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公開番号2025018153
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023121630
出願日2023-07-26
発明の名称熱交換器のコイルのフィン構造
出願人新晃工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F28F 1/32 20060101AFI20250130BHJP(熱交換一般)
要約【課題】熱交換器のコイルのフィンに長いスリットを設け、そのために生じるスリットのたわみを防止して熱交換効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】
熱交換器のコイルに設けたスリットフィンでコイルの主管の段数方向の隣り合う主管間の距離よりも大きくしたスリットフィン構造で、少なくとも主管間の距離よりも大きくしたスリットにおいて、長手方向の剛性を高めるリブを設けたコイルのスリットフィン構造であり、リブは断面V字状、断面円弧状、または、断面台形状であるコイルに設けたスリットフィンである。
【選択図】図7

特許請求の範囲【請求項１】
熱交換器のコイルに設けたスリットフィンでコイルの主管の段数方向の隣り合う主管間の距離よりも大きくしたスリットフィン構造であって、少なくとも主管間の距離よりも大きくしたスリットにおいて、長手方向に剛性を高めるリブを設けたことを特徴とする熱交換器のコイルのフィン構造。
続きを表示（約 180 文字）【請求項２】
前記リブは、断面Ｖ字状であることを特徴とする請求項１に記載の熱交換器のコイルのフィン構造。
【請求項３】
前記リブは、断面円弧状であることを特徴とする請求項１に記載の熱交換器のコイルのフィン構造。
【請求項４】
前記リブは、断面台形状であることを特徴とする請求項１に記載の熱交換器のコイルのフィン構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、熱交換器のコイルのフィン構造に関し、特に、熱交換性能を良くする熱交換器のフィン構造に関する。
続きを表示（約 2,700 文字）【背景技術】
【０００２】
従来の熱交換器のコイル（所謂フィンアンドチューブ）は、図１に示すように、コイルの主管にフィンを装着し、熱交換性能を高めるためにフィン表面に切り起こしたスリットを設けている。このスリットフィンは、例えば、特許文献１に示すように、コイル主管間の距離よりも短い切り込みによるスリットを並列して数本設け、スリットとフィン材との間には隙間を設けて空気が通過するようにフィン表面に形成し、スリットは通常コイル主管の段方向（長手方向）及び、左右のコイル主管の複数の列方向（左右方向）に並列に連続形成されている。このスリット表面や隙間を空気が通過することによって熱交換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
意匠登録第１１３７２２６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
従来のコイルとフィンからなるフィンアンドチューブ型の熱交換器には、熱交換性能を高めるためにフィン表面に切り起こしたスリットを設け、このスリットは空気が通る主管と主管の間のフィン表面に形成され、このスリットが段方向（長手方向）、列方向（左右方向）に連続形成されたフィンを積層している。
このスリットフィンは、主管内を流れる熱媒体の熱を空気に伝達する伝熱板として機能し、スリットフィンのフィン表面に設けたスリット（切り起こし）の前縁部で温度境界層を更新し、温度境界層の発達を抑えることで熱伝達率を向上させている（前縁効果）ため、その結果、スリットの長さが長いほど（スリット前縁が長いほど）熱伝達率を上げることができる。コイルの主管間にスリットを配置する場合、スリット長さを長くすることで、熱伝達率の高いスリット前縁部が主管に近づくため、さらに熱伝達率を向上させることにもつながる。
このため、スリットフィンでは、スリットの長さが長いほど（スリット前縁が長いほど）熱伝達率を上げることができるが、スリットの長さが長くなるほどスリット成形（プレス成形）後の残留応力により、スリットにたわみが発生するという問題があり、スリット長さ拡大による性能向上の阻害要因となっていた。
【０００５】
このように、コイルの主管間のフィンにスリットを配置する場合に、スリット長さを長くすることで、熱伝達率の高いスリット前縁部が主管に近づくため、さらに熱伝達率を向上させることにもつながるが、しかしながら、コイルの主管に用いるスリットフィンの厚さは、通常、０.１ｍｍから０.２ｍｍであって非常に薄い。したがって、スリットの長さが長くなると、図６に示すようにたわみが生じこれにより空気がスリットフィンに沿って移動する場合に、たわみによりスリットが形成する隙間が狭くなり空気の移動が制限されて結果として熱交換効率が低下する。
【０００６】
この発明は、前記のスリットフィンの熱交換効率を高めるためにスリットをなるべく長くするが、このための不都合を解決しようとするもので、熱交換器のコイルのフィンに設けたスリットにおいて、長いスリットを設けたために生じるスリットのたわみを防止して熱交換効率を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の目的を達成するために、熱交換器のコイルに設けたスリットフィンでコイルの主管の段数方向の隣り合う主管間の距離よりも大きくしたスリットフィン構造であって、少なくとも主管間の距離よりも大きくしたスリットにおいて、長手方向の剛性を高めるリブを設けたコイルのスリットフィン構造であり、前記リブは断面Ｖ字状（又は溝）、または、断面円弧状（又は溝）、または、断面台形状（又は溝）であれば良く、要は剛性を大きくしたものであれば良い。
【発明の効果】
【０００８】
本発明は、熱交換器のコイルに設けたスリットフィンで、段数方向の隣り合う主管間の距離よりも大きくしたスリットフィン構造であるので、従来のようにコイルの主管間の距離よりも短いスリットとは異なり、スリットの長さ方向の長さを主管間よりも長くしたので（図４：Ｘ２×２）、長くした分だけ熱交換に関与するので熱交換効率が向上する。
また、隣り合う主管間の距離よりも大きくしたスリットは、スリット上面が平坦だとたわみが生じるので、スリットの上面にリブを設けることで剛性が増し、たわみが少なくなる。このリブ形状は断面Ｖ字状（又は溝）、または、断面円弧状（又は溝）、または、断面台形状（又は溝）としたもので、加工が簡単であるにも拘わらず顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
実施例１の熱交換器の全体外観の斜視図、
図1のスリットフィンの拡大部分の斜視図、
図３は主管とスリットフィンの関係を示す正面断面図、
図３のスリットの平面図、
図５（ａ）は図４の長辺スリットの平面図、図５（ｂ）は図５（ａ）の側面図、
スリットフィンのスリットの上面が平坦のたわみが生じた状態の側面図、
図７（ａ）はスリット表面に断面Ｖ字状のリブを設けた平面図、図７（ｂ）はその断側面図、図７（ｃ）はその正面図、
図８（ａ）はスリット表面に断面円弧状のリブを設けた平面図、図８（ｂ）はその断側面図、図８（ｃ）はその正面図、図８（ｄ）はその斜視図、
図９（ａ）はスリット表面に断面台形状のリブを設けた平面図、図９（ｂ）はその断側面図、図９（ｃ）はその正面図、図９（ｄ）はその斜視図、
スリット幅２.７ｍｍの平坦（フラット）及び各リブ形状毎のたわみ量を表す棒グラフ、
従来のリブなしフィンの圧力損失と熱交換効率を基準（１００％）としたときの断面Ｖ字形状リブの圧力損失比率と熱交換率の関係を示す解析結果である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明は、熱交換器のコイルに設けたスリットフィンで、段数方向の隣り合う主管間の距離よりも大きくしたスリットフィン構造として、熱交換器での熱交換性能を高め、さらに、段数方向の主管間のスリットにおいて、少なくとも主管間の距離よりも長いスリットの断面形状を単なる平面ではなく、剛性を高めるためにスリットのたわみを抑制するためにリブを備えた形状とすることである。
【実施例】
（【００１１】以降は省略されています）

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