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公開番号2025006008
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023106517
出願日2023-06-28
発明の名称油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法及び油冷式圧縮機
出願人北越工業株式会社
代理人弁理士法人小倉特許事務所
主分類F04B 49/10 20060101AFI20250109BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】潤滑油に凝縮水が混入すること防止しつつ,オイルクーラにおける潤滑油の冷却温度を可及的に低下させる。
【解決手段】アフタクーラ32とオイルクーラ42を共通の冷却ファン50により冷却すると共に,冷却ファン50の回転速度を可変とした油冷式圧縮機1において,圧縮機本体10が吐出する吐出温度Tdを測定して吐出温度Tdの変化に対応させて冷却ファン50の回転速度Rを最低回転速度Rminと最高回転速度Rmax間で変化させる。このとき,圧縮機本体10が吸入する吸入外気温度Toを測定して,最低回転速度Rminとする吐出温度Tdと,最高回転速度Rmaxとする吐出温度Tdを,吸入外気温度Toの測定値に応じて変化させることで,吸入外気温度Toが低いときの回転速度Rを上昇させる。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
吸入した空気を潤滑油と共に圧縮して生成した圧縮空気を潤滑油との気液混合流体として吐出する油冷式の圧縮機本体と,前記圧縮機本体が吐出した圧縮空気を導入して気液分離を行う気液分離装置と,前記気液分離装置で潤滑油が分離された後の圧縮空気を消費側に導入する圧縮空気供給流路と,前記気液分離によって前記気液分離装置内に回収された潤滑油を前記圧縮機本体に導入する給油流路を備えると共に,前記圧縮空気供給流路に設けたアフタクーラと,前記給油流路に設けたオイルクーラと,前記アフタクーラ及び前記オイルクーラに共通の冷却ファンを備えた油冷式圧縮機の前記冷却ファンの制御方法において,
前記圧縮空気中の水分の凝縮を防止することができる,前記圧縮機本体の最小の吐出温度に対し必要な余裕分を上乗せした温度を低温側判定基準温度と成すと共に,
前記低温側判定基準温度に対し所定温度を上乗せした温度を高温側判定基準温度とし,
前記圧縮機本体の吸入外気温度の変化に対する,前記低温側判定基準温度の変化の対応関係を,第1対応関係として予め求めておくと共に,
前記圧縮機本体の吸入外気温度の変化に対する,前記高温側判定基準温度の変化の対応関係を,第2対応関係として予め求めておき,
前記圧縮機本体の吸入外気温度と吐出温度を測定し,
前記吐出温度の測定値が,前記第1対応関係において前記吸入外気温度の測定値に対応する前記低温側判定基準温度として規定された温度と一致するとき,最低回転速度で前記冷却ファンを運転し,
前記吐出温度の測定値が,前記第1対応関係において前記吸入外気温度の測定値に対応する前記低温側判定基準温度として規定された温度を越えているが,前記第2対応関係において前記吸入外気温度の測定値に対応する前記高温側判定基準温度として規定された温度未満であるとき,前記最低回転速度以上で,かつ,最高回転速度未満の中間回転速度で前記冷却ファンを運転すると共に,
前記吐出温度の測定値が,前記第2対応関係において前記吸入外気温度の測定値に対応する前記高温側判定基準温度として規定されている温度以上であるとき,前記最高回転速度で前記冷却ファンを運転することを特徴とする油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記中間回転速度を,前記吐出温度の測定値の増加に伴い増加させると共に,前記吐出温度の測定値の減少に伴い減少させることを特徴とする請求項1記載の油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法。
【請求項3】
前記吐出温度の測定値が,前記第1対応関係において前記吸入外気温度の測定値に対応する前記低温側判定基準温度未満の温度であるとき,前記冷却ファンの回転を停止させることを特徴とする請求項1又は2記載の油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法。
【請求項4】
前記第1対応関係及び前記第2対応関係が,
前記圧縮機本体の吐出側圧力の測定値が所定の高い圧力であるときに適合する前記第1対応関係及び前記第2対応関係である,高圧時第1対応関係及び高圧時第2対応関係と,
前記圧縮機本体の前記吐出側圧力の測定値が所定の低い圧力であるときに適合する前記第1対応関係及び前記第2対応関係である,低圧時第1対応関係及び低圧時第2対応関係と,を含み,
前記圧縮機本体の前記吐出側圧力を測定し,
