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公開番号2024177810
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023096156
出願日2023-06-12
発明の名称温水調温装置
出願人株式会社ノーリツ
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類F24D 17/00 20220101AFI20241217BHJP(加熱;レンジ;換気)
要約【課題】バイパスミキシング方式の温水調温装置における温度制御精度を高める。
【解決手段】ハイブリッドバルブ80は、入水路50に導入された低温水を、熱交換器10への缶体配管55と、バイパス配管60とに分配する。ハイブリッドバルブ80は、開度制御値に対して、トータル流量Qtに影響を与えず流量Q1および流量Q2の流量比が変化する第1領域と、当該流量比が固定される一方でトータル流量Qtが変化する第2領域とを有するように構成される。コントローラ200は、ハイブリッドバルブ80の現在の開度制御値から逆算された第1流量比と、温度センサ110,120,130の検出温度Tw,Tb,Thから算出された第2流量比との誤差に基づく補正量が反映された補正後の流量比を用いて分配弁を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
低温水および高温水を混合する温水調温装置であって、
前記高温水を出力する加熱部に前記低温水を通流するための第1流路と、
前記加熱部を通過させることなく前記低温水を通流する第2流路と、
前記低温水の温度を検出するための第1温度検出器と、
前記高温水の温度を検出するための第2温度検出器と、
前記低温水および前記高温水の混合後の出湯温度を検出するための第3温度検出器と、
前記第1流路および前記第2流路と接続されて、前記第1流路および前記第2流路の流量を制御するための制御弁と、
前記第1温度検出器、前記第2温度検出器、および、前記第3温度検出器のそれぞれによる第1検出温度、第2検出温度、および、第3検出温度と、前記出湯温度の設定温度とを入力されて、前記出湯温度を前記設定温度に制御するための前記制御弁の制御値を設定する制御装置とを備え、
前記制御弁は、前記制御値の変化に対して、前記第1流路および前記第2流路のトータル流量に影響を与えずに前記第1流路および前記第2流路の流量比が変化する第1領域と、前記流量比が固定される一方で前記トータル流量が減少する第2領域とを有するように構成され、
前記制御装置は、
前記第1領域および前記第2領域を通じて予め定められた前記制御弁の前記制御値と前記流量比との間の基準特性関係に照らして、前記制御弁の現在の制御値から求められる第1流量比と、前記第1検出温度、前記第2検出温度、および、前記第3検出温度から求められる第2流量比との偏差に基づいて、前記流量比の補正量を時系列に更新する処理を、前記制御値が前記第1領域内であるとき、および前記第2領域内であるときを通じて実行するとともに、前記補正量が反映された補正後の流量比を用いて前記制御弁の制御値を設定する、温水調温装置。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記第1流路または前記第2流路に配置された流量検出器をさらに備え、
前記制御装置は、前記流量検出器による検出流量と前記補正後の流量比とを用いて算出された前記トータル流量と前記第1検出温度および前記設定温度の温度差との積に従う必要加熱量が、前記加熱部の出力値が最大値のときにおける最大加熱量以下であるときには、前記制御弁の前記制御値を前記第1領域内に設定する一方で、前記必要加熱量が前記最大加熱量より大きいときには、前記制御弁の前記制御値を前記第2領域内に設定する、請求項1記載の温水調温装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記必要加熱量が前記最大加熱量以上のときには、前記トータル流量を、前記最大加熱量を前記温度差で除算して求められた最大流量以下に設定される目標流量に制御するように、前記第2領域内での前記制御弁の前記制御値を算出する、請求項2記載の温水調温装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記必要加熱量が前記最大加熱量より小さいときには、前記基準特性関係に照らして、出湯温度を設定温度に制御するために算出された目標流量比に対して補正量が反映された補正後の流量比から、制御弁の制御値を設定する、請求項2記載の温水調温装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記必要加熱量が前記最大加熱量より小さいときには、前記設定温度および前記第1検出温度の温度差と、前記第2検出温度および前記設定温度の温度差との比に従って、前記目標流量比を算出する、請求項4記載の温水調温装置。
【請求項6】
前記第2流量比は、前記第3検出温度および前記第1検出温度の温度差と、前記第2検出温度および前記第3検出温度の温度差との比に従って算出される、請求項1記載の温水調温装置。
【請求項7】
前記補正量は、前記偏差の推移を時間軸方向に平滑化することによって算出される、請求項1~6のいずれか1項記載の温水調温装置。
【請求項8】
前記補正量は、前記偏差の指数平滑演算によって算出される、請求項7記載の温水調温装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、温水調温装置に関し、より特定的には、高温水および低温水を混合するバイパスミキシング方式の温水調温装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
熱交換器を経由した高温水と、熱交換器をバイパスした低温水との流量比率の制御によって出湯温度を調整する、バイパスミキシング方式の温水調温装置が給湯器等に適用されている。
【0003】
特許第3067498号公報(特許文献1)には、高温水および低温水の流量比を制御するためのバイパス弁(分配弁)の弁開度を、ステッピングモータのステップ数によって制御する構成が記載されている。特許文献1には、バイパス弁におけるステップ数(弁開度)および流量比の間の予め求められた基準特性関係に従って、目標流量比から逆算された目標ステップ数を、補正ステップ数を用いて補正することによって、ステッピングモータのステップ数を設定することが記載されている。補正ステップ数は、検出温度から算出される実績流量比と目標流量比との偏差に基づいて算出される。
【0004】
また、特許4823149号公報(特許文献2)には、湯と水を混合して温水を出力する混合弁の一態様として、水導入口を全閉にした状態で湯量のみを絞る機能を併有するものが記載されている。具体的には、特許文献2の混合弁は、混合弁の弁開度に応じて、水導入口および湯導入口の開口面積が連動してそれぞれ漸減および漸増する第1領域と、水導入口を全閉にした状態で湯導入口の開口面積を最大値から最小値まで変化する第2領域とが存在する特性を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許3067498号公報
特許4823149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載された混合弁では、混合弁からの出力流量(即ち、水および湯の合計流量)には影響を与えずに流量比(混合比)が弁開度に応じて変化する第1領域と、水および湯の混合比が固定された下(全量が湯)で、混合弁からの出力流量が弁開度に応じて変化する第2領域とが存在することが理解される。
【0007】
ここで、特許文献2の混合弁を、特許文献1の給湯装置のバイパス弁に適用する構成を想定すると、上記第1の領域では、補正ステップ数を用いてバイパス弁の弁開度を制御することにより、バイパス弁の特性誤差を補償して高温水および低温水の流量比率を正確に設定することで、温度制御精度を高めることが期待できる。
【0008】
しかしながら、特許文献2の混合弁は、第2の領域では、弁開度、即ち、バイパス弁のステップ数に対して混合比が変化しないので、当該領域でのバイパス弁の特性誤差の補償が困難となることが懸念される。
【0009】
特に、特許文献2の混合弁について、水導入口の開度最小値を全閉よりも大きく設定することで、第2の領域では、水および湯の流量比(混合比)を0ではない一定値に固定する変形例を想定すると、当該第2領域でのバイパス弁の特性誤差の補償が不十分となることに起因して、温度制御精度が低下する虞がある。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、制御値の変化に対して流量比が変化しない領域を有する制御弁が適用されたバイパスミキシング方式の温水調温装置における温度制御精度を高めることである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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