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公開番号2025017341
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2024116246
出願日2024-07-19
発明の名称揺動部材用フィルム、揺動部材及びダイヤフラムポンプ
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B32B 15/082 20060101AFI20250129BHJP(積層体)
要約【課題】Fポリマーに基づく機械的特性、耐薬品性、耐熱性、支持体との接着性及びバリア性に優れる揺動部材用フィルム、これを用いる揺動部材、及びダイヤフラムポンプを提供する。
【解決手段】フッ素含有量が60質量%以上75質量%以下である熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーを含み、少なくとも表面が前記テトラフルオロエチレン系ポリマーから構成され、軟質金属支持体が内部に配置されている、揺動部材用フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フッ素含有量が60質量%以上75質量%以下である熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーを含み、少なくとも表面が前記テトラフルオロエチレン系ポリマーから構成され、軟質金属支持体が内部に配置されている、揺動部材用フィルム。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーのMFRが、10g/10分超60g/10分以下である、請求項1に記載の揺動部材用フィルム。
【請求項3】
前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーが、テトラフルオロエチレン単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、フルオロエチレン単位及びエチレン単位からなる群から選ばれる1種以上の単位とを含有するコポリマーの1種以上である、請求項1に記載の揺動部材用フィルム。
【請求項4】
前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーが、テトラフルオロエチレン単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位とを含有するコポリマーである、請求項1に記載の揺動部材用フィルム。
【請求項5】
前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基を主鎖炭素原子10

個あたり50個以上有する、請求項1に記載の揺動部材用フィルム。
【請求項6】
180℃で3分間熱処理後にその片面又は両面の表面状態を走査型X線光電子分光分析装置(XPS/ESCA)によって測定した際の酸素元素比率が1.5atomic%未満である、請求項1に記載の揺動部材用フィルム。
【請求項7】
前記軟質金属支持体が、軟質金属箔である、請求項1に記載の揺動部材用フィルム。
【請求項8】
前記軟質金属支持体が、軟質金属の織布又は不織布である、請求項1に記載の揺動部材用フィルム。
【請求項9】
前記軟質金属支持体の厚さが、前記揺動部材用フィルムの総厚さの50%超200%以下の範囲である、請求項1に記載の揺動部材用フィルム。
【請求項10】
前記軟質金属が、アルミニウムである、請求項1に記載の揺動部材用フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動部材用フィルム、揺動部材及びダイヤフラムポンプに関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
フッ素系樹脂に基づく耐薬品性や耐熱性を必要とする領域の一つに、バルブやポンプに使用するダイヤフラムが挙げられる。特許文献1には、ポリイミド等の機械的強度に優れた高分子材料からなる薄膜基材と、その片面又は両面にフッ素系樹脂薄膜を積層した複合機能フィルムより作製される、液体輸送用小型定量ポンプ用ダイヤフラムが開示されている。特許文献2には、柔軟なポリマーと延伸ポリテトラフルオロエチレン布帛との柔軟な複合材料と、その一つの表面に接着した中実のポリテトラフルオロエチレン層を含む複合ダイヤフラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-227467号公報
特表平7-504479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、半導体製造装置をはじめとする精密装置分野では、腐食性や浸透性の強い薬液を安定的かつ長時間に亘る吐出できるポンプが求められ、ダイヤフラムポンプにおけるダイヤフラム弁において耐薬品性、耐熱性、バリア性、さらには脈動運動による繰り返し曲げ疲労に対する耐性等の機械的特性等のさらなる向上が望まれている。
本発明者らは、熱溶融性の特定のフッ素系樹脂を含み、軟質金属を支持体として内部に配置したフィルムが耐薬品性、耐熱性、バリア性に加えて機械的特性に優れており各種の揺動部材用フィルムに適用できること、とりわけ、ダイヤフラム弁等の揺動部材用フィルムとして有用であることを知見した。
本発明の目的は、機械的特性、耐薬品性、耐熱性、支持体との接着性及びバリア性に優れる揺動部材用フィルム、これを用いる揺動部材、及びダイヤフラムポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の態様を有する。
<1> フッ素含有量が60質量%以上75質量%以下である熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーを含み、少なくとも表面が前記テトラフルオロエチレン系ポリマーから構成され、軟質金属支持体が内部に配置されている、揺動部材用フィルム。
<2> 前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーのMFRが、10g/10分超60g/10分以下である、<1>の揺動部材用フィルム。
<3> 前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーが、テトラフルオロエチレン単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、フルオロエチレン単位及びエチレン単位からなる群から選ばれる1種以上の単位とを含有するコポリマーの1種以上である、<1>又は<2>の揺動部材用フィルム。
<4> 前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーが、テトラフルオロエチレン単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位とを含有するコポリマーである、<1>~<3>のいずれかの揺動部材用フィルム。
<5> 前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基を主鎖炭素原子10

