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公開番号2025004976
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2023104917
出願日2023-06-27
発明の名称細胞試料評価方法、細胞試料評価装置、及び培養状態解析装置
出願人浜松ホトニクス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01N 21/64 20060101AFI20250108BHJP(測定;試験)
要約【課題】 複数の細胞を含む細胞試料の培養状態を好適に評価することが可能な細胞試料評価方法、細胞試料評価装置、及び細胞試料の培養状態について解析を行うことが可能な培養状態解析装置を提供する。
【解決手段】 細胞試料評価装置1Aは、評価対象となる対象細胞試料Sにおいて複数の細胞の培養領域内に設定された照射領域に対し、中赤外域の波長を有する評価光を所定の照射条件で照射する評価光照射部20と、対象細胞試料Sの照射領域について、評価光の照射量に応じて発生した死細胞数を計測する死細胞数計測部30と、対象細胞試料Sについて、評価光の照射量と死細胞数との対象相関関係を求め、培養状態が既知の基準細胞試料についての評価光の照射量と死細胞数との基準相関関係と、対象相関関係とを比較することで、対象細胞試料の培養状態を評価する培養状態解析部50とを備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
培養容器上で培養された複数の細胞を含む評価対象の対象細胞試料の培養状態を評価する評価方法であって、
前記対象細胞試料において前記複数の細胞の培養領域内に設定された照射領域に対し、中赤外域の波長を有する評価光を所定の照射条件で照射する評価光照射ステップと、
前記対象細胞試料の前記照射領域について、前記評価光の照射量に応じて発生した死細胞数を計測する死細胞数計測ステップと、
前記対象細胞試料について、前記評価光の前記照射量と前記死細胞数との対象相関関係を求め、培養状態が既知の基準細胞試料についての前記評価光の前記照射量と前記死細胞数との基準相関関係と、前記対象相関関係とを比較することで、前記対象細胞試料の培養状態を評価する培養状態解析ステップと、
を備える、細胞試料評価方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記培養容器は、単一の培養ディッシュであり、
前記評価光照射ステップにおいて、前記単一の培養ディッシュ上で前記培養領域内に前記照射領域を設定する、請求項1に記載の細胞試料評価方法。
【請求項3】
前記培養容器は、N個の培養ディッシュ(Nは2以上の整数)であり、
前記評価光照射ステップにおいて、前記N個の培養ディッシュのそれぞれ上で前記培養領域内に前記照射領域を設定することで、N個の照射領域を設定する、請求項1に記載の細胞試料評価方法。
【請求項4】
前記培養状態解析ステップにおいて、前記対象細胞試料の前記培養状態として、前記対象細胞試料の継代数、継代条件、及び継代間の培養条件のうち少なくとも1つを含む前記培養状態を評価する、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞試料評価方法。
【請求項5】
前記死細胞数計測ステップにおいて、死細胞を選択的に染色する染色剤で染色した前記対象細胞試料の光像を撮像することで前記死細胞数を計測する、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞試料評価方法。
【請求項6】
前記評価光照射ステップにおいて、前記評価光の前記照射量は、前記評価光の前記照射領域への照射時間、照射パワー、及び集光条件のうち少なくとも1つを含む照射条件によって設定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞試料評価方法。
【請求項7】
前記評価光照射ステップにおいて、前記評価光の前記波長は、3μm以上20μm以下の波長域で設定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞試料評価方法。
【請求項8】
前記培養状態解析ステップにおいて、互いに培養状態が異なる複数の基準細胞試料についての複数の基準相関関係のそれぞれと、前記対象相関関係とを比較することで、前記対象細胞試料の前記培養状態を評価する、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞試料評価方法。
【請求項9】
前記培養状態解析ステップにおいて、前記基準相関関係と前記対象相関関係との比較において、相関関係の近似直線または近似曲線を表すパラメータ、一定の照射量での死細胞数、及び死細胞発生の閾値照射量のうち少なくとも1つを比較する、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞試料評価方法。
【請求項10】
前記培養状態解析ステップにおいて、前記基準細胞試料について、前記評価光照射ステップと前記死細胞数計測ステップとによる測定結果に基づいて、前記評価光の前記照射量と前記死細胞数との前記基準相関関係を求める、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞試料評価方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、培養容器上で培養された複数の細胞を含む細胞試料の培養状態を評価する細胞試料評価方法、細胞試料評価装置、及び細胞試料の培養状態について解析を行う培養状態解析装置に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
