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公開番号2025007271
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108552
出願日2023-06-30
発明の名称塩化ビニル系樹脂製皮革用水性表面処理剤及びそれを用いて表面処理した塩化ビニル系樹脂製皮革
出願人日華化学株式会社
代理人弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類D06N 3/08 20060101AFI20250109BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】塩化ビニル系樹脂(PVC)を含む表面を有する皮革用基材の前記表面を処理するための水性表面処理剤であって、PVCを含む基材表面に含まれる可塑剤の移行が抑制され、耐摩耗性、耐揉み性、及び耐アルコール性に優れたPVC製皮革を製造することが可能なPVC製皮革用水性表面処理剤を提供すること。
【解決手段】(A)有機ポリイソシアネート、(B)ポリオール、及び(C)多価アルコールの反応生成物であるイソシアネート基末端プレポリマーの(D)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミンによる鎖伸長物、又は
(A)有機ポリイソシアネート、(B)ポリオール、(E)アニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物、及び(C)多価アルコールの反応生成物であるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物の(D)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミンによる鎖伸長物
を含み、
前記(B)ポリオールが、(B1)炭素数が4~10の偶数である直鎖構造を有するジオールのみで構成されたポリカーボネートジオールを含むものであり、
前記(C)多価アルコールが、少なくとも3個以上の活性水素を有する多価アルコールを含むものである、
塩化ビニル系樹脂製皮革用水性表面処理剤。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
塩化ビニル系樹脂を含む表面を有する皮革用基材の前記表面を処理するための水性表面処理剤であって、
前記水性表面処理剤が、
(A)有機ポリイソシアネート、(B)ポリオール、及び(C)多価アルコールの反応生成物であるイソシアネート基末端プレポリマーの(D)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミンによる鎖伸長物、又は
(A)有機ポリイソシアネート、(B)ポリオール、(E)アニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物、及び(C)多価アルコールの反応生成物であるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物の(D)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミンによる鎖伸長物
を含み、
前記(B)ポリオールが、(B1)炭素数が4~10の偶数である直鎖構造を有するジオールのみで構成されたポリカーボネートジオールを含むものであり、
前記(C)多価アルコールが、少なくとも3個以上の活性水素を有する多価アルコールを含むものである、
ことを特徴とする塩化ビニル系樹脂製皮革用水性表面処理剤。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記(B)ポリオールにおける前記(B1)ポリカーボネートジオールの割合が40質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂製皮革用水性表面処理剤。
【請求項3】
前記(C)多価アルコールの割合が、
前記鎖伸長物が前記イソシアネート基末端プレポリマーの鎖伸長物である場合には、前記(B)ポリオール及び前記(C)多価アルコールの合計量に対して、
前記鎖伸長物が前記イソシアネート基末端プレポリマーの中和物の鎖伸長物である場合には、前記(B)ポリオール、前記(C)多価アルコール及び前記(E)アニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物の合計量に対して、
0.1~1.5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂製皮革用水性表面処理剤。
【請求項4】
前記イソシアネート基末端プレポリマーにおける遊離イソシアネート基の含有量が0.2~4.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂製皮革用水性表面処理剤。
【請求項5】
前記(A)有機ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂製皮革用水性表面処理剤。
【請求項6】