前記吐出側圧力の測定値が前記所定の高い圧力であるとき,前記高圧時第1対応関係と前記高圧時第2対応関係に基づいて前記冷却ファンの回転速度を制御し,
前記吐出側圧力の測定値が前記所定の低い圧力であるとき,前記低圧時第1対応関係と前記低圧時第2対応関係に基づいて前記冷却ファンの回転速度を制御することを特徴とする請求項1記載の油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法。
【請求項5】
前記第1対応関係及び前記第2対応関係に,更に,前記圧縮機本体の前記吐出側圧力の測定値が前記所定の低い圧力を超えていると共に前記所定の高い圧力未満であるときに適合する前記第1対応関係及び前記第2対応関係である,中間時第1対応関係及び中間時第2対応関係を含め,
前記吐出側圧力の測定値が,前記所定の低い圧力を超えていると共に,前記所定の高い圧力未満であるとき,前記中間時第1対応関係と前記中間時第2対応関係に基づいて前記冷却ファンの回転速度を制御することを特徴とする請求項4記載の油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法。
【請求項6】
前記中間時第1対応関係の低温側判定基準温度,及び前記中間時第2対応関係の高温側判定基準温度を,前記吐出側圧力の測定値が高くなる程上昇させると共に,前記吐出側圧力の測定値が低くなる程下降させることを特徴とする請求項5記載の油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法。
【請求項7】
前記吐出温度の測定を,前記気液分離装置のレシーバタンク内において行うことを特徴とする請求項1又は2記載の油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法。
【請求項8】
前記吐出側圧力の測定を,前記アフタクーラの二次側において行うことを特徴とする請求項4~6いずれか1項記載の油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法。
【請求項9】
前記圧縮機本体の吸入外気湿度の変化に対応して生じる前記圧縮空気の露点温度の変化に基づいて,前記吸入外気湿度の変化に対する前記第1対応関係の前記低温側判定基準温度,及び前記第2対応関係の前記高温側判定基準温度に対する補正値を予め求めておき,
前記吸入外気湿度を測定すると共に,該吸入外気湿度の測定値に対応した補正値で前記第1対応関係の前記低温側判定基準温度及び前記第2対応関係の前記高温側判定基準温度を補正して前記冷却ファンの回転速度制御を行うことを特徴とする請求項1,2,4,5,又は6記載の油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法。
【請求項10】
吸入した空気を潤滑油と共に圧縮して生成した圧縮空気を潤滑油との気液混合流体として吐出する油冷式の圧縮機本体と,前記圧縮機本体が吐出した圧縮空気を導入して気液分離を行う気液分離装置と,前記気液分離装置で潤滑油が分離された後の圧縮空気を消費側に導入する圧縮空気供給流路と,前記気液分離によって前記気液分離装置内に回収された潤滑油を前記圧縮機本体に導入する給油流路を備えると共に,前記圧縮空気供給流路に設けたアフタクーラと,前記給油流路に設けたオイルクーラと,前記アフタクーラ及び前記オイルクーラに共通の冷却ファンを備えた油冷式圧縮機において,
前記圧縮空気中の水分の凝縮を防止することができる,前記圧縮機本体の最小の吐出温度に対し必要な余裕分を上乗せした温度を低温側判定基準温度と成すと共に,
前記低温側判定基準温度に対し所定温度を上乗せした温度を高温側判定基準温度とし,
前記圧縮機本体の吸入外気温度の変化に対する,前記低温側判定基準温度の変化の対応関係である第1対応関係と,前記圧縮機本体の吸入外気温度の変化に対する,前記高温側判定基準温度の変化の対応関係である第2対応関係を記憶した記憶手段と,
前記圧縮機本体の前記吸入外気温度を検出する外気温度検出手段と,
前記圧縮機本体の前記吐出温度を検出する吐出温度検出手段と,
前記外気温度検出手段が検出した前記吸入外気温度と,前記吐出温度検出手段が検出した前記吐出温度,及び,前記記憶手段に記憶された前記第1対応関係及び前記第2対応関係に基づいて,前記冷却ファンの回転速度を制御する,回転速度制御手段を備え,
前記回転速度制御手段は,
前記吐出温度の検出値が,前記第1対応関係において前記吸入外気温度の検出値に対応する前記低温側判定基準温度として規定された温度と一致するとき,最低回転速度で前記冷却ファンを運転し,
前記吐出温度の検出値が,前記第1対応関係において前記吸入外気温度の検出値に対応する前記低温側判定基準温度として規定された温度を越えているが,前記第2対応関係において前記吸入外気温度の検出値に対応する前記高温側判定基準温度として規定された温度未満であるとき,前記最低回転速度以上で,かつ,最高回転速度未満の中間回転速度で前記冷却ファンを運転すると共に,
