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公開番号2024176871
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095714
出願日2023-06-09
発明の名称光分解性ポリマー
出願人国立大学法人山口大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08G 61/12 20060101AFI20241212BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の課題は、光などにより容易に分解する光分解性ポリマーを提供することである。
【解決手段】ラジカル分解可能部位として、式(1)で表される基を有する光分解性ポリマー重合用モノマーを含むことを特徴とする光分解性ポリマー。
(式中、R1及びR2は、独立して、アルキル基、又はアリール基を示す)
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024176871000021.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">7</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">84</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ラジカル分解可能部位として、式(1)で表される基を有する光分解性ポリマー重合用モノマー。
TIFF
2024176871000019.tif
7
84
(式中、R

及びR

は、独立して、アルキル基又はアリール基を示す。)
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
ラジカル分解可能部位として、式(2)で表される基を有する、請求項1に記載の光分解性ポリマー重合用モノマー。
TIFF
2024176871000020.tif
6
126
(式中、R

及びR

は、独立して、アルキル基又はアリール基を示し、Arは、芳香族環を示す。)
【請求項3】


及びR

が共にアルキル基である、請求項1又は2に記載の光分解性ポリマー重合用モノマー。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の光分解性ポリマー重合用モノマーを含むモノマーを重合させてなることを特徴とする光分解性ポリマー。
【請求項5】
光分解性ポリマーが、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、又はエポキシ樹脂である、請求項4に記載の光分解性ポリマー。
【請求項6】
請求項1に記載のラジカル分解可能部位として式(1)で表される基を有するモノマーを含むモノマーを重合すること、又は請求項2に記載のラジカル分解可能部位として式(2)で表される基を有するモノマーを含むモノマーを重合することによる、光分解性ポリマーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジカル分解可能部位を有する光分解性ポリマー重合用モノマー、かかるモノマーを含む光分解性ポリマー、及び光分解性ポリマーの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
世界のプラスチック(ポリマー)市場は、2022年に5,994億米ドルの市場価値から2030年末までに7,569億米ドルに達すると予測されている。これまでの合成ポリマーは、使用に際しての性能や耐久性等の特性を重視して設計されており、使用した後のポリマーの分解性やリサイクル性は十分考慮されていなかった。現在、使用済みのポリマー廃棄物は、埋立、焼却、又はメカニカルリサイクルのいずれかで処理されている。埋立による処理の場合には、ほとんどのポリマー廃棄物が難分解であるため、環境への蓄積と分解汚染とにより深刻な環境汚染問題を引き起こす可能性がある。また、焼却による処理については、サーマルリサイクルが適用されているものの、発電を含む熱利用としてはエネルギー回収効率が不十分であり、二酸化炭素の排出もあることから、本質的にはリサイクルとはいいにくい面がある。一方、メカニカルリサイクルは、例えば、PETボトルの場合には、選別、粉砕、洗浄の後、高温下で樹脂内部の汚染物質を拡散、除染、乾燥を経て、フレーク化するものであり、最も効率的な処理方法である。しかしながら、メカニカルリサイクルが適用できるポリマーは限定されていると共に、複合材料、積層材料、塗装材料、汚染された材料等のポリマー廃棄物の処理は困難であり、高コストであるとの問題がある。
【0003】
一方、マイクロプラスチック問題などの環境保全、そして、炭素循環の観点から、生分解性ポリマー「グリーン・ポリマー(GP)」の市場は、2020年に58億米ドル規模に達し、2030年には168億米ドル規模に達すると予測されている。しかし、GPの生分解する速度は環境条件(土中、水中、空気中等)に大きく影響され、しかも、全てのGPが常に好適な環境条件で生分解されるとは限らない。また、バガスやセルロース等の非可食性バイオマスを原料とするGPはいまだ高価なため、実用化に時間がかかっているため、生分解性ポリマーの多くはトウモロコシやサトウキビ等の食用作物を原料としており、生分解性ポリマーの多量な生産は深刻な食料不足を引き起こす懸念があると言われている。すなわち、生分解性ポリマーの生産を植物由来の原料に頼っていると、環境保全問題は解決しても、食糧問題を悪化させるというトレードオフの関係に直面する可能性がある。したがって、石油由来の安価なプラスチックに分解機能を付与することで、リサイクルやマイクロプラスチック問題に対応することが依然として必要である。
【0004】
ポリマーの分解技術としての光分解技術は、比較的古く、1960年代から知られており、ポリスチレンの光分解やケトン系ポリマーの光分解システムは一部では実用化もされている(非特許文献1)。さらに、1970年代からは、酵素分解や酸化チタンなどの光触媒によるポリマーの光分解も報告されている(非特許文献2)。
最近では、有機光触媒系を用いた、炭素-酸素結合の開裂による特殊な環状構造を有するポリマーの分解技術が報告されているが(非特許文献3)、対象は特定の構造を有するポリマーに限定されている。また、特許文献1には、ニトロ置換ベンジルを含む基を光分解性部位として利用する光分解性高分子化合物が記載されているが、ポリマー鎖を光分解性部位を介して連結するものであって、光分解性部位をモノマーとして用いるものではないことから、光分解性高分子化合物としての設計の自由度は低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-233137号公報
【非特許文献】
【0006】
N. Grassie, et al., Journal of AppliedPolymer Science, The Photooxidation of Polymers II. Photolysis of Polystyrene,Vol.9, pp.975-986 (1965)
加藤政雄、高分子、易分解性高分子、Vol.5、No.7・8、pp.409-411(1972)
Adam M. Freiberg et al.,Triggered Transience of Plastic Materials by a Single Electron TransferMechanism, ACS Cent Sci. 2020, 6. 266-273
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ラジカル分解部位を有するモノマーを用いることで、光分解性を備えるポリマーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、アルキルラジカルの研究に長年取り組み、その研究過程において、エステルの炭素-酸素結合を光触媒作用により切断し、アルキルラジカルを容易に生成できることを見出した。炭素-酸素結合はポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーに多く見られることから、本知見をポリマーに適用し、ラジカル分解可能部位を有するモノマーを含むモノマーを重合することで、ラジカル分解可能部位を組み込んだ光分解性ポリマーが得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0009】
すなわち、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。
(1)ラジカル分解可能部位として、式(1)で表される基を有する光分解性ポリマー重合用モノマー。
TIFF
2024176871000001.tif
7
84
(式中、R

