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公開番号
2025010579
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-22
出願番号
2024180886,2023138743
出願日
2024-10-16,2020-01-24
発明の名称
発光デバイス、電子機器及び照明装置
出願人
株式会社半導体エネルギー研究所
代理人
主分類
H10K
50/13 20230101AFI20250115BHJP()
要約
【課題】発光効率及び信頼性が高い発光デバイスを提供する。
【解決手段】蛍光発光層と燐光発光層を有する発光デバイスである。蛍光発光層に用いる
ホスト材料は三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、蛍光発光層に用いるゲ
スト材料は蛍光を発する。ゲスト材料の分子構造は、発光団と保護基を有する構造であり
、保護基はゲスト材料1分子中に5個以上含まれる。保護基を分子中に導入することで、
ホスト材料からゲスト材料へのデクスター機構による三重項励起エネルギー移動を抑制す
る。保護基としては、アルキル基、分岐鎖アルキル基を用いる。燐光発光層のゲスト材料
の吸収スペクトルにおける最も長波長の吸収帯と燐光発光層のホスト材料の発光スペクト
ルが重なりを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
一対の電極間に、第1の発光層と第2の発光層とを有し、
前記第1の発光層は、第1の材料と、第2の材料と、を有し、
前記第1の材料は、三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第2の材料は、一重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、かつ発光団および5個以上の保護基を有し、
前記発光団は、縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記5個以上の保護基は、それぞれ独立に、炭素数1以上10以下のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、および炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第2の材料から発光が得られ、
前記第2の発光層は、熱活性化遅延蛍光材料である第3の材料と、白金族元素を有する第4の材料とを有する、発光デバイス。
続きを表示(約 2,700 文字)
【請求項2】
請求項1において、
前記5個以上の保護基のうち、少なくとも4個がそれぞれ独立に、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、および炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一である、発光デバイス。
【請求項3】
一対の電極間に、第1の発光層と第2の発光層とを有し、
前記第1の発光層は、第1の材料と第2の材料とを有し、
前記第1の材料は、三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第2の材料は、一重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、かつ発光団および少なくとも4個の保護基を有し、
前記発光団は、縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記4個の保護基は、前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環とは直接結合せず、
前記4個の保護基は、それぞれ独立に、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、および炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第2の材料から発光が得られ、
前記第2の発光層は、熱活性化遅延蛍光材料である第3の材料と、白金族元素を有する第4の材料とを有する、発光デバイス。
【請求項4】
一対の電極間に、第1の発光層と第2の発光層とを有し、
前記第1の発光層は、第1の材料と第2の材料とを有し、
前記第1の材料は、三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第2の材料は、一重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第2の材料は、発光団及び2以上のジアリールアミノ基を有し、
前記発光団は、縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環は、前記2以上のジアリールアミノ基と結合し、
前記2以上のジアリールアミノ基中のアリール基は、それぞれ独立に、少なくとも1個の保護基を有し、
前記保護基は、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、および炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第2の材料から発光が得られ、
前記第2の発光層は、熱活性化遅延蛍光材料である第3の材料と、白金族元素を有する第4の材料とを有する、発光デバイス。
【請求項5】
一対の電極間に、第1の発光層と第2の発光層とを有し、
前記第1の発光層は、第1の材料と第2の材料とを有し、
前記第1の材料は、三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第2の材料は、一重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、かつ発光団及び2以上のジアリールアミノ基を有し、
前記発光団は、縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環は、前記2以上のジアリールアミノ基と結合し、
前記2以上のジアリールアミノ基中のアリール基は、それぞれ独立に、少なくとも2個の保護基を有し、
前記保護基は、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、および炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第2の材料から発光が得られ、
前記第2の発光層は、熱活性化遅延蛍光材料である第3の材料と、白金族元素を有する第4の材料とを有する、発光デバイス。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、
前記ジアリールアミノ基がジフェニルアミノ基である、発光デバイス。
【請求項7】
一対の電極間に、第1の発光層と第2の発光層とを有し、
前記第1の発光層は、第1の材料と第2の材料とを有し、
前記第1の材料は、三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第2の材料は、一重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、かつ発光団及び複数の保護基を有し、
