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公開番号2025017185
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2023120140
出願日2023-07-24
発明の名称海洋成分を利用した大気中における二酸化炭素の固定化法
出願人株式会社アサノ大成基礎エンジニアリング
代理人個人,個人
主分類B01J 19/00 20060101AFI20250129BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】温暖化を防止するために、海洋による不規則な二酸化炭素の吸収や放出を調整する技術の具体化が強く望まれる
【解決手段】海水に水酸化ナトリウム飽和溶液を加えてpH11.1~11.6の高アルカリ域とするとともに、海水中のマグネシウムと大部分のカルシウムとを分離させる工程と、海水中に溶存する炭酸水素イオンとカルシウムイオンとを反応させて炭酸カルシウムを沈殿させて共沈させる工程とからなる海水中の二酸化炭素の固定化技術。この技術を用いて固定化プラントを巨大化することにより地球環境におけるCO2の増大を防止できる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
海水に水酸化ナトリウム飽和溶液を加えてpH10.5~pH12の高アルカリ域とするとともに、海水中のマグネシウムと大部分のカルシウムとを分離させる工程と、海水中に溶存する炭酸水素イオンとカルシウムイオンとを反応させて炭酸カルシウムを沈殿させて共沈させる工程とからなる海洋成分を利用した大気中における二酸化炭素の固定化法。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
海水に水酸化ナトリウム飽和溶液を加えて高アルカリ域とするアルカリ領域がpH11.0~pH12の範囲であるところの請求項1に記載の海洋成分を利用した大気中における二酸化炭素の固定化法。
【請求項3】
海水に水酸化ナトリウム飽和溶液を加えて高アルカリ域とするアルカリ領域がpH11.1~pH11.6の範囲であるところの請求項1に記載の海洋成分を利用した大気中における二酸化炭素の固定化法。
【請求項4】
海水に水酸化ナトリウム飽和溶液を加えて沈殿させた水酸化マグネシウムに二酸化炭素ガスを吹き込みマグネシウム炭酸塩に変換する工程を含む請求項1に記載の二酸化炭素の固定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋成分と大気中における二酸化炭素の含有量を調整することにより、海洋における二酸化炭素の吸収能力を安定化させ、これにより海洋での二酸化炭素回収能力を可能な限り常時平均的に一定に維持して地球温暖化の変動を減少させることを目的とする。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、地球を取り巻く大気と海洋の間においては、二酸化炭素のやりとりが行われており、海洋は大気から二酸化炭素を吸収している。また海洋には大気中から二酸化炭素を吸収する海域と、大気中に二酸化炭素を放出する海域とが存在する。また海洋と大気との間における二酸化炭素のやりとりは、季節や年によって、その海域や二酸化炭素の吸収、あるいは放出量が大きく変動をしていることが知られている。したがって将来的に地球規模の温暖化が進行していくと、海洋の二酸化炭素吸収能力が低下に転じるおよれがあると予測されているところから、このような海洋による不規則な二酸化炭素の吸収や放出を常時監視する必要がある。
【0003】
ここで、海洋による二酸化炭素の吸収および放出を変動させる主な要因を調べてみると、大気中の二酸化炭素分圧と海水表面中の二酸化炭素分圧の差、および風速の変動が関係していることが挙げられる。つまり表面海水中の二酸化炭素の分圧が大気よりも高い場合においては海洋が大気に対して二酸化炭素を放出し、反対に表面海水中の二酸化炭素の分圧が大気より低い場合においては、海洋は大気から二酸化炭素を吸収することになる。またこの場合に、風速が大きいほど二酸化炭素の吸収、あるいは放出が多くなることになる。
【0004】