及びR

は、独立して、アルキル基又はアリール基を示す。)
(2)ラジカル分解可能部位として、式(2)で表される基を有する、上記(1)に記載の光分解性ポリマー重合用モノマー。
TIFF
2024176871000002.tif
6
126
(式中、R

及びR

は、独立して、アルキル基又はアリール基を示し、Arは、芳香族環を示す。)
(3)R

及びR

が共にアルキル基である、上記(1)又は(2)に記載の光分解性ポリマー重合用モノマー。
(4)上記(1)又は(2)に記載の光分解性ポリマー重合用モノマーを含むモノマーを重合させてなることを特徴とする光分解性ポリマー。
(5)光分解性ポリマーが、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、又はエポキシ樹脂である、上記(4)に記載の光分解性ポリマー。
(6)上記(1)に記載のラジカル分解可能部位として式(1)で表される基を有するモノマーを含むモノマーを重合すること、又は上記(2)に記載のラジカル分解可能部位として式(2)で表される基を有するモノマーを含むモノマーを重合することによる、光分解性ポリマーの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光分解性ポリマー重合用モノマーはラジカル分解可能部位を有することから、かかるモノマーを含むモノマーを重合して得られるポリマーは光分解性を備えるものである。また、本発明の光分解性ポリマー重合用モノマーは炭素-酸素結合を切断する部位を有することから、炭素-酸素結合を有するポリマーに広く適用が可能である。
本発明の光分解性ポリマーは、ラジカル分解可能部位を有するモノマーを含むモノマーを重合することにより、ラジカル分解可能部位がポリマーの主鎖に組み込まれたポリマーであり、光触媒反応などにより、ラジカル分解可能部位が開裂することで、マイクロプラスチック化などを回避し、容易に分解する寿命のあるポリマーとして使用することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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