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公開番号2025012941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023116148
出願日2023-07-14
発明の名称光電子顕微鏡
出願人株式会社日立ハイテク
代理人ポレール弁理士法人
主分類G01N 23/227 20180101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約【課題】高コントラストな光電子像の取得を容易にする光電子顕微鏡を提供する。
【解決手段】光電子顕微鏡は、励起光学系1による励起光2の試料4への照射を開始して所定時間経過後に、励起光に重畳させての照射電子光学系10によるパルス電子線13の照射を開始させるとともに、照射電子光学系によるパルス電子線の照射開始とともに、またはそれ以降に、カメラ6による光電子像の撮影を開始する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
試料に励起光を照射する励起光学系と、
前記励起光が照射された前記試料から放出される光電子による光電子像を撮影するカメラと、
前記光電子を前記カメラの検出面に集束させる対物レンズを含む結像電子光学系と、
パルス電子線を前記試料に照射する照射電子光学系と、
制御部と、を有し、
前記制御部は、前記励起光学系による前記励起光の照射を開始して所定時間経過後に、前記励起光に重畳させての前記照射電子光学系による前記パルス電子線の照射を開始させるとともに、前記照射電子光学系による前記パルス電子線の照射開始とともに、またはそれ以降に、前記カメラによる前記光電子像の撮影を開始させる光電子顕微鏡。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記結像電子光学系はビームセパレータを備え、
前記ビームセパレータは、前記照射電子光学系からの前記パルス電子線を前記試料に向けて進行させ、前記試料からの前記光電子を前記カメラに向けて進行させる光電子顕微鏡。
【請求項3】
請求項1において、
前記結像電子光学系は、前記カメラに入射する光電子をパルス化するブランカを備え、
前記制御部は、前記試料に前記照射電子光学系からの電子線が照射されている期間中に前記ブランカが前記光電子の前記カメラへの入射を遮断するよう同期制御する光電子顕微鏡。
【請求項4】
請求項1において、
前記照射電子光学系は、面状の前記パルス電子線を前記試料に照射する光電子顕微鏡。
【請求項5】
請求項1において、
前記制御部は、前記光電子像の撮影条件として、前記パルス電子線のパルス幅、パルス間隔、強度ならびに試料上の面積、前記励起光の照射開始から前記パルス電子線の照射開始までの遅延時間、前記励起光の照射開始から前記カメラによる撮影開始までの遅延時間及び前記カメラによる撮影時間を含み、
前記撮影条件は前記光電子像のコントラストに基づき定められる光電子顕微鏡。
【請求項6】
請求項3において、
前記制御部は、前記光電子像の撮影条件として、前記パルス電子線のパルス幅、パルス間隔、強度ならびに試料上の面積、前記光電子のパルス幅、前記光電子のパルス位相、前記励起光の照射開始から前記パルス電子線の照射開始までの遅延時間、前記励起光の照射開始から前記カメラによる撮影開始までの遅延時間及び前記カメラによる撮影時間を含み、
前記撮影条件は前記光電子像のコントラストに基づき定められる光電子顕微鏡。
【請求項7】
試料に励起光を照射する励起光学系と、
前記励起光が照射された前記試料から放出される光電子による光電子像を撮影するカメラと、
前記光電子を前記カメラの検出面に集束させる対物レンズを含む結像電子光学系と、
パルス電子線を前記試料に照射する照射電子光学系と、
制御部と、
GUI装置と、を有し、
前記制御部は、前記励起光学系による前記励起光の照射を開始して所定時間経過後に、前記励起光に重畳させての前記照射電子光学系による前記パルス電子線の照射を開始させるとともに、前記照射電子光学系による前記パルス電子線の照射開始とともに、またはそれ以降に、前記カメラによる前記光電子像の撮影を開始させ、
前記GUI装置は、前記カメラにより取得した前記光電子像とともに、前記光電子像の撮影条件を表示し、前記撮影条件を調整するレシピ設定画面を表示する光電子顕微鏡。
【請求項8】
請求項7において、
前記光電子像の撮影条件として、前記パルス電子線のパルス幅、パルス間隔、強度ならびに試料上の面積、前記励起光の照射開始から前記パルス電子線の照射開始までの遅延時間、前記励起光の照射開始から前記カメラによる撮影開始までの遅延時間及び前記カメラによる撮影時間を含む光電子顕微鏡。
【請求項9】
請求項7において、
前記結像電子光学系は、前記カメラに入射する光電子をパルス化するブランカを備え、
前記制御部は、前記試料に前記照射電子光学系からの電子線が照射されている期間中に前記ブランカが前記光電子の前記カメラへの入射を遮断するよう同期制御する光電子顕微鏡。
【請求項10】
請求項9において、
