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公開番号
2025002289
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023102361
出願日
2023-06-22
発明の名称
半導体装置
出願人
三菱電機株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H10D
84/83 20250101AFI20241226BHJP()
要約
【課題】半導体装置の有効面積を大きくは損なうことなく、半導体装置のターンオン時における電流の急激な立ち上がりを抑制することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板SB上の平面レイアウトはスイッチングについての閾値電圧の分布を有している。前記閾値電圧についての階級幅100mVの複数の階級と、前記複数の階級のそれぞれに属する前記平面レイアウトの面積に対応した複数の度数と、でヒストグラムが定義される場合に、前記平面レイアウトは、前記複数の階級のうちの異なる階級に属する複数の領域RG1~RGnを有している。前記複数の領域RG1~RGnは第1から第3の領域RG1~RG3を含む。前記ヒストグラムは、正規分布PNMを基準として、前記正規分布PNMから連続して低電圧側に裾を引く分布PFLを有している。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタまたは逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタである半導体装置であって、
第1導電型を有するドリフト層を含む半導体基板と、
前記半導体装置のスイッチングのための、ゲート電極およびゲート絶縁膜を有するゲート構造と、
を備え、
前記半導体基板上の平面レイアウトが前記スイッチングについての閾値電圧の分布を有し、
前記閾値電圧についての階級幅100mVの複数の階級と、前記複数の階級のそれぞれに属する前記平面レイアウトの面積に対応した複数の度数と、でヒストグラムが定義される場合に、前記平面レイアウトは、前記複数の階級のうちの異なる階級に属する複数の領域を有しており、前記複数の領域は第1から第3の領域を含み、前記ヒストグラムは、正規分布を基準として、前記正規分布から連続して低電圧側に裾を引く分布を有している、半導体装置。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタまたは逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタである半導体装置であって、
第1導電型を有するドリフト層を含む半導体基板と、
前記半導体装置のスイッチングのための、ゲート電極およびゲート絶縁膜を有するゲート構造と、
を備え、
前記半導体基板上の平面レイアウトが前記スイッチングについての閾値電圧の分布を有し、
前記閾値電圧についての階級幅100mVの複数の階級と、前記複数の階級のそれぞれに属する前記平面レイアウトの面積に対応した複数の度数と、でヒストグラムが定義される場合に、前記平面レイアウトは、前記複数の階級のうちの異なる階級に属する複数の領域を有しており、前記複数の領域は第1から第3の領域を含み、前記ヒストグラムは、正規分布を基準として、前記正規分布から連続して高電圧側に裾を引く分布を有している、半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記半導体基板はさらに、前記第1導電型と異なる第2導電型を有するベース層を含み、
前記ベース層は、前記閾値電圧の前記分布に対応して、前記平面レイアウトにおいて不純物濃度分布を有している、半導体装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記半導体基板はさらに、前記第1導電型と異なる第2導電型を有するベース層を含み、
前記ベース層は、前記閾値電圧の前記分布に対応して、前記平面レイアウトにおいて深さ分布を有している、半導体装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記半導体基板はさらに、前記第1導電型を有するソース層を含み、
前記ソース層は、前記閾値電圧の前記分布に対応して、前記平面レイアウトにおいて深さ分布を有している、半導体装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記ゲート絶縁膜は、前記閾値電圧の前記分布に対応して、前記平面レイアウトにおいて厚み分布を有している、半導体装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記半導体基板には、前記ゲート構造が埋め込まれたトレンチが設けられており、
前記半導体基板はさらに、前記第1導電型と異なる第2導電型を有し、前記ゲート構造に面する部分を有するベース層を含み、前記ゲート構造に面する部分は、前記閾値電圧の前記分布に対応して、前記平面レイアウトにおいて面方位分布を有している、半導体装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記平面レイアウトの前記複数の領域のうち最も大きな領域は前記半導体基板の中央を含む、半導体装置。
【請求項9】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記半導体基板上に設けられ、一の方向に沿って延在する部分を含む、前記スイッチングのための電位を前記ゲート電極に印加するためのゲート配線をさらに備え、
