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公開番号2025017767
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023120995
出願日2023-07-25
発明の名称回転電機用絶縁材及び回転電機
出願人信越ポリマー株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02K 3/30 20060101AFI20250130BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】 折り曲げ加工に使用しても損傷するのを抑制できる回転電機用絶縁材及び回転電機を提供する。
【解決手段】 回転電機1の絶縁に樹脂フィルムを使用する回転電機用絶縁材であり、樹脂フィルムを、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを含有する結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム10とし、この結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム10を200℃の環境下に2016時間前後静置してその最大強度をJIS K7127に準拠して測定した場合に80MPa以上とするとともに、結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム10を200℃の環境下に2016時間前後静置してその破断時伸びをJIS K7127に準拠して測定した場合に80%以上とし、結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム10を200℃の環境下に2016時間前後静置してその弾性率をJIS K7127に準拠して測定した場合に1500MPa以上3500MPaとする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転電機の絶縁に樹脂フィルムを使用する回転電機用絶縁材であって、樹脂フィルムを、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを含有する結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムとし、この結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを200℃の環境下に2016時間前後静置してその最大強度をJIS K7127に準拠して測定した場合に80MPa以上とするとともに、結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを200℃の環境下に2016時間前後静置してその破断時伸びをJIS K7127に準拠して測定した場合に80%以上とし、結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを200℃の環境下に2016時間前後静置してその弾性率をJIS K7127に準拠して測定した場合に1500MPa以上3500MPaとしたことを特徴とする回転電機用絶縁材。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムの23℃における破断時伸びをJIS K7127に準拠して測定した場合に90%以上とした請求項1記載の回転電機用絶縁材。
【請求項3】
結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムの貯蔵弾性率(E’)の第一変曲点温度を測定した場合に230℃以上とし、200℃の環境下に2016時間前後静置した後における結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムの貯蔵弾性率(E’)の第一変曲点温度を測定した場合に200℃以上とした請求項1又は2記載の回転電機用絶縁材。
【請求項4】
ロータを包囲するステータを、ロータに嵌め合わされるコアと、このコアのロータに対向する対向面に凹み形成されるスロットと、このスロットに収納される導電巻線とから構成し、スロットと導電巻線との間に、絶縁性の壁部材を介在させ、この壁部材を請求項1又は2記載の回転電機用絶縁材としたことを特徴とする回転電機。
【請求項5】
ロータを包囲するステータを、ロータに嵌め合わされるコアと、このコアのロータに対向する対向面に凹み形成されるスロットと、このスロットに収納される導電巻線とから構成し、スロットと導電巻線との間に、絶縁性の壁部材を介在させて導電巻線を挟む断面略U字形に屈曲形成し、この壁部材の導電巻線を挟んで相対向する複数の対向片の間に、絶縁性の架設部材を架設し、壁部材と架設部材とを、それぞれ請求項1又は2記載の回転電機用絶縁材としたことを特徴とする回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータや発電機の絶縁性を維持して短絡等を防止することができる回転電機用絶縁材及び回転電機に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境問題意識の高まりから電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HVあるいはHEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)等の電動車、電気車、又は電気機関車等のモータ(発動機)を動力として走行する交通機関の開発が脚光をあびている。これらの交通機関で使用されるモータは、小型化、高出力化、高効率化が図られているが、小型化、高出力化、高効率化に伴い、高電圧・高電流化の動きが急速に高まって来ている。したがって、今後のモータに使用される絶縁材には、これまで以上に優れた電気絶縁性質や機械的性質、耐熱性が要求される。これらの要求を満たすため、近年、絶縁材としてポリイミド樹脂が検討されている。
【0003】
ポリイミド樹脂は、電気絶縁性質、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性等に優れた性質を有しているので、この優れた性質に鑑み、自動車分野、エネルギー分野、電気・電子分野、航空・宇宙等の広範囲な分野で使用が検討され、利用されている。このポリイミド樹脂は熱可塑性(熱溶融性ともいう)ポリイミド樹脂と、熱硬化性(熱不溶性ともいう)ポリイミド樹脂とが存在するが、熱硬化性ポリイミド樹脂フィルムは、電気絶縁性質、機械的性質、耐薬品性、耐加水分解性に優れるので、モータ用の絶縁材に検討されている(特許文献1、2参照)。
【0004】
具体的には、熱硬化性ポリイミド樹脂フィルムの一種であるカプトン(登録商標)が絶縁シート、あるいは相関絶縁体として検討され、提案されている。この場合の絶縁シートは、例えば、(1)ステータのコアと導電巻線との間の絶縁性を確保するため、ステータのスロットの内壁面と、このスロット内に収容される導電巻線との間に、手作業で挿入して介在されるスロット材(特許文献3参照)、(2)ステータのコアの入口を塞ぐよう取り付けられて導電巻線の脱落を防止するウェッジ(特許文献4参照)、(3)三相交流モータ等において、相の異なる導電巻線間に介装される相間絶縁シート(特許文献5参照)として使用されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6599550号公報
特許第6893274号公報
特開2018‐74672号公報
特開平7‐222387号公報
特開2012‐170248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来におけるモータの絶縁シートは、以上のように熱硬化性ポリイミド樹脂であるカプトンが使用されるので、優れた電気絶縁性質、機械的性質、耐薬品性、耐加水分解性を得ることができる。しかしながら、カプトンは、熱硬化性ポリイミド樹脂であるため、折り曲げ加工を必要としない相関絶縁シートに使用することができるものの、折り曲げ加工を必要とするスロット材やウェッジに使用することは容易ではない。この点について説明すると、折り曲げ加工には熱加工を要するが、カプトンは、熱不溶性であり、しかも、高弾性率を有する。したがって、カプトンを使用すると、加工後の折り曲げ加工部分がスプリングバックで元の状態に戻ってしまったり、加工時に割れが生じてしまうという問題が生じる。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたもので、折り曲げ加工に使用しても損傷を抑制することができる回転電機用絶縁材及び回転電機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、鋭意検討した結果、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分を含有した結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂の優れた性質に着目し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明においては上記課題を解決するため、回転電機の絶縁に樹脂フィルムを使用するものであって、
樹脂フィルムを、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを含有する結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムとし、この結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを200℃の環境下に2016時間前後静置してその最大強度をJIS K7127に準拠して測定した場合に80MPa以上とするとともに、結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを200℃の環境下に2016時間前後静置してその破断時伸びをJIS K7127に準拠して測定した場合に80%以上とし、結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを200℃の環境下に2016時間前後静置してその弾性率をJIS K7127に準拠して測定した場合に1500MPa以上3500MPaとしたことを特徴としている。
【0010】
なお、結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムの23℃における破断時伸びをJIS K7127に準拠して測定した場合に90%以上とすることが好ましい。
また、結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムの貯蔵弾性率(E’)の第一変曲点温度を測定した場合に230℃以上とし、200℃の環境下に2016時間前後静置した後における結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムの貯蔵弾性率(E’)の第一変曲点温度を測定した場合に200℃以上とすることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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