塩化ビニル系樹脂を含む表面を有する皮革用基材の前記塩化ビニル系樹脂を含む表面に請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の塩化ビニル系樹脂製皮革用水性表面処理剤により形成された表面処理層を備えていることを特徴とする塩化ビニル系樹脂製皮革。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ビニル系樹脂製皮革用水性表面処理剤及びそれを用いて表面処理した塩化ビニル系樹脂製皮革に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
熱硬化性又は熱可塑性のポリウレタン樹脂からなる表皮層を有する合成皮革や、少なくとも基材の表面が塩化ビニル系樹脂(以下、「PVC」ともいう)を含む合成皮革(以下、「PVC製皮革」ともいう)等の製造工程においては、合成皮革の表面の耐摩耗性や艶消し性を向上させるために、表面処理剤による加工が行われている。従来の表面処理剤に用いられる樹脂組成物は、ジメチルホルムアミド、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を含んだ溶剤系が主流であったが、これらの有機溶剤は引火性が強く、毒性が高いものが多いことから、火災の危険性、作業環境の悪化、大気、水質等の環境汚染等の問題があった。また、合成皮革の製造においては、これらの有機溶剤を回収することも行われているが、多額のコストや労力がかかるという問題点があった。
【0003】
近年、環境規制の高まりだけでなく、有機溶剤系の表面処理剤を用いて得られた合成皮革の内部に有機溶剤が残留するため、皮膚障害等の人体への影響も問題とされている。そのため、有機溶剤を極力、或いは全く含まない水性の表面処理剤の開発が進められており、特に、自動車内装材に使用される合成皮革の皮革用材においては、残留有機溶剤の人体への影響が危惧されるため、水性の表面処理剤が強く要望されている。
【0004】
特に、PVC製皮革は、熱硬化性又は熱可塑性のポリウレタン樹脂からなる表皮層を有する合成皮革と比べ、コストの面から需要が伸びているが、耐摩耗性が劣るため、使用する水性の表面処理剤に対し、高い耐摩耗性が求められている。また、PVC中に可塑剤が含まれるため、経時で可塑剤がブリードアウトし、光沢が上昇する等の問題がある。さらに、近年、内装材表面をアルコールで拭き取ることが増加しており、アルコールに対する耐久性も求められてきているが、PVC製皮革においては、PVCを含む基材表面と前記水性表面処理剤により形成された表面処理層との密着性が不足し、前記表面処理層の剥がれや白化等が起こりやすいという問題がある。
【0005】
例えば、国際公開第2019/221088号(特許文献1)には、ポリオール成分、イソシアネート成分を含むポリウレタン樹脂であって、(1)前記ポリオール成分としてポリカーボネートジオール成分を含み、前記イソシアネート成分として直鎖型脂肪族イソシアネート成分を含み、(2)前記ポリカーボネートジオール成分は数平均分子量が500~3000であり、その構造中に炭素数3~10のジオール由来構造を含み、(3)前記イソシアネート成分のうち、10mol%以上が炭素数4~10の直鎖型脂肪族イソシアネート成分である、ポリウレタン樹脂を含む塗料、及びこの塗料を表面に含む合成擬革が記載されている。特に、特許文献1の実施例においては、前記ポリカーボネートジオール成分として、1,4-ブタンジオール及び1,10-デカンジオール由来のポリカーボネートジオールを用いて製造したポリウレタン樹脂を含む表面処理剤でPVCシートを表面処理した合成擬革が記載されており、この合成擬革が、優れた耐寒屈曲性と耐薬品性と両立できることも記載されている。
【0006】
また、国際公開第2022/097332号(特許文献2)には、1,9-ノナンジオール及び2-メチル-1,8-オクタンジオールを原料とするポリカーボネートポリオールを用いて調製した水系ポリウレタン樹脂組成物を、PVC基材上に塗工して作製した積層体が記載されており、この積層体が、密着性、耐ブリード性に優れていることも記載されている。
【0007】
さらに、国際公開第2022/097333号(特許文献3)には、1,6-ヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートポリオール及びポリテトラメチレングリコールを用いて調製した水系ポリウレタン樹脂組成物を、PVC基材上に塗工して作製した積層体が記載されており、この積層体が、密着性、耐ブリード性に優れていることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2019/221088号
国際公開第2022/097332号
国際公開第2022/097333号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1~3のいずれに記載の合成擬革あるいは皮革においても、耐摩耗性、耐可塑剤移行性、及び耐アルコール性が必ずしも十分ではなかった。
【0010】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、PVCを含む表面を有する皮革用基材の前記表面を処理するための水性表面処理剤であって、PVCを含む基材表面(例えば、PVCを含む表皮層)に含まれる可塑剤の移行が抑制され、耐摩耗性、耐揉み性、及び耐アルコール性に優れたPVC製皮革を製造することが可能なPVC製皮革用水性表面処理剤、並びに、このPVC製皮革用水性表面処理剤で表面処理されたPVC製皮革を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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