前記平面レイアウトの前記複数の領域のうち互いに隣り合う領域間の境界は、前記一の方向に沿って延在する部分を含む、半導体装置。
【請求項10】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記半導体基板上に、縁を有するエミッタ電極をさらに備え
前記複数の領域は、前記複数の領域のうちで最も大きい第1領域と、前記第1領域に比して高い前記閾値電圧を有する少なくとも1つの領域と、を含み、
前記平面レイアウトにおいて、前記エミッタ電極の前記縁の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの領域に配置されている、半導体装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関し、特に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタまたは逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタに関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
国際公開第2012/141121号(特許文献1)によれば、パワーMOSFET等の絶縁ゲートを有するパワー系能動素子を有する半導体装置において、アクティブセル領域に他の領域よりも閾値電圧が低く、かつ、占有面積が比較的狭い副アクティブセル領域が設けられる。これにより、オンになる際に副アクティブセル領域が先にオンするため、跳ね上がり電圧の発生を低減することができる旨が、上記文献によれば主張されている。
【0003】
特開2016-154218号公報(特許文献2)によれば、半導体装置は、トランジスタセルとエンハンスメントセルとを含む。各トランジスタセルは、ドリフト構造と第1のpn接合を形成するボディ区域を含む。トランジスタセルは、第1の制御信号が第1の閾値を越えるとボディ区域内に反転チャネルを形成する。遅延ユニットは、その後縁が第1の制御信号の後縁に対して遅延された第2の制御信号を生成する。エンハンスメントセルは、第2の制御信号が第1の閾値より低い第2の閾値を下回るとドリフト構造内に反転層を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2012/141121号
特開2016-154218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記国際公開第2012/141121号の技術において、単純に副アクティブセル領域を設けることでは、半導体装置のユーザが本来求めていたスイッチング特性からのずれが大きくなりやすい。
【0006】
上記特開2016-154218号公報に開示された技術は、異種セルに異種ゲート電極を形成し、セルに応じた遅延信号を送る。これにより、一部のセルを先にターンオフさせ、キャリア排出を促進させている。これよりターンオフロスを低下させることができる。このように、セルごとに別個の制御信号を供する構成は、ターンオフロスの低減に限らず、様々な効果を得ることができるように構成することが可能であると考えられる。例えば、ターンオン時における電流の急激な立ち上がりを抑制することによって、半導体装置からの放射ノイズを抑えることも可能であると考えられる。しかしながら、複数の種類の制御信号を受けるためには、半導体装置が複数の種類の制御パッド(ゲートパッド)を有する必要がある。その結果、半導体装置にとっての有効面積が、大きく損なわれる。
【0007】
本開示は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その一の目的は、半導体装置の有効面積を大きくは損なうことなく、半導体装置のターンオン時における電流の急激な立ち上がりを抑制することができる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る一態様は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタまたは逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタである半導体装置であって、第1導電型を有するドリフト層を含む半導体基板と、前記半導体装置のスイッチングのための、ゲート電極およびゲート絶縁膜を有するゲート構造と、を備えている。前記半導体基板上の平面レイアウトが前記スイッチングについての閾値電圧の分布を有している。前記閾値電圧についての階級幅100mVの複数の階級と、前記複数の階級のそれぞれに属する前記平面レイアウトの面積に対応した複数の度数と、でヒストグラムが定義される場合に、前記平面レイアウトは、前記複数の階級のうちの異なる階級に属する複数の領域を有しており、前記複数の領域は第1から第3の領域を含み、前記ヒストグラムは、正規分布を基準として、前記正規分布から連続して低電圧側に裾を引く分布を有している。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る一態様によれば、ヒストグラムが、正規分布に比して低電圧側に裾を引く、連続した分布を有している。この分布を利用することによって、半導体装置の有効面積を大きくは損なうことなく、半導体装置のターンオン時における電流の急激な立ち上がりを抑制することができる。
【0010】
本開示の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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