前記発光団は、縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記複数の保護基は、それぞれ独立に、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、および炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記複数の保護基を構成する原子の少なくとも一つが、前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環の一方の面の直上に位置し、かつ、前記複数の保護基を構成する原子の少なくとも一つが、前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環の他方の面の直上に位置し、
前記第2の材料から発光が得られ、
前記第2の発光層は、熱活性化遅延蛍光材料である第3の材料と、白金族元素を有する第4の材料とを有する、、発光デバイス。
【請求項8】
一対の電極間に、第1の発光層と第2の発光層とを有し、
前記第1の発光層は、第1の材料と第2の材料とを有し、
前記第1の材料は、三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第2の材料は、一重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、かつ発光団及び2以上のジフェニルアミノ基を有し、
前記発光団は、縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環は、前記2以上のジフェニルアミノ基と結合し、
前記2以上のジフェニルアミノ基中のフェニル基は、それぞれ独立に、3位および5位に保護基を有し、
前記保護基は、それぞれ独立に、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、および炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第2の材料から発光が得られ、
前記第2の発光層は、熱活性化遅延蛍光材料である第3の材料と、白金族元素を有する第4の材料とを有する、発光デバイス。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
前記保護基が、アルキル基である発光デバイス。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、
前記アルキル基が、分岐鎖アルキル基である発光デバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、発光デバイス、または該発光デバイスを有する表示装置、電子機器
及び照明装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明
の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明の一態様
は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マ
ター)に関する。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野
としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光デバイス、照明装置、蓄電装置、
記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることがで
きる。
【背景技術】
【0003】
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)
を利用した発光デバイスの研究開発が盛んに行われている。これら発光デバイスの基本的
な構成は、一対の電極間に発光性の物質を含む層(EL層)を挟んだ構成である。このデ
バイスの電極間に電圧を印加することにより、発光性の物質からの発光が得られる。
【0004】
上述の発光デバイスは自発光型であるため、これを用いた表示装置は、視認性に優れ、
バックライトが不要であり、消費電力が少ない等の利点を有する。さらに、薄型軽量に作
製でき、応答速度が高いなどの利点も有する。
【0005】
発光性の物質に有機化合物を用い、一対の電極間に当該発光性の有機化合物を含むEL
層を設けた発光デバイス(例えば、有機ELデバイス)の場合、一対の電極間に電圧を印
加することにより、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)がそれぞれ発光性のEL層
に注入され、電流が流れる。そして、注入された電子及び正孔が再結合することによって
発光性の有機化合物が励起状態となり、励起された発光性の有機化合物から発光を得るこ
とができる。
【0006】
有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態(S
*
)と三重項励起
状態(T
*
)があり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐
光と呼ばれている。また、発光デバイスにおけるそれらの統計的な生成比率は、S
*
:T
*
=1:3である。そのため、蛍光を発する化合物(蛍光性材料)を用いた発光デバイス
より、燐光を発する化合物(燐光性材料)を用いた発光デバイスの方が、高い発光効率を
得ることが可能となる。したがって、三重項励起状態のエネルギーを発光に変換すること
が可能な燐光性材料を用いた発光デバイスの開発が近年盛んに行われている。
【0007】
燐光性材料を用いた発光デバイスのうち、特に青色の発光を呈する発光デバイスにおい
ては、高い三重項励起エネルギー準位を有する安定な化合物の開発が困難であるため、青
色燐光発光デバイスは未だ実用化に至っていない。そのため、より安定な蛍光性材料を用
いた発光デバイスの開発が行われており、蛍光性材料を用いた発光デバイス(蛍光発光デ
バイス)の発光効率を高める手法が探索されている。
【0008】
三重項励起状態のエネルギーの一部または全てを発光に変換することが可能な材料とし
て、燐光性材料の他に、熱活性化遅延蛍光(Thermally Activated
Delayed Fluorescence:TADF)性材料が知られている。熱活性
化遅延蛍光性材料では、三重項励起状態から逆項間交差により一重項励起状態が生成され
、一重項励起状態から発光に変換される。
【0009】
熱活性化遅延蛍光性材料を用いた発光デバイスにおいて、発光効率を高めるためには、
熱活性化遅延蛍光性材料において、三重項励起状態から一重項励起状態が効率よく生成す
るだけでなく、一重項励起状態から効率よく発光が得られること、すなわち蛍光量子収率
が高いことが重要となる。しかしながら、この2つを同時に満たす発光材料を設計するこ
とは困難である。
【0010】
また、熱活性化遅延蛍光性材料と、蛍光性材料と、を有する発光デバイスにおいて、熱活
性化遅延蛍光性材料の一重項励起エネルギーを、蛍光性材料へと移動させ、蛍光性材料か
ら発光を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。すなわち、熱活性化遅延蛍光性
材料をホスト材料として、蛍光性材料をゲスト材料として用いる発光デバイスが提案され
ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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