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公開番号
2025014983
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023118008
出願日
2023-07-20
発明の名称
アルミニウム合金クラッド材
出願人
MAアルミニウム株式会社
代理人
個人
主分類
C22C
21/00 20060101AFI20250123BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】巨大な金属間化合物の生成が抑制され、強度と成形性に優れたアルミニウム合金クラッド材を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金クラッド材は、質量%で、Mn:0.7~1.7%、Si:0.5~1.7%、Cu:0.1~1.2%、Fe:0.2~0.8%、Zn:0.05~1.1%、を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有し、前記組成における成分含有量が[%Mn]+[%Fe]+|(1-[%Si])/[%Si]|≦2.6の関係式を満たし、100nm~500nmの分散粒子の分布密度が1mm
2
あたり1.0×10
6
個~5.0×10
6
個で分布しており、かつ、200μm以上の化合物が10mm
2
に1個以下で分布している心材を有し、ろう材または犠牲材からなる皮材が積層されており、引張強さが150MPa~250MPa、圧延方向に対して0°、45°、90°方向から測定したr値より算出される平均値r
ave
が0.6以上を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
アルミニウム合金からなる心材の片面または両面に、ろう材または犠牲材からなる皮材が一種または二種以上積層されているアルミニウム合金クラッド材であって、
前記心材は、質量%で、
Mn:0.7~1.7%、
Si:0.5~1.7%、
Cu:0.1~1.2%、
Fe:0.1~0.8%、
Zn:0.05~1.1%、
を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有し、
前記組成における成分含有量が[%Mn]+[%Fe]+|(1-[%Si])/[%Si]|≦2.6の関係式を満たし、
100nm~500nmの分散粒子の分布密度が1mm
2
あたり1.0×10
6
個~5.0×10
6
個で分布しており、かつ、200μm以上の化合物が10mm
2
に1個以下で分布しており、
前記アルミニウム合金クラッド材は、引張強さが150MPa~250MPa、圧延方向に対して0°、45°、90°方向から測定したr値より算出される平均値r
ave
が0.6以上を有する、
ことを特徴とするアルミニウム合金クラッド材。
続きを表示(約 2,400 文字)
【請求項2】
前記心材の組成に、さらに、
質量%で、
Cr:0.01~0.30%、
Zr:0.01~0.30%、
Ti:0.01~0.30%、および
Mg:0.1~1.2%、
を1種以上含む請求項1記載のアルミニウム合金クラッド材。
【請求項3】
前記心材の片面または両面に、前記皮材としてのろう材が、ろう材/心材の順に積層されている請求項1または2に記載のアルミニウム合金クラッド材。
【請求項4】
前記心材の両面に、前記皮材としてのろう材と犠牲材とが、ろう材/心材/犠牲材の順に積層されている請求項1または2に記載のアルミニウム合金クラッド材。
【請求項5】
前記皮材としてのろう材が、
質量%で、
Si:2.0~13.0%を含有し、さらに
Fe:0.8%以下、
Zn:5.0%以下、
Cu:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Cr:0.50%以下、
Zr:0.30%以下、
Ti:0.30%以下、
Ni:1.5%以下、
Mg:2.0%以下、
Sr:0.2%以下、
Na:0.2%以下、
V:0.2%以下、
Bi:1.0%以下、
Sb:1.0%以下、および
Sn:1.0%以下の一種以上を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金クラッド材。
【請求項6】
前記皮材としてのろう材が、
質量%で、
Si:2.0~13.0%を含有し、さらに
Fe:0.8%以下、
Zn:5.0%以下、
Cu:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Cr:0.50%以下、
Zr:0.30%以下、
Ti:0.30%以下、
Ni:1.5%以下、
Mg:2.0%以下、
Sr:0.2%以下、
Na:0.2%以下、
V:0.2%以下、
Bi:1.0%以下、
Sb:1.0%以下、および
Sn:1.0%以下の一種以上を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム合金クラッド材。
【請求項7】
前記皮材としてのろう材が、
質量%で、
Si:2.0~13.0%を含有し、さらに
Fe:0.8%以下、
Zn:5.0%以下、
Cu:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Cr:0.50%以下、
Zr:0.30%以下、
Ti:0.30%以下、
Ni:1.5%以下、
Mg:2.0%以下、
Sr:0.2%以下、
Na:0.2%以下、
V:0.2%以下、
Bi:1.0%以下、
Sb:1.0%以下、および
Sn:1.0%以下の一種以上を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム合金クラッド材。
【請求項8】
前記皮材としての犠牲材が、
質量%で、
Si:1.5%以下、
Fe:0.8%以下、
Zn:0.4~10.0%
Cu:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Cr:0.50%以下、
Zr:0.30%以下、
Ti:0.30%以下、
Ni:1.5%以下、
Mg:3.0%以下、
Sr:0.2%以下、
Na:0.2%以下、
V:0.2%以下、
Bi:1.0%以下、
Sb:1.0%以下、および
Sn:1.0%以下、
を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金クラッド材。
【請求項9】
前記皮材としての犠牲材が、
質量%で、
Si:1.5%以下、
Fe:0.8%以下、
Zn:0.4~10.0%
Cu:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Cr:0.50%以下、
