以降は省略されています)

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