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公開番号2025012131
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114722
出願日2023-07-12
発明の名称薄氷雪片による飛雪方法
出願人三菱重工冷熱株式会社
代理人個人
主分類G01M 9/04 20060101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約【課題】風洞内気流に乗せて人工雪を供試体に向けて飛雪する環境試験において、人工雪の時間当たり製造量および雪質の調整が製造段階で一度に可能で、かつ、必要な量を、その場で連続的に簡便に供給可能であり、総じて精緻な試験を行うことが可能な薄氷雪片による飛雪方法を提供する。
【解決手段】供試体への飛雪を利用した環境試験に応じて、薄氷雪片からなる人工雪の時間当たり製造量および雪質を設定する段階と、風洞16の吹き出し口316より上方レベルで、時間当たり所定製造量および所定雪質の薄氷雪片を製造する段階と、製造した薄氷雪片Sを風洞16内、または、風洞16の吹き出し口316と供試体との間に、そのまま自然落下させる段階と、供試体の上流側から供試体に向かう気流に乗せて、自然落下する薄氷雪片を供試体に向かって飛雪させる段階と、を有することを特徴とする、風洞16内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
供試体への飛雪を利用した環境試験に応じて、薄氷雪片からなる人工雪の時間当たり製造量および雪質を設定する段階と、
風洞の吹き出し口より上方レベルで、時間当たり所定製造量および所定雪質の薄氷雪片を製造する段階と、
製造した薄氷雪片を風洞内、または、風洞の該吹き出し口と供試体との間に、そのまま自然落下させる段階と、
供試体の上流側から供試体に向かう気流に乗せて、自然落下する薄氷雪片を供試体に向かって飛雪させる段階と、
を有することを特徴とする、風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
製造した薄氷雪片を風洞の前記吹き出し口と供試体との間に、そのまま自然落下させる段階と、
供試体の上流側から供試体に向かう前記気流に乗せて、自然落下する薄氷雪片を供試体の上方から降雪させる段階と、を有する、請求項1に記載の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
【請求項3】
前記降雪段階は、供試体の上流側から供試体に向かう前記気流を、前記吹き出し口とは別途設けた降雪気流専用吹き出し口から斜め上方に向け、斜め上方気流に乗せて、自然落下する薄氷雪片を供試体の上方から降雪させる、請求項2に記載の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
【請求項4】
製造した薄氷雪片を風洞内にそのまま自然落下させる段階と、
風洞内で前記吹き出し口に向かって流す気流に乗せて、自然落下する薄氷雪片を供試体に向かって吹雪として吹き付ける段階と、を有する、請求項1に記載の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
【請求項5】
供試体に着雪後、供試体の上流側から供試体に向かう前記気流により、供試体に対する自然風を模擬する段階と、を有する、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
【請求項6】
前記薄氷雪片の製造段階は、冷却面に散水を散布することにより、薄氷層を形成し、形成した薄氷層を剥離し、そのまま自然落下させる、請求項1に記載の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
【請求項7】
冷却面温度および/または散水温度、時間当たりの散水量および薄氷層の剥離速度を調整することにより、時間当たり所定製造量および所定雪質の薄氷雪片を製造する、請求項6に記載の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
【請求項8】
さらに、供試体への飛雪を利用した環境試験に要求される人工雪の含水率に応じて、風洞内の気流の温度を調整する段階を有する、請求項1に記載の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
【請求項9】
風洞内に自然落下する薄氷雪片が堆積しないように、薄氷雪片の自然落下流量に応じて、風洞内の気流の速度を設定する段階を有する、請求項4に記載の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
【請求項10】
