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公開番号2025002562
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102817
出願日2023-06-22
発明の名称バルーンカテーテル
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61M 25/10 20130101AFI20241226BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】一方のルーメンに送り込まれた流体が他方のルーメンに進入しにくく、また、一方のルーメンと他方のルーメンとの間の隔壁が破損しにくいバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】近位側から遠位側へ長手方向に延在しているシャフト10と、シャフト10の遠位部に配されている複数のバルーンと、を有しており、シャフト10は、第1内腔110と、複数の第2内腔120から構成されている第2内腔群200と、を有し、シャフト10の長手方向に垂直な断面において、第1内腔110と第2内腔120との最短距離D1は、第2内腔群200を構成する少なくとも1組の隣り合う第2内腔120の最短距離D2よりも大きいバルーンカテーテル。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
近位側から遠位側へ長手方向に延在しているシャフトと、
前記シャフトの遠位部に配されている複数のバルーンと、を有しており、
前記シャフトは、第1内腔と、複数の第2内腔から構成されている第2内腔群と、を有し、
前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第1内腔と前記第2内腔との最短距離は、前記第2内腔群を構成する少なくとも1組の隣り合う前記第2内腔の最短距離よりも大きいバルーンカテーテル。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第1内腔と前記第2内腔との最短距離は、前記第2内腔と前記シャフトの外縁との最短距離よりも大きい請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第1内腔と前記第2内腔との最短距離は、前記第1内腔と前記シャフトの外縁との最短距離よりも大きい請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第2内腔群を構成する前記第2内腔の断面積の合計は、前記第1内腔の断面積よりも大きい請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第2内腔の断面積は、前記第1内腔の断面積よりも小さい請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記シャフトは、前記シャフトの図心を通る仮想直線により区画される一方側の領域である一方側領域と、他方側の領域である他方側領域と、を有しており、
前記第1内腔は、前記一方側領域に配されており、
前記第2内腔群は、前記他方側領域に配されている請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
前記第1内腔は、ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤルーメンであり、
前記第2内腔群を構成する前記第2内腔は、前記バルーンの内腔に供給される流体が通過するインフレーションルーメンであり、複数の前記バルーンの内腔とそれぞれ連通している請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項8】
前記ガイドワイヤルーメンに連通している内腔を有しているガイドワイヤチューブをさらに有し、
前記ガイドワイヤチューブは、前記バルーンの内腔に配置されている請求項7に記載のバルーンカテーテル。
【請求項9】
大動脈弁の拡張、心臓内に留置された生体弁の変形、または前記生体弁の破壊を行うために用いられるものである請求項1に記載のバルーンカテーテル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーンカテーテルに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
血管内壁に石灰化等により硬化した狭窄部が形成されることにより、狭心症や心筋梗塞等の疾病が引き起こされる。これらの治療の一つとして、バルーンカテーテルを用いて狭窄部を拡張させる血管形成術がある。血管形成術は、バイパス手術のような開胸術を必要としない低侵襲療法であり、広く行われている。
【0003】
大動脈弁が石灰化等によって硬くなり、大動脈弁が開きにくくなって血液の流れが妨げられてしまう大動脈弁狭窄症という疾患がある。大動脈弁狭窄症の治療として、外科的開胸手術およびカテーテルによって生体弁(人工弁)を留置し、硬化した大動脈弁を生体弁に置き換える方法が用いられることがある。
【0004】
留置した生体弁は石灰化や摩耗等によって経年劣化する。留置した生体弁が劣化した場合、生体弁を置き換える必要がある。生体弁の置き換えにおいて、編組を有するバルーンカテーテルや複数本のバルーンカテーテルを用いて留置している生体弁に高い圧力を加えて破壊し、破壊した生体弁の上から新たな生体弁を留置することが行われている。
【0005】