前記吐出温度の検出値が,前記第2対応関係において前記吸入外気温度の検出値に対応する前記高温側判定基準温度として規定されている温度以上であるとき,前記最高回転速度で前記冷却ファンを運転することを特徴とする油冷式圧縮機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は油冷式圧縮機の冷却ファン制御方法及び該冷却ファン制御方法を実行する油冷式圧縮機に関し,より詳細には,潤滑油の冷却に使用する空冷式のオイルクーラと,消費側に供給する圧縮空気を冷却する空冷式のアフタクーラを共通の冷却ファンによって冷却する油冷式圧縮機における前記冷却ファンの制御方法,及び該冷却ファン制御方法を実行する油冷式圧縮機に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
油冷式圧縮機に設けられた例えばスクリュ型の圧縮機本体は,被圧縮気体として吸入した空気(外気)を潤滑油と共に圧縮することで,この潤滑油によって圧縮作用空間内の密封,潤滑,及び冷却を行うことができるように構成されている。
【0003】
このような油冷式の圧縮機本体110を備えた油冷式圧縮機100では,圧縮機本体110によって生成された圧縮空気は潤滑油との気液混合流体として吐出されることから,図6に示すように,圧縮機本体110が吐出した圧縮空気を気液分離装置120のレシーバタンク121に導入し,該レシーバタンク121内で圧縮空気と潤滑油の気液分離を行うと共に,潤滑油が分離された後の圧縮空気中に残る潤滑油を,オイルセパレータ122を通過させることにより除去した後,圧縮空気供給流路130を介して図示せざる空圧機器等が接続された消費側にサービスエアとして供給することができるように構成されている。
【0004】
また,レシーバタンク121と圧縮機本体110間には,前述した気液分離によってレシーバタンク121内に回収された潤滑油を圧縮機本体110に供給するための給油流路140が設けられており,圧縮機本体110が圧縮空気と共に吐出した潤滑油を,レシーバタンク121内に回収した後,再度圧縮機本体110に供給して循環使用することができるように構成されている。
【0005】
上記構成の油冷式圧縮機100において,圧縮機本体110によって生成された圧縮空気は圧縮熱により高温になっていると共に,多量の水蒸気を含んでいることから,前述した圧縮空気供給流路130に空冷式の熱交換器であるアフタクーラ132を設け,消費側に供給する前に圧縮空気を冷却し,この冷却時の凝縮によって発生した水分をドレンとして除去した後,消費側に供給することができるように構成されている。
【0006】
また,レシーバタンク121と圧縮機本体110間に設けた前述の給油流路140には,空冷式の熱交換器であるオイルクーラ142を設け,圧縮機本体110に給油される前に潤滑油を冷却することで,圧縮機本体110の冷却を効果的に行えるようにすると共に,高温状態での使用に伴う潤滑油の性能低下や早期劣化を防止している。
【0007】
そして,前述したアフタクーラ132とオイルクーラ142に共通の冷却ファン150を設け,アフタクーラ132とオイルクーラ142において熱交換に必要となる冷却風を発生させることができるようにしている。
【0008】
以上のように構成された油冷式圧縮機100の冷却ファン150の制御方法として,後掲の特許文献1は,冷却ファン150のファンモータ151の回転速度をインバータ152によって制御可能と成すと共に,レシーバタンク121内の油温を圧縮機本体110の吐出温度として検出する温度センサ161を設け,圧縮機本体110の吐出温度(レシーバタンク121内の油温)が高い程,ファンモータ151の回転速度を高くし,吐出温度が低い程,ファンモータ151の回転速度を低くすることで,温度センサ161によって検出される圧縮機本体110の吐出温度(レシーバタンク121内の油温)が目標値となるように冷却ファンを制御することが提案されている(特許文献1[0041],[0042],[図1])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2020-190240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように共通の冷却ファン150でアフタクーラ132とオイルクーラ142の双方に対し冷却風を導入する油冷式圧縮機100にあっては,アフタクーラ132とオイルクーラ142に同じように冷却風が導入されることとなるため,アフタクーラ132における冷却による圧縮空気温度の下げ幅を増大するために冷却ファン150の回転速度を上昇させて送風量を増大すると,オイルクーラ142において冷却される潤滑油温度の下げ幅も増大する。
(【0011】以降は省略されています)

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