薄氷雪片の厚みは、0.1ミリないし0.2ミリ、長さは、1ミリないし20ミリである請求項1に記載の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、薄氷雪片による飛雪方法に関し、より詳細には、人工雪の製造量および雪質の調整が製造段階で一度に可能で、かつ、必要な量を、その時、その場で連続的に簡便に供給可能であり、総じて精緻な試験を行うことが可能な薄氷雪片による飛雪方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、風洞内で発生する気流を供試体に向かって吹き付けることにより、走行状態を模擬する態様の環境試験が種々の目的で行われている。
その1つとして、人工雪を気流に乗せて、供試体、たとえば、静止車両に向かって、飛雪したり、降雪したりすることにより、供試体に対する雪の影響を評価する環境試験がある。
利用する人工雪に応じて、タイプに分かれる。
【0003】
たとえば、特許文献1は、砕氷した氷粒の人工雪を利用する吹雪発生システムを開示する。
この吹雪発生システムにおいて、製氷機によって製氷された氷片が砕氷機によって砕氷され、所定粒径の氷粒となり、雪供給管により気流により圧送され、分配装置により、複数の分岐管に分岐され、各分岐管において、湿雪装置によって所定の水分含有率を有する湿雪とされ、吹き出しノズルまで達する。吹き出しノズルの吹き出し口から吹き出された雪は気流に乗って、気流の進行方 向に沿って吹雪として流れ、吹雪は、吹き出し口の外であって、気流の進行方向前方の所定位置に吹き出し口に対向するように配置された拡散面に当るところ 、拡散面は、雪に対して難付着性を有するように、難付着性の材質および頂部が吹き出し口に近づく向きに形成された円錐形状であることから、吹雪は、拡散面に付着することなく、拡散面に沿って案内され、四方外方に向かって拡散するとともに、拡散面への付着に伴う経時的な拡散特性の変動を抑制可能である。
このような吹雪発生システムによれば、所望の拡散領域に吹雪を拡散することはある程度可能である。
【0004】
一方、特許文献2は、結晶雪を利用する降雪システムを開示する。
この結晶雪の降雪システムは、 水平方向に延びる仕切りにより上下に仕切られたスペース内において、上部には結晶雪 製造部が、下部には結晶雪降雪部が設けられ、結晶雪製造部は、少なくとも一方が回転駆動可能な上ローラーと下ローラーとの間 で、無端状に掛け渡されたメッシュ状膜体を備えた回転通気膜装置と、下ローラーの近傍で、先端縁がメッシュ状膜体の外表面に対して離間する結晶雪脱落体とを有し、氷点下で、氷飽和以上の水蒸気を含む湿り空気により、メッシュ状膜体の外表面に結晶雪を生成し、結晶雪降雪部は、結晶雪製造部により製造された結晶雪の降雪中に、結晶雪を湿雪化する湿雪化装置と、結晶雪降雪部のスペース内の温湿度を調整する温湿度調整装置とを有し、仕切りは、互いに平行に外周面を対向させて所定間隔を隔てて配置され、上方から隣接するローラーの間の最狭部に向かう向きに回転可能である複数のローラーであって、最狭部より上のスペースに、脱落する結晶雪を受けることが可能なように配置された複数のローラーであり、それぞれのローラーは、外周面に植毛された回転ブラシを構成し、隣接するローラーの間の最狭部において、互いのブラシが重なり合うことにより、仕切りが形成される、構成としている。
【0005】
このような結晶雪の降雪システムによれば、水平方向に延びる仕切りにより上下に仕切られたスペースの上部において、氷点下で、氷飽和以上の水蒸気を含む湿り空気により、回転通気膜装置の回転中に、メッシュ状膜体の外表面に霜状の結晶雪を生成し、下ローラーの近傍において、メッシュ状膜体の外表面に生成された結晶雪を結晶雪脱落体 により脱落させることが可能である。この場合、回転通気膜装置の回転速度およびメッシュ状膜体の外表面と結晶雪脱落体の先端縁との間隔によっては、生成した結晶雪を結晶雪脱落体により脱落する際、結晶雪が大雪片化した状態で脱落することがある。大雪片化した結晶雪は、隣接するローラーの間の最狭部より上のスペースで受けられ、 隣接するローラーが隣接するローラーの間の最狭部に向かう向きに回転することにより、大雪片化した結晶雪は最狭部を通過して下方に案内されるが、その際、大雪片化した結晶雪は、回転ブラシの先端で弾かれ、結晶自体がこわれることなく大雪片化した結晶雪が小雪片化される。それとともに、隣接するローラーの間の最狭部において、互いのブラシが 重なり合うことにより、仕切りが形成されることにより、スペースの下部において、降雪 中の結晶雪を湿雪化するのに下部スペースを温度上昇することにより、上昇気流がスペースの上部に及ぶことを防止可能であり、上昇気流により降雪が妨害されることなしに、造雪部において結晶の成長を阻害することがないようにすることが可能であり、以って、大雪片化を防止しつつ、結晶雪を降雪中に湿雪化することが可能である。
【0006】
しかしながら、上記の吹雪発生システム、降雪システムには、以下のような技術的問題点が存する。