細胞を培養する技術は、細胞に関する基礎的な研究のみでなく、例えば再生医療などの実用分野においても重要である。細胞の培養においては、細胞系及び細胞株をさらに増殖させるため、細胞培養系から培地を除去し、培養していた細胞を新しい培地に移す、継代と呼ばれる操作が行われる。また、複数の細胞を培養した細胞試料において、継代操作を実施した回数を継代数という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-150018号公報
特開2018-130093号公報
【非特許文献】
【0004】
P. Hughes et al., "Thecosts of using unauthenticated, over-passaged cell lines: how much more data dowe need?", Bio Techniques Vol.43 (2007), pp.575-586
E. Larson et al.,"Mid-infrared absorption by soft tissue sarcoma and cell ablationutilizing a mid-infrared interband cascade laser", J. Biomed. Opt. Vol.26(2021), pp.043012-1-043012-10
N. Malpica et al.,"Applying Watershed Algorithms to the Segmentation of ClusteredNuclei", Cytometry Vol.28 (1997), pp.289-297
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように複数の細胞を培養した細胞試料において、継代数や個々の継代操作の条件等は、細胞試料中で増殖した細胞の品質、培養状態等に影響を与える(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。すなわち、細胞試料の継代操作では、多くの場合、培養されている細胞は、新しい環境に移されることでダメージ、ストレス等を受けることによって、細胞の品質、状態が劣化する。
【0006】
一般に、継代数が多くなるほど、培養細胞は分化増殖能の変化、形態の変化、遺伝子の変化などによって品質が劣化することが知られている。したがって、細胞試料の継代数、継代条件等の培養状態は、細胞試料を用いて実験、測定等を行う上で非常に重要な情報である。しかしながら、そのような細胞試料における細胞の培養状態を測定、評価する手法は、これまでに確立されていない。
【0007】
本発明は、複数の細胞を含む細胞試料の培養状態を好適に評価することが可能な細胞試料評価方法、細胞試料評価装置、及び細胞試料の培養状態について解析を行うことが可能な培養状態解析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者は、複数の細胞が培養された細胞試料について、量子カスケードレーザ(QCL:Quantum Cascade Laser)から供給されるレーザ光等を用いた光照射による細胞の活性化などの影響の研究を行っている。そのような細胞試料への光照射の影響の研究において、ある程度以上の照射量で光照射を行うと、死細胞が発生するとの知見を得た。さらに、そのような光照射による細胞死について詳細に調べたところ、死細胞の発生が、細胞試料の継代数などの培養状態に依存することを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明による第1態様の細胞試料評価方法は、培養容器上で培養された複数の細胞を含む評価対象の対象細胞試料の培養状態を評価する評価方法であって、(1)対象細胞試料において複数の細胞の培養領域内に設定された照射領域に対し、中赤外域の波長を有する評価光を所定の照射条件で照射する評価光照射ステップと、(2)対象細胞試料の照射領域について、評価光の照射量に応じて発生した死細胞数を計測する死細胞数計測ステップと、(3)対象細胞試料について、評価光の照射量と死細胞数との対象相関関係を求め、培養状態が既知の基準細胞試料についての評価光の照射量と死細胞数との基準相関関係と、対象相関関係とを比較することで、対象細胞試料の培養状態を評価する培養状態解析ステップと、を備える。
【0010】
本発明による第1態様の細胞試料評価装置は、培養容器上で培養された複数の細胞を含む評価対象の対象細胞試料の培養状態を評価する評価装置であって、(1)対象細胞試料において複数の細胞の培養領域内に設定された照射領域に対し、中赤外域の波長を有する評価光を所定の照射条件で照射する評価光照射部と、(2)対象細胞試料の照射領域について、評価光の照射量に応じて発生した死細胞数を計測する死細胞数計測部と、(3)対象細胞試料の培養状態について解析を行う培養状態解析部と、を備え、(4)培養状態解析部は、(a)対象細胞試料について、評価光の照射量と死細胞数との対象相関関係を求める対象相関関係生成部と、(b)培養状態が既知の基準細胞試料についての評価光の照射量と死細胞数との基準相関関係を記憶する基準相関関係データベースと、(c)基準相関関係と、対象相関関係とを比較することで、対象細胞試料の培養状態を評価する培養状態評価部と、を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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