またこの場合に表面海水中の二酸化炭素分圧は、例えば水温が高くなると二酸化炭素の水に対する溶解度が減少することになり、また溶けきれなかった二酸化炭素は表面海水中における二酸化炭素分圧を高くし、また海水の鉛直混合や湧昇によって二酸化炭素を多く含む下層の水と混ざることにより表面海水中における二酸化炭素の分圧が高くなるほか、生物活動が盛んになると植物プランクトンが二酸化炭素を消費することで、表面海水中の二酸化炭素の分圧が低くなる、など水温、海水の鉛直混合や湧昇、生物活動等のさまざまな影響をうけて大きく変動することになる。
【0005】
因みに二酸化炭素の吸収あるいは放出の分布状況と季節変動の特徴について、赤道域、亜熱帯域、亜寒帯域に分けて二酸化炭素交換量の季節毎の分布と季節変動の特徴を示すと、先ず、赤道域においては湧昇の影響により表面海水中の二酸化炭素分圧が高く、特に太平洋の赤道域では季節変動は比較的小さいといわれているものの海洋全体の中でも放出量が最も多く、ここを中心として二酸化炭素の放出域が広く分布し、年間を通じて二酸化炭素を放出している。
【0006】
一方亜熱帯域では二酸化炭素の吸収域が広く分布し、また海面水温の影響をうけて表面海水中の二酸化炭素分圧が季節変動をしており、一般的に冬季の吸収量が多く、逆に夏季には吸収量が少なくなる。さらに亜寒帯域においては海面水温のみならず、海水の鉛直混合や生物活動等の複合的な影響をうけながら季節変動をしているところから、二酸化炭素の年間での交換量は一様ではなく、概ね冬季には風が強く、海水表面が冷却されることにより強い鉛直混合が起きることで二酸化炭素の放出域に、また春季から秋季においては生物活動の活性により表面海水中の二酸化炭素が消費されて吸収域化するといった季節変動を繰り返している。
【0007】
さらに10年単位での変動をみると、太平洋赤道域では既述したように二酸化炭素の放出量が特に多い海域であるとともに、その放出量についてもエルニーニョやラニーニャ現象の発生時と、それ以外の時期とでは大きく変動するため地球規模での全海洋における二酸化炭素吸収量は、年度毎に変動が著しい傾向にある。また逆にラニーニャ現象の発生時においては湧昇が強まるところから二酸化炭素の放出が多くなる傾向がある。
【0008】
上記した通り、将来的に地球規模の温暖化が進行していくと、海洋全体での平均的な二酸化炭素吸収能力が低下に転じるおそれがあると予測されているところから、このような海洋による不規則な二酸化炭素の吸収や放出を調整する技術の具体化が強く望まれるところである。一つの方法として、これまでに(1)飽和食塩水を電解し、水酸化ナトリウムを得るステップと、(2)海水中に水酸化ナトリウムを加え、海水中の塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムを水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムに変換するステップと、(3)水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムを含む水中へ二酸化炭素を導入し、炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムへ返還するステップ、とを含む二酸化炭素の捕捉方法が知られている。(特開2010-125354号)
【0009】
また、海水に共存するカルシウム及びマグネシウムと炭酸とを化合させることを特徴とする海水中の炭酸の回収除去方法も知られている(特開2005-21870号)。
さらに二酸化炭素の排出量を考慮しつつ二酸化炭素削減能力を高めるようにするために、アルカリ土類金属を含むかん水からアルカリ土類金属酸化物を得る工程、および前記アルカリ土類金属酸化物に二酸化炭素を含む気体を反応させる二酸化炭素反応工程、を含む二酸化炭素の固定化法も知られている(特開2020-175344号公報)。
【0010】
さらに、船舶やボイラー等の蒸気発生装置等により発生させた高圧蒸気を一定の条件下で上空に噴射し、それによって上昇気流を発生させることにより空気中の水蒸気を上昇させて雲を上空に生成させ、地球の一定範囲を部分的に覆って太陽熱を遮断し降雨させる自然条件を利用した人工的な地球温暖化防止システムも知られている(特開2010-155957号公報)。
(【0011】以降は省略されています)

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