前記光電子像の撮影条件として、前記パルス電子線のパルス幅、パルス間隔、強度ならびに試料上の面積、前記光電子のパルス幅、前記光電子のパルス位相、前記励起光の照射開始から前記パルス電子線の照射開始までの遅延時間、前記励起光の照射開始から前記カメラによる撮影開始までの遅延時間及び前記カメラによる撮影時間を含む光電子顕微鏡。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光電子顕微鏡に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
光電子顕微鏡(Photoelectron Emission Microscope:PEEM)は、紫外光やX線(励起光)を試料の表面に照射することによって発生する光電子を用いて像を形成する装置であり、試料の表面構造に起因するコントラストを有する光電子像を得ることができる。
【0003】
特許文献1は放射電子顕微鏡に関し、絶縁物試料を観察する際に生じる試料表面の帯電を抑制するため、帯電を中和するための電子ビームを試料表面に照射することを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-165155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される通り、光電子顕微鏡で絶縁体を含む試料を観察する場合には、試料の帯電が進行する。発明者らによる検討の結果、試料が絶縁体を含む構造を有する場合、得られる光電子像のコントラストは試料の帯電状況によって変化し、必ずしも帯電が抑制された状態での光電子像が、試料の構造を高いコントラストで表現するものではなかった。所望のコントラストの光電子像を得るためには、試料を所定の帯電状態として、その帯電状態をカメラによる撮影期間中、継続的に維持する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の態様である光電子顕微鏡は、試料に励起光を照射する励起光学系と、励起光が照射された試料から放出される光電子による光電子像を撮影するカメラと、光電子をカメラの検出面に集束させる対物レンズを含む結像電子光学系と、パルス電子線を試料に照射する照射電子光学系と、制御部と、を有し、制御部は、励起光学系による励起光の照射を開始して所定時間経過後に、励起光に重畳させての照射電子光学系によるパルス電子線の照射を開始させるとともに、照射電子光学系によるパルス電子線の照射開始とともに、またはそれ以降に、カメラによる光電子像の撮影を開始させる。
【発明の効果】
【0007】
高コントラストな光電子像の取得を容易にする光電子顕微鏡を提供する。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
光電子顕微鏡の構成例である。
試料に励起光とパルス電子線とが照射される様子を模式的に示す図である。
本実施例の原理を説明するための図である。
本実施例の原理を説明するための図である。
本実施例の原理を説明するための図である。
光電子顕微鏡の励起光学系、結像電子光学系、照射電子光学系の一部を抽出して示した図である。
光電子像を取得するための制御信号のタイムチャートである。
レシピ設定画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、レーザ光やX線などの励起光を試料の表面に照射して発生する光電子による像(光電子像)を得るPEEMを示している。装置本体15は、その主要な構成として、試料4を載置するステージ3、励起光2を試料4に照射する励起光学系1、試料4にパルス電子線13を照射する照射電子光学系10、光電子像を撮影するカメラ6、光電子像をカメラ6に結像する結像電子光学系9を有している。励起光学系1は励起光2を発生される励起光源に加え、レンズやミラーなどの光学素子を備える場合もある。照射電子光学系10は、電子線を放出する電子銃11、電子銃11から放出された電子線をパルス化するブランカ12、ブランカ12を制御するパルス化回路14を備えている。
【0010】
励起光2を試料4に照射することにより発生した光電子5は、結像電子光学系9の対物レンズ7によりカメラ6の検出面に集束させられる。図1では結像電子光学系9を構成する素子として対物レンズ7、ビームセパレータ8を表示しているが、1段以上の電子レンズ、その他の電子光学素子を備えている。ここで、ビームセパレータ8は照射電子光学系10からのパルス電子線13が試料4に向けて進行するように偏向させる一方、試料4から発生した光電子5はカメラ6に進行させるために設けられている。このようなビームセパレータは例えば、ウイーンフィルタや磁場セクタにより実現することができる。カメラ6は光電子そのものを検知して撮影するものであってもよいし、シンチレータを備え、シンチレータによって電子を一旦光に変換し、変換された光を検知して撮影するものであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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