第1に、上記の吹雪発生システムにおいて、人工雪の製造量、および水分含有率による雪質の調整が複雑であるとともに、精緻な試験を行うことが困難である。
より詳細には、冷却面に散水し、薄氷層を形成し、それを剥離することにより生成されるフレーク状氷片は、高水分含有率のシャーベット片として利用する特別な場合以外、フレーク状氷片をそのまま試験に利用するのは、困難であり、フレーク状氷片を砕氷機で砕氷後に搬送管内を流れる搬送空気により搬送して、搬送管の吹き出しノズルを、通常、風洞内のレベルごとに、同じレベル内で複数、風洞内に設け、風洞内までルーティングしており、その間に、砕氷機により所定サイズの氷粒に砕氷し、砕氷された氷粒を溶かして、湿雪化している。
このため、風洞内の複数の搬送管の配置により風洞内の気流が乱され、精緻な試験が困難となるとともに、高水分含有率の氷粒を搬送する場合には、氷粒同士が付着したり、氷粒が搬送管の内面に付着したりすることにより、搬送管が閉塞して、円滑な試験の支障となることがある。
さらに、そもそも、氷粒による人工雪は、自然雪とは、付着性、嵩密度が大きく相違するところ、試験に用いる人工雪の製造量および水分含有率を調整するには、フレーク状氷片の製造段階において、製造量を調整し、フレーク状氷片の砕氷段階において、氷粒のサイズを調整し、湿雪化段階において、氷粒の溶かす程度を調整する個別の調整の必要があり、人工雪の製造量および水分含有率を融通性のよい一度の調整が困難である。
【0007】
第2に、上記降雪システムにおいては、結晶雪を利用することから、上記の吹雪発生システムの氷粒とは異なり、雪質、特に付着性、嵩密度が自然雪と程遠いということはないが、結晶雪製造設備が大がかりとなり、環境試験、たとえば、静止車両に向かって風洞内で発生する気流に乗せて、吹雪を吹き付けるような試験に必要な量を、その時、その場で連続的に供給することが技術的に困難である。また、結晶雪の製造量とサイズとの両立は、技術的に困難である。
特開2015‑143583号
特開2018‑115794号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の課題は、風洞内気流に乗せて人工雪を供試体に向けて飛雪する環境試験において、人工雪の製造量および雪質の調整が製造段階で一度に可能で、かつ、必要な量を、その時、その場で連続的に簡便に供給可能であり、総じて精緻な試験を行うことが可能な薄氷雪片による飛雪方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明の風洞内気流を利用した薄氷雪片による飛雪方法は、
供試体への飛雪を利用した環境試験に応じて、薄氷雪片からなる人工雪の時間当たり製造量および雪質を設定する段階と、
風洞の吹き出し口より上方レベルで、時間当たり所定製造量および所定雪質の薄氷雪片を製造する段階と、
製造した薄氷雪片を風洞内、または、風洞の該吹き出し口と供試体との間に、そのまま自然落下させる段階と、
供試体の上流側から供試体に向かう気流に乗せて、自然落下する薄氷雪片を供試体に向かって飛雪させる段階と、
を有する、構成としている。
【0010】
以上の構成を有する薄氷雪片による飛雪方法によれば、風洞内気流に乗せて人工雪を供試体に向けて飛雪する環境試験において、供試体への飛雪を利用した環境試験に応じて、薄氷雪片からなる人工雪の時間当たり製造量および雪質を設定し、風洞の吹き出し口より上方レベルで、時間当たり所定製造量および所定雪質の薄氷雪片を製造し、製造した薄氷雪片を風洞内、または、風洞の吹き出し口と供試体との間に、そのまま自然落下させることにより、薄氷雪片ゆえに、従来のように、フレーク状氷片を搬送管内を流れる搬送空気により搬送して、搬送管の吹き出しノズルを、通常、風洞内のレベルごとに、同じレベル内で複数、風洞内に設け、風洞内までルーティングする必要なく、かつ、搬送管の途中で、砕氷機により所定サイズの氷粒に砕氷し、砕氷された氷粒を溶かして、湿雪化する必要がなく、人工雪の製造量および雪質の調整が製造段階で一度に可能で、一方、従来のように、結晶雪では、環境試験、たとえば、静止車両に向かって風洞内で発生する気流に乗せて、吹雪を吹き付けるような試験に必要な量を、その時、その場で連続的に供給することが技術的に困難であったところ、供試体の上流側から供試体に向かう気流に乗せて、自然落下する薄氷雪片を供試体に向かって飛雪させることから、必要な量を、その時、その場で連続的に簡便に供給可能であり、総じて、氷粒による人工雪の雪質より自然雪に近く、搬送管の風洞内配置による気流の乱れを回避するとともに、結晶雪による人工雪では降雪試験に限られるところ、精緻な試験を行うことが可能となる。
ここに、雪質とは、広義の意味であり、サイズ(短径×長径×厚み)、形状、含水率を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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