Zr:0.30%以下、
Ti:0.30%以下、
Ni:1.5%以下、
Mg:3.0%以下、
Sr:0.2%以下、
Na:0.2%以下、
V:0.2%以下、
Bi:1.0%以下、
Sb:1.0%以下、および
Sn:1.0%以下、
を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム合金クラッド材。
【請求項10】
前記皮材としての犠牲材が、
質量%で、
Si:1.5%以下、
Fe:0.8%以下、
Zn:0.4~10.0%
Cu:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Cr:0.50%以下、
Zr:0.30%以下、
Ti:0.30%以下、
Ni:1.5%以下、
Mg:3.0%以下、
Sr:0.2%以下、
Na:0.2%以下、
V:0.2%以下、
Bi:1.0%以下、
Sb:1.0%以下、および
Sn:1.0%以下、
を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム合金クラッド材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、高い強度と成形性に優れるアルミニウム合金クラッド材に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材では、高強度化のために心材にMn、Si、Cu、Feを含有させるものが知られている。
例えば特許文献1では、Si、Mn、Feを適量含有する熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートが提供されており、高い強度と、優れた耐食性及び曲げ疲労特性を有するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-152325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、アルミニウム合金クラッド材の心材に、Mn,Si,Cu,Feの元素が多く含まれると、鋳造時に巨大な金属間化合物(例えば200μm径以上)が多量に生成することが知られている。それら化合物が多量に生成すると微細な分散粒子の分布密度が低下し、材料に対する強化機能が低下する。また巨大な金属間化合物が存在すると、破壊の起点になることで耐久性が低下したり、成形時に化合物を起点とした割れやき裂が生成するため成形性も劣る。
展伸材に使用するためには、成分および製法の観点から巨大な金属間化合物が生成しないように製造することが望まれる。
また、高強度化のために元素が多く含まれると一般的には伸びの低下や板材の異方性が大きくなるため、成形性が低下し所望する形状の製品を得にくくなる。そのため、板材の高強度化と成形性を両立することは困難とされている。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、巨大な金属間化合物の生成が抑制され、かつ高い強度を有し成形性に優れるアルミニウム合金クラッド材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明のアルミニウム合金のうち第1の形態は、
アルミニウム合金からなる心材の片面または両面に、ろう材または犠牲材からなる皮材が一種または二種以上積層されているアルミニウム合金クラッド材であって、
前記心材は、質量%で、
Mn:0.7~1.7%、
Si:0.5~1.7%、
Cu:0.1~1.2%、
Fe:0.1~0.8%、
Zn:0.05~1.1%、
を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有し、
前記組成における成分含有量が[%Mn]+[%Fe]+|(1-[%Si])/[%Si]|≦2.6の関係式を満たし、
100nm~500nmの分散粒子の分布密度が1mm
2
あたり1.0×10
6
個~5.0×10
6
個で分布しており、かつ、200μm以上の化合物が10mm
2
に1個以下で分布しており、
前記アルミニウム合金クラッド材は、引張強さが150MPa~250MPa、圧延方向に対して0°、45°、90°方向から測定したr値より算出される平均値r
ave
が0.6以上を有する。
【0006】
他の形態のアルミニウム合金の発明は、前記形態の発明において、
前記心材の組成に、さらに、
質量%で、
Cr:0.01~0.30%、
Zr:0.01~0.30%、
Ti:0.01~0.30%、および
Mg:0.1~1.2%、
を1種以上含む。
【0007】
他の形態のアルミニウム合金の発明は、前記形態の発明において、前記心材の片面または両面に、前記皮材としてのろう材が、ろう材/心材の順に積層されている。
【0008】
他の形態のアルミニウム合金の発明は、前記形態の発明において、前記心材の両面に、前記皮材としてのろう材と犠牲材とが、ろう材/心材/犠牲材の順に積層されている。
【0009】
他の形態のアルミニウム合金の発明は、前記形態の発明において、
前記皮材としてのろう材が、
質量%で、
Si:2.0~13.0%を含有し、さらに
Fe:0.8%以下、
Zn:5.0%以下、
Cu:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Cr:0.50%以下、
Zr:0.30%以下、
Ti:0.30%以下、
Ni:1.5%以下、
Mg:2.0%以下、
Sr:0.2%以下、
Na:0.2%以下、
V:0.2%以下、
Bi:1.0%以下、
Sb:1.0%以下、および
Sn:1.0%以下の一種以上を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有する。
【0010】
他の形態のアルミニウム合金の発明は、前記形態の発明において、
前記皮材としての犠牲材が、
質量%で、
Si:1.5%以下、
Fe:0.8%以下、
Zn:0.4~10.0%
Cu:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
Cr:0.50%以下、
Zr:0.30%以下、
Ti:0.30%以下、
Ni:1.5%以下、
Mg:3.0%以下、
Sr:0.2%以下、
Na:0.2%以下、
V:0.2%以下、
Bi:1.0%以下、
Sb:1.0%以下、および
Sn:1.0%以下、
を含有し、残りはAlおよび不可避不純物からなる組成を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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