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公開番号2025018555
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023122358
出願日2023-07-27
発明の名称洗浄組成物の製造方法
出願人株式会社レゾナック
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C11D 11/00 20060101AFI20250130BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】不活性ガスを用いない通常の空気雰囲気下であっても、エッチング速度の高い洗浄組成物を製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】第四級フッ化アルキルアンモニウム又はその水和物、及び有機溶媒を含有する洗浄組成物の製造方法であって、第四級フッ化アルキルアンモニウム又はその水和物、及び有機溶媒を収容する混合槽の液面の少なくとも一部を気相から遮断した状態で、第四級フッ化アルキルアンモニウム又はその水和物、及び有機溶媒を混合する調製工程を有する、洗浄組成物の製造方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
第四級フッ化アルキルアンモニウム又はその水和物、及び有機溶媒を含有する洗浄組成物の製造方法であって、
前記第四級フッ化アルキルアンモニウム又はその水和物、及び前記有機溶媒を収容する混合槽の液面の少なくとも一部を気相から遮断した状態で、前記第四級フッ化アルキルアンモニウム又はその水和物、及び前記有機溶媒を混合する調製工程を有する、洗浄組成物の製造方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記調製工程において、前記液面の高さにおける前記混合槽の水平断面積(S1)に対する、前記液面の気相との接触面積(S2)の比率(S2/S1)が0.3未満である、請求項1に記載の洗浄組成物の製造方法。
【請求項3】
前記調製工程を、前記液面の少なくとも一部を被覆するフロートを設置した状態で行う、請求項1に記載の洗浄組成物の製造方法。
【請求項4】
前記調製工程において、前記液面の高さにおける前記混合槽の水平断面積(S1)に対する、前記液面の高さにおける前記フロートの水平断面積(S3)の比率(S3/S1)が0.7以上である、請求項3に記載の洗浄組成物の製造方法。
【請求項5】
前記混合槽を空気雰囲気下に配置して前記調製工程を行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄組成物の製造方法。
【請求項6】
前記調製工程の後、調製した前記洗浄組成物を収容する容器の液面の少なくとも一部を気相から遮断した状態で、前記洗浄組成物を保管する保管工程を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄組成物の製造方法。
【請求項7】
前記保管工程において、前記液面の高さにおける前記容器の水平断面積(S4)に対する、前記液面の気相との接触面積(S5)の比率(S5/S4)が0.3未満である、請求項6に記載の洗浄組成物の製造方法。
【請求項8】
前記保管工程を、前記液面の少なくとも一部を被覆するフロートを設置した状態で行う、請求項6に記載の洗浄組成物の製造方法。
【請求項9】
前記保管工程において、前記液面の高さにおける前記容器の水平断面積(S4)に対する、前記液面の高さにおける前記フロートの水平断面積(S6)の比率(S6/S4)が0.7以上である、請求項8に記載の洗浄組成物の製造方法。
【請求項10】
前記容器を空気雰囲気下で保管する、請求項6に記載の洗浄組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、洗浄組成物の製造方法に関する。特に、本開示は、半導体ウェハの薄型化プロセスにおいて、デバイスウェハ上に残留した、デバイスウェハと支持ウェハ(キャリアウェハ)との仮接着に使用される接着性ポリマーを含む接着剤を分解洗浄するための洗浄組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
半導体の高密度化のための三次元実装技術においては、半導体ウェハの1枚当たりの厚さが薄くされ、シリコン貫通電極(TSV)により結線された複数の半導体ウェハが積層されている。具体的には、半導体デバイスを形成したデバイスウェハのデバイスを形成させていない面(裏面)を研磨によって薄型化した後、その裏面にTSVを含む電極形成が行われる。
【0003】
デバイスウェハの裏面の研磨工程においては、デバイスウェハに機械的強度を付与するために、キャリアウェハとも呼ばれる支持ウェハがデバイスウェハの半導体デバイス形成面に接着剤を用いて仮接着される。支持ウェハとして例えばガラスウェハ又はシリコンウェハが使用される。研磨工程後、必要に応じてデバイスウェハの研磨面(裏面)に、Al、Cu、Ni、Au等を含む金属配線若しくは電極パッド、酸化膜、窒化膜等の無機膜、又はポリイミド等を含む樹脂層が形成される。その後、デバイスウェハの裏面を、リングフレームにより固定された、アクリル粘着層を有するテープに貼り合わせることにより、デバイスウェハがテープに固定される。その後、デバイスウェハは支持ウェハから分離され(デボンディング)、デバイスウェハ上の接着剤は剥離され、デバイスウェハ上の接着剤の残留物は洗浄剤を用いて洗浄除去される。
【0004】
デバイスウェハの仮接着用途には、耐熱性の良好なポリオルガノシロキサン化合物を接着性ポリマーとして含む接着剤が使用される。特に、接着性ポリマーが架橋されたポリオルガノシロキサン化合物である場合、Si-O結合の切断及び溶剤による分解生成物の溶解の2つの作用が洗浄剤に求められる。そのような洗浄剤として、例えばテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)などのフッ素系化合物を極性の非プロトン性溶媒に溶解させたものが挙げられる。TBAFのフッ化物イオンはSi-F結合生成を介したSi-O結合の切断に関与することから、洗浄剤にエッチング性能を付与することができる。極性非プロトン性溶媒は、TBAFを溶解することができ、かつフッ化物イオンに対して水素結合を介した溶媒和を形成しないことから、フッ化物イオンの反応性を高めることができる。
【0005】
非特許文献1(Advanced Materials, 11, 6, 492 (1999))では、溶媒として非プロトン性のTHFを用いた1.0M TBAF溶液がポリジメチルシロキサン(PDMS)の分解及び溶解除去に使用されている。
【0006】
非特許文献2(Advanced Materials, 13, 8, 570 (2001))では、TBAFの溶媒として、THFと同様に非プロトン性溶媒のNMP、DMF及びDMSOが使用されている。
【0007】
非特許文献3(Macromolecular Chemistry and Physics, 217, 284-291 (2016))には、PDMSのTBAF/有機溶媒によるエッチング速度を溶媒毎に調べた結果が記載されており、エッチング速度が高いTHF及びDMFについては、THF/DMFの比率を変えた混合溶媒を用いたTBAF溶液のエッチング速度の比較も記載されている。
【0008】
第四級フッ化アルキルアンモニウム又はその水和物、及び窒素原子に水素原子が直接結合していないN-置換アミド化合物を含有する洗浄組成物の製造においては、空気との接触によるN-置換アミド化合物の酸化に起因して洗浄性能が低下することが知られている(特許文献1及び2)。これを防ぐために、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気の下で第四級フッ化アルキルアンモニウム又はその水和物を溶解させる方法がある(特許文献1)。この方法では、N-置換アミド化合物、及び第四級フッ化アルキルアンモニウム又はその水和物を不活性ガス雰囲気下で混合することにより酸素の溶存率を低減して、N-置換アミド化合物の酸化を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2021/106460号
国際公開第2023/120322号
【非特許文献】
【0010】
Advanced Materials, 11, 6, 492 (1999)
Advanced Materials, 13, 8, 570 (2001)
Macromolecular Chemistry and Physics, 217, 284-291 (2016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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