個あたり50個以上有する、<1>~<4>のいずれかの揺動部材用フィルム。
<6> 180℃で3分間熱処理後にその片面又は両面の表面状態を走査型X線光電子分光分析装置(XPS/ESCA)によって測定した際の酸素元素比率が1.5atomic%未満である、<1>~<5>のいずれかの揺動部材用フィルム。
<7> 前記軟質金属支持体が、軟質金属箔である、<1>~<6>のいずれかの揺動部材用フィルム。
<8> 前記軟質金属支持体が、軟質金属の織布又は不織布である、<1>~<6>のいずれかの揺動部材用フィルム。
<9> 前記軟質金属支持体の厚さが、前記揺動部材用フィルムの総厚さの50%超200%以下の範囲である、<1>~<8>のいずれかの揺動部材用フィルム。
<10> 前記軟質金属が、アルミニウムである、<1>~<9>のいずれかの揺動部材用フィルム。
<11> 前記軟質金属支持体と、前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーとの接着強度が100N/m以上である、<1>~<10>のいずれかの揺動部材用フィルム。
<12> ダイヤフラム弁用である、<1>~<11>のいずれかの揺動部材用フィルム。
<13> <1>~<12>のいずれかの揺動部材用フィルムを有する、揺動部材。
<14> ダイヤフラム弁である、<13>の揺動部材。
<15> <14>のダイヤフラム弁を有する、ダイヤフラムポンプ。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、Fポリマーに基づく機械的特性、耐薬品性、耐熱性、支持体との接着性及びバリア性に優れる揺動部材用フィルム、これを用いる揺動部材、及びダイヤフラムポンプを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の用語は、以下の意味を有する。
「熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーのメルトフローレート(MFR)」は、ASTM D3307に準じて372℃、5kg荷重で測定される値である。
「ポリマーの融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ガラス転移温度(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
フィルム及び金属支持体の厚さは、ミツトヨ社製の高精度デジマチックマイクロメータ「MDH-25MB」で、25℃で任意の5箇所を測定した値の平均値である。
ポリマーにおける「単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
【0008】
本発明は、フッ素含有量が60質量%以上75質量%以下である熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)を含み、少なくとも表面が前記テトラフルオロエチレン系ポリマーから構成され、軟質金属支持体が内部に配置されている、揺動部材用フィルム(以下、「本揺動部材用フィルム」とも記す。)である。
なお、本明細書において「軟質金属支持体が内部に配置されている」とは、Fポリマーを含むフィルム層の層間に軟質金属支持体が配置されている態様、Fポリマーを含むフィルム層内に軟質金属支持体が存在する態様、Fポリマー中に軟質金属支持体が埋設された状態となりその表面がFポリマーで構成される態様、のいずれも包含することを意味する。
本揺動部材用フィルムは、少なくとも表面がFポリマーから構成されていることに基づき、Fポリマーに基づく機械的特性、耐薬品性、耐熱性に優れる。さらに、内部に配置されている軟質金属支持体に基づき、バリア性に優れている。そして、Fポリマーのフッ素含有量が所定の範囲にあることにより、Fポリマーと軟質金属支持体とが強固に密着しやすくなり、繰り返し曲げ疲労に対する耐性等の機械的特性に優れる。かかる特性は、Fポリマーが特定のモノマー構成単位からなるコポリマーであり、カルボニル基含有基を主鎖炭素原子10

個あたり50個以上有すると、軟質金属支持体との接着性が向上するため、より顕著になる。
【0009】
本発明におけるFポリマーは、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)に基づく単位(以下、「TFE単位」とも記す。)を含む、熱溶融性ポリマーである。ここで、熱溶融性のポリマーとは、荷重49Nの条件下、溶融流れ速度が1~1000g/10分となる温度が存在するポリマーを意味する。
Fポリマーの融点は、100℃超が好ましく、180℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましい。前記Fポリマーの融点は、325℃以下が好ましく、320℃以下がより好ましい。この場合、本揺動部材用フィルムが耐熱性に優れやすい。
【0010】
Fポリマーのガラス転移温度は、50℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。Fポリマーのガラス転移温度は、150℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましい。
Fポリマーのフッ素含有量は60質量%以上75質量%以下であり、67質量%以上75質量%であってもよく、60質量%以上68質量%以下であってもよく、67質量%以上75質量%であるのが好ましい。この場合、上述した作用機構がより発現しやすい。なお、Fポリマーのフッ素含有量は、Fポリマーを構成する全てのモノマー単位に占めるフッ素原子の割合として求められる。
Fポリマーの表面張力は、16~26mN/mが好ましい。なお、Fポリマーの表面張力は、Fポリマーで作製された平板上に、JIS K 6768に規定されているぬれ張力試験用混合液(和光純薬社製)の液滴を載置して測定できる。
(【0011】以降は省略されています)

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