硬化した狭窄部の拡張や生体弁の留置に用いられる、高い圧力にてバルーンの拡張ができるカテーテルとして、例えば、特許文献1には、複数のバルーン部材を有し、複数の外側バルーン部材が内側バルーン部材の外面を取り囲むように配置されているバルーンカテーテルが開示されており、特許文献2には、内部通路を有する灌流バルーンと、灌流バルーンの内部通路に配置されるバルーンと、を有する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許出願公開第2012/0209375号明細書
特表2018-536474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のカテーテルのような複数のバルーンを有するカテーテルのシャフトは、それぞれのバルーンに接続されているルーメンやガイドワイヤが挿通されるルーメン等、複数のルーメンを有している構成となっていることがある。シャフトが複数のルーメンを有していると、各ルーメンの間の隔壁の厚みが薄くなってしまい、一方のルーメンに送り込まれた流体が他方のルーメンに進入してしまうことや、シャフトを湾曲させた際や一方のルーメンにガイドワイヤ等の剛性が高い物体を挿入した際に一方のルーメンと他方のルーメンとの間の隔壁が破損してしまうという問題があった。
【0008】
上記の事情に鑑み本発明は、一方のルーメンに送り込まれた流体が他方のルーメンに進入しにくく、また、一方のルーメンと他方のルーメンとの間の隔壁が破損しにくいバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し得た本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルは、以下の通りである。
[1]近位側から遠位側へ長手方向に延在しているシャフトと、
前記シャフトの遠位部に配されている複数のバルーンと、を有しており、
前記シャフトは、第1内腔と、複数の第2内腔から構成されている第2内腔群と、を有し、
前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第1内腔と前記第2内腔との最短距離は、前記第2内腔群を構成する少なくとも1組の隣り合う前記第2内腔の最短距離よりも大きいバルーンカテーテル。
[2]前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第1内腔と前記第2内腔との最短距離は、前記第2内腔と前記シャフトの外縁との最短距離よりも大きい[1]に記載のバルーンカテーテル。
[3]前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第1内腔と前記第2内腔との最短距離は、前記第1内腔と前記シャフトの外縁との最短距離よりも大きい[1]または[2]に記載のバルーンカテーテル。
[4]前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第2内腔群を構成する前記第2内腔の断面積の合計は、前記第1内腔の断面積よりも大きい[1]~[3]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
[5]前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記第2内腔の断面積は、前記第1内腔の断面積よりも小さい[1]~[4]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
[6]前記シャフトの前記長手方向に垂直な断面において、前記シャフトは、前記シャフトの図心を通る仮想直線により区画される一方側の領域である一方側領域と、他方側の領域である他方側領域と、を有しており、
前記第1内腔は、前記一方側領域に配されており、
前記第2内腔群は、前記他方側領域に配されている[1]~[5]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
[7]前記第1内腔は、ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤルーメンであり、
前記第2内腔群を構成する前記第2内腔は、前記バルーンの内腔に供給される流体が通過するインフレーションルーメンであり、複数の前記バルーンの内腔とそれぞれ連通している[1]~[6]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
[8]前記ガイドワイヤルーメンに連通している内腔を有しているガイドワイヤチューブをさらに有し、
前記ガイドワイヤチューブは、前記バルーンの内腔に配置されている[7]に記載のバルーンカテーテル。
[9]大動脈弁の拡張、心臓内に留置された生体弁の変形、または前記生体弁の破壊を行うために用いられるものである[1]~[8]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【発明の効果】
【0010】
上記バルーンカテーテルによれば、シャフトの長手方向に垂直な断面において、第1内腔と第2内腔との最短距離が、第2内腔群を構成する少なくとも1組の隣り合う第2内腔の最短距離よりも大きいことにより、シャフトにおいて第1内腔が配されている位置と第2内腔が配されている位置とを離すことができる。その結果、第1内腔と第2内腔との間の隔壁が破損しにくく、また、第1内腔に送り込まれた流体や物品が第2内腔に進入しにくくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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